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第23話 「逸脱」

ー/ー



「俺たちは、互いにぶつかり合った
  でもそこには、互いに共通する意思...
   『護りたい』という意志があったんだ...」


ついに『トランス』に入ったヴィレイ。その力は絶大だった。
二人を見据えた次の瞬間、ヴィレイは文字通り、”消えた”。

「「!?」」

その直後、ティエラの目の前でN・ヤスヒロが殴り飛ばされた。

「!!」

そしてティエラにも横から蹴りが飛んできた。
咄嗟に両腕でガードするティエラ。

メキメキッ......バキバキバキッ...!

と、何やらイヤな音と激痛に襲われながら、ティエラは吹っ飛んだ。
そのままティエラはマンションの壁に激突する。

ギ...ギギギィ...

そんな音に気づいたティエラは顔を上げる。
数秒後、ティエラに数個もの大きな看板が降ってきた。
看板に押し潰されながら、ティエラは意識を手放した。

「...”アレ”を使うしかないようだな」

「?」

N・ヤスヒロは全身に力を入れ始めた。
漆黒のオーラがN・ヤスヒロを覆う。
その場にあったチリが巻き上げられ始めた。

「!!まだそんな力が...!?」

「これが...”人類”の最高到達点だ...。この力に、全てをかける...!」

O V E R  A L L

「何て力だ...!」

「言っておくが、今の俺はティエラよりも強い...!」

そう言うと、N・ヤスヒロは消えた。

「!?バカなッ!見えなッ―」

次の瞬間、ヴィレイの脇腹に裏蹴りが炸裂した。

「グハッ!?」

「まだだッ!!」

一瞬ひるんだヴィレイにN・ヤスヒロは殴りかかる。
負けじとヴィレイも殴りかかる。

互いに、狙うは顔面。

結果は一瞬で出た。
N・ヤスヒロのほうが0.1秒ほど速くヴィレイの顔面に拳をめり込ませた。
殴り飛ばされたヴィレイはガラクタを積んだトラックの荷台に突入する。

「ハァッ...ハァッ...やはり、キツイな...。速く、終わらせなければ...」

N・ヤスヒロは一旦深呼吸をし、息を整えた。




『ティエラ!』

「...ルナか。つまりここは精神世界...。意識を失ったか」

『うん...そうみたい』

「ルナ」

『?』

「ヴィレイ、強い、勝利、方法」

『えーっと...あのね?ティエラ、ゴメンけど私、Google先生じゃないから...』

「じゃあ一緒に考えてくれ」

『!!うん、分かった!』

「まずはあのイカれたフィジカルだな...」

『うん...。私もびっくりしちゃった。アシュラ一族ってあんなに強いんだね...』

「俺にもあそこまで強いフィジカルがあればいいのだが...」

『アシュラ一族はリミッターを外すことで強くなるんだよね?』

「ああ、そうみたいだ。...というか、素のフィジカルでも強い」

『そうだね...。リミッターか...。リミッター...。!!あっ!!』

「!!何か思いついたのか?」

『ティエラにもあるじゃん!!痛みを無くす”リミッター”が!!』

「!!確かに...!ある。恩に着るぞ、ルナ...!」

『えっへへ~。それじゃ、頑張ってね!!』

ルナは拳を胸の前に出し、フンスと鼻を鳴らす。
そんなルナを愛おしく思いながら、ティエラは精神世界を後にした。




ティエラの意識が戻った。
看板を押しのけながら立ち上がる。
目の前では、ヴィレイとN・ヤスヒロが激戦を繰り広げていた。

(さてと...。”あの状態”はもって15分...。一瞬でカタをつけるぞ...!)

ティエラは目を閉じる。
次の瞬間、ティエラの身体に稲妻のような文様が広がった。

『インフィニティ・モード』だ。

以前ヴィレイに粉々にされた両腕の骨も一瞬で再生した。

(相変わらず凄い頭痛だな...)

目の前に現れたヴィレイはティエラの腹部に正拳突きをお見舞いする。
が、全くひるまないティエラはヴィレイの腹部に正拳突きをし返した。

「!?ガハッ!?」

とてつもない、予想外の一撃に、ヴィレイはふらつく。
そして、直後に現れたN・ヤスヒロとともにヴィレイを蹴っ飛ばした。
これまでの攻撃により、粉々になったティエラの手足の骨は一瞬で再生する。

