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第34話 迅の浮気

ー/ー



 夏美センパイと一緒に学校に向かった。下駄箱のロッカーの近くまでは夏美センパイは一緒だった。宝賀のよくわからないところだけども、下靴や運動靴、体育館シューズを入れるロッカーがある所に1年B組梶原 夏芽と書かれていて、卒業まで入学時と同じロッカーを使うのだ。例え、クラスが1年はA組、2年はC組、3年はB組と3回変わろうが、1年から3年ずっとB組と1度も変わらなかろうが、ずっと同じロッカーなのだ。数名、クラスの雰囲気が合わず、クラスを他の生徒とトレードした人もいる。そんな人もずっと入学時と同じロッカーだだ。もちろん、学年が変わっても、ロッカーだけは変わらない。
 梨絵は転校生だから、中等部とは全然関係ないところにロッカーがあるのは体育の授業で見ているので知っている。あまり、梨絵のロッカーの場所を深く気にしたことはないけども、もしかしたら、迅くんの近くかもしれない。

 梨絵や仲のいいクラスメイトにあいさつをした。友だちだ。友だちと思っているだけかもしれないけど……。

-聞いた? 夏芽ちゃんの事件-
-え、何々? 梶原先輩、何かあったの?-

 同級生や後輩のお互い存在は知っているけど、話したことがないような関係の人たちがなにか廊下でウワサをしていた。きっと、この前の迅くんたちの停学の関係だろう。あの後も色々ありすぎて、巻き込んだのが先週以上前に感じる。実際は、2日前なのだ。

「夏芽、おはよ!」

 梨絵はいつも通り接してくれる。この安心感は、お風呂で湯船に浸かっている感じだ。忘れがちだけど、梨絵も迅くん同様に2学期という中途半端な時期に転校してきた生徒だったよね。

「おはよう、梨絵。ちょっと高校のことで先生に報告があるから行ってくるね」

 夏美センパイとほぼ徹夜で話したことは隠して、志望校をよほど筆記試験でミスしない限り合格圏内の西馬高校にすると最終報告をした。先生は『多少は余裕のある高校でも最後まで気を抜かないように』とアドバイスくれた。

 今日の授業は京都府の公立高校の入試の過去問を京都府の試験の条件で解くものだった。2学期の終わりかけから中学校で習う範囲の総復習だった。今日から入試に向けて気を緩めないように模試や入試の過去問を解く毎日になるのだ。なお、この中学3年の受験前のこの時期だけ、中学3年は授業の時間帯が少しずれるので、特別棟で模試や過去問を解くのだ。クリスマス会の準備のためだけに特別棟が残っているとばかり思っていた。当たり前のことだが、6時間目の60分以上を使って自己採点もする。自己採点ミスや改ざんがでないように、解答用紙は先生が回収し、翌日返却するのだ。バレンタインの少し前、2月半ばに私立高校の受験がある。2月半ばまではほんの少しだけ時間がある。と言っても1ヶ月もない。そろそろ私立高校の願書の清書を始めている。ただ、これを書くのが7時間目と呼ばれる時間だ。これも受験が近い時期だけだ。

「迅くんとの初バレンタインだったのになぁ……。ううん、受験が終わるまでは距離を置くんだ」

 バレンタインと思ったが、バレンタインはもう少し先だ。ただ、受験があるからバレンタインに時間を割くこともできない。

 わたしは併願だから、西馬高校より偏差値が低い私立高校を選ぶべきだろう。しかし、わたしの場合は、宝賀の普通コースを滑り止めとした。これは宝賀の中の中間層からおバカ層まで幅広くいる1番生徒が多いコースだ。賢い人たちは特別進学コースに行く。宝賀の普通は偏差値50よりも少し下と学校の平均くらいを取れていたらいけるコースだ。ちなみに、公立高校の志望校の西馬高校は偏差値45と少し低めだ。つまり、私立の方が偏差値が高いので宝賀も西馬も落ちたら2次募集などのある高校に行かないと高校浪人になってしまう。

