第17話 吉村刑事1
ー/ー
20世紀のいつか、良子大学1、芳子大学1、明彦大学2、雅子大学3
ファンファンに手を組まれてしがみつかれながら、俺たちは加賀町警察署前を行き過ぎ、長安道から出て、T字路でタクシーを捕まえた。タクシーは左折して横浜公園の横を通り、京浜東北線のガード下から根岸道路を直進して、伊勢佐木町へ行った。タクシーの運ちゃんがどこで止めます?と言うので、長者町八丁目の交差点でいいよ、と答えた。伊勢佐木町本通りから一本隔てた通りで、ゴミゴミしたここいらはラブホが点々とある。芳子が、ファンファンがラブホっていうんだから、ラブホなんであって、俺が言い出したことじゃない。俺、言い訳してるのか?
イヤダイヤダと言いながら、ファンファンの言いなりになるのは、女が、およしになって、という心理と近い。そりゃあ、当たり前だ。こんな19才(最初に彼女とやったのは18才だったが)の可愛い子、女子大生と一緒というのは、27才の独身、独り身の警察官には実はうれしい。なんで、こいつは俺につきまとうのかね?それも、間をおいて、ポツリポツリと。
ファンファンとの腐れ縁の始まりは、去年の秋のこと。場所も同じコペンだ。俺が書類作成を終わって、署を出たのが8時。普段は前を通り過ぎるだけの北欧バーになぜか足が向いた。店に入ると、得体の知れない入れ墨男の北欧のおっさんが、日本語でいらっしゃい、一人か?どこか空いてる席わぁ~とカウンターの奥の方に連れて行かれた。右側は男女のカップルが座っている。空いていた席をおいて、左側のカウンターの一番端の席には、フォーマルな格好の女性が座っていた。入れ墨のおっさんが、ミス・ハリモト、ここ空いてるね?と言って俺を座らせた。
左右の客に申し訳ない、と言って俺は座った。毎日、強盗だ、傷害だ、強姦だ、なんて調書を書いていると、たまに一人でボケーっと飲みたくなることがある。幸い、署の連中はここには来ない。バーテン(バーテンは男性名詞か?)のおばさんが来て注文を俺に聞いた。「いらっしゃいませ。ご注文はお決まり?」と聞かれた。バックバーのコレクションは何でもありそうだ。「メーカーズ・マーク、トリプル、オン・ザ・ロックで。チェイサーに炭酸をください」と頼んだ?トリプルの言葉に眉根を上げたんで「何度も注文するのが面倒なんで、トリプル」と言った。
「カッコいい注文の仕方ですね?」と左隣りの女性が言う。左を見ると髪をひっつめにして、薄い化粧をした可愛い子がニコッとして俺を見た。グラスを振って乾杯しましょう、と言う。会社員?大学生?服装がフォーマルなんで判断できないが、20才前半くらいかな?と思った。思わず彼女と乾杯してしまった。
それから彼女と話し出してしまった。この近辺の地理に詳しい。自宅が近くなのかな?と思った。見る映画とか、読む本がやけにダブっていて、気が合った。私、張本芳子、芳子の「芳」は草冠に方向の「方」です、という。俺は・・・思わずいつも捜査で使う偽名の名字の「上田」と名乗った。上田浩司。浩司は偽名じゃない。彼女が浩司と呼んでよろしい?私も芳子と呼んでくださいね、と言う。人懐っこい子だ。
夜も更けてきて、何杯もお代わりをしてしまった。何か食べますか?とソーセージやチーズを頼んだ。彼女もお酒が強くて、最初はジンライムを飲んでいたのが、ウイスキーのオン・ザ・ロックに切り替えた。小指を立ててクイクイ飲むのが様になっている。疲れも溜まっていたので酔いが回ってくる。芳子が「ねえ、浩司、今晩は寂しい気分なの。初めて会ってこんな事言うのはあれなんだけど、二人っきりになれるとこをに行かない?商売女じゃないですよ。純粋に寂しいだけだから・・・」と小声で言われた。一気に酔いが回る。据え膳食わぬは・・・と悪魔の囁き。あそこが固くなる。
俺はバーボンを一気に煽った。芳子もウイスキーを飲み干した。バーテンにチェックをお願いした。1万7千円。万札二枚をカウンターに置いた。芳子、行こうか、と席を立つ。芳子がお釣りは?と言うので、要らないと答えた。芳子が俺の腕にしがみついてくる。ウフフ、恋人みたい、と彼女が言う。
