表示設定
表示設定
目次 目次




好きな人に何故か避けられた

ー/ー



朝登校し、下駄箱から上履きを取り出すときだった。
靴を取り出した拍子にハラっと何かが床に落ち、それを拾った。一枚の手紙。マジか、これってまさか……

「えっお前それラブレターじゃん!」

隣の柊が気付いてこっちを覗いてそう言った。

「柊声がでかい」

「ごめんごめん。でもすげえな。お前まだ1年だぞ」

「初めて貰った……」

ラブレターなんて、ただの妄想に過ぎないと思っていたもんだけど、本当にあるんだな。

「え、開けてみろよ!」

「お、おう」

ぎこちなく返し、封を開けて中に入っていた一枚の紙を見た。

「『よければ今日の夕方の5時、体育館裏に来てください』だって。名前は書いてない」

「やっぱラブレターじゃん!ちゃんと女子っぽい文字だし」

何故か見覚えのある文字。
これはまさか……白鳥(アイツ)からの可能性がある⁈

「晴怜それ行くのか?」

も、もし白鳥からだったらどうする??こんなチャンス滅多にないし、行かないかったら逆に嫌われそう……。かと言って違う子だったらどうする!ウキウキで期待して行ったら全然違う子だったら自分が恥ずかしすぎるッッ。相手にも申し訳なくならないか??でもここは白鳥だと信じて言った方が良いか……?いやどちらにしろ行かないと相手悲しむだろ!!

「行こうかな」

「行くのか!誰か楽しみだな!」


朝、教室に着いて少しすると白鳥と国代がちょっと、いや大分いつもと雰囲気が違う感じで入ってきた。違う雰囲気ってのはなんていうか……どんよりしてる白鳥を国代が助けてる、みたいな。
昨日借りた答えを返さなきゃいけないんだけど……なんか話しかけにくい。悪い事でもあったのだろうか。
席に鞄を置いた白鳥の近くに行き、思い切って話しかけに行く。

「あの白鳥、昨日の__」

「ごめん、今から行かなきゃだから」

そう言って俺の話を振り切ってどこかに行ってしまった。
こりゃあ大分落ち込んでんな。それか俺、何かした?

その後も、話しかけようと近づいたらまたどこかに走っていき、答えを返すタイミングを失ってしまった。その間になんでか俺がラブレター貰ったことが広がっていた。
この学年噂流れんの早すぎだろ。くっそ柊があんなデカい声出さなかったら……。そもそも周りに人も結構いたから仕方ないのかもしれない。

「お前なんかやらかした?」

「んーそんな覚えないんだけど……」

「原因わかってないと嫌われる一方だぞ」

「経験者が語ってんな」

「ハハ……」

あの様子じゃ、手紙の主は白鳥ではなさそう。……いや、緊張しすぎて話しかけにくいとかは?ないか。ないよな。うわ、そんなこと考えてる俺がキモくなってきた。

放課後、体育館裏にこっそりと行った。
案の定、待っていたのは藍萌ではない、中学が同じの子だった。

「内海くん、あの……ち、中学の時から好きでした!付き合ってください!」

出せられる声を全部出したような必死な声を聴くと、申し訳なくて仕方がない。

「ごめん……付き合えない」

好きな人がいることは、仲が良い人か好きな人にしか言ってない。

「た、試しに付き合ってみるとか、できないかな……?」

「ごめん、俺、遊び半分で恋愛したくないんだ」

少しの間、沈黙が流れる。

「そっか……わかった。忙しいのに来てくれてありがとう。じゃあね」

そう言って、下の方を向きながら校舎の方へ走っていった。
俺の選択は、間違ってなかったよな?
時に誰かを傷つける「恋愛」って、やっぱり恐ろしい。
俺も、勇気出さなきゃな。って言っても、答えは絶対返さないとだ。

「うん!美味しくいただきます」

「良かった。じゃあな」

「うん」

グミを見たときの顔、すげぇ可愛かった……。無理だ、やっぱりアイツの不意打ちには勝てないッッ。

ちゃんと話せてたかな。先に麻薙たちに白鳥の好きなグミ訊いてって柊に言っといて良かった。

……ほんと俺、そういうとこ白鳥の言う通り臆病だな。
いつか白鳥を真っ先に守れるように、臆病ってのから抜け出さないと。


スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む もしかして……彼氏?


