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その2

ー/ー



私の名前は田中健二。今年で45才。いわゆるアラフィフだ。

今、私はモーレツに感動している。
テレビの中で歌い踊る「彼」。
Star☆Dreamのユウくんに。

この時の私は、もちろん、グループのこともユウくんのことも知らなかった訳だが、とにかく「彼」は眩しかった。
話を戻そう。
その夜、衝撃の出会いを遂げた私は、興奮で寝付けなかった。
「彼」は何だ?何者なのだ。
気になって気になって眠れない。
頼りは、テレビ画面に出ていた、Star☆Dreamというグループ名だけ。
そして、「彼」はそのセンター(中心)だったということ。
それにしても、初めて聞くグループ名だった。デビューしたてなのだろうか?CDは出しているのだろうか?認知度はどうなんだろうか?ユイに聞いてみるか?いや、そんなことでは父としての威厳が。しかし。背に腹は代えられない!
翌朝。
「ユイ。Star☆Dreamって知ってるか?」
・・・しまった!ストレート過ぎたっ!!
「あー、なんか最近売り出し中のグループじゃなかったかな?なんで?」
「い、いや、ちょっと会社の子が話しててね。。。」
「まだ、そんなに人気ないと思うよ。確か、どこかのライブハウスで活動してた気がする。地下アイドルっぽい。」
「地下アイドルか。」
ということは、まだライバル(ファン)が少ないということか。
「ユイ。ありがとう。助かるよ。」
「どういたしまして。部下とのコミュ力、大事だからね。」ユイは流石に現役女子高生でもあるし、アイドルを推しているだけあって事情に詳しい。よし、あとはスマホで調べてみよう。
Star☆Dream、略してスタドリ。メンバーは、絶対的センターのユウくん、リーダーのコウくん、メンバー1のイケメンのリョウくん、体育会系のケンくん、グループの末っ子キャラのタクミくんの5人。釜田のライブハウス「ドリーム」を中心に活動。
近いじゃないか!!会社の定期券で行ける!!(重要)
直近のライブの予定は・・・明後日だ!
時間は・・・19時START!
行けるっ!!
それまでに曲を聴き込まなくては。ユイに教えてもらった「スポイティ」でと・・・。スタドリは、1曲しかないぞ。売り出し中だから仕方ないか。妻にはどう説明しよう。。。珍しく残業になったとでも言うか。何か準備していくものはないのか。ペンライトとか?うーん、わからない。そういえば、チケットってどうやって買うんだろう?まさかチケットセンターに電話するとかじゃないだろうし。とりあえず、行くだけ行ってみるか。こんなおじさんでも大丈夫だろうか?変に思われるんじゃないか?・・・・・・・・・・・・・・・・。

むー、考えても仕方ない!突撃あるのみ!
そして、悩んでいるうちにあっという間にライブ当日が来てしまった。
当然、仕事に身が入るわけもなく。ただ机の前に座っているだけで時間が過ぎた。18時。さあ、私の本当の戦いはこれからだっ!
ライブハウス「ドリーム」。
釜田駅近くの雑居ビルの地下に、その戦場はある。
スーツにネクタイに革靴。ビジネスバックという、完全武装(サラリーマン)の私は、初陣の期待と不安を胸に戦地に赴く。さあ、いざ釜田!ライブハウスの入り口には、同じ戦地に赴くであろう戦友たちが何人か。
その列の最後尾に並ぶ。。。「おじさん、スタドリのライブ初めて?」
いきなり背後から声を掛けられた。
振り返ると、そこにはユイよりも少し年上だろうか?小柄な娘がいた。
「あ、初めてだけど。。。」
「おじさんさぁ、緊張が顔に出てるよ。リラックス、リラックス。」
「あ、すいません。。。」
つい敬語になってしまった。情けない。
「私がいろいろ教えてあげるから。一緒に観ようよ。仲間多い方が楽しいし。」
「いいのかい?」
「もちろん。」
娘ほど年が違う女の子なのに、とっても頼もしい。私は良い戦友に恵まれたっ!

「ライブハウスはさあ。入るときに受付でチケ代払うの。」
「ふむふむ。」
「あ、ドリンク代は別ね。ドリンクコインを貰って、ドリンクバーで好きなのと交換。お酒もあるよ。」
「ふむふむ。」
「グッズは物販コーナーにあるから、好きなの選んで買えばいい。」
「ふむふむ。」
「基本、ライブハウスは立ち見だから、疲れたら後ろの方に移動して休む。」
「ふむふむ。」
「あ、もちろん。おさわりは禁止ね。」
「ふむふむ。」
「あとは、好きに楽しめばいいよ。」
「ふむふむ。」
「さっきから、ふむふむ。しか言ってないけど大丈夫?」
「い、いろいろとありがとう。」

「私は、アヤっていうの。」
「私は、田中健二。」
「ケンジかー。ケンちゃんだと被っちゃうから、ケンジくんで良い?」
「・・・ケ、ケンジ、くん。。。」
「よし、決まり。ケンジくんで。」この年で、こんなに年が離れた友人が出来るとは。
スタドリ恐るべし。
「スタドリのライブ、入場開始しまーす。」
ライブハウスのスタッフだろうか?入場が始まるらしい。「ケンジくん、さあ、行こうか。」
「よし!」

私の初陣がいよいよ始まる!!