俺たちは加賀町警察署前を行き過ぎ、長安道から出て、T字路でタクシーを捕まえた。ラブホってわけにも行かないよなと俺は思って、大桟橋ちかくのホテル名を言った。芳子が運ちゃんに聞こえないように、ラブホで良いのにと言う。時間に追われるのは嫌いだ。帰りは何時でも芳子を送っていくから、心配しないで、と答えた。その答えが気に入ったのか、芳子がギュッと俺の腕を抱きしめて胸を擦り付けてくる。股間にドンッと血液が流入した。
ダブルの部屋にチェックインした。ラブホで何をしているんだかわからない男女のすえた臭いはいただけない。俺たちもこれから何をしているんだかわからん行為をするにしてもだ。芳子が先にシャワーを浴びて、すぐ出てきた。タオルを体に巻き付けて、髪の毛をアップにしている。スッピンでも可愛い子だ。
俺も続けてシャワーを浴びる。シャワーを出ると、ベッドに放り投げていた上着がハンガーにかけられてクローゼットにしまわれていた。ズボンも下着も丁寧にたたまれていた。芳子はベッドに潜り込んでいて、目から上だけをブランケットからのぞかせて、浩司、ちょっと恥ずかしいね、と言う。
彼女はセックスがうまかった。初めてで(会ったのが2時間前くらいだ!)積極的だった。仰向けになっていた俺にねっとりとしたキスをしてきた。彼女は毛布をはいでしまう。体中を愛撫された。俺のあれを躊躇なく口に含んで、すすりだす。俺も彼女のお尻を向けさせてあそこを舐め回した。二人とも我慢できなくなった。浩司、上になる?下になる?私、下になると言うので正常位でした。
一回では満足できなかった。出してもまだできた。間をおかずに三回してしまった。二人でゼィゼィ息を切らした。芳子はうつ伏せで、枕を抱えて満足そうに俺を見た。チェシャ猫が秘密を知ってゴロゴロ喉を鳴らしているようだ。改めて見ると、芳子は年齢不詳だ。大人びても見える。子供っぽくも見える。芳子は膝を曲げて脚をバタバタさせている。そこで俺は気づいた。
「芳子、避妊しなかったよ」
「あら、私、妊娠しちゃうの?」
「他人事みたいに言うもんじゃない」
「浩司、私が妊娠したらどうする?堕ろす?産む?」
「わかんないぜ」
「浩司の赤ちゃん、欲しいな。一人、ひっそり、産んじゃおうかしら?」
「そりゃ、ダメだ。責任を取らないといけない」
「冗談よ、冗談。米軍のドラッグストアでピルが手に入るから、妊娠はしないわ」
「・・・それは・・・」
芳子が上半身を起こして、俺の方を向いた。「それよりさ、浩司。私たち、大失敗したんだよ」と言う。何が?大失敗?
「さっき、シャワーを終わって、浩司のジャケットをクローゼットにしまおうとしたの。そうしたら、内ポケットから手帳が落ちそうになったんだ、拾っちゃったんだよ」あ!警察手帳。「それで、見たら警察手帳じゃない。上田さん、じゃない、吉村警部補」
「今さら取り繕っても仕方がない。俺は加賀町署の刑事なんだよ。しかし、それにしても、警察手帳見た段階で逃げちゃうなりすればよかったじゃないか?」
「うん、浩司が刑事だったのを責めるつもりはないわ。知らなかったけど、私から誘ったんだし。逃げちゃう?まさか?せっかくのおいしそうなセックスの機会を?まさか!・・・でもね、私の名前」
「名前?」
「私の名前は、張本芳子。偽名じゃないよ。だけど、もう一つ名前があるんだ。張芳芳(ファンファン)。帰化した日本国籍の中国人。それでさ、中国名の名字が『張』でしょ?」
「『張』?まさか?」
「そうなの。加賀町署となかよしの『張』なのよ、私」
「・・・」
「それからね、もう一つ。浩司は私の年齢を確認しなかったけどね、私も言わなかったけど」
「な、何才なんだ?」
「横浜女学院ってあるでしょ?私、あそこに通ってるんだ。18才だよ」
「あ~」
「お互い、今さら、うめいたって遅いね。あ~、なんて遅い。浩司、吉村刑事、あなたは、中国マフィアの家の未成年の娘とセックスしちゃったんだよ」
「ああ~」
「心配しないでよ。脅迫とかしないから。私から誘ったのよ。でも、事実として、高校3年生のマフィアの家の女子高生とセックスした警察官ってのは残るわね?」
「芳子・・・俺はどうしたら?」
「そうね、どうしましょ?大失敗だね?お互い?」
「芳子がフォーマルな服装で酒を飲んでいるし、てっきり・・・」
