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第四部 34話 大峡谷

ー/ー



「……到着しました。
 見学が終わりましたら声を掛けてください」

 フィンが頭を下げる。
 そのまま脇に脇に移動した。

「わあ……!」
「これはすごいな……」

 開けた場所に出たティアナが思わず声を漏らす。俺も同意した。
 見れば、他の二人も同様の様子だ。

 森を抜けると、赤茶色の地面が広がっていた。
 しかし、それは突然途絶えている。その下は真っ暗だ。

「うわ」

 フレアが小さな声を上げた。
 正面から強い風が吹いて来た。

 これが王国側から吹き付ける強風か。
 確かに、これでは大峡谷を越えるなんて難しい。

「向こう岸が見えないな」
「そうだな……はは、終わりも見えない」

 俺が言うと、グレイが応じた。
 左右を見れば、確かに大峡谷はどこまでも続いていた。

 俺たちは少しだけ大峡谷へと歩み寄る。
 しばらく正面からの強風を浴びながら、横一列にその景色を眺めた。

「ん?」

 不意にその違和感に首を傾げた。
 なんだ、何か変な感覚が……。

「うお!?」
「……どうした?」
 
 グレイが叫びを上げる。
 急いでグレイへと目を向けた。

「……おい、嘘だろ!?」
「グレイさん!」

 俺とティアナの慌てた声。
 グレイが峡谷の中へ吹き飛んでいた。
 
 頬に一際強い風を感じる。
 ……ただし、逆風だ。

 本来は峡谷から森へと吹いていた強風が逆向きに変わっていた。
 それもグレイだけを連れ去るように。

「グレイ!」
 手を伸ばすまでもなく、グレイは大峡谷の中へと落ちていった。



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「……到着しました。
 見学が終わりましたら声を掛けてください」
 フィンが頭を下げる。
 そのまま脇に脇に移動した。
「わあ……!」
「これはすごいな……」
 開けた場所に出たティアナが思わず声を漏らす。俺も同意した。
 見れば、他の二人も同様の様子だ。
 森を抜けると、赤茶色の地面が広がっていた。
 しかし、それは突然途絶えている。その下は真っ暗だ。
「うわ」
 フレアが小さな声を上げた。
 正面から強い風が吹いて来た。
 これが王国側から吹き付ける強風か。
 確かに、これでは大峡谷を越えるなんて難しい。
「向こう岸が見えないな」
「そうだな……はは、終わりも見えない」
 俺が言うと、グレイが応じた。
 左右を見れば、確かに大峡谷はどこまでも続いていた。
 俺たちは少しだけ大峡谷へと歩み寄る。
 しばらく正面からの強風を浴びながら、横一列にその景色を眺めた。
「ん?」
 不意にその違和感に首を傾げた。
 なんだ、何か変な感覚が……。
「うお!?」
「……どうした?」
 グレイが叫びを上げる。
 急いでグレイへと目を向けた。
「……おい、嘘だろ!?」
「グレイさん!」
 俺とティアナの慌てた声。
 グレイが峡谷の中へ吹き飛んでいた。
 頬に一際強い風を感じる。
 ……ただし、逆風だ。
 本来は峡谷から森へと吹いていた強風が逆向きに変わっていた。
 それもグレイだけを連れ去るように。
「グレイ!」
 手を伸ばすまでもなく、グレイは大峡谷の中へと落ちていった。