元彼は束縛強めです
ー/ー 真夜中の路地。
裏路地では無いものの人気は少なくて、街灯も少ないためどことなく暗い道。
いつも君と歩いてた。
君はいつも周りをキョロキョロとしていて不安そう。
だから、守ってあげたいんだ。
だから、逃げないでよ。
「マツリちゃん。」
「おい、それで終わると思うなよ?」
私はその声でふと目が覚めた。
知らない部屋……という訳でもない。
なんならよく知っている部屋だ。
マンションの一室、角部屋。
昼にはいつも温かい日差しが差し込む。
そう、いつもなら過ごしやすい部屋なのだ。
いつもなら。
今の私の服装ワンピースにカーディガンを羽織っている。
靴下は履いていなかった。
脱がされたのか、もともと履いていなかったのかわからない。
もっと言うと、どうやってここに来たのかも覚えていない。
仕事の帰り道だったと思うのだが、仕事から家までの道までここのマンションの前は通らないはずだ。
あぁ、これで死ぬのか。
「何が目的?」
「急に別れるとか意味わかんねぇし。」
「もう他人。」
「意味わかんねぇ。」
「無理。」
「……マツリ、何か食べたいか?」
「へ?」
私がつい先日振った元彼、チトヤは私の名前を呼びながら冷蔵庫を開けた。
そういう素振りもなく、急に言われたことで私は何も答えられない。
「マツリはエビフライが好きだったよな。」
「あ、う……うん。」
「んじゃ、作るから待ってて。」
チトヤはいつものように簡単そうな手つきで料理を作る。
美味しそうな匂いがどんどん強くなる。
毒でも混ぜられるんじゃ。
「チトヤ……」
「ん?」
「私も手伝う。」
そう私が言った瞬間、チトヤはすごく嫌そうな顔をした。
怒らせるようなことをした記憶はない。
だが、私のその一言が気に入らなかったのだろう。
睨むような目。
さっきまでとは全く違う怖い顔。
「……いい。座っていてくれ。」
「……え……あ、でも……。」
「怪我するかもしれないだろ?だから、座っててくれ。」
チトヤは叫ぶような声で私にそう言う。
何がそうさせているのか分からないが、とても怖い。
次こそ殺されると思ってしまう。
「あの……さ、別れたよね?私たち……、」
「……。」
「なんで私はここにいるの?」
「……、」
「な、何か言ってよ!」
「……一生一緒にいるって言ったじゃん。」
「はぁ?」
「あれは嘘だったって言いたいのか?あぁ?あの言葉は嘘だったのか?」
「っ、そんなの誰にでも言うじゃん!彼氏には、誰にでも!」
チトヤはそう言いながら私にナイフを向けてきた。
怒らせちゃいけないなんて誰でも分かる。
しかし、この時の私は何も考えずにチトヤに対してそう言ってしまっていたのだ。
悲しいが、私はここで死ぬらしい。
元々重いヤツだとは思っていたし、別に今頃刺されても問題は無いのだが……。
(あーあ、どうせなら働かずに外にも出ずに裕福な暮らしがしたかったなぁ。どうせ、私を心配する人もいないし。)
「……んな事言うな。」
「へ?」
チトヤは私にナイフを向けたまま、ボソリと低い声でそう言った。
「俺だけには言うな……そういうことは。」
チトヤはそう言って、料理の続きを始める。
刺されると思っていた私はそのままおとなしく元居た位置に座り込む。
料理はどんどん出来上がっていく。
いいにおいがしてくる。
一緒に住んでいた時も、チトヤは料理がうまかった。
料理だけではなく家事をすべてやってくれていた。
私の好きなもの、欲しいもの、そのすべてをわかってくれている感じがした。
でも、チトヤの愛は重過ぎる。
「ほら出来たぞ。」
「……あ、ありがとう。」
机の上に私の好物が並ぶ。
昔から好きだったエビフライ。
ポテトサラダと炊き立てのご飯。
一つを除いてすべてが好物。
「これ好きだったよな。」
「……もとは嫌いだったよ。」
卵スープを見て私は嫌な顔をする。
チトヤの得意料理で、おいしかったから好きになっただけ。
それまでは卵スープをおいしいとは感じたことがなかった。
「そうだったのか。でも、いつもおいしそうに食べてただろ。」
「……。」
あまりしゃべりたくない。
食べ終わったら無理やりでも出ていくつもりだ。
少なくとも、チトヤとは一緒にいたくない。
「おいしいか?」
「……食べたら出ていく。」
機嫌の良さそうなチトヤを横目に私はそう言い捨てる。
チトヤはその言葉を聞いてどんな顔をしているのだろうか。
見たくもなければ考えたくもない。
怖くて見られないというのが本音だ。
「なんで?」
「私は、将来働かずに寝て過ごしたいの。遊び暮らしたい。まだ死にたくない。こんなの監禁じゃん。犯罪だよ。」
「監禁じゃない。同棲だ。」
「意味わかんない。」
チトヤとは会話にならないなと思った。
今の状況は監禁とは言わずもがな軟禁状態とはいえるだろう。
ちゃんと説明すれば誰がどう見てもそう思うだろうといえる。
(絶対、逃げなきゃ……。)
私はそう心に誓った。
