とりあえず、海へ行こう! 2
ー/ー
「おっまたせー!」
更衣室から出てきたルーはシンプルな黒のビキニ姿だった。不健康的な白い肌とのコントラストが映えている。
「やっぱ水着って言ったらこれでしょー!!」
前かがみで胸を寄せると、それに合わせてムツヤの鼻の下も伸びた。
「ったく、そんな派手なの着やがって」
アシノはと言うと、上はワインレッドでクロスデザインの水着を着ており、下は水色の短いキュロットのような感じで、いつもの服装と少し似ている。
「あ、あの、私には似合わないんじゃ……」
そう言っておずおずと出てきたモモはピンクのワンピース型の水着を着ていた。
「可愛いですよ、モモさん」
「あっ、えっ、ありがとうございます……」
ムツヤの言葉にモモは顔を赤くして礼を言う。
その後ろからヨーリィが出てきた。
紺色の全身を覆う水着で胸の部分には白い横長の長方形があり、ヨーリィと名前が書かれている。
無表情のヨーリィの代わりにルーが騒ぐ。
「似合ってるでしょ!? しかも白い部分は着ると名前が浮かび上がるみたいなの!!」
「へぇー、ヨーリィも似合ってるよ」
「それで、ムツヤっちとユモトちゃんの水着なんだけど」
ルーが言うと全員が目をそらした。何だかユモトは嫌な予感がした。
「はい、ムツヤっちはこれ」
ムツヤに手渡されたのは、なんてこと無い普通の青い海パンだった。
「はい、ユモトちゃんはこれ」
ユモトに手渡されたのは、なんてこと無い普通の水色オフショルダーのビキニだった。
「って、ちょっと待って下さい!!」
滅多に怒ることのないユモトであったが、今回ばかりは流石に怒っている。
「これ女性用じゃないですか!!」
「あー、何か海パンムツヤっちの分しか無くて。何故か知らないけど女物の水着ばっかりなのよねー」
「じゃあ今から買ってきますよ!!」
ユモトは水着を買いに行こうとするが、まぁまぁとルーは止めた。
「ユモトちゃん、大丈夫!! 目立たないって!! 逆に海パンのが絵面的にアウトかも……」
「どういう意味ですか!? じゃあ下だけ、下だけ履きますよ!!」
ユモトは焦ってよく分からないことを言っているが、皆が全力で止める。
「それだと余計アウトだから!!」
「物は試しだ、着てみたらどうだ? それで変だったら買いに行けば良いだろう」
押しに弱いユモトは「うぅ……」と言って更衣室へ消えた。
しばらくして更衣室からムツヤが出てきた。海パン姿で。
その後ろではユモトが顔だけを出してこちらを見ている。
「ユモトさん大丈夫ですって!! 似合ってますから!!」
「似合ってるって言われても嬉しくないんですけど……」
水色のオフショルダーのビキニを着たユモトは、それはそれはもう、どこから見ても美少女だった。
「ユモトちゃん似合ってるよー!! それじゃ海へレッツラゴー!!!」
「やっぱりおかしいですって!!」
「ユモトさん早く海に行きましょう!! 海ですよ海!!」
ムツヤはユモトのことよりも目の前の海が待ち遠しいみたいだ。
「うー、絶対変態だと思われる……」
そんな事を言うユモトの手を引いてムツヤは海に向かって歩き出したのであった。
どこまでも続く青い海、白い砂浜、眩しい日差し、ムツヤは海に向かって小走り気味に歩いていた。
「ムツヤ、海は逃げないぞ」
アシノは珍しく笑いながら言った。キエーウという心配事が片付いて肩の力が抜けたのだろうか。
「うぅ…… 変態だと思われる……」
ユモトはモジモジとして砂浜に立っていた。
「キャッホー!! 海だー!!!」
ルーはムツヤと共に走り出して波打ち際に足をつける。
「冷たっ!!」
「すげー、本当に水がしょっぱい!!」
ムツヤは海水を舐めて感動していた。モモは貸し出しのパラソルを立てユモトは逃げ込むようにその日陰に隠れる。
「お前ら、体慣らさないと溺れるぞ」
「ヘーキヘーキ…… ってあしつったー!!!」
アシノの言う通り、運動不足のルーは走って海に腰をつけたぐらいで足をつっていた。
「そうはならんだろ……」
「なっとるやろがい!!」
「ムツヤっちヘルプミー!!!」
近くにいるムツヤにルーは助けを求める。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!!」
ムツヤはルーを背中に乗せた。
水着だからいつもよりも大きなアレの感触が伝わり、ムツヤは鼻の下を伸ばす。
一旦砂浜に全員が上がり、ルーはアシノに怒られて、準備体操を始めた。
「はい、深呼吸して終わり!! じゃあ海へレッツゴー!!」
再びムツヤとルーは一目散に走り出した。よっぽど海が気に入ったのだろう。
「アシノ殿は行かないのですか?」
「私は少しゆっくりしてるよ」
パラソルの下で椅子に座り、トロピカルなジュースを飲みながらアシノは言う。
「モモも行ったらどうだ? 海は初めてだろう?」
「そうですね、それじゃ失礼して……」
モモも初めて見る海に心躍っていた。「待ってくださーい」と言いながらムツヤ達の後を追いかける。
