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栄光

ー/ー



 「主文、被告は、原告に対し100万円の金員を支払え」

 …どうして?俺はもっと便利になると思って作っただけなのに!

 「なお原告のその余の請求をいずれも棄却する」

 嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!!! 何で俺が金を払わないといけないんだよ!!

 「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 「被告は静粛(せいしゅく)にっ!」

 裁判長の言葉は聞こえていた。けど俺は理解できなかった…いやしたくなかった

 どうしてこうなった?いや分かってる…全ての始まりはあの日からだって

 
 203X年 1月18日 土曜日 19:27

 「後は検収ツールにかけて…と」

 この日俺…石神(いしがみ)(まこと)は1つのプログラムを完成させた
 それは文章生成AI、名前をクライターと名付けた

 クライターの意味?それはクリエイターとライターから取ったんだ
 …安直とか言うなよ

 「このAIが公開されれば今までの文章生成AIは全部時代遅れになる…これで俺も億万長者の仲間入りだぜ!」

 そう俺が作ったこの文章生成AI、全世界の言語に翻訳可能で主要なメディア投稿サイトへの自動掲載システムや引用元の掲載、さらに完全自立型AIで自動学習…ソースをとことんまで追求できるそんな機能を持ったAIだ

 「くぅぅぅ…個人開発で苦節3年、やっと…やっと完成する!」

 ……ピンッ 
 検収が終わった

 「終わった…ここまで長かった…グスッ。後は公開して…そうだ!AIのアピールをするために何か書かせてみるか」

 俺は完成したAIにSFを書かせてみる事にした

 「タイトルはおまかせっと、あっ内容はAIかな。で量子コンピュータについても入れたいな…よしこれでポチっと」

 設定画面に条件を入れ俺は作成ボタンを押した

 ピッ…NOW LOADING……100% ピコン ピコン

 「何々…タイトルは【名前のない論文】…あらすじは完全自立型AIを6つ製造した博士が量子コンピュータをAIに使わせて未解決問題を解決し、匿名サイトに掲載していつしか名前のない論文として有名になる話…か。俺未解決問題とか知らないけどまあいいか…投稿しよ。あっ翻訳機能も使って5言語翻訳したのも載せよ」

 カタカタカタ 自作AIに小説書かせてみた カタカタカタ 評判次第ではAIを公開します カタッッッン

 「よし、じゃあ反応を待ってみるか」

 俺は完成した達成感と疲れもあり布団に入ってすぐに眠り込んでしまった

 
 203X年 1月19日 日曜日 12:05

「zzz…んー今何時だ?」

 枕もとの時計を見るとお昼を過ぎていた

 「…起きるか」

 俺はまだ重たい(まぶた)をこすりながら布団から出た

 「そうだ…昨日投稿したAI小説の反応はどうかな?」

 パソコンで投稿したサイトを確認すると

 閲覧数24 良いね0 コメント1

 コメント AI作る才能あっても文章作る才能無いから転職したら?

 …クソッ こいつ俺の事馬鹿にしやがって!

 カタカタカタ じゃあ公開しないで転職してやるよ!!

 俺は書かれていたコメントに腹を立てて勢いで返事し、パソコンを閉じてもう一度ふて寝してしまった


 ~同時刻 アメリカ~

 「さて今日も日本の小説サイトを漁るか」

 俺の名前はジョン。日本の小説サイト漁りが好きなナイスガイだ!

 何で小説サイトを漁ってるんだって?
 それは昔ホームステイに来たサブローって日本人が見せてくれた、【地球は青かった。だが空は赤かった】ってSF小説にはまっちまったからさ
 それから必死で日本語を勉強して今では翻訳が仕事になるくらい日本語を使えるようになったんだぜ

 おっと話が逸れたな今日の新作はっと…何だこれ?
 AIに書かせた小説…は今までたくさん見てきたが5言語同時翻訳に完全自立学習で学習時のソースも付けられるってか!!
 …こいつはヤバイ、マジでヤバイ。俺達の仕事が無くなっちまうよ~
 こりゃ急いで皆に拡散しねぇと…

 カタカタカタ 日本マジヤバイ……翻訳家の廃業のお知らせ…… カタカタカタ

 カタッ えっこれ個人が作ったの? 嘘だろ…廃業しちまう まだ公開されてないんだよな
 シュッ 日本人の反応を見る限り…まだ大丈夫だろ おまいらの反応翻訳してまとめと動画作ったよ! Oh shit!×××japanese (過激な発言のため削除されました)

