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第6話 花園 咲

ー/ー



 朝ごはんを食べ終え、食器を洗ったら一旦部屋に戻る。
制服に着替えようとしたら、何故かメリーはベットの上で腰を下ろし俺を眺めている。

「えっとメリー?」

『はい?』

「俺今から着替えるから」

『良いですよ』

「――――ここで着替えるんだけど」

『はい』

「――――」

 メリーさんはずっとニコニコしたまま、足を横にブラブラさせている。
俺が着替えているところを女子に見られるのが恥ずかしいから、一旦出て欲しいんだけどな……。

『わたしは構いませんよ?』

「え?」

『私の前で着替えても何も気にしませんから』

「俺が気にするよ! はぁ、じゃあ俺カーテンの裏で隠れて着替える」

 そう言って俺はカーテンの裏へ行く。
これなら影が見えるだけで何ともないだろう。
今日は体育がないからそのままシャツの上にワイシャツにするか。
下もそのまま制服履いちゃおう。

『ふーん……』

 俺の隣で声が聞こえた。
恐る恐る見ると、

『ゆーまくんって結構細いんですね』

「――――!?」

 なんと俺の脚を凝視して顎に手を当てているメリーがいるではないか!
思わず内股になって後退した。

『どうしたんですか? 面白い動きをして』

「いやいやなんで平然としていられるの!?」

『いや、その……』

 メリーは視線を逸らすと少し頬を赤くして、

『もっとゆーまくんを知りたかったから……』

「――――っ!」

 これはアウトでしょ!
そんな顔されてそんなこと言われたらキューピットの矢刺されまくってぶっ倒れちまうわ!
もちろん俺も例外じゃなかった。

『ゆ、ゆーまくん!?』

「それはぁ、アウトだろぉ……」

『えっ? 何がですか?』

 もしかして自覚なかったのかな?
ならいいけど普通にもう1回聞きたいと思ってしまった俺だった。





◇◇◇





 何とか立てた俺はさっさと着替え、家を出た。
俺の通っている高校は桐嶋高等学校という千葉県立高校だ。
自宅から徒歩5分。
めちゃくちゃ近くて助かってる。
 今までなら高校唯一の友達と2人で登校するんだけど今は違う。

『うーん! 今日もいい天気ですね!』

『そうだな』

 メリーは姿が見えないようにして、ふわふわと浮きながらテレパシーで会話している。
テレパシーってよく異世界物語とかで登場するけど、まさか現実の世界でできるとは思わなかった。
 自宅に出る前、

「さすがにメリーの姿を人前に晒すこと出来ないから見えないようにしてもらうのは良いとして、どう話せばいいんだ?」

 普通に会話しようとしたら俺がずっと独り言を言っている変態にしか見えないから困っていると、

『テレパシーで会話しましょう』

『テレパシー? 頭の中で会話するとかというやつ?』

『そうです、じゃあ今からやってみますね』

 メリーは胸の前で指を動かし何か描くと、

『ではゆーまくん。頭の中でわたしに何か言ってみてください』

「えっと――――」

 たまにはメリーをからかってみるか。
俺は目を瞑って頭の中で言ってみる。

『メリーって凄く美人で可愛いから、男たちを1発で仕留められそうだよね』

『―――――』

 あれ? 反応がないな。
通じてないのかなと思い、片目を開けてメリーの方を見ると、顔を真っ赤にし、頭から煙が出ていた。
どうやらちゃんと伝わっていたらしい。

「ちゃんと伝わることが出来て良かった」

『ずるいです! なんでこういう時にさらっとそういうこと言うんですか!』

「いや、ちょっとからかってみたくて……」

『酷いです!』

「すいません……」

 ――――ということがあった。
メリーをからかうことはもうしないと決めたが、忘れた頃にやってもいいかなと思ったりもしている。

『たまになら良いですよ……』

「―――――!?」

 よし、たまにいいって言うならやってあげよう。

「ゆ、悠真!?」

 後ろから大きな声で俺を呼んでいるのが聞こえた。
高校唯一の俺の友達だ。

「おはよう(さき)

 花園(はなぞの) (さき)
俺の幼馴染で学校内では人気者。特に男子。
 しょっちゅう男子たちに告白されるが、塩対応で断る。
もはや男子に話しかけられた時点で、虫を見るような顔をしながら、

「話しかけないで」

 とめちゃくちゃ塩対応でさっさと行ってしまう。
おかげで男子内では『氷花姫(こおりはなひめ)』と言われている。
絶対中二病のやつが勝手に名付けただけだろ……。
多分『花』は花園の花だろうけど。
 でも普段はかなりハイテンションな子で、結構接しやすい。
氷なんていう字は何処にも見当たらない。
 しかし咲は特殊な能力を持っている。
それは、