 今日の授業の京都府の過去問の自己採点まで終わった。結果としては京都府の偏差値47くらいの高校の合格点だった。きっと、西馬高校は合格するだろうけどももう少し余裕が欲しい。

 願書の清書も終わった。宝賀は今年からインターネット出願を採用している。

「すまん!! 公立高校ももうオンライン出願だ。手書きは不要だ」

 あくまでも、宝賀はできるならば、中学生には内部進学してほしいと思い、公立高校の情報をそこまで仕入れないのが慣例だ。今年の中学3年の進路希望は、8割が内部進学だ。2割の公立に進学しようとする生徒や他の私立に進学しようとする生徒が蔑ろにされているかと言えば、そうではない。元々、わたしのクラスの担任は新任の先生でいろいろ頼りなかった。副担任が産休に入ったため、急遽2学期から男性の広瀬先生が副担任代理になった。

 あれ? 広瀬……。迅くんとおなじ苗字だ。広瀬なんてよくある苗字だし、きっと関係はないだろう。
 
 でも、どこか、目元とか迅くんと似ているような気がする。あまりに担任が頼りないから、大事な受験期だから広瀬先生と担任を交代してほしいとも言われている。実際に担任の先生は、こういう大事な時期に無駄な手書き願書という時間を割かせている。どうやら、そのミスはわたしが所属しているB組だけのようだった。中学生の主任に担任の先生は呼ばれて、急遽広瀬先生が教卓に立っている。

「うーむ、さきほどの間宮(マミヤ)先生のミスは許してやってくれとは言わない。そうだな……。何度も手額き願書の練習することによって、入学動機などが覚えやすくなっただろう」

 広瀬先生が担任の先生をフォローしている。でも、実際、言う通りだ。手書き願書の練習を何度もしたので、面接の際に入学動機を聞かれても覚えていそうだ。というか公立の入学願書って提出私立受験の少し後だったような気がする。

 早めに迅くんがアルバイトに鮮魚のはなまるに来ているかも……そんな期待をしつつ、南商店街に入った。家からは少し距離がある。

「やぁ、夏芽ちゃん」

 南商店街の入り口……、厳密には南商店街の自治会には所属していないが、南商店街にあるコンビニでわたしがある人と出会った。そして、この人は迅くんの初恋の人だ。わたしにとっては、1番会いたくない彩莉 いろはセンパイだ。

「少し話そう」
「なんですか? あなたと話すことなんてありません」
「そう? 私はたくさんあるな」
「そうですか、では、わたしは家に帰るので」
「話聞かなくていいの? 迅に言っちゃおうかなぁ。『夏芽ちゃんが私の話聞かなかったんだ、迅からも先輩の言うことは聞くもんだ』って言ってもらおうかな。迅は鮮魚のはなまるのアルバイトは休みだったけ?」
「今日はシフト入ってますね」
「あのさ、夏芽ちゃんさ、迅から好かれてる自信ある?」
「……あた……」

 『当たり前です』と言い返そうとした。でも、どうだろう? 付き合う前後に比べてわたしも迅くんも『好き』と言い合うことも減った。でも、お互い()()だろう。

 ……わからない。そして、目の前にいるのは、彩莉センパイ(迅くんの初恋の人)だ。この人がそういうこと言うという事は、何かあるのだろう。

「あっ、迅から連絡来た」

 ニヤッといやらしく口角を上げわたしに見ろとでも言わんばかりにスマホをこちらに向ける。丁寧に文字がちゃんと読めるように充電口をこちらに向けている。そこには確かにwireの通知が1件ある。


