第6話 美咲の案件、性感染症3
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美代子は俯いたまま部屋に入り、ドアが閉まるのを待って口を開いた。「先生…私、病気なんです。梅毒の陽性結果が出ちゃって…」と美咲に言う。
言葉が途切れ、涙が溢れた。美咲は目を丸くしたが、すぐに表情を和らげて言った。「なんね、それ…大変やったね。落ち着いて話してごらんっちゃ」長崎弁が柔らかく響き、美代子は居酒屋で大翔に絡む美咲の姿とは違う、優しい教師の顔に美代子は少し安心した。
彼女は嗚咽を漏らしながら、検査キットと保健所の結果を打ち明けた。「貯金が諭吉3枚と少ししかなくて…保険を使ったら親にバレるし、実費だと足りなくて…」 パパ活のことは曖昧に「誰かにうつされた」と濁したが、隠語が混じった。
「イチゴ(1万5千円)でも治療費が足りないし、太P(高額払うパパ)が見つかればって思ったけど、もう無理で…」
美咲は首を傾げ、「ちょっと待って、イチゴってなんね?太Pってどういう意味っちゃ?」と尋ねた。居酒屋で遥香と長崎弁トークを繰り広げた軽いノリとは違い、真剣な目で美代子を見つめる。
美代子は顔を赤らめ、震えながら説明した。「イチゴは…1万5千円のことです。P活でよく使う隠語で…。太Pは、たくさんお金くれるパパのこと。SNSとかで定期(月契約)探す時に言うんです」
美咲は驚いた顔で頷き、「なるほど、そういう世界なんね…知らんかったっちゃ。でも、治療は絶対必要やよ。私が立て替えてあげるから、親にバレんようにクリニックに行こう。船橋に安く診てくれるとこ、探してみるっちゃ」美咲の頭には、試験後の居酒屋で大翔に「長崎じゃ男子に借りは作らん!」と啖呵を切った自分が浮かんだが、美代子の涙を見て「生徒のためなら別や」と決めた。
美代子は顔を上げ、涙目で呟いた。「先生に迷惑かけたくないです…私が払います、足りなかったら、絶対返すから…」
「ええよ、お金は後で考えればいいっちゃ。まずは治すことが大事やん」と美咲は微笑んだ。彼女はパソコンを開き、低額診療所や性感染症専門クリニックを調べ始めた。居酒屋で大翔と「恋愛ってドキドキやったよねぇ」と語り合った軽い気分とは裏腹に、教師としての責任感が胸を締める。
少し落ち着いた美咲は、真剣な顔で言った。「美代子ちゃん、ちょっと聞いてほしいっちゃ。千葉県や船橋の状況について、今、調べたんやけど…少女売春、つまり援助交際とかP活に関連するデータがあるんよ。千葉県警の発表だと、2022年に補導された18歳未満の少女は県内で146人。そのうち売春防止法違反で検挙されたのは22人やった。2023年はさらに増えて、補導数が160人を超えたって報告もある。船橋単体の数字は出てないけど、千葉県の都市部、特に船橋や千葉市はそういう活動が目立つ地域なんよ」
「でも、これって氷山の一角やっちゃね。補導された18歳未満の少女の実績だけで、補導を逃れた子もおるってことやん。何倍なんかい、何十倍なんかい分からんけどさ。その中で、千葉県警が掴んどる少女売春しとる生徒が22人なんていう数字は、ほんの一部やと思うっちゃ。他の県や東京都の数字も入っとらんけんね。君がどう感染したかは聞かんけど、こういう現実があるって知っとってほしいっちゃ。私ゃ、美代子ちゃん一人がこの高校で少女売春しとったとは思っとらんよ」
美代子は息を呑んだ。「そんなにいるんですか…?」 自分と同じ境遇の少女が多いと知り、背筋が冷たくなった。保健所での回想が頭をよぎり、「私が数字をひとつ増やしたのだ」と罪悪感が募る。
