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【Friends~お友達~】②

ー/ー



    ◇  ◇  ◇
「ただいまぁ」
「真理愛ちゃん、今日学校で苛められたんですって!?」
 学校から帰宅した真理愛に、玄関まで駆け足で迎えに出た祖母が必死の形相で問い掛けて来る。

「おばあちゃん、なんで知ってるの?」
「先生からお電話あったのよ」
 そのまま、祖母に肩を抱くようにしてリビングルームに連れて行かれた。ソファの前のテーブルに、祖父がお菓子を並べている。

「真理愛ちゃん、おかえり。髪の毛を引っ張られたんだって? ……リボンは?」
 祖父の言葉に初めて気づいたようで、祖母が慌てて真理愛の髪を確認した。

「あら、本当! どうしたの? 取られて返してもらってないの?」
「ちゃんとあるよ。結べないから」
 ランドセルから二本のリボンを出した真理愛に、祖父母はホッとした様子だ。

「そうね。真理愛ちゃんはまだ蝶結びできないから、解けちゃったら困るわよね。明日からはあの輪っかになったのにしましょうか」
「うん。シュシュなら取れてもつけられる」
 祖母の提案に、真理愛は笑って頷いた。

「ねぇ、真理愛ちゃん。もし苛める子がいて嫌なら、学校はお休みしてもいいのよ」
「ううん、もう仲直りしたから」
 ソファに座って心配そうに切り出す祖母に、真理愛はあっさり首を左右に振る。

「由良ちゃんも『やめて』って言ってくれたし、吉村さんがリボン取り返してくれたの」
 真理愛は、学校へ行きたくないわけではないと説明する。祖父母の不安を取り除くためにも。

「吉村さんって女の子か?」
「男子だよ。吉村 匠さん」
「そうか。今どきは男の子も『さん』づけらしいな」
「小学校では多いみたいよ。名簿も男女混合だし。圭亮のときもそうだったかしら?」
 感心したような祖父に、祖母が答える。
「真理愛ちゃん、今度そのお友達に遊びに来てもらったらどうだい?」
「……いいの?」
 祖父の提案に、真理愛が遠慮がちに口を開いた。

「もちろんよ。ただ、他所に遊びに行っちゃ駄目っていうお家もあるかもしれないから。由良ちゃんたちにもちゃんと確かめてからね」
「明日、訊いてみる」
 真理愛は家に友人を招いたことはない。
 自分から積極的に声を上げる方ではないので、向こうから「行きたい」と言われなければ誘うこともなかったからだ。



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    ◇  ◇  ◇
「ただいまぁ」
「真理愛ちゃん、今日学校で苛められたんですって!?」
 学校から帰宅した真理愛に、玄関まで駆け足で迎えに出た祖母が必死の形相で問い掛けて来る。
「おばあちゃん、なんで知ってるの?」
「先生からお電話あったのよ」
 そのまま、祖母に肩を抱くようにしてリビングルームに連れて行かれた。ソファの前のテーブルに、祖父がお菓子を並べている。
「真理愛ちゃん、おかえり。髪の毛を引っ張られたんだって? ……リボンは?」
 祖父の言葉に初めて気づいたようで、祖母が慌てて真理愛の髪を確認した。
「あら、本当! どうしたの? 取られて返してもらってないの?」
「ちゃんとあるよ。結べないから」
 ランドセルから二本のリボンを出した真理愛に、祖父母はホッとした様子だ。
「そうね。真理愛ちゃんはまだ蝶結びできないから、解けちゃったら困るわよね。明日からはあの輪っかになったのにしましょうか」
「うん。シュシュなら取れてもつけられる」
 祖母の提案に、真理愛は笑って頷いた。
「ねぇ、真理愛ちゃん。もし苛める子がいて嫌なら、学校はお休みしてもいいのよ」
「ううん、もう仲直りしたから」
 ソファに座って心配そうに切り出す祖母に、真理愛はあっさり首を左右に振る。
「由良ちゃんも『やめて』って言ってくれたし、吉村さんがリボン取り返してくれたの」
 真理愛は、学校へ行きたくないわけではないと説明する。祖父母の不安を取り除くためにも。
「吉村さんって女の子か?」
「男子だよ。吉村 匠さん」
「そうか。今どきは男の子も『さん』づけらしいな」
「小学校では多いみたいよ。名簿も男女混合だし。圭亮のときもそうだったかしら?」
 感心したような祖父に、祖母が答える。
「真理愛ちゃん、今度そのお友達に遊びに来てもらったらどうだい?」
「……いいの?」
 祖父の提案に、真理愛が遠慮がちに口を開いた。
「もちろんよ。ただ、他所に遊びに行っちゃ駄目っていうお家もあるかもしれないから。由良ちゃんたちにもちゃんと確かめてからね」
「明日、訊いてみる」
 真理愛は家に友人を招いたことはない。
 自分から積極的に声を上げる方ではないので、向こうから「行きたい」と言われなければ誘うこともなかったからだ。