「年齢、間違えちゃった?今日は同級生のお葬式でああいう格好をしてたんだよ。だから、ちょっと大人っぽく見えた?仲のいいお友だちだった。それで寂しくって、隣にカッコいい男がいたから、思わず二人っきりなんてね、言っちゃったの」
「あ~あ」
「起こっちゃった事象は取り返せないんだよ。シーザーも言ってる。『賽は投げられた』って」
「芳子、シーザーは自分でサイコロを投げたんだ。サイコロで遊んでいたら、思わず運命のサイコロを落っことして、サイコロの目が出た、って話に変わっている!」
「まあ、どうでもいいじゃん?浩司」
「芳子・・・」
「芳子は止めよう。ファンファンと呼んで。みんなそう呼ぶの。それで、浩司、どうしよう?って顔中、それになってるけど、どうするって、もっと私を抱くのよ。一回しちゃったんだから、もう何回しても関係ないでしょ?朝まで、女子高生の体をむさぼればいいのよ」
「・・・」
「浩司とは気が合う。体の相性もバッチリだったじゃない?まったく、私が純粋な日本人で、カタギの生まれだったら、浩司にお嫁にもらって欲しいくらい。でもね、刑事とマフィアの娘じゃねえ。あ!言っておきますけど、『張』の家のビジネスはビジネスとして、私自身は関係ありませんからね。普通のカタギの女子高生ですからね」
「普通の女子高生であっても俺にとっては問題だろ?」
「私たち、二人の秘密にしておけばいいことよ。誰にも言わない。時々、女子高生の体を浩司がむさぼる。どう?」
「そんなことはできん」
「あれえ?こんなにまたカチンカチンになっちゃって、『できん』とか説得力ないなあ。ね、今度は私が上ね」
※性描写も含みますが登場人物は18歳以上の成人です。
この物語は法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
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《《20世紀のいつか、良子大学1、芳子大学1、明彦大学2、雅子大学3》》
ファンファンに手を組まれてしがみつかれながら、俺たちは加賀町警察署前を行き過ぎ、長安道から出て、T字路でタクシーを捕まえた。タクシーは左折して横浜公園の横を通り、京浜東北線のガード下から根岸道路を直進して、伊勢佐木町へ行った。タクシーの運ちゃんがどこで止めます?と言うので、長者町八丁目の交差点でいいよ、と答えた。伊勢佐木町本通りから一本隔てた通りで、ゴミゴミしたここいらはラブホが点々とある。芳子が、ファンファンがラブホっていうんだから、ラブホなんであって、俺が言い出したことじゃない。俺、言い訳してるのか?
イヤダイヤダと言いながら、ファンファンの言いなりになるのは、女が、およしになって、という心理と近い。そりゃあ、当たり前だ。こんな19才(最初に彼女とやったのは18才だったが)の可愛い子、女子大生と一緒というのは、27才の独身、独り身の警察官には実はうれしい。なんで、こいつは俺につきまとうのかね?それも、間をおいて、ポツリポツリと。
ファンファンとの腐れ縁の始まりは、去年の秋のこと。場所も同じコペンだ。俺が書類作成を終わって、署を出たのが8時。普段は前を通り過ぎるだけの北欧バーになぜか足が向いた。店に入ると、得体の知れない入れ墨男の北欧のおっさんが、日本語でいらっしゃい、一人か?どこか空いてる席わぁ~とカウンターの奥の方に連れて行かれた。右側は男女のカップルが座っている。空いていた席をおいて、左側のカウンターの一番端の席には、フォーマルな格好の女性が座っていた。入れ墨のおっさんが、ミス・ハリモト、ここ空いてるね?と言って俺を座らせた。
左右の客に申し訳ない、と言って俺は座った。毎日、強盗だ、傷害だ、強姦だ、なんて調書を書いていると、たまに一人でボケーっと飲みたくなることがある。幸い、署の連中はここには来ない。バーテン(バーテンは男性名詞か?)のおばさんが来て注文を俺に聞いた。「いらっしゃいませ。ご注文はお決まり?」と聞かれた。バックバーのコレクションは何でもありそうだ。「メーカーズ・マーク、トリプル、オン・ザ・ロックで。チェイサーに炭酸をください」と頼んだ?トリプルの言葉に眉根を上げたんで「何度も注文するのが面倒なんで、トリプル」と言った。
