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Side - 15 - 10 - ぼくのはなしをきいてくれ -

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Side - 15 - 10 - ぼくのはなしをきいてくれ -

こんにちは田中太郎と申します。

理世たんが魔法陣から出てきて7日が経ったでござる。

今日もまた魔法陣から出てきた理世たんはこちらの水質検査の結果を見て。

「同じかぁ・・・、まぁ良かったんだろうけど、ちょっとつまんないなぁ・・・」

などと不穏なことを呟いた後、今は拙者がおすすめしたアニメをネットフリフリで見ているでござる。

理世たんはあれから異世界の水を用意して、家族旅行で行った事のある山の展望台に水の入った器を置いてきたでござる。

そして拙者は言われた通り水質検査を専門にやっている会社を調べてその水を検査するよう依頼したのでござるが・・・割とあっさりと引き受けてくれたでござるな、結果は特に異常のない普通の水、不純物も無いそうでござった、向こうの水はこちらと同じようでござるな、ただ、水が入っていた器についてしつこく聞かれたでござるが・・・。

それにしても検査会社の人には悪いことをしたでござる、一歩間違えたら髪の毛が全部抜けたり宇宙生物が「キシャー!」ってなるところでござったのに・・・、この秘密は拙者が墓場まで持って行くでござるよ、すまぬ担当の鈴木氏!。

ネットフリフリを見終わった娘が向こうで、「あー、やばいー、おもしろーい!」って叫んでるでござる、聞くところによると向こうの世界は娯楽が本か演劇くらいしか無いそうで、ゲーム好きの理世たんには退屈だったようでござる。

「ところでお父さん」

「なんでござろう」

「次はいよいよ有機物だねー、何が起きるかなぁー」

娘が危ない科学者みたいな恐ろしいことを満面の笑顔で言ってきたでござる。

「今度は穀物や果物みたいなのを3種類くらい、あと普通の人間の血と、化け物の血を送ろうと思うの、どこかにDNA検査や血液分析してくれるところ知らないかなぁ、やばい結果が出ても他に漏らさないところが望ましい」

また無茶なことを言ってきたでござるな・・・。

「あー、その前に地球の食べ物を送ってもらおうかなぁ、まずはリンゴかオレンジみたいなのある?、それをアルコールで拭いて消毒してもらって、魔法陣の上に置いて欲しい」

「それは理世たんの住んでる世界が危ないのではござらんか?」

「もういい加減面倒くさくなったんだよねぇ、地球の食べ物をこっちの無人島にでも転送して、そこでまず動物に食べてもらうでしょ、5日くらい様子見て、次は奴隷借りてきてそいつに食べさせる、死ななかったらオッケーって感じかな」

今度は人権団体が大騒ぎしそうなことを言ってきたでござる!。

「向こうには奴隷もいるのでござるか?」

「あー、居るねー、でも子供の頃からやっちゃダメって教わってるのに凶悪犯罪4回もやらかした連中だだから全然問題ないよ、3回までは許してもらってたし、次やったら奴隷になるの分かっててまた人殺しや強盗した奴らだから」

