3
ー/ー
桔平くんが実家へ帰るのを渋っていた理由が、なんとなく分かった気がする。物静かな桔平くんは、お姉さんやお母様たちの賑やかさが苦手なのかもね。
モデルとしてパリコレにも出演したことがあるさくらお姉さんは、23歳のときにイタリア人の建築家ジョルジョ・バルディーニさんと結婚したんだって。
日本語ペラペラなジョルジョさんは、ものすごく優しそうな人。そして4歳のトーニオくんと2歳のリーザちゃんというふたりの子供にも恵まれて、さくらお姉さんは、とても幸せそうに見える。
ていうか、トーニオくんもリーザちゃんも、ありえないほど天使なの。私にすごく懐いてくれたし、完全にメロメロになっちゃった。
ちなみにトーニオくんは、ほとんど会っていないのに、桔平くんのことが大好きなんだって。実は桔平くん、さくらお姉さんが食べ物やら洋服やらを送ってくれているお礼に、トーニオくんへ日本のオモチャやお絵かきセットをプレゼントしていたみたい。
「だからあの子、いつも『きっぺーきっぺー』って言うのよぉ」
そう言って目を細めるさくらお姉さん。楓お姉さんとはタイプが違うけれど、やっぱりキラキラしていて、とても素敵な女性だと思った。
ちなみに桔平くんは、ジョルジョさんやトーニオくんと、イタリア語で会話をしていた。そういえば何ヶ国語も話せるって言っていたっけ。実際目にするのは初めてだったけれど、とても流暢だし自然でかっこいい。
一生懸命話しかけてくるトーニオくんに対して、桔平くんはすごく優しく言葉を返しているように見える。会話の内容は分からなくても、その姿を見ただけで、思わず頬が緩んでしまった。
そしてこの日は、初めて桔平くんの実家にお泊り。あまりに豪邸だから、ちょっとドキドキです。
桔平くんの部屋は2階の突き当り。とても広いのに、大きなベッドと壁一面の本棚があるだけの、殺風景な部屋だった。
「ここにある本って、全部読んだの?」
「ああ、子供のころに読んだよ。内容も頭に入っているし」
図書館のようにぎっちり詰まった本を見て、私は思わず唖然としてしまった。
頭のつくりが、私なんかと全然違うのは分かっていたけれど、やっぱり異次元。なんでも一度で全部覚えてしまうし、知識量がすごすぎる。
ただあまりに天才すぎると、人より孤独を感じやすいのかもしれない。まったく同じレベルで会話できる人なんてなかなかいないだろうし、自分のことを深く理解してもらえない寂しさを、常に抱えているんじゃないかな。桔平くんを見ていると、ふとそんな風に感じることがあった。
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。
桔平くんが実家へ帰るのを渋っていた理由が、なんとなく分かった気がする。物静かな桔平くんは、お姉さんやお母様たちの賑やかさが苦手なのかもね。
モデルとしてパリコレにも出演したことがあるさくらお姉さんは、23歳のときにイタリア人の建築家ジョルジョ・バルディーニさんと結婚したんだって。
日本語ペラペラなジョルジョさんは、ものすごく優しそうな人。そして4歳のトーニオくんと2歳のリーザちゃんというふたりの子供にも恵まれて、さくらお姉さんは、とても幸せそうに見える。
ていうか、トーニオくんもリーザちゃんも、ありえないほど天使なの。私にすごく懐いてくれたし、完全にメロメロになっちゃった。
ちなみにトーニオくんは、ほとんど会っていないのに、桔平くんのことが大好きなんだって。実は桔平くん、さくらお姉さんが食べ物やら洋服やらを送ってくれているお礼に、トーニオくんへ日本のオモチャやお絵かきセットをプレゼントしていたみたい。
「だからあの子、いつも『きっぺーきっぺー』って言うのよぉ」
そう言って目を細めるさくらお姉さん。楓お姉さんとはタイプが違うけれど、やっぱりキラキラしていて、とても素敵な女性だと思った。
ちなみに桔平くんは、ジョルジョさんやトーニオくんと、イタリア語で会話をしていた。そういえば何ヶ国語も話せるって言っていたっけ。実際目にするのは初めてだったけれど、とても流暢だし自然でかっこいい。
一生懸命話しかけてくるトーニオくんに対して、桔平くんはすごく優しく言葉を返しているように見える。会話の内容は分からなくても、その姿を見ただけで、思わず頬が緩んでしまった。
そしてこの日は、初めて桔平くんの実家にお泊り。あまりに豪邸だから、ちょっとドキドキです。
桔平くんの部屋は2階の突き当り。とても広いのに、大きなベッドと壁一面の本棚があるだけの、殺風景な部屋だった。
「ここにある本って、全部読んだの?」
「ああ、子供のころに読んだよ。内容も頭に入っているし」
図書館のようにぎっちり詰まった本を見て、私は思わず唖然としてしまった。
頭のつくりが、私なんかと全然違うのは分かっていたけれど、やっぱり異次元。なんでも一度で全部覚えてしまうし、知識量がすごすぎる。
ただあまりに天才すぎると、人より孤独を感じやすいのかもしれない。まったく同じレベルで会話できる人なんてなかなかいないだろうし、自分のことを深く理解してもらえない寂しさを、常に抱えているんじゃないかな。桔平くんを見ていると、ふとそんな風に感じることがあった。