好きだよ。愛してると言っても過言でもない

 わたしがその文字を読んだのを確認すると彩莉センパイは言葉を続けた。

「迅はあなたにもう思いなんてないの。」
「ウ……ソだ……」

 夏美センパイも彩莉センパイを迅くんに近づかないよう協力してくれるって言ったのに……。いや、もしかしたら、さっきの言葉はわたしに送ろうとして、間違えただけなのかもしれない。迅くんってたまにそういうことあるし。この前もお父さんに送ろうとしていたドラマのDVDの返却の話をわたしに送ってきた。慌ててスマホを取り出し、wireを開こうと思った。少し前に迅くんからwireが送られてきた。

迅くん
西馬高校にするんだ。努力はどこかで報われるから、無理しないでね

 昨日、夏美センパイと話した結果をお昼休みに送ったのだが、その返事だった。わたしへの返事には『好き』『愛してる』の言葉はなく、彩莉センパイには、『好き』『愛してる』などの愛情の言葉がある。あぁ、わたしなんてもう……。何のために受験勉強を頑張っているんだろう。どこかに合格して、『迅くんにおめでとう』って言ってもらうためだったような……。わたしが絶望の淵に立ち始めると同時に、迅くんがコンビニでお茶を買って出てきた。

「迅〜寂しかった〜」

 彩莉センパイがさっきまでの声と違い、猫なで声で迅くんに話しかけている。迅くんは『え?』と驚いていた。わたしを見つけた。

「夏芽!? 大丈夫?」

 わたしはもう迅くんを信じない。恋人(わたし)以外の女の人に『好き』『愛してる』と連絡を送るクズ男だから。でも……。

「……、どうしてです!? センパイ!!」
「え?」
「どうして!! どうして!! 彩莉センパイに『好き』『愛してる』って送ったんですか!! わたしなんてもう眼中にないんですね!!」
「え? あれは『夏芽のことどう思ってる?』って聞かれたからだけど……。ほら」

 『ほら』と言って、迅くんはわたしに彩莉センパイとのやり取りを見せてきた。気づけば、彩莉センパイはコンビニかどこかに入ったのか姿がない。そこに書いてあったのは、さっきの言葉だ。ひとつ前の言葉は、彩莉センパイが消した跡がある。でも、これで確定だ。

