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偽装ランデブー大作戦 2

ー/ー



「えっと、その、じゃあ、失礼します!」

 そう言ってタノベはユモトの手を握ろうとした。手が触れた一瞬ユモトはビクリとしたが、手を握り返す。

「あの、何か恥ずかしいですね」

 クスクスとユモトは笑う。タノベは女の子の手はこんなにも柔らかいものなのかと勘違いをしたまま感動していた。

「なーにが『恥ずかしいですね』よ!! 見てるこっちの方が恥ずかしいわよ!!!」

 ルーは帽子の上から頭を掻きむしっていた。

 だが、見ているこっちの方が恥ずかしいという意見にはモモもアシノも同意見だった。

「あのタノベという男、悪い人では無さそうですね。騙しているようで少し不憫(ふびん)に思えてきました」

 モモは純粋な2人を見ていると何だか心が傷んだ。

「いや、ユモトは何度も『自分は男だ』って言ってただろ。勝手にあっちが喧嘩ふっかけてきて、勘違いしているだけだ」

「確かにそうですが……」

 そんな事を言っている間に2人は手を繋いで歩き始めた。

 ムツヤ達も隠れながら後をつける。しばらく歩くとタノベは足を止めた。

「酒場で聞いたんですけど、この店のモンブランケーキと紅茶が美味しいんですって。良かったらこのお店に行きませんか?」

「あ、はい! 甘いもの好きなんで楽しみだなー」

 楽しそうに2人は店の中に消えていく。

「ふーん、ちゃんとお店の下調べはしてるのね、そこは評価してあげるわ!」

「お前はどこから目線で何を言っているんだ?」

 腕を組んでうなずくルーにアシノはツッコミを入れる。その時ルーはちょっとした悪巧みを考えた。

「大勢で行ったら目立っちゃうからムツヤっちとモモちゃんの2人で偵察してきたらー?」

 それを聞いてモモは「うえぇ!? ええええ!?」っと顔を赤くして言葉にならない声を出す。

「いやいやいや、ムツヤ殿と一緒に行ったらそ、それってデデ……」

「仕方ないわねー、それじゃ私と行こうかムツヤっち!」

 ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべてルーはムツヤを店に誘う。

「ち、ちが、ま、待って下さいルー殿! 行きます、私が行きます! 今ものすごくモンブランが食べたかったんです!」

「そう、じゃあ私達は別のお店で待ってるから、いってらー!」

 ルーはバイバイと手を振る。

「わがりまじだ、それじゃ行きましょうかモモさん」

「えっ、あの、はい!」

 見るからにモモは嬉しそうな顔をしている。ルーは腕を組んでうんうんと頷いていた。

「おい、ルー。アイツ等あれで偵察になるのか?」

「何とかなるっしょー! それじゃ私達も適当に何か食べに行きましょー」

 ルー達が何処かへ行った頃、ムツヤとモモは店内に入る。見渡すと女性客と男女のカップルが多い店だった。

「いらっしゃいませー! お2人様ですか?」

「え、あ、あぁ、そうだ」

 モモは普段の堂々とした態度は何処へやらといった状態になっている。

「ご案内いたしますねー」

 そう言われて通された席はちょうどユモトの居るテーブルが見える席だった。


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「えっと、その、じゃあ、失礼します!」
 そう言ってタノベはユモトの手を握ろうとした。手が触れた一瞬ユモトはビクリとしたが、手を握り返す。
「あの、何か恥ずかしいですね」
 クスクスとユモトは笑う。タノベは女の子の手はこんなにも柔らかいものなのかと勘違いをしたまま感動していた。
「なーにが『恥ずかしいですね』よ!! 見てるこっちの方が恥ずかしいわよ!!!」
 ルーは帽子の上から頭を掻きむしっていた。
 だが、見ているこっちの方が恥ずかしいという意見にはモモもアシノも同意見だった。
「あのタノベという男、悪い人では無さそうですね。騙しているようで少し|不憫《ふびん》に思えてきました」
 モモは純粋な2人を見ていると何だか心が傷んだ。
「いや、ユモトは何度も『自分は男だ』って言ってただろ。勝手にあっちが喧嘩ふっかけてきて、勘違いしているだけだ」
「確かにそうですが……」
 そんな事を言っている間に2人は手を繋いで歩き始めた。
 ムツヤ達も隠れながら後をつける。しばらく歩くとタノベは足を止めた。
「酒場で聞いたんですけど、この店のモンブランケーキと紅茶が美味しいんですって。良かったらこのお店に行きませんか?」
「あ、はい! 甘いもの好きなんで楽しみだなー」
 楽しそうに2人は店の中に消えていく。
「ふーん、ちゃんとお店の下調べはしてるのね、そこは評価してあげるわ!」
「お前はどこから目線で何を言っているんだ?」
 腕を組んでうなずくルーにアシノはツッコミを入れる。その時ルーはちょっとした悪巧みを考えた。
「大勢で行ったら目立っちゃうからムツヤっちとモモちゃんの2人で偵察してきたらー?」
 それを聞いてモモは「うえぇ!? ええええ!?」っと顔を赤くして言葉にならない声を出す。
「いやいやいや、ムツヤ殿と一緒に行ったらそ、それってデデ……」
「仕方ないわねー、それじゃ私と行こうかムツヤっち!」
 ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべてルーはムツヤを店に誘う。
「ち、ちが、ま、待って下さいルー殿! 行きます、私が行きます! 今ものすごくモンブランが食べたかったんです!」
「そう、じゃあ私達は別のお店で待ってるから、いってらー!」
 ルーはバイバイと手を振る。
「わがりまじだ、それじゃ行きましょうかモモさん」
「えっ、あの、はい!」
 見るからにモモは嬉しそうな顔をしている。ルーは腕を組んでうんうんと頷いていた。
「おい、ルー。アイツ等あれで偵察になるのか?」
「何とかなるっしょー! それじゃ私達も適当に何か食べに行きましょー」
 ルー達が何処かへ行った頃、ムツヤとモモは店内に入る。見渡すと女性客と男女のカップルが多い店だった。
「いらっしゃいませー! お2人様ですか?」
「え、あ、あぁ、そうだ」
 モモは普段の堂々とした態度は何処へやらといった状態になっている。
「ご案内いたしますねー」
 そう言われて通された席はちょうどユモトの居るテーブルが見える席だった。