美咲の「補導を逃れた子もおる」「何倍なんかい、何十倍なんかい分からん」という言葉が頭の中で反響し、自分がその見えない数字の一部である現実が重くのしかかった。「私だけじゃないって分かったけど…じゃあ、私が誰かにうつして、それがまた広がって…」と考えると、膝が震え、涙が再び溢れそうになった。
美咲は美代子の表情を見て、優しく続けた。「うん、だから君だけやないっちゃ。でも、だからこそ治療して、自分を守ることが大事やよ。私ゃ、君がこの現実の中で君一人だけが苦しんどったとは思っとらんけんね。こういう似たような子たちが他におるって分かっとるから、私が手伝うよ。一緒に乗り越えようっちゃ」 美咲はカブトガニの模型を手に持ったまま、少し間を置いて、穏やかに微笑んだ。居酒屋で大翔に「私らの頃は恋愛でドキドキやったよねぇ」と笑った軽い気持ちとは違い、生徒の重い現実に向き合う覚悟が固まっていた。
美代子は目を伏せ、震える声で言った。「でも…先生、私が誰かにうつしてたらどうしようって…それが怖くて。美咲先生には感謝しかないけど、私、こんな目に遭うなんて思ってなかったんです」 保健所で聞いた「二次感染」の警告と美咲のデータが重なり、自分が「氷山の一角」の一部を超えて、増やした側かもしれない恐怖が胸を締め付けた。
美咲は首を振って、優しく遮った。「そりゃ怖い気持ちは分かるっちゃ。けどさ、今からでも遅くないよ。治療すれば君も周りも守れるんやから。過去は変えられんけど、これからを変えることはできるっちゃね。私ゃ、君を責めんし、一人で抱え込まんでええようにするよ」 美咲はパソコンを手に取り、「ほら、クリニック探すの手伝うけん、ちょっと待っとってな」と言いながら検索を再開した。
ところで、と美咲は美代子に目を向けた。「このP活、君は自分でネットとかSNSで調べて始めたん? それとも誰かと話して知ったん? まさかやっとる子に誘われたん? どうなんっちゃ?」 居酒屋で悠馬が「今の子は恋愛に興味ない」と語ったのを思い出しつつ、生徒の行動に驚きながらも冷静に尋ねた。
美代子はギクッとした。副生徒会長の佐藤美穂に誘われたなんて言えない。あの優等生で、いつも笑顔の美穂が裏垢で「#P活船橋」を呟いてたなんて誰も信じない。去年の夏、美穂に「美代子ならイチゴ(1万5千円)すぐ稼げるよ。緑(LINE)で教えるから」と誘われ、軽い気持ちで始めたのだ。でも、美咲の優しい目に嘘をつくのが辛くなり、唇を噛んで渋々白状した。
「…実は、副生徒会長の佐藤美穂ちゃんに誘われたんです。彼女がP活やってて、私もできるって…崎山先生、秘密にしてください。お願いします…」
美咲は目を丸くし、しばらく言葉を失った。カブトガニの模型を手に持ったまま、考え込むように視線を落とした。「美穂ちゃんが…? あの真面目そうな子が?」 美咲の頭には、生徒会室でテキパキ働く美穂の姿が浮かんだ。頭が整理しきれなかった。美咲は眉を寄せ、「ほんとに…?」と呟いたが、美代子の涙を見て言葉を飲み込んだ。
でも…と、美咲は自分の高校時代を思い出した。見かけが大人しかったり、優等生ぶっていたりする子に限って、なんて大胆な!という行動をするのだ。長尾遥香だって、見かけは生徒会長の「良い子ちゃん」だが、裏では少し腹黒い一面もあった。もちろん、美代子のような話でなく、隠れてイジメをしていたりとかだったが。
美代子の胸に罪悪感と感謝が混じり合い、涙が止まらなかった。「私が美穂ちゃんをバラしちゃった…でも、先生に隠す方が辛かった。3万2千円じゃ足りないって分かってたけど、先生に借りるなんて…ずっと恩を感じて生きなきゃいけないのかな? でも親にバレるよりマシだよね?」
