メノウ
ー/ー どうしてこっちに来てしまったのか、恐らく流れに沿って重要人物に関わらないといけないという私の天の声としての本質でしょうか?
本質……このメノウって奴も似たような存在ですね。その世界の本質にあった存在。
「皆おつかれ~!来週までに改善提案提出だぞー?忘れるなー?」
まぁ仕事中の彼を見てもただの工場の現場の人、係長的なやつとかそんなもんですけど。容姿を見ればここに似つかわしくないのは一目瞭然。
宝石のような瞳は見つめ、見た者を惹きつけ、サラサラと煌めく錦糸のような髪と香る魅惑的な芳香は誰しもを虜にする美青年。
そんな、王子様でした。
「かーっ!仕事終わりの1杯はたまらないな!」
ほまれちゃんの前で見せてたあのキラキラはなんなんでしようか?ただのおっさんと化してる。まぁ私としてはニヤニヤと笑いが止まりませんけどね!
えーっと……あいつは確か乙女ゲームの世界の住人で、悪役令嬢にざまぁ!されて没落したダメ王子でしたかね?
今までは普通の人間が不慮の事故、または精神的に病んで自死した後、別世界に転生パターンでしたけど、あいつは別の異世界転生してきた人間に一泡吹かされて死んだ後に、ここに転生したという新しいパターンですね!
いや、わからん。
私としては必要性が見出だせない。何故こんな中途半端な立ち位置の奴が?そんな重要なスキルは持っていない……一応説明しますけど、あいつのスキルは『魅了』です。
普通ならそのゲームのヒロインが持ち合わせているであろうスキルかと思います。それに関してはこの乙女ゲームがなんかちょっと変なやつだったか、特殊な癖の人向けのマイナーなものだったのかもしれません。
基本的に無意識下でも発動しているものなので、以前ほまれちゃん危機一髪の時にそれっぽい世界になったりするのはそのせいです。迷惑極まりないですよね。
「さて……と。局長さまからメールねぇ……くはっ!これ、俺にできることあんのかね?」
プライベートとはいえ王子感ゼロ。おやじですね、まぁ私もパンイチは楽で良くしていましたけど。
「あぁ……なるほど?『消滅』やら『再生』じゃ統率取るのに苦労するってか……俺なんか当てにしていいのかね?」
独り言が大きくて助かります。
「あの時やりそこねたことができるといえば、できる、か……ひとつ引っかかるところといえば」
言えばー?
「三日月ほまれ……あの子も俺と同じような使われ方をすることか……」
……ほう?
「ま、詳細までは知ったところじゃない。抗ってまた消されるくらいなら、神様に従うさ」
こんなにも独り言が大きいのも、乙女ゲームから来てるせいですかね?良い情報が手に入ったと言えます。
ひとーつ!
この異世界の神は他の異世界への干渉、もしくは侵略を目的とした行動を実行に移そうとしている。
ひとーつ!
それに直接手を下しているのは1番近くに囲っている局長を中心とした、ほまれちゃんの友人を含めた人物たち。
ひとーつ!
メノウは目的達成後に利用されること。
それはほまれちゃんも同じように……許されることじゃない。
最初のパートナーであった私に隠し事をするなんて神も寂しいことしてくれる。それとも、神を見離し始めた私に気づいたから見限ったのか。もしそうなら、私のように形のない存在なんて消してしまえるだろうに。
何故そうしないのかがわからない。
……とりあえずひと通り見てきて把握できてきた。これからほまれちゃんに報告を……っと。
え?私の大事なほまれちゃんの事が気になります?そうでしょう!そうでしょう!
いいですよ~?
ほまれちゃんがどうしてここに来て、生きているのか、ですよね?夜も更けてきました、報告は明日の休日にするとして……明けるまでほまれちゃんのことを語りましょうか。
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