表示設定
表示設定
目次 目次




4/5

ー/ー



 Aさんは何度も何度も、桜の木に頭をぶつけて血まみれだったんだって。
救急車が呼ばれて、Aさんは病院に運ばれていった。結局、中三の夏休みくらいまで、Aさんは精神病院で過ごすことになったんだって。

 でさ、桜の木なんだけどまだその中学にあるらしいよ。今はもう、「中庭にある桜の木に近づいてはいけない」なんていう言い伝えは廃れちゃったから、今日も誰かが肉塊を見ているかもしれないよね。

「あ、そうそう。そういえばうちの大学にも桜の木あるよね。毛虫が出るからって、あんまり近づく人いないけど、もしかしたら……ね?」


 私は、ふーっとロウソクの火を吹き消した。周りを見渡すと、結構みんな怖がっていて効果は抜群だ。教室には大きな張り紙が貼ってある。「第二百十八回 オカルト研究会 百物語」

「ねぇ、それ本当にあった話なの?」
 眼鏡をかけた女学生が声を震わせて尋ねる。
「うん、ホント。私は大学からこっちだけど、先輩は北海道の××畜産大学に通ってるよ」
 そういうと、彼女は神妙な面持ちでごくり、と唾を飲み込んだ。


スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む 5/5


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



 Aさんは何度も何度も、桜の木に頭をぶつけて血まみれだったんだって。
救急車が呼ばれて、Aさんは病院に運ばれていった。結局、中三の夏休みくらいまで、Aさんは精神病院で過ごすことになったんだって。
 でさ、桜の木なんだけどまだその中学にあるらしいよ。今はもう、「中庭にある桜の木に近づいてはいけない」なんていう言い伝えは廃れちゃったから、今日も誰かが肉塊を見ているかもしれないよね。
「あ、そうそう。そういえばうちの大学にも桜の木あるよね。毛虫が出るからって、あんまり近づく人いないけど、もしかしたら……ね?」
 私は、ふーっとロウソクの火を吹き消した。周りを見渡すと、結構みんな怖がっていて効果は抜群だ。教室には大きな張り紙が貼ってある。「第二百十八回 オカルト研究会 百物語」
「ねぇ、それ本当にあった話なの?」
 眼鏡をかけた女学生が声を震わせて尋ねる。
「うん、ホント。私は大学からこっちだけど、先輩は北海道の××畜産大学に通ってるよ」
 そういうと、彼女は神妙な面持ちでごくり、と唾を飲み込んだ。