美咲は電話でクリニックに問い合わせ、「保険証なしでも大丈夫そうなとこ、見つけたっちゃ」と告げた。美代子は小さく頷き、初めて希望の光を感じたが、美咲の考え込む表情が頭から離れなかった。美咲は内心、「美穂ちゃんまで…? 大翔に相談したいっちゃけど、いや、これは私が何とかせんといかん」と決意を固めた。居酒屋での軽いトークとは違う、重い現実が彼女の肩にのしかかっていた。
美咲は頭の中でぐるぐる考えていた。
本来の教師の仕事やったら、教頭や校長に報告して、正規の手続きを踏むべきなんやろね。でも、私ゃ思うっちゃけどさ、『べき』なんて社会正義の発露は、元生徒会長で社会正義の権化みたいな長尾遥香にでもやらせとけばええっちゃ。
私ゃ、この高校の複数の生徒が少女売春しとる実態を調べて、彼女らの案件は匿名にしたまま、この高校からオブラートに包んだP活、でも実際は違法な未成年の売春行為とか、なんでもええけど、そういう行為をなくしたいって思うとるんよ。
それで、美代子ちゃんと同じ、性感染症にかかっとる生徒がおったら(美代子ちゃんや佐藤美穂以外にもいるんだろうなあ、何人おるとよ?)、穏便に匿名で治療を受けさせたいっちゃね…。でも、私が自腹切っとったら、私、破産するっちゃ! P活しとる生徒が美代子ちゃんみたいじゃなくて、治療費を全額出せたり、保険を使えたりしたらええんやけど…困ったっちゃねえ。
ここは遥香を巻き込むかね? 彼女の社会正義っぷりは、口ん中に突っ込み返して、全部内緒で進めさせるとか…む、難しいっちゃ…ちょっと考えよう。あ! 美代子ちゃんの検査、梅毒だけじゃダメやんか! 他の性感染症も検査させんと、彼女ら、何をうつされたんか、うつしたんか分からんっちゃねえ…お金が…。
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言葉が途切れ、涙が溢れた。美咲は目を丸くしたが、すぐに表情を和らげて言った。「なんね、それ…大変やったね。落ち着いて話してごらんっちゃ」長崎弁が柔らかく響き、美代子は居酒屋で大翔に絡む美咲の姿とは違う、優しい教師の顔に美代子は少し安心した。
彼女は嗚咽を漏らしながら、検査キットと保健所の結果を打ち明けた。「貯金が諭吉3枚と少ししかなくて…保険を使ったら親にバレるし、実費だと足りなくて…」 パパ活のことは曖昧に「誰かにうつされた」と濁したが、隠語が混じった。
「イチゴ(1万5千円)でも治療費が足りないし、太P(高額払うパパ)が見つかればって思ったけど、もう無理で…」
美咲は首を傾げ、「ちょっと待って、イチゴってなんね?太Pってどういう意味っちゃ?」と尋ねた。居酒屋で遥香と長崎弁トークを繰り広げた軽いノリとは違い、真剣な目で美代子を見つめる。
美代子は顔を赤らめ、震えながら説明した。「イチゴは…1万5千円のことです。P活でよく使う隠語で…。太Pは、たくさんお金くれるパパのこと。SNSとかで定期(月契約)探す時に言うんです」
美咲は驚いた顔で頷き、「なるほど、そういう世界なんね…知らんかったっちゃ。でも、治療は絶対必要やよ。私が立て替えてあげるから、親にバレんようにクリニックに行こう。船橋に安く診てくれるとこ、探してみるっちゃ」美咲の頭には、試験後の居酒屋で大翔に「長崎じゃ男子に借りは作らん!」と啖呵を切った自分が浮かんだが、美代子の涙を見て「生徒のためなら別や」と決めた。
