@6話 法の精神
ー/ー
「The woman who helped me.(僕を助けた女性)
この『who』こそが大事で、今まで関係のなかったもの同士に『関係』を持たせる機能と、『代名詞』の機能を併せ持った単語だからこそ『関係代名詞』。それこそが君ってことさ」
「……何で私なのよ」
恭吾の目的地は生徒会室であった。
生徒会室と言っても他の教室と何一つ変わらない。立派な机や椅子があるわけでも、特別ゴージャスなわけでもない。
そして副会長や書記、会計が会長の脇を固めていることも少ない。
恭吾のリサーチによると会長が一人でいることの方が圧倒的に多いことが分かっている。
「学校は校則などを立案する立法機関。そして生徒会長の君、え~と……」
「華咲恋実です」
「あぁ、そうゴメン。普段はこんなことないんだけどな……」
恋実から目を逸らし恥ずかしそうに顔を赤らめる恭吾。
眼鏡をかけている訳でも特別真面目そうだとか、ふざけている男子を注意しそうだとかそういう雰囲気はない。
そこに居たのは明るい感じのキュートな女子高校生だ。
(私は知ってるわよ、鳴海恭吾……)
「別に……いいですけど」
自分など眼中にないのかと思うと、決して気分の良い物ではない。ため息混じりの返事になる。
「良くない! 俺は学年全員の名前を覚えているんだ。それは誤解しないで欲しい」
恭吾の言葉の勢いで恋実の後ろでカーテンがわずかに揺れる。
「分かったわよ」
もはやどっちでもいいと言った想いが伏せた瞳から感じ取れる。
「それは納得してない感じだ。……知らないはずないじゃないか」
「そりゃ一応、生徒会長ですからね」
「違う……知ってたよ、ずっと前から」
「え?」
「……だって俺の中ではずっと2番だから……」
「どうせ私はいっつも2位ですよ、鳴海君の次」
恭吾が常に学年トップの定期テストにおいて、恋実は一度も勝てずにいるが2位を譲ったこともない。
結局己の自慢ですか! それを隠語のように隠した精一杯の返答は、恋実の一瞬の血圧上昇を隠すには至らなかった。
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「The woman who helped me.(僕を助けた女性)
この『who』こそが大事で、今まで関係のなかったもの同士に『関係』を持たせる機能と、『代名詞』の機能を併せ持った単語だからこそ『関係代名詞』。それこそが君ってことさ」
「……何で私なのよ」
恭吾の目的地は生徒会室であった。
生徒会室と言っても他の教室と何一つ変わらない。立派な机や椅子があるわけでも、特別ゴージャスなわけでもない。
そして副会長や書記、会計が会長の脇を固めていることも少ない。
恭吾のリサーチによると会長が一人でいることの方が圧倒的に多いことが分かっている。
「学校は校則などを立案する立法機関。そして生徒会長の君、え~と……」
「|華咲恋実《はなさきこのみ》です」
「あぁ、そうゴメン。普段はこんなことないんだけどな……」
恋実から目を逸らし恥ずかしそうに顔を赤らめる恭吾。
眼鏡をかけている訳でも特別真面目そうだとか、ふざけている男子を注意しそうだとかそういう雰囲気はない。
そこに居たのは明るい感じのキュートな女子高校生だ。
(私は知ってるわよ、鳴海恭吾……)
「別に……いいですけど」
自分など眼中にないのかと思うと、決して気分の良い物ではない。ため息混じりの返事になる。
「良くない! 俺は学年全員の名前を覚えているんだ。それは誤解しないで欲しい」
恭吾の言葉の勢いで恋実の後ろでカーテンがわずかに揺れる。
「分かったわよ」
もはやどっちでもいいと言った想いが伏せた瞳から感じ取れる。
「それは納得してない感じだ。……知らないはずないじゃないか」
「そりゃ一応、生徒会長ですからね」
「違う……知ってたよ、ずっと前から」
「え?」
「……だって俺の中ではずっと2番だから……」
「どうせ私はいっつも2位ですよ、鳴海君の次」
恭吾が常に学年トップの定期テストにおいて、恋実は一度も勝てずにいるが2位を譲ったこともない。
結局己の自慢ですか! それを隠語のように隠した精一杯の返答は、恋実の一瞬の血圧上昇を隠すには至らなかった。