 真が作ったAIの話は真が寝ている間に世界中に広まり、海外の反応を翻訳する者や動画にする者がいたため日本国内にも少しずつ広がっていった…が当の本人は緊急の案件が入ったため、小説サイトの存在など頭の片隅にも無かった

 
 203X年 2月11日 火曜日 19:18

 ドタドタドタ…ガチャッ ドサッ

 「久々に出勤すると疲れるな…」

 普段はリモートワークなのだがこの間の緊急案件の進捗ミーティングがあったので出社しなければいけなかった

 久々に出社すると知らない顔が増えておりお互い気を使ったので今日は一段と疲れた

 「ふぅ…そういやあの小説サイトほったらかしにしてたな。久々に見てみるか」

 俺は久しぶりに小説投稿サイトにログインした

 …そこには驚きの数字が書かれていた
 
 閲覧数1,302,340 良いね58,495 コメント38,729

 「…何が起こったんだ?」

 コメントを纏めた結果がこうだ

 コメント 
 文章の作り方はアレだが引用が使えるので論文に使えるのでは?
 いや同時翻訳って言うのがヤバいだろ。しかも文章の違和感がほとんどないらしいぞ
 他のAIは質問を重ねていくうちに矛盾する点がでるけど、このAIその矛盾を含んでソースを出してくるから途中で聞くことが無くなっちまう
 これを個人で作れるって事はそこまで環境がいらないって事だろ…AI革命きたぁぁぁぁ
 まとめサイトと動画まで作られてるからな…

 「ははっ…何だよこれ」

 俺はあまりの状況に声が出なかった

 さらにネットでまとめサイトと動画を検索すると

 まとめサイト
 この技術翻訳とか通訳の仕事完全に終わらせたんじゃない?
 いやそれはレスポンス速度次第だけど…個人で作れるレベルってのがヤバいな
 そういやあのAIの作者更新も反応も無いらしいんだけど本当に転職した?
 もしそうだったらあのコメント書いた奴は天才を1人消した事になるな…いや就職先次第ではもっとヤバいものが出てくるかもしれんが

 動画
 今日はこのAIについて解説するんだぞ!…このAIは世界を変える技術になるかもしれないぞ!
 けど制作者の反応が無いのよね…もしかしてどこかの国が試験的に出したとか?
 それは無いと思うぞ!それは国が出すには投稿したサイトが小さすぎるんだぞ!

 「……俺の時代きたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 俺は無意識に叫んでしまった

 それぐらい嬉しかった
 誰かにここまで認められるモノを作った満足感があった

 「あっ小説サイトのコメントに返信しなくっちゃ」

 俺はウキウキの気分でコメントに返信した

 カタカタ AIの作者だけどこのAI公開した方がいい?
 カタッ  作者キターーー えっ本物? 当たり前だろ活動報告だぞ
 シュッ  公開キボンヌ 公開するなしたら××(不適切な書き込みのため削除しました) 通報しますた

 まあ聞くまでもなく公開するつもりだったんだけどね

 カタカタ 公開希望の声が多いから2月15日土曜日の19時に公開します!
 あっ公開するサイトのURLはここね

 カタッ 公開キタァァァァァ! これ本当にヤバい奴じゃんっ 作家ざまぁぁぁぁ
 シュッ クソクソクソクソ! 涙拭けよ(笑) 作家だけじゃなくて翻訳関係もイッたな

 俺は優越感を感じながらパソコンを閉じ、スマホでSNSを開いた

 ポチポチ AI 公開っと ポチッ

 そこにはまだ数が少なかったが俺の作ったAIが公開される事をつぶやく内容がちらほらあった

 俺はそれを見て満足し布団に入った


 203X年 8月23日 土曜日 12:00

 「こんにちは。今最もホットな話題をお届けするレッドニュースのお時間です。本日は今最も熱い文章AIの制作者、石神真さんにお越しいただいております。本日はどうぞよろしくお願いします」
 「よろしくお願いします」

 …やばぃ緊張する

 俺は今お昼のニュース番組に出ている
 何故かって?それは俺が作ったAIが社会現象と社会問題になったからだ

 「そもそも文章をAIに書かせるなんて私は反対ですよ…文章を書けない人が増えるじゃないですか」
 「無駄な文章を書く時間を減らせて良いとボクは思いますけどね。特に報告書とか長いだけで内容が無いものが多いじゃないですか」
 「かといってじゃあ電気が使えなくなった時にAIしか使えない人は何ができるんですか?」
 「現代社会で電気が使えなくなった時点で皆何もできませんよ」