美代子は顔を上げ、涙目で呟いた。「先生に迷惑かけたくないです…私が払います、足りなかったら、絶対返すから…」
「ええよ、お金は後で考えればいいっちゃ。まずは治すことが大事やん」と美咲は微笑んだ。彼女はパソコンを開き、低額診療所や性感染症専門クリニックを調べ始めた。居酒屋で大翔と「恋愛ってドキドキやったよねぇ」と語り合った軽い気分とは裏腹に、教師としての責任感が胸を締める。
少し落ち着いた美咲は、真剣な顔で言った。「美代子ちゃん、ちょっと聞いてほしいっちゃ。千葉県や船橋の状況について、今、調べたんやけど…少女売春、つまり援助交際とかP活に関連するデータがあるんよ。千葉県警の発表だと、2022年に補導された18歳未満の少女は県内で146人。そのうち売春防止法違反で検挙されたのは22人やった。2023年はさらに増えて、補導数が160人を超えたって報告もある。船橋単体の数字は出てないけど、千葉県の都市部、特に船橋や千葉市はそういう活動が目立つ地域なんよ」
「でも、これって氷山の一角やっちゃね。補導された18歳未満の少女の実績だけで、補導を逃れた子もおるってことやん。何倍なんかい、何十倍なんかい分からんけどさ。その中で、千葉県警が掴んどる少女売春しとる生徒が22人なんていう数字は、ほんの一部やと思うっちゃ。他の県や東京都の数字も入っとらんけんね。君がどう感染したかは聞かんけど、こういう現実があるって知っとってほしいっちゃ。私ゃ、美代子ちゃん一人がこの高校で少女売春しとったとは思っとらんよ」
美代子は息を呑んだ。「そんなにいるんですか…?」 自分と同じ境遇の少女が多いと知り、背筋が冷たくなった。保健所での回想が頭をよぎり、「私が数字をひとつ増やしたのだ」と罪悪感が募る。
美咲の「補導を逃れた子もおる」「何倍なんかい、何十倍なんかい分からん」という言葉が頭の中で反響し、自分がその見えない数字の一部である現実が重くのしかかった。「私だけじゃないって分かったけど…じゃあ、私が誰かにうつして、それがまた広がって…」と考えると、膝が震え、涙が再び溢れそうになった。
美咲は美代子の表情を見て、優しく続けた。「うん、だから君だけやないっちゃ。でも、だからこそ治療して、自分を守ることが大事やよ。私ゃ、君がこの現実の中で君一人だけが苦しんどったとは思っとらんけんね。こういう似たような子たちが他におるって分かっとるから、私が手伝うよ。一緒に乗り越えようっちゃ」 美咲はカブトガニの模型を手に持ったまま、少し間を置いて、穏やかに微笑んだ。居酒屋で大翔に「私らの頃は恋愛でドキドキやったよねぇ」と笑った軽い気持ちとは違い、生徒の重い現実に向き合う覚悟が固まっていた。
美代子は目を伏せ、震える声で言った。「でも…先生、私が誰かにうつしてたらどうしようって…それが怖くて。美咲先生には感謝しかないけど、私、こんな目に遭うなんて思ってなかったんです」 保健所で聞いた「二次感染」の警告と美咲のデータが重なり、自分が「氷山の一角」の一部を超えて、増やした側かもしれない恐怖が胸を締め付けた。
美咲は首を振って、優しく遮った。「そりゃ怖い気持ちは分かるっちゃ。けどさ、今からでも遅くないよ。治療すれば君も周りも守れるんやから。過去は変えられんけど、これからを変えることはできるっちゃね。私ゃ、君を責めんし、一人で抱え込まんでええようにするよ」 美咲はパソコンを手に取り、「ほら、クリニック探すの手伝うけん、ちょっと待っとってな」と言いながら検索を再開した。
