12
ー/ー
「でも本当に素敵だったなぁ、長岡さんの美人画。女性に免疫ないのに、よくああいう絵が描けるよね~」
「まぁある意味、童貞だからこそ描ける感じはあるな」
「なんで?」
「女を知ったら、あんな綺麗にゃ描けねぇよ。愛茉に惚れるのも、上っ面の透明な部分しか見えてねぇからだろ」
「……やっぱり妬いてない?」
「なんでだよ。妬いてねぇよ」
「こっち見て言って」
桔平くんが手を止めて、相変わらずまっすぐで綺麗な瞳を私に向けた。
「……可愛い」
「そ、そうじゃなくて!」
「だって、すげぇ可愛いんだもん。キスしていい?」
言いながら、両手で私の頬を包み込んで引き寄せる。
「ち、ちょっと、いまはだめ! 食事中でしょ」
「いいじゃん。同じもん食ってんだし」
「そういうことじゃ」
「こっちも食いたいの」
有無を言わさず、唇を押しつけられた。
頬に添えられている両手は優しいけれど、逃がさないと言わんばかりに、ガッチリとホールドされている。普段は強引なことなんてしないくせに。こういうときだけ、ずるい。
ドレッシングの味が口の中に広がった。なんだかんだで受け入れてしまう私は、やっぱり桔平くんに弱いんだなぁ。
「……結局、妬いたってことね?」
しばらくして唇が離れたあと、めげずに突っ込んでみた。
「相変わらず欲しがるねぇ」
「だって……お前はオレだけ見てりゃいいんだよ! みたいなの、憧れなんだもん」
「なんだよそれ」
「よくあるじゃない、少女漫画とかで。ちょっと俺様っぽい男の子が、独占欲をむき出しにする感じ」
「ふ~ん? そういうの好きなわけ?」
「好きっていうか。一度は言われてみたいかなぁって」
「んじゃ、言ってやるよ。一度だけな」
桔平くんが、また両手で私の頬を包んだ。さっきまでとは打って変わって、獲物を狩る豹みたいな瞳で射抜かれる。
「ほかの誰が愛茉を好きになろうが、愛茉はオレだけのものなんだよ。手つなげるのもキスできるのも、抱けるのもオレだけ。愛茉が受け入れるのは、あとにも先にもオレだけ。それが変わることは永遠にない。だからヤキモチなんか妬かねぇの。オーケー?」
あ、どうしよう。心臓をわしづかみにされたかもしれない。
「返事は?」
「は、はい」
「よし、飯食おう」
何事もなかったかのようにニッコリ笑って、桔平くんはまたサラダを食べはじめた。
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。
「でも本当に素敵だったなぁ、長岡さんの美人画。女性に免疫ないのに、よくああいう絵が描けるよね~」
「まぁある意味、童貞だからこそ描ける感じはあるな」
「なんで?」
「女を知ったら、あんな綺麗にゃ描けねぇよ。愛茉に惚れるのも、上っ面の透明な部分しか見えてねぇからだろ」
「……やっぱり妬いてない?」
「なんでだよ。妬いてねぇよ」
「こっち見て言って」
桔平くんが手を止めて、相変わらずまっすぐで綺麗な瞳を私に向けた。
「……可愛い」
「そ、そうじゃなくて!」
「だって、すげぇ可愛いんだもん。キスしていい?」
言いながら、両手で私の頬を包み込んで引き寄せる。
「ち、ちょっと、いまはだめ! 食事中でしょ」
「いいじゃん。同じもん食ってんだし」
「そういうことじゃ」
「こっちも食いたいの」
有無を言わさず、唇を押しつけられた。
頬に添えられている両手は優しいけれど、逃がさないと言わんばかりに、ガッチリとホールドされている。普段は強引なことなんてしないくせに。こういうときだけ、ずるい。
ドレッシングの味が口の中に広がった。なんだかんだで受け入れてしまう私は、やっぱり桔平くんに弱いんだなぁ。
「……結局、妬いたってことね?」
しばらくして唇が離れたあと、めげずに突っ込んでみた。
「相変わらず欲しがるねぇ」
「だって……お前はオレだけ見てりゃいいんだよ! みたいなの、憧れなんだもん」
「なんだよそれ」
「よくあるじゃない、少女漫画とかで。ちょっと俺様っぽい男の子が、独占欲をむき出しにする感じ」
「ふ~ん? そういうの好きなわけ?」
「好きっていうか。一度は言われてみたいかなぁって」
「んじゃ、言ってやるよ。一度だけな」
桔平くんが、また両手で私の頬を包んだ。さっきまでとは打って変わって、獲物を狩る豹みたいな瞳で射抜かれる。
「ほかの誰が愛茉を好きになろうが、愛茉はオレだけのものなんだよ。手つなげるのもキスできるのも、抱けるのもオレだけ。愛茉が受け入れるのは、あとにも先にもオレだけ。それが変わることは永遠にない。だからヤキモチなんか妬かねぇの。オーケー?」
あ、どうしよう。心臓をわしづかみにされたかもしれない。
「返事は?」
「は、はい」
「よし、飯食おう」
何事もなかったかのようにニッコリ笑って、桔平くんはまたサラダを食べはじめた。