 話は進んでいく

 「ここでAIの制作者の石神さんにお話を伺いたいと思います。石神さんはこのAIをどういった目的で公開されたのですか?」
 「ひゃいっ…はぃ。すみません…公開した理由ですが元々は文章を書く行為を減らせないか?という思いから公開しました。私の本職はプログラマーなのですがプログラムを書くだけではなくて企画書や仕様書、ミーティングの議事録等の仕事が苦手でプログラムを欠くことに専念したいと思いこのAIを作りました」

 まあ嘘だけど 本当は個人で軽量なAIを作ったら話題になるかなって思っただけ

 「やっぱり専門じゃない事すると効率落ちますもんね」
 「だから今の若いもんは話が通じないんだ」
 「でた若い人発言。そんなんだから老害なんて言われるんです」
 「今の若いもんは敬老精神がなっとらん!!」
 「えーお2人共熱くなってきたので一旦CM入ります」

 ……

 「CM開けます…ではこのAIを公開してどんな反応がありましたか?」
 「はい、かなり多くの方から業務の効率化と便利さのお褒めの言葉を頂きました。一部の方からは仕事を無くしたというお言葉を頂きましたが」

 まあお前らが仕事を無くしたおかげで俺はたっぷり稼げたがな…ありがとさん

 「確かにこのAIが公開されてから出版業界や翻訳業界、研究者にも影響が出たという話が出ています」
 「ふんっこのAIのせいで何人が仕事を失ったか…私の友人の小説家も廃業したよ」
 「確かにかなり画期的ですからね。ボクもプログラムをかじった事ありますけどこのAIで文章作成関係は十分だと思いましたからね」
 「そう言って頂けると幸いです。確かに仕事を無くされた方には申し訳ないと思いますが、そんな方にもこのAIを新たな仕事のサポートに使って頂けたらと思っています」

 ガンガン使って金を落としてくれよ

 「では今日のゲストは石神さんでした。ありがとうございました」
 「ありがとうございました」

 ふぅ…終わった。緊張したぁぁぁぁ
 俺が嚙んだ所放送されるのかな?カットしてほしいな~

 そんな事を考えながら収録現場を後にしようとした時

 「石神さん!」

 先ほど共演していたアナウンサーの(ちえ)さんが声をかけてくれた

 「慧さん、本日はありがとうございました。素人で慣れてなくて色々ご迷惑おかけしたと思いますが…」
 「いえいえ、私も何度出演しても緊張してしまうので。初めてであれだけ話せるのは凄いと思いました!」