「おはようじゃないわよ! 悠真の後ろに何かいるんだけど!」

 咲はちょうどメリーがいるあたり、俺の肩の方を指さして顔を青ざめた。

『ゆーまくん』

『ん?』

『まさか彼女、わたしのこと見えているんですか?』

『そう、咲は霊感がめちゃくちゃ強いんだよ』


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次のエピソードへ進む 第7話 伝説が生まれた日だった


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 朝ごはんを食べ終え、食器を洗ったら一旦部屋に戻る。
制服に着替えようとしたら、何故かメリーはベットの上で腰を下ろし俺を眺めている。
「えっとメリー?」
『はい?』
「俺今から着替えるから」
『良いですよ』
「――――ここで着替えるんだけど」
『はい』
「――――」
 メリーさんはずっとニコニコしたまま、足を横にブラブラさせている。
俺が着替えているところを女子に見られるのが恥ずかしいから、一旦出て欲しいんだけどな……。
『わたしは構いませんよ?』
「え?」
『私の前で着替えても何も気にしませんから』
「俺が気にするよ! はぁ、じゃあ俺カーテンの裏で隠れて着替える」
 そう言って俺はカーテンの裏へ行く。
これなら影が見えるだけで何ともないだろう。
今日は体育がないからそのままシャツの上にワイシャツにするか。
下もそのまま制服履いちゃおう。
『ふーん……』
 俺の隣で声が聞こえた。
恐る恐る見ると、
『ゆーまくんって結構細いんですね』
「――――!?」
 なんと俺の脚を凝視して顎に手を当てているメリーがいるではないか!
思わず内股になって後退した。
『どうしたんですか? 面白い動きをして』
「いやいやなんで平然としていられるの!?」
『いや、その……』
 メリーは視線を逸らすと少し頬を赤くして、
『もっとゆーまくんを知りたかったから……』
「――――っ!」
 これはアウトでしょ!
そんな顔されてそんなこと言われたらキューピットの矢刺されまくってぶっ倒れちまうわ!
もちろん俺も例外じゃなかった。
『ゆ、ゆーまくん!?』
「それはぁ、アウトだろぉ……」
『えっ? 何がですか?』
 もしかして自覚なかったのかな?
ならいいけど普通にもう1回聞きたいと思ってしまった俺だった。
◇◇◇
 何とか立てた俺はさっさと着替え、家を出た。
俺の通っている高校は桐嶋高等学校という千葉県立高校だ。
自宅から徒歩5分。
めちゃくちゃ近くて助かってる。
 今までなら高校唯一の友達と2人で登校するんだけど今は違う。
『うーん! 今日もいい天気ですね!』
『そうだな』
 メリーは姿が見えないようにして、ふわふわと浮きながらテレパシーで会話している。
テレパシーってよく異世界物語とかで登場するけど、まさか現実の世界でできるとは思わなかった。
 自宅に出る前、
「さすがにメリーの姿を人前に晒すこと出来ないから見えないようにしてもらうのは良いとして、どう話せばいいんだ?」
 普通に会話しようとしたら俺がずっと独り言を言っている変態にしか見えないから困っていると、
『テレパシーで会話しましょう』
『テレパシー? 頭の中で会話するとかというやつ?』
『そうです、じゃあ今からやってみますね』
 メリーは胸の前で指を動かし何か描くと、
『ではゆーまくん。頭の中でわたしに何か言ってみてください』
「えっと――――」
 たまにはメリーをからかってみるか。
俺は目を瞑って頭の中で言ってみる。
『メリーって凄く美人で可愛いから、男たちを1発で仕留められそうだよね』
『―――――』
 あれ? 反応がないな。
通じてないのかなと思い、片目を開けてメリーの方を見ると、顔を真っ赤にし、頭から煙が出ていた。
どうやらちゃんと伝わっていたらしい。
「ちゃんと伝わることが出来て良かった」
『ずるいです! なんでこういう時にさらっとそういうこと言うんですか!』
「いや、ちょっとからかってみたくて……」
『酷いです!』
「すいません……」
 ――――ということがあった。
メリーをからかうことはもうしないと決めたが、忘れた頃にやってもいいかなと思ったりもしている。
『たまになら良いですよ……』
「―――――!?」
 よし、たまにいいって言うならやってあげよう。
「ゆ、悠真!?」
 後ろから大きな声で俺を呼んでいるのが聞こえた。
高校唯一の俺の友達だ。
「おはよう咲《さき》」
 花園《はなぞの》 咲《さき》。
俺の幼馴染で学校内では人気者。特に男子。
 しょっちゅう男子たちに告白されるが、塩対応で断る。
もはや男子に話しかけられた時点で、虫を見るような顔をしながら、
「話しかけないで」
 とめちゃくちゃ塩対応でさっさと行ってしまう。
おかげで男子内では『氷花姫《こおりはなひめ》』と言われている。
絶対中二病のやつが勝手に名付けただけだろ……。
多分『花』は花園の花だろうけど。
 でも普段はかなりハイテンションな子で、結構接しやすい。
氷なんていう字は何処にも見当たらない。
 しかし咲は特殊な能力を持っている。
それは、
「おはようじゃないわよ! 悠真の後ろに何かいるんだけど!」
 咲はちょうどメリーがいるあたり、俺の肩の方を指さして顔を青ざめた。
『ゆーまくん』
『ん?』
『まさか彼女、わたしのこと見えているんですか?』
『そう、咲は霊感がめちゃくちゃ強いんだよ』