決闘するなよ、俺以外のヤツと 3
ー/ー
「は、はは、面白い冗談っすね」
若干引きながらもフミヤは言った。しかしムツヤは首を振って否定する。
「冗談じゃありません、本気で思っています!!」
フミヤもタノベも言葉を失った。モモが慌てて止めに入る。
「ムツヤ殿!! だから人前でハーレムと言ってはいけないと言ったではありませんか!!」
「そうですよムツヤさん! 変な誤解をされてしまいます!」
ユモトもあわあわと焦っていた。こんな状況に追い打ちを掛けるかのようにルーはとんでもない事を言い始めた。
「まー、私はムツヤっちに借りがあるしー。どーしてもって言うなら良いかなー?」
酔っ払って歯止めが効かなくなっている。フミヤとタノベは完全に固まっていた。モモは頭を抱える。
「あ、あの、まさか、ということは、ユモトさんも……」
タノベは表情が固まったまま言う。
頭の中ではこの美女たちをはべらせた上でゲスな笑いをしながらユモトを抱き寄せているムツヤの図があった。
「いえ、違います!! っていうか誤解です! それに僕はそもそも男ですし」
ユモトは事実を言っているのだが、タノベの頭の中では、嘘をつきなれていない清純な乙女が思いついた下手な嘘でムツヤを庇っているようにしか見えなかった。
「ユモトさん! そんな下手な嘘をついてまで!!」
「だから誤解なんですって!!!」
タノベは激怒した。必ず、かの変態色魔の男を除かなければならぬと決意した。
「あなたに闘技場での決闘を申し込みます! 理由はもちろんお分かりですね? あなたが皆をそんな欲望で騙し、ハーレムを作ろうとしたからです! 覚悟の準備をしておいて下さい。明日にでも戦います。真剣も使います。闘技場にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい! 貴方は犯罪者です! 闘技場でに負ける楽しみにしておいて下さい! いいですね!」
酒の勢いも手伝い義憤に駆られ、立ち上がってタノベはムツヤに対して決闘を申し込んだ。店内に静寂が訪れて皆がこちらのテーブルを見ている。
「で、どうしてムツヤが決闘することになったんだ?」
床に正座をさせられているルーとムツヤ。アシノはそれをベッドに座り見つめていた。
「すいませんでした!!」
ルーは頭を下げて謝罪をする。ムツヤもそれに習って頭を下げる。
「酔って寝ちまった私も悪いが…… ルー、何でお前が付いていながら……」
ハァーっとアシノはため息をついた。後ろに立っているモモとユモトが床に座る2人を庇う。
「私が誤解を解くことが出来なかったのがいけないのです」
「ぼ、僕もです! 何か話をややこしい事にしてしまって……」
「もう良い、過ぎたことを考えても仕方ない」
うなだれてアシノは言った。するとルーが手を上げて言う。
「すいません、もう正座辞めていいですか? あ、足がしびれて……」
それを聞くとアシノは「ほほう」と言ってニヤリと笑う。そして立ち上がりルーの元へ歩いた。
「あ、アシノ? アシノさん? 何するつもりですか?」
這いずって逃げようとするルーの足をアシノは手でつついた。
「あっ、だめっ、アシノそれはだめっ、んーーーー!!!!!」
うっぷんを晴らすかのようにアシノは容赦なくルーの足を揉んだ。
「本当にそれダメだから、ダメダメ、あっ、ひっ、おかしくなりゅうううう!!!!」
しばらくすると床に倒れてピクピクと動くルーがそこには居た。
「一般の冒険者だったら指先だけだろうがお前が負けることは無いだろうが……」
アシノはムツヤをチラリと見た。
「強すぎるんだよなぁ……」
はぁーっとため息をつく。他の皆も相手を秒でぶっ飛ばしているムツヤの姿が容易に想像できた。
「負ける心配は無いでしょうが、ムツヤ殿が目立ってしまいますね」
「だな、誤解を解くか、急いで街から逃げてバックレちまうか。どっちかだな」
どうしたもんかとアシノは天井を見つめる。沈黙で気まずい部屋にノックの音が転がった。
「んー? こんな時間にだーれー?」
「キエーウの奴かもしれん、ムツヤ、お前が開けろ」
頷いてムツヤはドアを開ける。そこに立っていたのはドアノブに手を掛けているタノベの姿だった。
「なぁ、やっぱやめとこうぜ?」
後ろには冒険者仲間のフミヤも居る。彼はタノベを止めようとしていた。
「あらー、何でここが分かったのかしら?」
ルーは冷や汗をかきながら引きつった笑顔をする。
「酒場から後ろを付けてきました!」
「そういうのストーカーって言うんだぞ」
アシノはジト目でタノベを見つめていた。部屋を見渡してタノベはプルプルと震える。
「1つの部屋に女の子を集めて…… あなた、エッチなことしたんですね!!!」
「しとらんわ!!」
アシノがツッコミを入れるがタノベは引き下がらない。
「部屋に女の子を集めて男が1人だけ…… 何も起こらないはずが無いでしょう!!!」
ルーとアシノは珍しく同じことを思っていた。「あーコイツめんどくせー」と。
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
