9
ー/ー「先にこっち食っちまったもんなぁ」
桔平くんがニヤニヤしながら、私を引き寄せて後ろから包み込んだ。またいろいろ触ってくるし……ほんっと、にエロオヤジなんだから。
あーあ、夕ご飯は張り切って作る予定だったのにな。予定が狂っちゃった。
「夕飯の材料、買ってた?」
「……うん」
「明日までもつ?」
「大丈夫だけど……」
「んじゃ、明日一緒に作ろう。今日はデリバリーにしてさ。ピザ食おうぜ」
そう言って、機嫌を取るように頬へキスしてくる。私は予定が狂うのは嫌いだって、よく知っているもんね。
……まぁ、いっか。桔平くん、嬉しそうだし。それに一緒に作るほうが楽しいもん。
予定が狂ったのは嫌だけど、私は結局、耳元で響くこの声に弱いのよ。
だけど個展のことは、もう一度ちゃんと話さなくちゃ。本当は切り出すのが怖いけれど、私が逃げるわけにはいかない。
ふたりで最上級の幸せを掴むためだよ。私は覚悟を決めた。だから桔平くんにも、踏み出してほしいの。
「久しぶりだな、デリバリーのピザを食うの」
「たまにはいいね」
他愛のない会話をしつつ、切り出すタイミングを考える。そんなことをしているうちに、もう寝る時間になってしまった。
どうしよう。やっぱり今日はやめておく? 桔平くん、きっと疲れているよね。
いや、でも早く話さなきゃ。スミレさんも待っているし。先延ばしにしちゃダメ。
「どうした?」
ベッドで寝転がりながら悶々としていたら、桔平くんが読んでいた本を閉じて隣に来た。
「なんか、ソワソワしてねぇ?」
「う、うん……えっと……」
頭を撫でられて、意を決する。ふたりの未来のためだもん。よし、頑張る。
「あのね、この前スミレさんに会ったの」
起き上がって言うと、桔平くんが目を見開いた。そりゃそうだよね。自分がいない間に元カノと今カノが会うなんて、恐ろしいよね。
「会ったって、なんで? どこで」
「スミレさんが、バイト先に来たの。桔平くんが沖縄に行った、次の日」
「マジか……愛茉のバイト先までリサーチ済みだったのかよ」
桔平くんは頭を掻きながら、仰向けに寝転がった。
スミレさんのことになると動揺するんだな。なんだか少しだけ、複雑な気持ち。
「もしかして、個展のことか?」
「うん……説得してほしいって言われた」
「直接じゃなくて、そっちにきたか。だから嫌なんだよ」
苦虫を噛み潰したような顔だった。こんなふうに、嫌悪の感情をあらわにするのは珍しい。
それは相手がスミレさんだから? それとも、個展のことを考えたくないの?
本当に説得できるのかな。思わず不安がよぎった。
桔平くんがニヤニヤしながら、私を引き寄せて後ろから包み込んだ。またいろいろ触ってくるし……ほんっと、にエロオヤジなんだから。
あーあ、夕ご飯は張り切って作る予定だったのにな。予定が狂っちゃった。
「夕飯の材料、買ってた?」
「……うん」
「明日までもつ?」
「大丈夫だけど……」
「んじゃ、明日一緒に作ろう。今日はデリバリーにしてさ。ピザ食おうぜ」
そう言って、機嫌を取るように頬へキスしてくる。私は予定が狂うのは嫌いだって、よく知っているもんね。
……まぁ、いっか。桔平くん、嬉しそうだし。それに一緒に作るほうが楽しいもん。
予定が狂ったのは嫌だけど、私は結局、耳元で響くこの声に弱いのよ。
だけど個展のことは、もう一度ちゃんと話さなくちゃ。本当は切り出すのが怖いけれど、私が逃げるわけにはいかない。
ふたりで最上級の幸せを掴むためだよ。私は覚悟を決めた。だから桔平くんにも、踏み出してほしいの。
「久しぶりだな、デリバリーのピザを食うの」
「たまにはいいね」
他愛のない会話をしつつ、切り出すタイミングを考える。そんなことをしているうちに、もう寝る時間になってしまった。
どうしよう。やっぱり今日はやめておく? 桔平くん、きっと疲れているよね。
いや、でも早く話さなきゃ。スミレさんも待っているし。先延ばしにしちゃダメ。
「どうした?」
ベッドで寝転がりながら悶々としていたら、桔平くんが読んでいた本を閉じて隣に来た。
「なんか、ソワソワしてねぇ?」
「う、うん……えっと……」
頭を撫でられて、意を決する。ふたりの未来のためだもん。よし、頑張る。
「あのね、この前スミレさんに会ったの」
起き上がって言うと、桔平くんが目を見開いた。そりゃそうだよね。自分がいない間に元カノと今カノが会うなんて、恐ろしいよね。
「会ったって、なんで? どこで」
「スミレさんが、バイト先に来たの。桔平くんが沖縄に行った、次の日」
「マジか……愛茉のバイト先までリサーチ済みだったのかよ」
桔平くんは頭を掻きながら、仰向けに寝転がった。
スミレさんのことになると動揺するんだな。なんだか少しだけ、複雑な気持ち。
「もしかして、個展のことか?」
「うん……説得してほしいって言われた」
「直接じゃなくて、そっちにきたか。だから嫌なんだよ」
苦虫を噛み潰したような顔だった。こんなふうに、嫌悪の感情をあらわにするのは珍しい。
それは相手がスミレさんだから? それとも、個展のことを考えたくないの?
本当に説得できるのかな。思わず不安がよぎった。
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