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



朝登校し、下駄箱から上履きを取り出すときだった。
靴を取り出した拍子にハラっと何かが床に落ち、それを拾った。一枚の手紙。マジか、これってまさか……
「えっお前それラブレターじゃん!」
隣の柊が気付いてこっちを覗いてそう言った。
「柊声がでかい」
「ごめんごめん。でもすげえな。お前まだ1年だぞ」
「初めて貰った……」
ラブレターなんて、ただの妄想に過ぎないと思っていたもんだけど、本当にあるんだな。
「え、開けてみろよ!」
「お、おう」
ぎこちなく返し、封を開けて中に入っていた一枚の紙を見た。
「『よければ今日の夕方の5時、体育館裏に来てください』だって。名前は書いてない」
「やっぱラブレターじゃん!ちゃんと女子っぽい文字だし」
何故か見覚えのある文字。
これはまさか……|白鳥《アイツ》からの可能性がある⁈
「晴怜それ行くのか?」
も、もし白鳥からだったらどうする??こんなチャンス滅多にないし、行かないかったら逆に嫌われそう……。かと言って違う子だったらどうする!ウキウキで期待して行ったら全然違う子だったら自分が恥ずかしすぎるッッ。相手にも申し訳なくならないか??でもここは白鳥だと信じて言った方が良いか……?いやどちらにしろ行かないと相手悲しむだろ!!
「行こうかな」
「行くのか!誰か楽しみだな!」
朝、教室に着いて少しすると白鳥と国代がちょっと、いや大分いつもと雰囲気が違う感じで入ってきた。違う雰囲気ってのはなんていうか……どんよりしてる白鳥を国代が助けてる、みたいな。
昨日借りた答えを返さなきゃいけないんだけど……なんか話しかけにくい。悪い事でもあったのだろうか。
席に鞄を置いた白鳥の近くに行き、思い切って話しかけに行く。
「あの白鳥、昨日の__」
「ごめん、今から行かなきゃだから」
そう言って俺の話を振り切ってどこかに行ってしまった。
こりゃあ大分落ち込んでんな。それか俺、何かした?
その後も、話しかけようと近づいたらまたどこかに走っていき、答えを返すタイミングを失ってしまった。その間になんでか俺がラブレター貰ったことが広がっていた。
この学年噂流れんの早すぎだろ。くっそ柊があんなデカい声出さなかったら……。そもそも周りに人も結構いたから仕方ないのかもしれない。
「お前なんかやらかした?」
「んーそんな覚えないんだけど……」
「原因わかってないと嫌われる一方だぞ」
「経験者が語ってんな」
「ハハ……」
あの様子じゃ、手紙の主は白鳥ではなさそう。……いや、緊張しすぎて話しかけにくいとかは?ないか。ないよな。うわ、そんなこと考えてる俺がキモくなってきた。
放課後、体育館裏にこっそりと行った。
案の定、待っていたのは藍萌ではない、中学が同じの子だった。
「内海くん、あの……ち、中学の時から好きでした!付き合ってください!」
出せられる声を全部出したような必死な声を聴くと、申し訳なくて仕方がない。
「ごめん……付き合えない」
好きな人がいることは、仲が良い人か好きな人にしか言ってない。
「た、試しに付き合ってみるとか、できないかな……?」
「ごめん、俺、遊び半分で恋愛したくないんだ」
少しの間、沈黙が流れる。
「そっか……わかった。忙しいのに来てくれてありがとう。じゃあね」
そう言って、下の方を向きながら校舎の方へ走っていった。
俺の選択は、間違ってなかったよな?
時に誰かを傷つける「恋愛」って、やっぱり恐ろしい。
俺も、勇気出さなきゃな。って言っても、答えは絶対返さないとだ。
「うん!美味しくいただきます」
「良かった。じゃあな」
「うん」
グミを見たときの顔、すげぇ可愛かった……。無理だ、やっぱりアイツの不意打ちには勝てないッッ。
ちゃんと話せてたかな。先に麻薙たちに白鳥の好きなグミ訊いてって柊に言っといて良かった。
……ほんと俺、そういうとこ白鳥の言う通り臆病だな。
いつか白鳥を真っ先に守れるように、臆病ってのから抜け出さないと。