 やべ…めっちゃ可愛い!
 こんなかわいい女子アナさんから声をかけて貰えるなんて…AI作って良かった~

 「それで…今日は次があるので少ししかお話できないのですが、これ私の名刺です」

 そう言って慧さんは名刺を渡してきた

 「もし良かったら…連絡待ってます」
 「はっはい!必ず連絡します!!」
 「はい!待ってますね」

 そう言うと慧さんは収録部屋を去っていった

 くぅぅぅぅ本当に最高だ!!
 俺は最高に浮かれた気分で帰路に就いた



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 …どうして?俺はもっと便利になると思って作っただけなのに!
 「なお原告のその余の請求をいずれも棄却する」
 嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!!! 何で俺が金を払わないといけないんだよ!!
 「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 「被告は|静粛《せいしゅく》にっ!」
 裁判長の言葉は聞こえていた。けど俺は理解できなかった…いやしたくなかった
 どうしてこうなった?いや分かってる…全ての始まりはあの日からだって
 203X年 1月18日 土曜日 19:27
 「後は検収ツールにかけて…と」
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 それは文章生成AI、名前をクライターと名付けた
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 「くぅぅぅ…個人開発で苦節3年、やっと…やっと完成する!」
 ……ピンッ 
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 カタカタカタ 自作AIに小説書かせてみた カタカタカタ 評判次第ではAIを公開します カタッッッン
 「よし、じゃあ反応を待ってみるか」
 俺は完成した達成感と疲れもあり布団に入ってすぐに眠り込んでしまった
 203X年 1月19日 日曜日 12:05
「zzz…んー今何時だ?」
 枕もとの時計を見るとお昼を過ぎていた
 「…起きるか」
 俺はまだ重たい|瞼《まぶた》をこすりながら布団から出た
 「そうだ…昨日投稿したAI小説の反応はどうかな?」
 パソコンで投稿したサイトを確認すると
 閲覧数24 良いね0 コメント1
 コメント AI作る才能あっても文章作る才能無いから転職したら?
 …クソッ こいつ俺の事馬鹿にしやがって!
 カタカタカタ じゃあ公開しないで転職してやるよ!!
 俺は書かれていたコメントに腹を立てて勢いで返事し、パソコンを閉じてもう一度ふて寝してしまった
 ~同時刻 アメリカ~
 「さて今日も日本の小説サイトを漁るか」
 俺の名前はジョン。日本の小説サイト漁りが好きなナイスガイだ!
 何で小説サイトを漁ってるんだって?
 それは昔ホームステイに来たサブローって日本人が見せてくれた、【地球は青かった。だが空は赤かった】ってSF小説にはまっちまったからさ
 それから必死で日本語を勉強して今では翻訳が仕事になるくらい日本語を使えるようになったんだぜ
 おっと話が逸れたな今日の新作はっと…何だこれ?
 AIに書かせた小説…は今までたくさん見てきたが5言語同時翻訳に完全自立学習で学習時のソースも付けられるってか!!
 …こいつはヤバイ、マジでヤバイ。俺達の仕事が無くなっちまうよ~
 こりゃ急いで皆に拡散しねぇと…
 カタカタカタ 日本マジヤバイ……翻訳家の廃業のお知らせ…… カタカタカタ
 カタッ えっこれ個人が作ったの? 嘘だろ…廃業しちまう まだ公開されてないんだよな
 シュッ 日本人の反応を見る限り…まだ大丈夫だろ おまいらの反応翻訳してまとめと動画作ったよ! Oh shit!×××japanese (過激な発言のため削除されました)
 真が作ったAIの話は真が寝ている間に世界中に広まり、海外の反応を翻訳する者や動画にする者がいたため日本国内にも少しずつ広がっていった…が当の本人は緊急の案件が入ったため、小説サイトの存在など頭の片隅にも無かった
 203X年 2月11日 火曜日 19:18
 ドタドタドタ…ガチャッ ドサッ
 「久々に出勤すると疲れるな…」
 普段はリモートワークなのだがこの間の緊急案件の進捗ミーティングがあったので出社しなければいけなかった
 久々に出社すると知らない顔が増えておりお互い気を使ったので今日は一段と疲れた
 「ふぅ…そういやあの小説サイトほったらかしにしてたな。久々に見てみるか」
 俺は久しぶりに小説投稿サイトにログインした
 …そこには驚きの数字が書かれていた
 閲覧数1,302,340 良いね58,495 コメント38,729
 「…何が起こったんだ?」
 コメントを纏めた結果がこうだ
 コメント 
 文章の作り方はアレだが引用が使えるので論文に使えるのでは?
 いや同時翻訳って言うのがヤバいだろ。しかも文章の違和感がほとんどないらしいぞ
 他のAIは質問を重ねていくうちに矛盾する点がでるけど、このAIその矛盾を含んでソースを出してくるから途中で聞くことが無くなっちまう
 これを個人で作れるって事はそこまで環境がいらないって事だろ…AI革命きたぁぁぁぁ
 まとめサイトと動画まで作られてるからな…
 「ははっ…何だよこれ」
 俺はあまりの状況に声が出なかった
 さらにネットでまとめサイトと動画を検索すると
 まとめサイト
 この技術翻訳とか通訳の仕事完全に終わらせたんじゃない?