「・・・なら問題ないでござるな」

あれ。拙者も娘に影響されてきてるでござるかな。

「親父!、ちょっと」

隣の部屋から顔を出して息子の龍之介が呼んでるでござる、今の理世たんとの話を聞いていたようでござるが・・・何でござろうか。

娘は座敷で、「龍之介ー、私に内緒で何喋ってるのー」とか叫んでるでござるな。

「親父、血液検査の件はちょっと心当たりがあるから2〜3日待ってもらってくれ、そのかわり交換条件でお姉ちゃんには・・・・」

「・・・それはいい考えでござるな」

拙者は娘のいる座敷に戻って言ったでござる。

「血液検査の件、龍之介が心当たりがあるらしいでござるよ」





初めまして、僕の名前は田中龍之介。

いつも姉がお世話になってるね、ここからは僕が親父に代わって君たちにお話しするよ。

お姉ちゃんと話した翌日、僕はお爺ちゃんのジャズ喫茶に集まってもらったケイオスDGのメンバー3人に言った。

「みんな心配かけてすまなかった、姉の葬式にも来て手伝ってくれてありがとう、今日は少し話があるんだ、急に集まってもらって悪かったね」

アイスコーヒーを飲みながらベースの犬飼苺が言った。

「本当になんて言ったらいいか・・・龍之介さん大丈夫?」

クリームソーダを飲みながらドラムの犬飼十真斗が言った。

「龍之介君、あまり面識はなかったがお姉さんのこと気の毒だったな、あんな酷い殺され方を・・・・くそ!・・・すまん、また涙が!」

アイスを食いながら幼馴染でギターの山田敬雄が言った。

「・・・理世姉ちゃん・・・・うぉぉぉ!」


そんな3人を見ながら僕はできる限りの笑顔で言った。

「みんな驚かないで聞いてくれ、お姉ちゃんが生まれ変わって帰ってきたんだよ!」

犬飼苺がコーヒーを鼻から吹き出して咽せた。

「ごふぅ!、げふっ!、えふっ!、・・・龍之介さん?」

犬飼十真斗が口に含んだクリームソーダをだばぁーって垂らして呆然としている。

「・・・」

アイスを食うのを止めた山田敬雄が優しい顔をして言った。

「・・・龍ちゃん、辛いのは分かるが・・・宗教だけはダメだ、やめておけ、親友として俺にできることがあれば何でも言ってくれ」


ちょっと待て、・・・何か誤解されてるようだ。

「いや違うんだ、異世界で生まれ変わって魔法陣を使ってうちの座敷に・・・」

犬飼十真斗が立ち上がって言った。

「苺、タクシー呼べ!、金田の叔父貴の病院に連れて行く!」

「龍之介君!、俺の親戚に腕のいい精神科医が居る、今から行こう!、何も心配いらない、俺に任せておけ、酷くなる前に気付いて良かった、さぁ行こう!」

山田敬雄が逃げられないように僕の腕を掴んで言った。

「すまん!、龍ちゃん!、気付いてやれなかった!、俺は親友失格だ!、お前・・・そんなになるまで・・・・畜生ぉ!」


「いや待て!、違うんだ!、僕はおかしくなってない!」

犬飼十真斗が僕の肩に手を当てて優しく言った。

「みんな言うんだよ、俺はおかしくないってね、でも落ち着いて聞いてくれ、こういうのは早ければ早いほどいいんだ、病院に行って俺の叔父貴に悩んでること全部話せば少しは楽になるだろう」