「カッコいい注文の仕方ですね?」と左隣りの女性が言う。左を見ると髪をひっつめにして、薄い化粧をした可愛い子がニコッとして俺を見た。グラスを振って乾杯しましょう、と言う。会社員?大学生?服装がフォーマルなんで判断できないが、20才前半くらいかな?と思った。思わず彼女と乾杯してしまった。
それから彼女と話し出してしまった。この近辺の地理に詳しい。自宅が近くなのかな?と思った。見る映画とか、読む本がやけにダブっていて、気が合った。私、張本芳子、芳子の「芳」は草冠に方向の「方」です、という。俺は・・・思わずいつも捜査で使う偽名の名字の「上田」と名乗った。上田浩司。浩司は偽名じゃない。彼女が浩司と呼んでよろしい?私も芳子と呼んでくださいね、と言う。人懐っこい子だ。
夜も更けてきて、何杯もお代わりをしてしまった。何か食べますか?とソーセージやチーズを頼んだ。彼女もお酒が強くて、最初はジンライムを飲んでいたのが、ウイスキーのオン・ザ・ロックに切り替えた。小指を立ててクイクイ飲むのが様になっている。疲れも溜まっていたので酔いが回ってくる。芳子が「ねえ、浩司、今晩は寂しい気分なの。初めて会ってこんな事言うのはあれなんだけど、二人っきりになれるとこをに行かない?商売女じゃないですよ。純粋に寂しいだけだから・・・」と小声で言われた。一気に酔いが回る。据え膳食わぬは・・・と悪魔の囁き。あそこが固くなる。
俺はバーボンを一気に煽った。芳子もウイスキーを飲み干した。バーテンにチェックをお願いした。1万7千円。万札二枚をカウンターに置いた。芳子、行こうか、と席を立つ。芳子がお釣りは?と言うので、要らないと答えた。芳子が俺の腕にしがみついてくる。ウフフ、恋人みたい、と彼女が言う。
俺たちは加賀町警察署前を行き過ぎ、長安道から出て、T字路でタクシーを捕まえた。ラブホってわけにも行かないよなと俺は思って、大桟橋ちかくのホテル名を言った。芳子が運ちゃんに聞こえないように、ラブホで良いのにと言う。時間に追われるのは嫌いだ。帰りは何時でも芳子を送っていくから、心配しないで、と答えた。その答えが気に入ったのか、芳子がギュッと俺の腕を抱きしめて胸を擦り付けてくる。股間にドンッと血液が流入した。
ダブルの部屋にチェックインした。ラブホで何をしているんだかわからない男女のすえた臭いはいただけない。俺たちもこれから何をしているんだかわからん行為をするにしてもだ。芳子が先にシャワーを浴びて、すぐ出てきた。タオルを体に巻き付けて、髪の毛をアップにしている。スッピンでも可愛い子だ。
俺も続けてシャワーを浴びる。シャワーを出ると、ベッドに放り投げていた上着がハンガーにかけられてクローゼットにしまわれていた。ズボンも下着も丁寧にたたまれていた。芳子はベッドに潜り込んでいて、目から上だけをブランケットからのぞかせて、浩司、ちょっと恥ずかしいね、と言う。
彼女はセックスがうまかった。初めてで(会ったのが2時間前くらいだ!)積極的だった。仰向けになっていた俺にねっとりとしたキスをしてきた。彼女は毛布をはいでしまう。体中を愛撫された。俺のあれを躊躇なく口に含んで、すすりだす。俺も彼女のお尻を向けさせてあそこを舐め回した。二人とも我慢できなくなった。浩司、上になる?下になる?私、下になると言うので正常位でした。
一回では満足できなかった。出してもまだできた。間をおかずに三回してしまった。二人でゼィゼィ息を切らした。芳子はうつ伏せで、枕を抱えて満足そうに俺を見た。チェシャ猫が秘密を知ってゴロゴロ喉を鳴らしているようだ。改めて見ると、芳子は年齢不詳だ。大人びても見える。子供っぽくも見える。芳子は膝を曲げて脚をバタバタさせている。そこで俺は気づいた。
「芳子、避妊しなかったよ」
「あら、私、妊娠しちゃうの?」
「他人事みたいに言うもんじゃない」
「浩司、私が妊娠したらどうする?堕ろす?産む?」
「わかんないぜ」
「浩司の赤ちゃん、欲しいな。一人、ひっそり、産んじゃおうかしら?」
「そりゃ、ダメだ。責任を取らないといけない」
「冗談よ、冗談。米軍のドラッグストアでピルが手に入るから、妊娠はしないわ」
「・・・それは・・・」
芳子が上半身を起こして、俺の方を向いた。「それよりさ、浩司。私たち、大失敗したんだよ」と言う。何が?大失敗?