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。
「おっまたせー!」
更衣室から出てきたルーはシンプルな黒のビキニ姿だった。不健康的な白い肌とのコントラストが映えている。
「やっぱ水着って言ったらこれでしょー!!」
前かがみで胸を寄せると、それに合わせてムツヤの鼻の下も伸びた。
「ったく、そんな派手なの着やがって」
アシノはと言うと、上はワインレッドでクロスデザインの水着を着ており、下は水色の短いキュロットのような感じで、いつもの服装と少し似ている。
「あ、あの、私には似合わないんじゃ……」
そう言っておずおずと出てきたモモはピンクのワンピース型の水着を着ていた。
「可愛いですよ、モモさん」
「あっ、えっ、ありがとうございます……」
ムツヤの言葉にモモは顔を赤くして礼を言う。
その後ろからヨーリィが出てきた。
紺色の全身を覆う水着で胸の部分には白い横長の長方形があり、ヨーリィと名前が書かれている。
無表情のヨーリィの代わりにルーが騒ぐ。
「似合ってるでしょ!? しかも白い部分は着ると名前が浮かび上がるみたいなの!!」
「へぇー、ヨーリィも似合ってるよ」
「それで、ムツヤっちとユモトちゃんの水着なんだけど」
ルーが言うと全員が目をそらした。何だかユモトは嫌な予感がした。
「はい、ムツヤっちはこれ」
ムツヤに手渡されたのは、なんてこと無い普通の青い海パンだった。
「はい、ユモトちゃんはこれ」
ユモトに手渡されたのは、なんてこと無い普通の水色オフショルダーのビキニだった。
「って、ちょっと待って下さい!!」
滅多に怒ることのないユモトであったが、今回ばかりは流石に怒っている。
「これ女性用じゃないですか!!」
「あー、何か海パンムツヤっちの分しか無くて。何故か知らないけど女物の水着ばっかりなのよねー」
「じゃあ今から買ってきますよ!!」
ユモトは水着を買いに行こうとするが、まぁまぁとルーは止めた。
「ユモトちゃん、大丈夫!! 目立たないって!! 逆に海パンのが絵面的にアウトかも……」
「どういう意味ですか!? じゃあ下だけ、下だけ履きますよ!!」
ユモトは焦ってよく分からないことを言っているが、皆が全力で止める。
「それだと余計アウトだから!!」
「物は試しだ、着てみたらどうだ? それで変だったら買いに行けば良いだろう」
押しに弱いユモトは「うぅ……」と言って更衣室へ消えた。
しばらくして更衣室からムツヤが出てきた。海パン姿で。
その後ろではユモトが顔だけを出してこちらを見ている。
「ユモトさん大丈夫ですって!! 似合ってますから!!」
「似合ってるって言われても嬉しくないんですけど……」
水色のオフショルダーのビキニを着たユモトは、それはそれはもう、どこから見ても美少女だった。
「ユモトちゃん似合ってるよー!! それじゃ海へレッツラゴー!!!」
「やっぱりおかしいですって!!」
「ユモトさん早く海に行きましょう!! 海ですよ海!!」
ムツヤはユモトのことよりも目の前の海が待ち遠しいみたいだ。
「うー、絶対変態だと思われる……」
そんな事を言うユモトの手を引いてムツヤは海に向かって歩き出したのであった。
どこまでも続く青い海、白い砂浜、眩しい日差し、ムツヤは海に向かって小走り気味に歩いていた。
「ムツヤ、海は逃げないぞ」
アシノは珍しく笑いながら言った。キエーウという心配事が片付いて肩の力が抜けたのだろうか。
「うぅ…… 変態だと思われる……」
ユモトはモジモジとして砂浜に立っていた。
「キャッホー!! 海だー!!!」
ルーはムツヤと共に走り出して波打ち際に足をつける。
「冷たっ!!」
「すげー、本当に水がしょっぱい!!」
ムツヤは海水を舐めて感動していた。モモは貸し出しのパラソルを立てユモトは逃げ込むようにその日陰に隠れる。
「お前ら、体慣らさないと溺れるぞ」
「ヘーキヘーキ…… ってあしつったー!!!」
アシノの言う通り、運動不足のルーは走って海に腰をつけたぐらいで足をつっていた。
「そうはならんだろ……」
「なっとるやろがい!!」
「ムツヤっちヘルプミー!!!」
近くにいるムツヤにルーは助けを求める。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!!」
ムツヤはルーを背中に乗せた。
水着だからいつもよりも大きなアレの感触が伝わり、ムツヤは鼻の下を伸ばす。
一旦砂浜に全員が上がり、ルーはアシノに怒られて、準備体操を始めた。
「はい、深呼吸して終わり!! じゃあ海へレッツゴー!!」
再びムツヤとルーは一目散に走り出した。よっぽど海が気に入ったのだろう。
「アシノ殿は行かないのですか?」
「私は少しゆっくりしてるよ」
パラソルの下で椅子に座り、トロピカルなジュースを飲みながらアシノは言う。
「モモも行ったらどうだ? 海は初めてだろう?」
「そうですね、それじゃ失礼して……」
モモも初めて見る海に心躍っていた。「待ってくださーい」と言いながらムツヤ達の後を追いかける。