「頼む!、僕の話をちゃんと聞いてくれ!」


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こんにちは田中太郎と申します。
理世たんが魔法陣から出てきて7日が経ったでござる。
今日もまた魔法陣から出てきた理世たんはこちらの水質検査の結果を見て。
「同じかぁ・・・、まぁ良かったんだろうけど、ちょっとつまんないなぁ・・・」
などと不穏なことを呟いた後、今は拙者がおすすめしたアニメをネットフリフリで見ているでござる。
理世たんはあれから異世界の水を用意して、家族旅行で行った事のある山の展望台に水の入った器を置いてきたでござる。
そして拙者は言われた通り水質検査を専門にやっている会社を調べてその水を検査するよう依頼したのでござるが・・・割とあっさりと引き受けてくれたでござるな、結果は特に異常のない普通の水、不純物も無いそうでござった、向こうの水はこちらと同じようでござるな、ただ、水が入っていた器についてしつこく聞かれたでござるが・・・。
それにしても検査会社の人には悪いことをしたでござる、一歩間違えたら髪の毛が全部抜けたり宇宙生物が「キシャー!」ってなるところでござったのに・・・、この秘密は拙者が墓場まで持って行くでござるよ、すまぬ担当の鈴木氏!。
ネットフリフリを見終わった娘が向こうで、「あー、やばいー、おもしろーい!」って叫んでるでござる、聞くところによると向こうの世界は娯楽が本か演劇くらいしか無いそうで、ゲーム好きの理世たんには退屈だったようでござる。
「ところでお父さん」
「なんでござろう」
「次はいよいよ有機物だねー、何が起きるかなぁー」
娘が危ない科学者みたいな恐ろしいことを満面の笑顔で言ってきたでござる。
「今度は穀物や果物みたいなのを3種類くらい、あと普通の人間の血と、化け物の血を送ろうと思うの、どこかにDNA検査や血液分析してくれるところ知らないかなぁ、やばい結果が出ても他に漏らさないところが望ましい」
また無茶なことを言ってきたでござるな・・・。
「あー、その前に地球の食べ物を送ってもらおうかなぁ、まずはリンゴかオレンジみたいなのある?、それをアルコールで拭いて消毒してもらって、魔法陣の上に置いて欲しい」
「それは理世たんの住んでる世界が危ないのではござらんか?」
「もういい加減面倒くさくなったんだよねぇ、地球の食べ物をこっちの無人島にでも転送して、そこでまず動物に食べてもらうでしょ、5日くらい様子見て、次は奴隷借りてきてそいつに食べさせる、死ななかったらオッケーって感じかな」
今度は人権団体が大騒ぎしそうなことを言ってきたでござる!。
「向こうには奴隷もいるのでござるか?」
「あー、居るねー、でも子供の頃からやっちゃダメって教わってるのに凶悪犯罪4回もやらかした連中だだから全然問題ないよ、3回までは許してもらってたし、次やったら奴隷になるの分かっててまた人殺しや強盗した奴らだから」
「・・・なら問題ないでござるな」
あれ。拙者も娘に影響されてきてるでござるかな。
「親父!、ちょっと」
隣の部屋から顔を出して息子の龍之介が呼んでるでござる、今の理世たんとの話を聞いていたようでござるが・・・何でござろうか。
娘は座敷で、「龍之介ー、私に内緒で何喋ってるのー」とか叫んでるでござるな。
「親父、血液検査の件はちょっと心当たりがあるから2〜3日待ってもらってくれ、そのかわり交換条件でお姉ちゃんには・・・・」
「・・・それはいい考えでござるな」
拙者は娘のいる座敷に戻って言ったでござる。
「血液検査の件、龍之介が心当たりがあるらしいでござるよ」
初めまして、僕の名前は田中龍之介。
いつも姉がお世話になってるね、ここからは僕が親父に代わって君たちにお話しするよ。
お姉ちゃんと話した翌日、僕はお爺ちゃんのジャズ喫茶に集まってもらったケイオスDGのメンバー3人に言った。
「みんな心配かけてすまなかった、姉の葬式にも来て手伝ってくれてありがとう、今日は少し話があるんだ、急に集まってもらって悪かったね」
アイスコーヒーを飲みながらベースの犬飼苺が言った。
「本当になんて言ったらいいか・・・龍之介さん大丈夫?」
クリームソーダを飲みながらドラムの犬飼十真斗が言った。
「龍之介君、あまり面識はなかったがお姉さんのこと気の毒だったな、あんな酷い殺され方を・・・・くそ!・・・すまん、また涙が!」
アイスを食いながら幼馴染でギターの山田敬雄が言った。
「・・・理世姉ちゃん・・・・うぉぉぉ!」
そんな3人を見ながら僕はできる限りの笑顔で言った。
「みんな驚かないで聞いてくれ、お姉ちゃんが生まれ変わって帰ってきたんだよ!」
犬飼苺がコーヒーを鼻から吹き出して咽せた。
「ごふぅ!、げふっ!、えふっ!、・・・龍之介さん?」
犬飼十真斗が口に含んだクリームソーダをだばぁーって垂らして呆然としている。
「・・・」
アイスを食うのを止めた山田敬雄が優しい顔をして言った。
「・・・龍ちゃん、辛いのは分かるが・・・宗教だけはダメだ、やめておけ、親友として俺にできることがあれば何でも言ってくれ」
ちょっと待て、・・・何か誤解されてるようだ。
「いや違うんだ、異世界で生まれ変わって魔法陣を使ってうちの座敷に・・・」
犬飼十真斗が立ち上がって言った。
「苺、タクシー呼べ!、金田の叔父貴の病院に連れて行く!」
「龍之介君!、俺の親戚に腕のいい精神科医が居る、今から行こう!、何も心配いらない、俺に任せておけ、酷くなる前に気付いて良かった、さぁ行こう!」
山田敬雄が逃げられないように僕の腕を掴んで言った。
「すまん!、龍ちゃん!、気付いてやれなかった!、俺は親友失格だ!、お前・・・そんなになるまで・・・・畜生ぉ!」
「いや待て!、違うんだ!、僕はおかしくなってない!」
犬飼十真斗が僕の肩に手を当てて優しく言った。
「みんな言うんだよ、俺はおかしくないってね、でも落ち着いて聞いてくれ、こういうのは早ければ早いほどいいんだ、病院に行って俺の叔父貴に悩んでること全部話せば少しは楽になるだろう」
「頼む!、僕の話をちゃんと聞いてくれ!」