 もう……

「サイテー!!」


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 夏美センパイと一緒に学校に向かった。下駄箱のロッカーの近くまでは夏美センパイは一緒だった。宝賀のよくわからないところだけども、下靴や運動靴、体育館シューズを入れるロッカーがある所に1年B組梶原 夏芽と書かれていて、卒業まで入学時と同じロッカーを使うのだ。例え、クラスが1年はA組、2年はC組、3年はB組と3回変わろうが、1年から3年ずっとB組と1度も変わらなかろうが、ずっと同じロッカーなのだ。数名、クラスの雰囲気が合わず、クラスを他の生徒とトレードした人もいる。そんな人もずっと入学時と同じロッカーだだ。もちろん、学年が変わっても、ロッカーだけは変わらない。
 梨絵は転校生だから、中等部とは全然関係ないところにロッカーがあるのは体育の授業で見ているので知っている。あまり、梨絵のロッカーの場所を深く気にしたことはないけども、もしかしたら、迅くんの近くかもしれない。
 梨絵や仲のいいクラスメイトにあいさつをした。友だちだ。友だちと思っているだけかもしれないけど……。
-聞いた? 夏芽ちゃんの事件-
-え、何々? 梶原先輩、何かあったの?-
 同級生や後輩のお互い存在は知っているけど、話したことがないような関係の人たちがなにか廊下でウワサをしていた。きっと、この前の迅くんたちの停学の関係だろう。あの後も色々ありすぎて、巻き込んだのが先週以上前に感じる。実際は、2日前なのだ。
「夏芽、おはよ!」
 梨絵はいつも通り接してくれる。この安心感は、お風呂で湯船に浸かっている感じだ。忘れがちだけど、梨絵も迅くん同様に2学期という中途半端な時期に転校してきた生徒だったよね。
「おはよう、梨絵。ちょっと高校のことで先生に報告があるから行ってくるね」
 夏美センパイとほぼ徹夜で話したことは隠して、志望校をよほど筆記試験でミスしない限り合格圏内の西馬高校にすると最終報告をした。先生は『多少は余裕のある高校でも最後まで気を抜かないように』とアドバイスくれた。
 今日の授業は京都府の公立高校の入試の過去問を京都府の試験の条件で解くものだった。2学期の終わりかけから中学校で習う範囲の総復習だった。今日から入試に向けて気を緩めないように模試や入試の過去問を解く毎日になるのだ。なお、この中学3年の受験前のこの時期だけ、中学3年は授業の時間帯が少しずれるので、特別棟で模試や過去問を解くのだ。クリスマス会の準備のためだけに特別棟が残っているとばかり思っていた。当たり前のことだが、6時間目の60分以上を使って自己採点もする。自己採点ミスや改ざんがでないように、解答用紙は先生が回収し、翌日返却するのだ。バレンタインの少し前、2月半ばに私立高校の受験がある。2月半ばまではほんの少しだけ時間がある。と言っても1ヶ月もない。そろそろ私立高校の願書の清書を始めている。ただ、これを書くのが7時間目と呼ばれる時間だ。これも受験が近い時期だけだ。
「迅くんとの初バレンタインだったのになぁ……。ううん、受験が終わるまでは距離を置くんだ」
 バレンタインと思ったが、バレンタインはもう少し先だ。ただ、受験があるからバレンタインに時間を割くこともできない。
 わたしは併願だから、西馬高校より偏差値が低い私立高校を選ぶべきだろう。しかし、わたしの場合は、宝賀の普通コースを滑り止めとした。これは宝賀の中の中間層からおバカ層まで幅広くいる1番生徒が多いコースだ。賢い人たちは特別進学コースに行く。宝賀の普通は偏差値50よりも少し下と学校の平均くらいを取れていたらいけるコースだ。ちなみに、公立高校の志望校の西馬高校は偏差値45と少し低めだ。つまり、私立の方が偏差値が高いので宝賀も西馬も落ちたら2次募集などのある高校に行かないと高校浪人になってしまう。
 今日の授業の京都府の過去問の自己採点まで終わった。結果としては京都府の偏差値47くらいの高校の合格点だった。きっと、西馬高校は合格するだろうけどももう少し余裕が欲しい。
 願書の清書も終わった。宝賀は今年からインターネット出願を採用している。
「すまん!! 公立高校ももうオンライン出願だ。手書きは不要だ」
 あくまでも、宝賀はできるならば、中学生には内部進学してほしいと思い、公立高校の情報をそこまで仕入れないのが慣例だ。今年の中学3年の進路希望は、8割が内部進学だ。2割の公立に進学しようとする生徒や他の私立に進学しようとする生徒が蔑ろにされているかと言えば、そうではない。元々、わたしのクラスの担任は新任の先生でいろいろ頼りなかった。副担任が産休に入ったため、急遽2学期から男性の広瀬先生が副担任代理になった。
 あれ? 広瀬……。迅くんとおなじ苗字だ。広瀬なんてよくある苗字だし、きっと関係はないだろう。
 でも、どこか、目元とか迅くんと似ているような気がする。あまりに担任が頼りないから、大事な受験期だから広瀬先生と担任を交代してほしいとも言われている。実際に担任の先生は、こういう大事な時期に無駄な手書き願書という時間を割かせている。どうやら、そのミスはわたしが所属しているB組だけのようだった。中学生の主任に担任の先生は呼ばれて、急遽広瀬先生が教卓に立っている。
「うーむ、さきほどの|間宮《マミヤ》先生のミスは許してやってくれとは言わない。そうだな……。何度も手額き願書の練習することによって、入学動機などが覚えやすくなっただろう」
 広瀬先生が担任の先生をフォローしている。でも、実際、言う通りだ。手書き願書の練習を何度もしたので、面接の際に入学動機を聞かれても覚えていそうだ。というか公立の入学願書って提出私立受験の少し後だったような気がする。
 早めに迅くんがアルバイトに鮮魚のはなまるに来ているかも……そんな期待をしつつ、南商店街に入った。家からは少し距離がある。
「やぁ、夏芽ちゃん」
 南商店街の入り口……、厳密には南商店街の自治会には所属していないが、南商店街にあるコンビニでわたしがある人と出会った。そして、この人は迅くんの初恋の人だ。わたしにとっては、1番会いたくない彩莉 いろはセンパイだ。
「少し話そう」
「なんですか? あなたと話すことなんてありません」
「そう? 私はたくさんあるな」
「そうですか、では、わたしは家に帰るので」
「話聞かなくていいの? 迅に言っちゃおうかなぁ。『夏芽ちゃんが私の話聞かなかったんだ、迅からも先輩の言うことは聞くもんだ』って言ってもらおうかな。迅は鮮魚のはなまるのアルバイトは休みだったけ?」
「今日はシフト入ってますね」
「あのさ、夏芽ちゃんさ、迅から好かれてる自信ある?」
「……あた……」
 『当たり前です』と言い返そうとした。でも、どうだろう? 付き合う前後に比べてわたしも迅くんも『好き』と言い合うことも減った。でも、お互い|好《・》|き《・》だろう。
 ……わからない。そして、目の前にいるのは、|彩莉センパイ《迅くんの初恋の人》だ。この人がそういうこと言うという事は、何かあるのだろう。
「あっ、迅から連絡来た」
 ニヤッといやらしく口角を上げわたしに見ろとでも言わんばかりにスマホをこちらに向ける。丁寧に文字がちゃんと読めるように充電口をこちらに向けている。そこには確かにwireの通知が1件ある。

