5
ー/ー「そんなわけは……いや、そんな」
コタローに例の話をしてみたんだ。そう、アケビが誰に襲われたのかって。
あの時、コタローはジンと一緒に彼女を手当したんだって。けど「イタチの気配を感じた後に、ジンが来たんです。その時間差を考えると……」
ほんのわずかな時間。ジンがアケビを襲ってその後コタローに会って。なんてめんどくさい事するかな?
俺はジンが犯人だと信じたくはない。もちろんコタローもだ。
だからこそ、明日2人でジンに会おうってことで約束した。とりあえずアケビも返して、俺も家に戻らなきゃいけないし、また居眠りしてコタローに迷惑かけたくないし。
⭐︎⭐︎⭐︎
待ち合わせ時間きっちり。それは俺もコタローも一緒だった。
けどあいつはちょっと沈んだ顔してる、あ、やっぱりそれは俺も変わらないけどね。
……けど、あの場所にジンはいなかったんだ。いつものおばさんの家に。
しかも庭のところには犬小屋らしき残骸に、たくさんの白い毛と血の跡が、あたり一面に散らばっていた。
さあっと、俺たちの背筋に冷たいものが走った。言葉もでない、なんなんだよこれ!
「今日の明け方ね、シロちゃんが野犬の群れと大げんかしちゃったのよ……」
1人住まいのおばさんは、ハンカチで時々涙を拭いながら俺たちに話してくれた。
何匹いたのかは怖くて分からなかったけど、話を聞くからにはたくさんの唸り声と吠え声が聞こえてきて、それが収まった後にはボロ雑巾のように横たわっていたジンの姿があったんだって。
おばさんは急いで警察呼んで、動物病院にジンを運んで行って……結果的に以前学校のホームルームで話してた野犬がジンを襲ったんじゃないかって。
あいつもたくさん血を流していたから、いまだにおばさんも会うことは無理みたい。いわゆる面会謝絶ってやつかな。
「……ワケわかんねえよ!」それしか俺は言葉が出なかった。
イタチ連中の残党がリベンジに来たとかならまだ分かるけど、野犬の群れ? しかもめっちゃ強いジンですら瀕死の重傷になっちゃったって……またヤバい敵が現れたってことなのかな?
「タケル……調べてもらえますか?」
コタローが現場の足元に散乱していた毛をひとつまみ。俺の鼻先に突き出した。
限りなく黒に近い焦茶色。間違いなく犯人のだ。
「人間の時でも、鼻は効きますよね?」
俺は黙ってうなづいた。まあ確かにワーウルフの時よりかはちょい劣るかもしれないけど、匂いの道筋をたどるくらいならばどうにか!
くしゃみするのを我慢しつつ、抜けた毛の匂いを探る……うわ、洗ってない犬の臭いだこれ。
そこから「見えて」きた匂いの道を探ると……分かる。まるで蛍光ペンで描いた道筋のような、もしくは……えっと、学校の授業でちょっとのぞかせてもらったVRだかARってやつみたいな道筋が浮かんで来たんだ。ちょっと面白い。
けど……俺が調べるよりか、ジンが治ったら聞いてみた方のがいいんじゃないのかな?
「もっと厄介な存在なように思えるんです」そんなコタローの目は、すごく真剣だった。
「この前僕たちが倒したコアラとかより、もっとヤバそうな……だから」
ごくりと、コタローの乾いた喉が鳴った。
「タケルは、命に代えても僕が護ります」
コタローに例の話をしてみたんだ。そう、アケビが誰に襲われたのかって。
あの時、コタローはジンと一緒に彼女を手当したんだって。けど「イタチの気配を感じた後に、ジンが来たんです。その時間差を考えると……」
ほんのわずかな時間。ジンがアケビを襲ってその後コタローに会って。なんてめんどくさい事するかな?
俺はジンが犯人だと信じたくはない。もちろんコタローもだ。
だからこそ、明日2人でジンに会おうってことで約束した。とりあえずアケビも返して、俺も家に戻らなきゃいけないし、また居眠りしてコタローに迷惑かけたくないし。
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待ち合わせ時間きっちり。それは俺もコタローも一緒だった。
けどあいつはちょっと沈んだ顔してる、あ、やっぱりそれは俺も変わらないけどね。
……けど、あの場所にジンはいなかったんだ。いつものおばさんの家に。
しかも庭のところには犬小屋らしき残骸に、たくさんの白い毛と血の跡が、あたり一面に散らばっていた。
さあっと、俺たちの背筋に冷たいものが走った。言葉もでない、なんなんだよこれ!
「今日の明け方ね、シロちゃんが野犬の群れと大げんかしちゃったのよ……」
1人住まいのおばさんは、ハンカチで時々涙を拭いながら俺たちに話してくれた。
何匹いたのかは怖くて分からなかったけど、話を聞くからにはたくさんの唸り声と吠え声が聞こえてきて、それが収まった後にはボロ雑巾のように横たわっていたジンの姿があったんだって。
おばさんは急いで警察呼んで、動物病院にジンを運んで行って……結果的に以前学校のホームルームで話してた野犬がジンを襲ったんじゃないかって。
あいつもたくさん血を流していたから、いまだにおばさんも会うことは無理みたい。いわゆる面会謝絶ってやつかな。
「……ワケわかんねえよ!」それしか俺は言葉が出なかった。
イタチ連中の残党がリベンジに来たとかならまだ分かるけど、野犬の群れ? しかもめっちゃ強いジンですら瀕死の重傷になっちゃったって……またヤバい敵が現れたってことなのかな?
「タケル……調べてもらえますか?」
コタローが現場の足元に散乱していた毛をひとつまみ。俺の鼻先に突き出した。
限りなく黒に近い焦茶色。間違いなく犯人のだ。
「人間の時でも、鼻は効きますよね?」
俺は黙ってうなづいた。まあ確かにワーウルフの時よりかはちょい劣るかもしれないけど、匂いの道筋をたどるくらいならばどうにか!
くしゃみするのを我慢しつつ、抜けた毛の匂いを探る……うわ、洗ってない犬の臭いだこれ。
そこから「見えて」きた匂いの道を探ると……分かる。まるで蛍光ペンで描いた道筋のような、もしくは……えっと、学校の授業でちょっとのぞかせてもらったVRだかARってやつみたいな道筋が浮かんで来たんだ。ちょっと面白い。
けど……俺が調べるよりか、ジンが治ったら聞いてみた方のがいいんじゃないのかな?
「もっと厄介な存在なように思えるんです」そんなコタローの目は、すごく真剣だった。
「この前僕たちが倒したコアラとかより、もっとヤバそうな……だから」
ごくりと、コタローの乾いた喉が鳴った。
「タケルは、命に代えても僕が護ります」
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