裏路地では無いものの人気は少なくて、街灯も少ないためどことなく暗い道。
いつも君と歩いてた。
君はいつも周りをキョロキョロとしていて不安そう。
だから、守ってあげたいんだ。
だから、逃げないでよ。
「マツリちゃん。」
「おい、それで終わると思うなよ?」
私はその声でふと目が覚めた。
知らない部屋……という訳でもない。
なんならよく知っている部屋だ。
マンションの一室、角部屋。
昼にはいつも温かい日差しが差し込む。
そう、いつもなら過ごしやすい部屋なのだ。
いつもなら。
今の私の服装ワンピースにカーディガンを羽織っている。
靴下は履いていなかった。
脱がされたのか、もともと履いていなかったのかわからない。
もっと言うと、どうやってここに来たのかも覚えていない。
仕事の帰り道だったと思うのだが、仕事から家までの道までここのマンションの前は通らないはずだ。
あぁ、これで死ぬのか。
「何が目的?」
「急に別れるとか意味わかんねぇし。」
「もう他人。」
「意味わかんねぇ。」
「無理。」
「……マツリ、何か食べたいか?」
「へ?」
私がつい先日振った元彼、チトヤは私の名前を呼びながら冷蔵庫を開けた。
そういう素振りもなく、急に言われたことで私は何も答えられない。
「マツリはエビフライが好きだったよな。」
「あ、う……うん。」
「んじゃ、作るから待ってて。」
チトヤはいつものように簡単そうな手つきで料理を作る。
美味しそうな匂いがどんどん強くなる。
毒でも混ぜられるんじゃ。
「チトヤ……」
「ん?」
「私も手伝う。」
そう私が言った瞬間、チトヤはすごく嫌そうな顔をした。
怒らせるようなことをした記憶はない。
だが、私のその一言が気に入らなかったのだろう。
睨むような目。
さっきまでとは全く違う怖い顔。
「……いい。座っていてくれ。」
「……え……あ、でも……。」
「怪我するかもしれないだろ?だから、座っててくれ。」
チトヤは叫ぶような声で私にそう言う。
何がそうさせているのか分からないが、とても怖い。
次こそ殺されると思ってしまう。
「あの……さ、別れたよね?私たち……、」
「……。」
「なんで私はここにいるの?」
「……、」
「な、何か言ってよ!」
「……一生一緒にいるって言ったじゃん。」
「はぁ?」
「あれは嘘だったって言いたいのか?あぁ?あの言葉は嘘だったのか?」
「っ、そんなの誰にでも言うじゃん!彼氏には、誰にでも!」
チトヤはそう言いながら私にナイフを向けてきた。
怒らせちゃいけないなんて誰でも分かる。
しかし、この時の私は何も考えずにチトヤに対してそう言ってしまっていたのだ。
悲しいが、私はここで死ぬらしい。
元々重いヤツだとは思っていたし、別に今頃刺されても問題は無いのだが……。
(あーあ、どうせなら働かずに外にも出ずに裕福な暮らしがしたかったなぁ。どうせ、私を心配する人もいないし。)
「……んな事言うな。」
「へ?」
チトヤは私にナイフを向けたまま、ボソリと低い声でそう言った。
「俺だけには言うな……そういうことは。」
チトヤはそう言って、料理の続きを始める。
刺されると思っていた私はそのままおとなしく元居た位置に座り込む。
料理はどんどん出来上がっていく。
いいにおいがしてくる。
一緒に住んでいた時も、チトヤは料理がうまかった。
料理だけではなく家事をすべてやってくれていた。
私の好きなもの、欲しいもの、そのすべてをわかってくれている感じがした。
でも、チトヤの愛は重過ぎる。
「ほら出来たぞ。」
「……あ、ありがとう。」
机の上に私の好物が並ぶ。
昔から好きだったエビフライ。
ポテトサラダと炊き立てのご飯。
一つを除いてすべてが好物。
「これ好きだったよな。」
「……もとは嫌いだったよ。」
卵スープを見て私は嫌な顔をする。
チトヤの得意料理で、おいしかったから好きになっただけ。
それまでは卵スープをおいしいとは感じたことがなかった。
「そうだったのか。でも、いつもおいしそうに食べてただろ。」
「……。」
あまりしゃべりたくない。
食べ終わったら無理やりでも出ていくつもりだ。
少なくとも、チトヤとは一緒にいたくない。
「おいしいか?」
「……食べたら出ていく。」
機嫌の良さそうなチトヤを横目に私はそう言い捨てる。
チトヤはその言葉を聞いてどんな顔をしているのだろうか。
見たくもなければ考えたくもない。
怖くて見られないというのが本音だ。
「なんで?」
「私は、将来働かずに寝て過ごしたいの。遊び暮らしたい。まだ死にたくない。こんなの監禁じゃん。犯罪だよ。」
「監禁じゃない。同棲だ。」
「意味わかんない。」
チトヤとは会話にならないなと思った。
今の状況は監禁とは言わずもがな軟禁状態とはいえるだろう。
ちゃんと説明すれば誰がどう見てもそう思うだろうといえる。
(絶対、逃げなきゃ……。)
私はそう心に誓った。
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