「攻撃を止めるな!!」

「分かっている!!」

二人は必死に猛攻を仕掛けた。

ティエラは、自身の肉体がグチャグチャになるほどの攻撃を。
N・ヤスヒロは、ティエラが攻撃をした直後に攻撃を、

この繰り返しである。

数分後、ヴィレイの力が弱まってきた。
ティエラも長時間インフィニティ・モードを発動したことによる反動でふらつく。

そのときだった。

ヴィレイの瞳が桜色から一瞬、紅色に戻った。

この機会を、二人は逃さなかった。

「これでッ...!」

「終わりだあああああッ!!」

N・ヤスヒロが渾身の正拳突きをヴィレイの腹部にお見舞いし、一瞬意識を失いかけていたヴィレイの顔面に、身体を一回転させて、渾身の蹴りをティエラはぶちかました。

吹っ飛ばされたヴィレイは、小さな工場に突撃する。
直後、工場は崩れ、ヴィレイはガレキというガレキの下敷きとなってしまった。

ヴィレイの”灯”はだんだんと弱まっていく。
そして、薄れゆく意識の中、ヴィレイは”あるもの”を見た。

それは、ヴィレイの『記憶』であった。

それは、ただまっすぐに、そして波乱に巻き込まれながらも、”愛する者”のために”自分”を見失わなかった、彼の生き様であった...。


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「俺たちは、互いにぶつかり合った
  でもそこには、互いに共通する意思...
   『護りたい』という意志があったんだ...」
ついに『トランス』に入ったヴィレイ。その力は絶大だった。
二人を見据えた次の瞬間、ヴィレイは文字通り、”消えた”。
「「!?」」
その直後、ティエラの目の前でN・ヤスヒロが殴り飛ばされた。
「!!」
そしてティエラにも横から蹴りが飛んできた。
咄嗟に両腕でガードするティエラ。
メキメキッ......バキバキバキッ...!
と、何やらイヤな音と激痛に襲われながら、ティエラは吹っ飛んだ。
そのままティエラはマンションの壁に激突する。
ギ...ギギギィ...
そんな音に気づいたティエラは顔を上げる。
数秒後、ティエラに数個もの大きな看板が降ってきた。
看板に押し潰されながら、ティエラは意識を手放した。
「...”アレ”を使うしかないようだな」
「?」
N・ヤスヒロは全身に力を入れ始めた。
漆黒のオーラがN・ヤスヒロを覆う。
その場にあったチリが巻き上げられ始めた。
「!!まだそんな力が...!?」
「これが...”人類”の最高到達点だ...。この力に、全てをかける...!」
O V E R  A L L
「何て力だ...!」
「言っておくが、今の俺はティエラよりも強い...!」
そう言うと、N・ヤスヒロは消えた。
「!?バカなッ!見えなッ―」
次の瞬間、ヴィレイの脇腹に裏蹴りが炸裂した。
「グハッ!?」
「まだだッ!!」
一瞬ひるんだヴィレイにN・ヤスヒロは殴りかかる。
負けじとヴィレイも殴りかかる。
互いに、狙うは顔面。
結果は一瞬で出た。
N・ヤスヒロのほうが0.1秒ほど速くヴィレイの顔面に拳をめり込ませた。
殴り飛ばされたヴィレイはガラクタを積んだトラックの荷台に突入する。
「ハァッ...ハァッ...やはり、キツイな...。速く、終わらせなければ...」
N・ヤスヒロは一旦深呼吸をし、息を整えた。
『ティエラ!』
「...ルナか。つまりここは精神世界...。意識を失ったか」
『うん...そうみたい』
「ルナ」
『?』
「ヴィレイ、強い、勝利、方法」
『えーっと...あのね?ティエラ、ゴメンけど私、Google先生じゃないから...』
「じゃあ一緒に考えてくれ」
『!!うん、分かった!』
「まずはあのイカれたフィジカルだな...」
『うん...。私もびっくりしちゃった。アシュラ一族ってあんなに強いんだね...』
「俺にもあそこまで強いフィジカルがあればいいのだが...」
『アシュラ一族はリミッターを外すことで強くなるんだよね?』
「ああ、そうみたいだ。...というか、素のフィジカルでも強い」
『そうだね...。リミッターか...。リミッター...。!!あっ!!』
「!!何か思いついたのか?」
『ティエラにもあるじゃん!!痛みを無くす”リミッター”が!!』
「!!確かに...!ある。恩に着るぞ、ルナ...!」
『えっへへ~。それじゃ、頑張ってね!!』
ルナは拳を胸の前に出し、フンスと鼻を鳴らす。
そんなルナを愛おしく思いながら、ティエラは精神世界を後にした。
ティエラの意識が戻った。
看板を押しのけながら立ち上がる。
目の前では、ヴィレイとN・ヤスヒロが激戦を繰り広げていた。
(さてと...。”あの状態”はもって15分...。一瞬でカタをつけるぞ...!)
ティエラは目を閉じる。
次の瞬間、ティエラの身体に稲妻のような文様が広がった。
『インフィニティ・モード』だ。
以前ヴィレイに粉々にされた両腕の骨も一瞬で再生した。
(相変わらず凄い頭痛だな...)
目の前に現れたヴィレイはティエラの腹部に正拳突きをお見舞いする。
が、全くひるまないティエラはヴィレイの腹部に正拳突きをし返した。
「!?ガハッ!?」
とてつもない、予想外の一撃に、ヴィレイはふらつく。
そして、直後に現れたN・ヤスヒロとともにヴィレイを蹴っ飛ばした。
これまでの攻撃により、粉々になったティエラの手足の骨は一瞬で再生する。
「攻撃を止めるな!!」
「分かっている!!」
二人は必死に猛攻を仕掛けた。
ティエラは、自身の肉体がグチャグチャになるほどの攻撃を。
N・ヤスヒロは、ティエラが攻撃をした直後に攻撃を、
この繰り返しである。
数分後、ヴィレイの力が弱まってきた。
ティエラも長時間インフィニティ・モードを発動したことによる反動でふらつく。
そのときだった。
ヴィレイの瞳が桜色から一瞬、紅色に戻った。
この機会を、二人は逃さなかった。
「これでッ...!」
「終わりだあああああッ!!」
N・ヤスヒロが渾身の正拳突きをヴィレイの腹部にお見舞いし、一瞬意識を失いかけていたヴィレイの顔面に、身体を一回転させて、渾身の蹴りをティエラはぶちかました。
吹っ飛ばされたヴィレイは、小さな工場に突撃する。
直後、工場は崩れ、ヴィレイはガレキというガレキの下敷きとなってしまった。
ヴィレイの”灯”はだんだんと弱まっていく。
そして、薄れゆく意識の中、ヴィレイは”あるもの”を見た。
それは、ヴィレイの『記憶』であった。
それは、ただまっすぐに、そして波乱に巻き込まれながらも、”愛する者”のために”自分”を見失わなかった、彼の生き様であった...。