ところで、と美咲は美代子に目を向けた。「このP活、君は自分でネットとかSNSで調べて始めたん? それとも誰かと話して知ったん? まさかやっとる子に誘われたん? どうなんっちゃ?」 居酒屋で悠馬が「今の子は恋愛に興味ない」と語ったのを思い出しつつ、生徒の行動に驚きながらも冷静に尋ねた。
美代子はギクッとした。副生徒会長の佐藤美穂に誘われたなんて言えない。あの優等生で、いつも笑顔の美穂が裏垢で「#P活船橋」を呟いてたなんて誰も信じない。去年の夏、美穂に「美代子ならイチゴ(1万5千円)すぐ稼げるよ。緑(LINE)で教えるから」と誘われ、軽い気持ちで始めたのだ。でも、美咲の優しい目に嘘をつくのが辛くなり、唇を噛んで渋々白状した。
「…実は、副生徒会長の佐藤美穂ちゃんに誘われたんです。彼女がP活やってて、私もできるって…崎山先生、秘密にしてください。お願いします…」
美咲は目を丸くし、しばらく言葉を失った。カブトガニの模型を手に持ったまま、考え込むように視線を落とした。「美穂ちゃんが…? あの真面目そうな子が?」 美咲の頭には、生徒会室でテキパキ働く美穂の姿が浮かんだ。頭が整理しきれなかった。美咲は眉を寄せ、「ほんとに…?」と呟いたが、美代子の涙を見て言葉を飲み込んだ。
でも…と、美咲は自分の高校時代を思い出した。見かけが大人しかったり、優等生ぶっていたりする子に限って、なんて大胆な!という行動をするのだ。長尾遥香だって、見かけは生徒会長の「良い子ちゃん」だが、裏では少し腹黒い一面もあった。もちろん、美代子のような話でなく、隠れてイジメをしていたりとかだったが。
美代子の胸に罪悪感と感謝が混じり合い、涙が止まらなかった。「私が美穂ちゃんをバラしちゃった…でも、先生に隠す方が辛かった。3万2千円じゃ足りないって分かってたけど、先生に借りるなんて…ずっと恩を感じて生きなきゃいけないのかな? でも親にバレるよりマシだよね?」
美咲は電話でクリニックに問い合わせ、「保険証なしでも大丈夫そうなとこ、見つけたっちゃ」と告げた。美代子は小さく頷き、初めて希望の光を感じたが、美咲の考え込む表情が頭から離れなかった。美咲は内心、「美穂ちゃんまで…? 大翔に相談したいっちゃけど、いや、これは私が何とかせんといかん」と決意を固めた。居酒屋での軽いトークとは違う、重い現実が彼女の肩にのしかかっていた。
美咲は頭の中でぐるぐる考えていた。
本来の教師の仕事やったら、教頭や校長に報告して、正規の手続きを踏むべきなんやろね。でも、私ゃ思うっちゃけどさ、『べき』なんて社会正義の発露は、元生徒会長で社会正義の権化みたいな長尾遥香にでもやらせとけばええっちゃ。
私ゃ、この高校の複数の生徒が少女売春しとる実態を調べて、彼女らの案件は匿名にしたまま、この高校からオブラートに包んだP活、でも実際は違法な未成年の売春行為とか、なんでもええけど、そういう行為をなくしたいって思うとるんよ。
それで、美代子ちゃんと同じ、性感染症にかかっとる生徒がおったら(美代子ちゃんや佐藤美穂以外にもいるんだろうなあ、何人おるとよ?)、穏便に匿名で治療を受けさせたいっちゃね…。でも、私が自腹切っとったら、私、破産するっちゃ! P活しとる生徒が美代子ちゃんみたいじゃなくて、治療費を全額出せたり、保険を使えたりしたらええんやけど…困ったっちゃねえ。
ここは遥香を巻き込むかね? 彼女の社会正義っぷりは、口ん中に突っ込み返して、全部内緒で進めさせるとか…む、難しいっちゃ…ちょっと考えよう。あ! 美代子ちゃんの検査、梅毒だけじゃダメやんか! 他の性感染症も検査させんと、彼女ら、何をうつされたんか、うつしたんか分からんっちゃねえ…お金が…。