 いやそれはレスポンス速度次第だけど…個人で作れるレベルってのがヤバいな
 そういやあのAIの作者更新も反応も無いらしいんだけど本当に転職した?
 もしそうだったらあのコメント書いた奴は天才を1人消した事になるな…いや就職先次第ではもっとヤバいものが出てくるかもしれんが
 動画
 今日はこのAIについて解説するんだぞ!…このAIは世界を変える技術になるかもしれないぞ!
 けど制作者の反応が無いのよね…もしかしてどこかの国が試験的に出したとか?
 それは無いと思うぞ!それは国が出すには投稿したサイトが小さすぎるんだぞ!
 「……俺の時代きたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 俺は無意識に叫んでしまった
 それぐらい嬉しかった
 誰かにここまで認められるモノを作った満足感があった
 「あっ小説サイトのコメントに返信しなくっちゃ」
 俺はウキウキの気分でコメントに返信した
 カタカタ AIの作者だけどこのAI公開した方がいい?
 カタッ  作者キターーー えっ本物? 当たり前だろ活動報告だぞ
 シュッ  公開キボンヌ 公開するなしたら××(不適切な書き込みのため削除しました) 通報しますた
 まあ聞くまでもなく公開するつもりだったんだけどね
 カタカタ 公開希望の声が多いから2月15日土曜日の19時に公開します!
 あっ公開するサイトのURLはここね
 カタッ 公開キタァァァァァ! これ本当にヤバい奴じゃんっ 作家ざまぁぁぁぁ
 シュッ クソクソクソクソ! 涙拭けよ(笑) 作家だけじゃなくて翻訳関係もイッたな
 俺は優越感を感じながらパソコンを閉じ、スマホでSNSを開いた
 ポチポチ AI 公開っと ポチッ
 そこにはまだ数が少なかったが俺の作ったAIが公開される事をつぶやく内容がちらほらあった
 俺はそれを見て満足し布団に入った
 203X年 8月23日 土曜日 12:00
 「こんにちは。今最もホットな話題をお届けするレッドニュースのお時間です。本日は今最も熱い文章AIの制作者、石神真さんにお越しいただいております。本日はどうぞよろしくお願いします」
 「よろしくお願いします」
 …やばぃ緊張する
 俺は今お昼のニュース番組に出ている
 何故かって?それは俺が作ったAIが社会現象と社会問題になったからだ
 「そもそも文章をAIに書かせるなんて私は反対ですよ…文章を書けない人が増えるじゃないですか」
 「無駄な文章を書く時間を減らせて良いとボクは思いますけどね。特に報告書とか長いだけで内容が無いものが多いじゃないですか」
 「かといってじゃあ電気が使えなくなった時にAIしか使えない人は何ができるんですか?」
 「現代社会で電気が使えなくなった時点で皆何もできませんよ」
 話は進んでいく
 「ここでAIの制作者の石神さんにお話を伺いたいと思います。石神さんはこのAIをどういった目的で公開されたのですか?」
 「ひゃいっ…はぃ。すみません…公開した理由ですが元々は文章を書く行為を減らせないか?という思いから公開しました。私の本職はプログラマーなのですがプログラムを書くだけではなくて企画書や仕様書、ミーティングの議事録等の仕事が苦手でプログラムを欠くことに専念したいと思いこのAIを作りました」
 まあ嘘だけど 本当は個人で軽量なAIを作ったら話題になるかなって思っただけ
 「やっぱり専門じゃない事すると効率落ちますもんね」
 「だから今の若いもんは話が通じないんだ」
 「でた若い人発言。そんなんだから老害なんて言われるんです」
 「今の若いもんは敬老精神がなっとらん!!」
 「えーお2人共熱くなってきたので一旦CM入ります」
 ……
 「CM開けます…ではこのAIを公開してどんな反応がありましたか?」
 「はい、かなり多くの方から業務の効率化と便利さのお褒めの言葉を頂きました。一部の方からは仕事を無くしたというお言葉を頂きましたが」
 まあお前らが仕事を無くしたおかげで俺はたっぷり稼げたがな…ありがとさん
 「確かにこのAIが公開されてから出版業界や翻訳業界、研究者にも影響が出たという話が出ています」
 「ふんっこのAIのせいで何人が仕事を失ったか…私の友人の小説家も廃業したよ」
 「確かにかなり画期的ですからね。ボクもプログラムをかじった事ありますけどこのAIで文章作成関係は十分だと思いましたからね」
 「そう言って頂けると幸いです。確かに仕事を無くされた方には申し訳ないと思いますが、そんな方にもこのAIを新たな仕事のサポートに使って頂けたらと思っています」
 ガンガン使って金を落としてくれよ
 「では今日のゲストは石神さんでした。ありがとうございました」
 「ありがとうございました」
 ふぅ…終わった。緊張したぁぁぁぁ
 俺が嚙んだ所放送されるのかな?カットしてほしいな~
 そんな事を考えながら収録現場を後にしようとした時
 「石神さん!」
 先ほど共演していたアナウンサーの|慧《ちえ》さんが声をかけてくれた
 「慧さん、本日はありがとうございました。素人で慣れてなくて色々ご迷惑おかけしたと思いますが…」
 「いえいえ、私も何度出演しても緊張してしまうので。初めてであれだけ話せるのは凄いと思いました!」
 やべ…めっちゃ可愛い!
 こんなかわいい女子アナさんから声をかけて貰えるなんて…AI作って良かった~
 「それで…今日は次があるので少ししかお話できないのですが、これ私の名刺です」
 そう言って慧さんは名刺を渡してきた
 「もし良かったら…連絡待ってます」
 「はっはい!必ず連絡します!!」
 「はい!待ってますね」
 そう言うと慧さんは収録部屋を去っていった
 くぅぅぅぅ本当に最高だ!!
 俺は最高に浮かれた気分で帰路に就いた