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監禁生活(チトヤ視点)

ー/ー



 マツリを監禁してから一週間が過ぎた。
 チトヤは毎日マツリの朝ごはんと昼ご飯を用意して、とにかく大事にしてきた。
 そのおかげなのか、マツリはとても心を開いてきているとチトヤは実感している。
 まぁ、本人にこれを言うと怒られるのだろうし言わないが……。

「おにいさん。何か悩み事ですか?」
 「彼女がなつきやすくてね。」
 「ん?」
 「なんかおやつでもあげたらどこにでもついて行くし何でもしそうな気がして。」
 「ん?」

 チトヤに声をおかけたのは黒髪の可愛い女の子だった。
 警察官の服を着ていて、長い真っ黒い髪を一つにくくっている。

 「本当に、あんなバカがいるなんて。」
 「DVはダメですよ?」
 「そうですね。」
 「彼女さんはいくつですか?」
 「二十七……だったかなぁ。」
 「三十路!彼女さん、相当かわいいんですね?」
 「かわいい。うん。かわいいよ。ストーカーに気づかないところも、自分がブラックな職場で働いてることに気づかないところも。騙されてツボ買うのも。うん。かわいいよ。」
 「大変そうですね。何かあったら相談してください。」

 警察官はそう言って名刺をチトヤに渡した。
 名刺にはアスカという名前が書いてあった。
 この女警察官の名前だろう。
 チトヤはそれを見てニッコリと笑った。
 まるで心配ご無用とでもいうように。
 すると、警察官は怪しいとでもいうような目でチトヤを見ていた。

 「大丈夫ですよ。」
 「彼女さんに渡していただえると光栄です。」
 「考えときます。」

チトヤはそう言って立ち上がった。
別に悪いことをしているようなそんなことは無い。
しかし、疑われてコソコソ調べられるのも良いものでは無い。
まぁ、それなりにマツリとは良い関係を築けているためそこまで気にすることでは無いが。

「……なんだ?」
「あ、いや……その。」
「なにかお困り事でも?」

チトヤはマンションの前でウロウロとしている男にそう尋ねた。
チトヤの中でその男は、近所に住んでいるようでよく徘徊しているという認識でしかない。
いつもなら無視するが、今日は虫の居所が悪いため声をかけてみた。

「こ、この女の子を知りませんか?電話も通じなくて。」

そこに映っていたのはマツリだった。
ニッコリとした笑顔で立っている彼女は、カメラ目線とはまた違うような気がする。
「盗撮」という2文字がチトヤの頭の中に浮かぶ。

「なぜ、彼女を探しているのですか?」
「会社の同僚で……。仲良くしていたので。」
「……そうですか。見つかると良いですね?」

チトヤはそう言って少し笑う。
マツリに仲の良い同僚が居るなんて聞いたことも見た事もない。
だから、すぐにこの男の言っていることは嘘だとわかった。

(こんなのまで作ってマツリの可愛さを広げるなんて。)


男の正体が分からない限りマツリにはこのことは言わないようにしようとチトヤは思った。


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 マツリを監禁してから一週間が過ぎた。
 チトヤは毎日マツリの朝ごはんと昼ご飯を用意して、とにかく大事にしてきた。
 そのおかげなのか、マツリはとても心を開いてきているとチトヤは実感している。
 まぁ、本人にこれを言うと怒られるのだろうし言わないが……。
「おにいさん。何か悩み事ですか?」
 「彼女がなつきやすくてね。」
 「ん?」
 「なんかおやつでもあげたらどこにでもついて行くし何でもしそうな気がして。」
 「ん?」
 チトヤに声をおかけたのは黒髪の可愛い女の子だった。
 警察官の服を着ていて、長い真っ黒い髪を一つにくくっている。
 「本当に、あんなバカがいるなんて。」
 「DVはダメですよ?」
 「そうですね。」
 「彼女さんはいくつですか?」
 「二十七……だったかなぁ。」
 「三十路!彼女さん、相当かわいいんですね?」
 「かわいい。うん。かわいいよ。ストーカーに気づかないところも、自分がブラックな職場で働いてることに気づかないところも。騙されてツボ買うのも。うん。かわいいよ。」
 「大変そうですね。何かあったら相談してください。」
 警察官はそう言って名刺をチトヤに渡した。
 名刺にはアスカという名前が書いてあった。
 この女警察官の名前だろう。
 チトヤはそれを見てニッコリと笑った。
 まるで心配ご無用とでもいうように。
 すると、警察官は怪しいとでもいうような目でチトヤを見ていた。
 「大丈夫ですよ。」
 「彼女さんに渡していただえると光栄です。」
 「考えときます。」
チトヤはそう言って立ち上がった。
別に悪いことをしているようなそんなことは無い。
しかし、疑われてコソコソ調べられるのも良いものでは無い。
まぁ、それなりにマツリとは良い関係を築けているためそこまで気にすることでは無いが。
「……なんだ?」
「あ、いや……その。」
「なにかお困り事でも?」
チトヤはマンションの前でウロウロとしている男にそう尋ねた。
チトヤの中でその男は、近所に住んでいるようでよく徘徊しているという認識でしかない。
いつもなら無視するが、今日は虫の居所が悪いため声をかけてみた。
「こ、この女の子を知りませんか?電話も通じなくて。」
そこに映っていたのはマツリだった。
ニッコリとした笑顔で立っている彼女は、カメラ目線とはまた違うような気がする。
「盗撮」という2文字がチトヤの頭の中に浮かぶ。
「なぜ、彼女を探しているのですか?」
「会社の同僚で……。仲良くしていたので。」
「……そうですか。見つかると良いですね?」
チトヤはそう言って少し笑う。
マツリに仲の良い同僚が居るなんて聞いたことも見た事もない。
だから、すぐにこの男の言っていることは嘘だとわかった。
(こんなのまで作ってマツリの可愛さを広げるなんて。)
男の正体が分からない限りマツリにはこのことは言わないようにしようとチトヤは思った。