好きだよ。愛してると言っても過言でもない
 わたしがその文字を読んだのを確認すると彩莉センパイは言葉を続けた。
「迅はあなたにもう思いなんてないの。」
「ウ……ソだ……」
 夏美センパイも彩莉センパイを迅くんに近づかないよう協力してくれるって言ったのに……。いや、もしかしたら、さっきの言葉はわたしに送ろうとして、間違えただけなのかもしれない。迅くんってたまにそういうことあるし。この前もお父さんに送ろうとしていたドラマのDVDの返却の話をわたしに送ってきた。慌ててスマホを取り出し、wireを開こうと思った。少し前に迅くんからwireが送られてきた。
迅くん
西馬高校にするんだ。努力はどこかで報われるから、無理しないでね
 昨日、夏美センパイと話した結果をお昼休みに送ったのだが、その返事だった。わたしへの返事には『好き』『愛してる』の言葉はなく、彩莉センパイには、『好き』『愛してる』などの愛情の言葉がある。あぁ、わたしなんてもう……。何のために受験勉強を頑張っているんだろう。どこかに合格して、『迅くんにおめでとう』って言ってもらうためだったような……。わたしが絶望の淵に立ち始めると同時に、迅くんがコンビニでお茶を買って出てきた。
「迅〜寂しかった〜」
 彩莉センパイがさっきまでの声と違い、猫なで声で迅くんに話しかけている。迅くんは『え?』と驚いていた。わたしを見つけた。
「夏芽!? 大丈夫?」
 わたしはもう迅くんを信じない。|恋人《わたし》以外の女の人に『好き』『愛してる』と連絡を送るクズ男だから。でも……。
「……、どうしてです!? センパイ!!」
「え?」
「どうして!! どうして!! 彩莉センパイに『好き』『愛してる』って送ったんですか!! わたしなんてもう眼中にないんですね!!」
「え? あれは『夏芽のことどう思ってる?』って聞かれたからだけど……。ほら」
 『ほら』と言って、迅くんはわたしに彩莉センパイとのやり取りを見せてきた。気づけば、彩莉センパイはコンビニかどこかに入ったのか姿がない。そこに書いてあったのは、さっきの言葉だ。ひとつ前の言葉は、彩莉センパイが消した跡がある。でも、これで確定だ。
 もう……
「サイテー!!」