「さっき、シャワーを終わって、浩司のジャケットをクローゼットにしまおうとしたの。そうしたら、内ポケットから手帳が落ちそうになったんだ、拾っちゃったんだよ」あ!警察手帳。「それで、見たら警察手帳じゃない。上田さん、じゃない、吉村警部補」
「今さら取り繕っても仕方がない。俺は加賀町署の刑事なんだよ。しかし、それにしても、警察手帳見た段階で逃げちゃうなりすればよかったじゃないか?」
「うん、浩司が刑事だったのを責めるつもりはないわ。知らなかったけど、私から誘ったんだし。逃げちゃう?まさか?せっかくのおいしそうなセックスの機会を?まさか!・・・でもね、私の名前」
「名前?」
「私の名前は、張本芳子。偽名じゃないよ。だけど、もう一つ名前があるんだ。張芳芳(ファンファン)。帰化した日本国籍の中国人。それでさ、中国名の名字が『張』でしょ?」
「『張』?まさか?」
「そうなの。加賀町署となかよしの『張』なのよ、私」
「・・・」
「それからね、もう一つ。浩司は私の年齢を確認しなかったけどね、私も言わなかったけど」
「な、何才なんだ?」
「横浜女学院ってあるでしょ?私、あそこに通ってるんだ。18才だよ」
「あ~」
「お互い、今さら、うめいたって遅いね。あ~、なんて遅い。浩司、吉村刑事、あなたは、中国マフィアの家の未成年の娘とセックスしちゃったんだよ」
「ああ~」
「心配しないでよ。脅迫とかしないから。私から誘ったのよ。でも、事実として、高校3年生のマフィアの家の女子高生とセックスした警察官ってのは残るわね?」
「芳子・・・俺はどうしたら?」
「そうね、どうしましょ?大失敗だね?お互い?」
「芳子がフォーマルな服装で酒を飲んでいるし、てっきり・・・」
「年齢、間違えちゃった?今日は同級生のお葬式でああいう格好をしてたんだよ。だから、ちょっと大人っぽく見えた?仲のいいお友だちだった。それで寂しくって、隣にカッコいい男がいたから、思わず二人っきりなんてね、言っちゃったの」
「あ~あ」
「起こっちゃった事象は取り返せないんだよ。シーザーも言ってる。『賽は投げられた』って」
「芳子、シーザーは自分でサイコロを投げたんだ。サイコロで遊んでいたら、思わず運命のサイコロを落っことして、サイコロの目が出た、って話に変わっている!」
「まあ、どうでもいいじゃん?浩司」
「芳子・・・」
「芳子は止めよう。ファンファンと呼んで。みんなそう呼ぶの。それで、浩司、どうしよう?って顔中、それになってるけど、どうするって、もっと私を抱くのよ。一回しちゃったんだから、もう何回しても関係ないでしょ?朝まで、女子高生の体をむさぼればいいのよ」
「・・・」
「浩司とは気が合う。体の相性もバッチリだったじゃない?まったく、私が純粋な日本人で、カタギの生まれだったら、浩司にお嫁にもらって欲しいくらい。でもね、刑事とマフィアの娘じゃねえ。あ!言っておきますけど、『張』の家のビジネスはビジネスとして、私自身は関係ありませんからね。普通のカタギの女子高生ですからね」
「普通の女子高生であっても俺にとっては問題だろ?」
「私たち、二人の秘密にしておけばいいことよ。誰にも言わない。時々、女子高生の体を浩司がむさぼる。どう?」
「そんなことはできん」
「あれえ?こんなにまたカチンカチンになっちゃって、『できん』とか説得力ないなあ。ね、今度は私が上ね」
※性描写も含みますが登場人物は18歳以上の成人です。
この物語は法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。