表示設定
表示設定
目次 目次




偽装ランデブー大作戦 1

ー/ー



 ムツヤの闘技場での戦いが終わり、夜が明けて朝になる。

 ユモトはこの世の終わりみたいな顔をしてガタガタ震えているが、ルーはニコニコ笑顔だった。

「ダイジョーブダイジョーブ。私達もずっと後を付けて見てるから!」

「ルーさん楽しんでません?」

 ユモトがムスッとして言うとルーは視線をそらす。

「ソンナコトナイヨー」

 あ、絶対楽しんでるなと皆が思った。

 ユモトが待ち合わせの場所に向かうとタノベの姿があったが、隠れて眺めているルー達はその姿を見て驚愕した。

「え、何あの格好……」

 珍しくルーが引いている。タノベはダメージ加工が施されたボロボロのズボンに白のインナーと青いジャケットを羽織っていた。

「何あれ、何なの? 何か戦いでもあったの? 何であんなボロボロなの!?」

「あー、アレは王都で流行ってる、わざとズボンをボロボロに加工した奴だ」

 アシノが言うとルーは信じられないといった声を出す。

「何でそんなのが流行ってるの!? 意味わからないんですけど!!」

「えー? カッコよくないですか?」

 ムツヤが言うとモモが「えっ」と言って振り返る。

「あれはだな。男はカッコいいと思って履くらしいが、女受けは物凄く悪い不思議な服だ」

「あれが…… カッコいいのですか?」

「私にも良さは分からんが」

 モモは絶対ムツヤには履かせないと誓っていた。その横でルーは腕を組んで何かを考え出した。

「んー、でもユモトちゃんは男だし、ある意味正解? いやでもデートでアレは清潔感が…… あーもう頭がこんがらがってきた!!」

 ユモトはタノベの元へ小走りで行く。

「すいません、待たせちゃいましたか?」

「いえ、俺も今来たばっかりの所です」

 タノベは笑顔で答える。実は1時間以上前から待っていたことは誰も知らない。

「えっと、その、今日はよろしくおねがいしますね!」

 ユモトがはにかんで言うとタノベはドキッとしながら返事をする。

「いえ、こちらこそ」

「真面目か! 二人共真面目か!!」

 ルーは隠れながらツッコミを入れていた。

「と、とりあえず、その、お茶でも飲みながらお話をしませんか?」

「そ、そうですね、良いですね!」

 ギクシャクしている男2人を見てルーはモヤモヤしている。アシノは興味無さそうに腕を組んで見ていた。

 タノベとユモトは身長差があり、歩幅も違う。今はタノベの歩みにユモトが無理して合わせている感じだった。

「歩幅は女の子に合わせなさいよ!! いや、ユモトちゃん男だけど!!」

 ギャアギャア騒いでうるさいのでアシノはルーの頭を抑えつける。そんな時、タノベはやっとユモトが歩きづらそうにしている事に気付いた。

「あ、すみません。歩くの早かったですか?」

「いえ、僕が遅いだけですから気にしないで下さい」

 やってしまったとタノベは後悔したが、気持ちを切り替え思い切って言ってみる。

「あの、もし嫌でなければ、本当に嫌でなければで良いんですが…… 手を繋いでも良いですか?」

 えっとユモトはキョトンとした顔をする。タノベは「しまった、まだ早かったか」と思うが。

「えと、恥ずかしいですけど、それぐらいでしたら」

 心のなかでタノベは狂喜乱舞した。


スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む 偽装ランデブー大作戦 2


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



 ムツヤの闘技場での戦いが終わり、夜が明けて朝になる。
 ユモトはこの世の終わりみたいな顔をしてガタガタ震えているが、ルーはニコニコ笑顔だった。
「ダイジョーブダイジョーブ。私達もずっと後を付けて見てるから!」
「ルーさん楽しんでません?」
 ユモトがムスッとして言うとルーは視線をそらす。
「ソンナコトナイヨー」
 あ、絶対楽しんでるなと皆が思った。
 ユモトが待ち合わせの場所に向かうとタノベの姿があったが、隠れて眺めているルー達はその姿を見て驚愕した。
「え、何あの格好……」
 珍しくルーが引いている。タノベはダメージ加工が施されたボロボロのズボンに白のインナーと青いジャケットを羽織っていた。
「何あれ、何なの? 何か戦いでもあったの? 何であんなボロボロなの!?」
「あー、アレは王都で流行ってる、わざとズボンをボロボロに加工した奴だ」
 アシノが言うとルーは信じられないといった声を出す。
「何でそんなのが流行ってるの!? 意味わからないんですけど!!」
「えー? カッコよくないですか?」
 ムツヤが言うとモモが「えっ」と言って振り返る。
「あれはだな。男はカッコいいと思って履くらしいが、女受けは物凄く悪い不思議な服だ」
「あれが…… カッコいいのですか?」
「私にも良さは分からんが」
 モモは絶対ムツヤには履かせないと誓っていた。その横でルーは腕を組んで何かを考え出した。
「んー、でもユモトちゃんは男だし、ある意味正解? いやでもデートでアレは清潔感が…… あーもう頭がこんがらがってきた!!」
 ユモトはタノベの元へ小走りで行く。
「すいません、待たせちゃいましたか?」
「いえ、俺も今来たばっかりの所です」
 タノベは笑顔で答える。実は1時間以上前から待っていたことは誰も知らない。
「えっと、その、今日はよろしくおねがいしますね!」
 ユモトがはにかんで言うとタノベはドキッとしながら返事をする。
「いえ、こちらこそ」
「真面目か! 二人共真面目か!!」
 ルーは隠れながらツッコミを入れていた。
「と、とりあえず、その、お茶でも飲みながらお話をしませんか?」
「そ、そうですね、良いですね!」
 ギクシャクしている男2人を見てルーはモヤモヤしている。アシノは興味無さそうに腕を組んで見ていた。
 タノベとユモトは身長差があり、歩幅も違う。今はタノベの歩みにユモトが無理して合わせている感じだった。
「歩幅は女の子に合わせなさいよ!! いや、ユモトちゃん男だけど!!」
 ギャアギャア騒いでうるさいのでアシノはルーの頭を抑えつける。そんな時、タノベはやっとユモトが歩きづらそうにしている事に気付いた。
「あ、すみません。歩くの早かったですか?」
「いえ、僕が遅いだけですから気にしないで下さい」
 やってしまったとタノベは後悔したが、気持ちを切り替え思い切って言ってみる。
「あの、もし嫌でなければ、本当に嫌でなければで良いんですが…… 手を繋いでも良いですか?」
 えっとユモトはキョトンとした顔をする。タノベは「しまった、まだ早かったか」と思うが。
「えと、恥ずかしいですけど、それぐらいでしたら」
 心のなかでタノベは狂喜乱舞した。