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第二部 14話 市民連合

ー/ー



 騎士団の仕事が終わって、俺はナタリーと一緒に街を歩いていた。
 夕飯を外で食べることになったのだ。

 しばらく街を物色していると、俺の肩に何かが乗った。リックではない。
 見れば、小さな青い小鳥だった。

「何だピノか」
「あ! やっと帰って来た! また遊んでたでしょ?」

 ナタリーが声を張り上げる。
 小鳥はどこ吹く風で俺の頬にすり寄っている。

 ナタリーの使い魔で、名前は『ピノ』だ。
 日本人である俺の基準で言えば、見た目は青い雀。

 めちゃくちゃ賢い小鳥で、何故か俺に懐いている。
 しかし何よりの特徴は、保有魔力量が多いこと。ちょっとした魔術師並とのことだ。
 ナタリーとは魔力を通してある程度の意思疎通ができるらしい。

「? 街が騒がしい……?」
「何だそれ?」
「ピノが言うには街全体――いや、王都周辺が騒いでるって」

 信憑性がないとは言えない。
 ピノはナタリーの恐るべきアイデアの塊だ。
 全身に無数の魔法陣が仕込まれている。
『外見偽装』に『高速移動』『音声記録』『消音消臭』『五感強化』などなど。
 逃走用に簡単な攻撃魔法すら扱える。人権保護の観点で言えば存在自体が違法なレベルだ。

 世界で最も王都を知る存在だろう。
 ピノが俺の肩で可愛らしく首を傾げた。

 ――王都周辺が騒がしいってなんだよ?
 ――分かることがおかしいだろ。

 次の瞬間。

「号外! 号外だよ!」

 急に叫び声が響いた。見れば、紙が配られている。
 大きな事件があると、このように周知の意味も兼ねて配布されるのだ。
 俺は号外を一部受け取ると、ナタリーと一緒に覗き込んだ。

「ああ、これはまずいんだろうな」
「?」

 俺の呟きに、ナタリーが不思議そうな顔をした。
 そこには『連合で反乱成功』の文字。

 この大陸で大きな勢力を持っていた通称『君主連合』の加盟国で次々と反乱が発生しているとのことだった。
 それ自体はかなり前から始まっている。新しい情報は反乱の数々が成功を納めているということだ。
 もはや加盟国の大半で反乱は成功しており、通称も『君主連合』から『市民連合』へと変わっているらしい。

 元の世界で言えば、民主化の流れに近いのだろうか?
 それ自体は不思議ではない。この世界の文明レベルを考えれば自然だとすら思える。

 この世界は機械がない。しかし、その不足は魔法やスキルが補っている。
 学問だって驚くほど進んでいるのだ。その点で言えば『中世』よりも『近代』に近いだろう。

 だから、民主化は問題にならない。
 問題は『連合の反乱軍』は鬼が関わっていると、昔言われたことだ。



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 騎士団の仕事が終わって、俺はナタリーと一緒に街を歩いていた。
 夕飯を外で食べることになったのだ。
 しばらく街を物色していると、俺の肩に何かが乗った。リックではない。
 見れば、小さな青い小鳥だった。
「何だピノか」
「あ! やっと帰って来た! また遊んでたでしょ?」
 ナタリーが声を張り上げる。
 小鳥はどこ吹く風で俺の頬にすり寄っている。
 ナタリーの使い魔で、名前は『ピノ』だ。
 日本人である俺の基準で言えば、見た目は青い雀。
 めちゃくちゃ賢い小鳥で、何故か俺に懐いている。
 しかし何よりの特徴は、保有魔力量が多いこと。ちょっとした魔術師並とのことだ。
 ナタリーとは魔力を通してある程度の意思疎通ができるらしい。
「? 街が騒がしい……?」
「何だそれ?」
「ピノが言うには街全体――いや、王都周辺が騒いでるって」
 信憑性がないとは言えない。
 ピノはナタリーの恐るべきアイデアの塊だ。
 全身に無数の魔法陣が仕込まれている。
『外見偽装』に『高速移動』『音声記録』『消音消臭』『五感強化』などなど。
 逃走用に簡単な攻撃魔法すら扱える。人権保護の観点で言えば存在自体が違法なレベルだ。
 世界で最も王都を知る存在だろう。
 ピノが俺の肩で可愛らしく首を傾げた。
 ――王都周辺が騒がしいってなんだよ?
 ――分かることがおかしいだろ。
 次の瞬間。
「号外! 号外だよ!」
 急に叫び声が響いた。見れば、紙が配られている。
 大きな事件があると、このように周知の意味も兼ねて配布されるのだ。
 俺は号外を一部受け取ると、ナタリーと一緒に覗き込んだ。
「ああ、これはまずいんだろうな」
「?」
 俺の呟きに、ナタリーが不思議そうな顔をした。
 そこには『連合で反乱成功』の文字。
 この大陸で大きな勢力を持っていた通称『君主連合』の加盟国で次々と反乱が発生しているとのことだった。
 それ自体はかなり前から始まっている。新しい情報は反乱の数々が成功を納めているということだ。
 もはや加盟国の大半で反乱は成功しており、通称も『君主連合』から『市民連合』へと変わっているらしい。
 元の世界で言えば、民主化の流れに近いのだろうか?
 それ自体は不思議ではない。この世界の文明レベルを考えれば自然だとすら思える。
 この世界は機械がない。しかし、その不足は魔法やスキルが補っている。
 学問だって驚くほど進んでいるのだ。その点で言えば『中世』よりも『近代』に近いだろう。
 だから、民主化は問題にならない。
 問題は『連合の反乱軍』は鬼が関わっていると、昔言われたことだ。