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若干引きながらもフミヤは言った。しかしムツヤは首を振って否定する。
「冗談じゃありません、本気で思っています!!」
フミヤもタノベも言葉を失った。モモが慌てて止めに入る。
「ムツヤ殿!! だから人前でハーレムと言ってはいけないと言ったではありませんか!!」
「そうですよムツヤさん! 変な誤解をされてしまいます!」
ユモトもあわあわと焦っていた。こんな状況に追い打ちを掛けるかのようにルーはとんでもない事を言い始めた。
「まー、私はムツヤっちに借りがあるしー。どーしてもって言うなら良いかなー?」
酔っ払って歯止めが効かなくなっている。フミヤとタノベは完全に固まっていた。モモは頭を抱える。
「あ、あの、まさか、ということは、ユモトさんも……」
タノベは表情が固まったまま言う。
頭の中ではこの美女たちをはべらせた上でゲスな笑いをしながらユモトを抱き寄せているムツヤの図があった。
「いえ、違います!! っていうか誤解です! それに僕はそもそも男ですし」
ユモトは事実を言っているのだが、タノベの頭の中では、嘘をつきなれていない清純な乙女が思いついた下手な嘘でムツヤを庇っているようにしか見えなかった。
「ユモトさん! そんな下手な嘘をついてまで!!」
「だから誤解なんですって!!!」
タノベは激怒した。必ず、かの変態色魔の男を除かなければならぬと決意した。
「あなたに闘技場での決闘を申し込みます! 理由はもちろんお分かりですね? あなたが皆をそんな欲望で騙し、ハーレムを作ろうとしたからです! 覚悟の準備をしておいて下さい。明日にでも戦います。真剣も使います。闘技場にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい! 貴方は犯罪者です! 闘技場でに負ける楽しみにしておいて下さい! いいですね!」
酒の勢いも手伝い義憤に駆られ、立ち上がってタノベはムツヤに対して決闘を申し込んだ。店内に静寂が訪れて皆がこちらのテーブルを見ている。
「で、どうしてムツヤが決闘することになったんだ?」
床に正座をさせられているルーとムツヤ。アシノはそれをベッドに座り見つめていた。
「すいませんでした!!」
ルーは頭を下げて謝罪をする。ムツヤもそれに習って頭を下げる。
「酔って寝ちまった私も悪いが…… ルー、何でお前が付いていながら……」
ハァーっとアシノはため息をついた。後ろに立っているモモとユモトが床に座る2人を庇う。
「私が誤解を解くことが出来なかったのがいけないのです」
「ぼ、僕もです! 何か話をややこしい事にしてしまって……」
「もう良い、過ぎたことを考えても仕方ない」
うなだれてアシノは言った。するとルーが手を上げて言う。
「すいません、もう正座辞めていいですか? あ、足がしびれて……」
それを聞くとアシノは「ほほう」と言ってニヤリと笑う。そして立ち上がりルーの元へ歩いた。
「あ、アシノ? アシノさん? 何するつもりですか?」
這いずって逃げようとするルーの足をアシノは手でつついた。
「あっ、だめっ、アシノそれはだめっ、んーーーー!!!!!」
うっぷんを晴らすかのようにアシノは容赦なくルーの足を揉んだ。
「本当にそれダメだから、ダメダメ、あっ、ひっ、おかしくなりゅうううう!!!!」
しばらくすると床に倒れてピクピクと動くルーがそこには居た。
「一般の冒険者だったら指先だけだろうがお前が負けることは無いだろうが……」
アシノはムツヤをチラリと見た。
「強すぎるんだよなぁ……」
はぁーっとため息をつく。他の皆も相手を秒でぶっ飛ばしているムツヤの姿が容易に想像できた。
「負ける心配は無いでしょうが、ムツヤ殿が目立ってしまいますね」
「だな、誤解を解くか、急いで街から逃げてバックレちまうか。どっちかだな」
どうしたもんかとアシノは天井を見つめる。沈黙で気まずい部屋にノックの音が転がった。
「んー? こんな時間にだーれー?」
「キエーウの奴かもしれん、ムツヤ、お前が開けろ」
頷いてムツヤはドアを開ける。そこに立っていたのはドアノブに手を掛けているタノベの姿だった。
「なぁ、やっぱやめとこうぜ?」
後ろには冒険者仲間のフミヤも居る。彼はタノベを止めようとしていた。
「あらー、何でここが分かったのかしら?」
ルーは冷や汗をかきながら引きつった笑顔をする。
「酒場から後ろを付けてきました!」
「そういうのストーカーって言うんだぞ」
アシノはジト目でタノベを見つめていた。部屋を見渡してタノベはプルプルと震える。
「1つの部屋に女の子を集めて…… あなた、エッチなことしたんですね!!!」
「しとらんわ!!」
アシノがツッコミを入れるがタノベは引き下がらない。
「部屋に女の子を集めて男が1人だけ…… 何も起こらないはずが無いでしょう!!!」
ルーとアシノは珍しく同じことを思っていた。「あーコイツめんどくせー」と。