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第7話 伝説が生まれた日だった

ー/ー



「だ、大丈夫なの!? 払ってもらった方が――――でも嫌な感じがしないのは何で?」

「実はな――――」

 俺は経緯を説明した。
俺の後ろにいるのはあの有名なメリーさんだということ、メリーと俺はあくまで友達以上恋人未満だということを教えた。

「えっ、いま友達以上恋人未満だって言った?」

「そうだけど」

「なんでよぉぉぉ!」

 俺の両肩をがっちり掴んでガクガク揺らしてくる咲。
2日連続でこれキツすぎるって……。
本当に首もげる。

「おかしいでしょ! 幽霊とそんなに仲良くなるなんていうアホみたいなストーリー、有り得ないでしょうがぁぁぁあ!!」

 さっきより揺らす強さが強すぎるって!
あ、なんか俺空に向かって……。

『ゆーまくん! あぁ、いかないでください!』

 どうやら俺は逝ってしまいそうになっているみたいだ。
メリーは俺の口から出ている白い物体を掴んだ。

『戻さないと!』

 俺を無理やり俺の体の所まで持っていき、口の中に入れる。

「はっ!」

『あぁ! ゆーまくん戻って良かったです!』

 そう言って俺の正面から飛びついてきた。
感触はないけどね。

「ほ、本当に仲が良いみたいね」

 視線を上に向けると俺たちを見下ろす咲がいた。
なんかちょっと焦りを感じるんだけど……。

「ふ、ふん何よ! いつもわたしとしか話さないくせに、いつの間にか女の子、しかも幽霊と仲良くしちゃってさ!」

「え、別に良くない? ―――――!?」

「―――――」

 な、泣いてる!?
ほとんど涙を流さないあの咲が?
見たのいつ振りだろう。
 そして咲は学校の方へと早足で行ってしまった。
俺なんか涙流すようなことしたか?





◇◇◇





 結局、咲は学校に着くまで口を聞いてくれなかった。
学校に着いた時点で咲は『氷花姫』と化すからもう話すことが出来なくなってしまう。
まぁ、下校する時に謝ればいいか。
謝る理由なんてないけどさ、なんかあるじゃん。
よく分かんないけど怒られてとりあえず謝るってやつ。

「咲ちゃん咲ちゃん!」

 校門に入ると同時にチャラい男子が咲に話しかけてきた。
咲は視線だけを向けると、

「話しかけんな!」

「は、はい……」

 えー……今日いつもより増して塩対応なんですけど……。
鋭い目付きが余計恐怖感を増している。
は、初めて見たかも……。
話しかけた男子は腰を抜かして顔を青ざめた。

『―――――』

 メリーはというと、顔を青ざめてブルブル震えていた。
 俺も例外ではなく1歩を踏み出すことが出来ない。
体が氷になったかのように動かなかった。
ただ咲の後ろ姿を見ることしかできない。
 当然咲を見ていた人たちも同じだった。
この時俺は人間って赤の他人でも感じることは一緒なんだなと実感した。
 ちなみに俺を含む外にいた奴らは、時間までに教室に入ることが出来ずに全員遅刻という前代未聞の出来事が起こった。
これは後に桐嶋高等学校の伝説的な出来事として長い間語り継がれることになった。


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「だ、大丈夫なの!? 払ってもらった方が――――でも嫌な感じがしないのは何で?」
「実はな――――」
 俺は経緯を説明した。
俺の後ろにいるのはあの有名なメリーさんだということ、メリーと俺はあくまで友達以上恋人未満だということを教えた。
「えっ、いま友達以上恋人未満だって言った?」
「そうだけど」
「なんでよぉぉぉ!」
 俺の両肩をがっちり掴んでガクガク揺らしてくる咲。
2日連続でこれキツすぎるって……。
本当に首もげる。
「おかしいでしょ! 幽霊とそんなに仲良くなるなんていうアホみたいなストーリー、有り得ないでしょうがぁぁぁあ!!」
 さっきより揺らす強さが強すぎるって!
あ、なんか俺空に向かって……。
『ゆーまくん! あぁ、いかないでください!』
 どうやら俺は逝ってしまいそうになっているみたいだ。
メリーは俺の口から出ている白い物体を掴んだ。
『戻さないと!』
 俺を無理やり俺の体の所まで持っていき、口の中に入れる。
「はっ!」
『あぁ! ゆーまくん戻って良かったです!』
 そう言って俺の正面から飛びついてきた。
感触はないけどね。
「ほ、本当に仲が良いみたいね」
 視線を上に向けると俺たちを見下ろす咲がいた。
なんかちょっと焦りを感じるんだけど……。
「ふ、ふん何よ! いつもわたしとしか話さないくせに、いつの間にか女の子、しかも幽霊と仲良くしちゃってさ!」
「え、別に良くない? ―――――!?」
「―――――」
 な、泣いてる!?
ほとんど涙を流さないあの咲が?
見たのいつ振りだろう。
 そして咲は学校の方へと早足で行ってしまった。
俺なんか涙流すようなことしたか?
◇◇◇
 結局、咲は学校に着くまで口を聞いてくれなかった。
学校に着いた時点で咲は『氷花姫』と化すからもう話すことが出来なくなってしまう。
まぁ、下校する時に謝ればいいか。
謝る理由なんてないけどさ、なんかあるじゃん。
よく分かんないけど怒られてとりあえず謝るってやつ。
「咲ちゃん咲ちゃん!」
 校門に入ると同時にチャラい男子が咲に話しかけてきた。
咲は視線だけを向けると、
「話しかけんな!」
「は、はい……」
 えー……今日いつもより増して塩対応なんですけど……。
鋭い目付きが余計恐怖感を増している。
は、初めて見たかも……。
話しかけた男子は腰を抜かして顔を青ざめた。
『―――――』
 メリーはというと、顔を青ざめてブルブル震えていた。
 俺も例外ではなく1歩を踏み出すことが出来ない。
体が氷になったかのように動かなかった。
ただ咲の後ろ姿を見ることしかできない。
 当然咲を見ていた人たちも同じだった。
この時俺は人間って赤の他人でも感じることは一緒なんだなと実感した。
 ちなみに俺を含む外にいた奴らは、時間までに教室に入ることが出来ずに全員遅刻という前代未聞の出来事が起こった。
これは後に桐嶋高等学校の伝説的な出来事として長い間語り継がれることになった。