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私の名前は田中健二。今年で45才。いわゆるアラフィフだ。
今、私はモーレツに感動している。
テレビの中で歌い踊る「彼」。
Star☆Dreamのユウくんに。
この時の私は、もちろん、グループのこともユウくんのことも知らなかった訳だが、とにかく「彼」は眩しかった。
話を戻そう。
その夜、衝撃の出会いを遂げた私は、興奮で寝付けなかった。
「彼」は何だ?何者なのだ。
気になって気になって眠れない。
頼りは、テレビ画面に出ていた、Star☆Dreamというグループ名だけ。
そして、「彼」はそのセンター(中心)だったということ。
それにしても、初めて聞くグループ名だった。デビューしたてなのだろうか?CDは出しているのだろうか?認知度はどうなんだろうか?ユイに聞いてみるか?いや、そんなことでは父としての威厳が。しかし。背に腹は代えられない!
翌朝。
「ユイ。Star☆Dreamって知ってるか?」
・・・しまった!ストレート過ぎたっ!!
「あー、なんか最近売り出し中のグループじゃなかったかな?なんで?」
「い、いや、ちょっと会社の子が話しててね。。。」
「まだ、そんなに人気ないと思うよ。確か、どこかのライブハウスで活動してた気がする。地下アイドルっぽい。」
「地下アイドルか。」
ということは、まだライバル(ファン)が少ないということか。
「ユイ。ありがとう。助かるよ。」
「どういたしまして。部下とのコミュ力、大事だからね。」ユイは流石に現役女子高生でもあるし、アイドルを推しているだけあって事情に詳しい。よし、あとはスマホで調べてみよう。
Star☆Dream、略してスタドリ。メンバーは、絶対的センターのユウくん、リーダーのコウくん、メンバー1のイケメンのリョウくん、体育会系のケンくん、グループの末っ子キャラのタクミくんの5人。釜田のライブハウス「ドリーム」を中心に活動。
近いじゃないか!!会社の定期券で行ける!!(重要)
直近のライブの予定は・・・明後日だ!
時間は・・・19時START!
行けるっ!!
それまでに曲を聴き込まなくては。ユイに教えてもらった「スポイティ」でと・・・。スタドリは、1曲しかないぞ。売り出し中だから仕方ないか。妻にはどう説明しよう。。。珍しく残業になったとでも言うか。何か準備していくものはないのか。ペンライトとか?うーん、わからない。そういえば、チケットってどうやって買うんだろう?まさかチケットセンターに電話するとかじゃないだろうし。とりあえず、行くだけ行ってみるか。こんなおじさんでも大丈夫だろうか?変に思われるんじゃないか?・・・・・・・・・・・・・・・・。
むー、考えても仕方ない!突撃あるのみ!
そして、悩んでいるうちにあっという間にライブ当日が来てしまった。
当然、仕事に身が入るわけもなく。ただ机の前に座っているだけで時間が過ぎた。18時。さあ、私の本当の戦いはこれからだっ!
ライブハウス「ドリーム」。
釜田駅近くの雑居ビルの地下に、その戦場はある。
スーツにネクタイに革靴。ビジネスバックという、完全武装(サラリーマン)の私は、初陣の期待と不安を胸に戦地に赴く。さあ、いざ釜田!ライブハウスの入り口には、同じ戦地に赴くであろう戦友たちが何人か。
その列の最後尾に並ぶ。。。「おじさん、スタドリのライブ初めて?」
いきなり背後から声を掛けられた。
振り返ると、そこにはユイよりも少し年上だろうか?小柄な娘がいた。
「あ、初めてだけど。。。」
「おじさんさぁ、緊張が顔に出てるよ。リラックス、リラックス。」
「あ、すいません。。。」
つい敬語になってしまった。情けない。
「私がいろいろ教えてあげるから。一緒に観ようよ。仲間多い方が楽しいし。」
「いいのかい?」
「もちろん。」
娘ほど年が違う女の子なのに、とっても頼もしい。私は良い戦友に恵まれたっ!
「ライブハウスはさあ。入るときに受付でチケ代払うの。」
「ふむふむ。」
「あ、ドリンク代は別ね。ドリンクコインを貰って、ドリンクバーで好きなのと交換。お酒もあるよ。」
「ふむふむ。」
「グッズは物販コーナーにあるから、好きなの選んで買えばいい。」
「ふむふむ。」
「基本、ライブハウスは立ち見だから、疲れたら後ろの方に移動して休む。」
「ふむふむ。」
「あ、もちろん。おさわりは禁止ね。」
「ふむふむ。」
「あとは、好きに楽しめばいいよ。」
「ふむふむ。」
「さっきから、ふむふむ。しか言ってないけど大丈夫?」
「い、いろいろとありがとう。」
「私は、アヤっていうの。」
「私は、田中健二。」
「ケンジかー。ケンちゃんだと被っちゃうから、ケンジくんで良い?」
「・・・ケ、ケンジ、くん。。。」
「よし、決まり。ケンジくんで。」この年で、こんなに年が離れた友人が出来るとは。
スタドリ恐るべし。
「スタドリのライブ、入場開始しまーす。」
ライブハウスのスタッフだろうか?入場が始まるらしい。「ケンジくん、さあ、行こうか。」
「よし!」
私の初陣がいよいよ始まる!!