「私ね、この門の所に捨てられてたんだって!!」
笑顔で物凄く重い話を始めて、いつも表情の変わらないヨーリィと事情を知っているアシノ以外はみんな呆然としていた。
「そ、それは……」
モモは何か言葉を探したが、なんと言えば良いのかわからない。
「あぁ、孤児院育ちだから可愛そうだとか、そういうのは思わなくて大丈夫だからね。気を使われるとこっちもどうして良いかわからないし」
ルーはくるりと身を返して孤児院を見上げた。
「ここには先生もいるし、ここにいる子はみんな私の姉弟なの」
「あー、ルーお姉ちゃんだー」
1人の子供がルーを指差してこちらへ走ってくる。
「おー、ターロ元気にしてた? ちょっと大きくなったんじゃない?」
「誰かと思えば、おかえりなさいルー」
「カゾノ先生!!」
ルーが先生と呼んだ相手は初老の女性だ。ムツヤ達は言葉を交わしたわけでも無いのに慈悲深い優しさが伝わってきた。
「そちらは旅のお仲間かしら?」
「そう、みんな元気よく挨拶して!」
ルーに言われてみな簡単に挨拶をする。
「ムツヤ・バックカントリーです、こんにちは!」
「モモと申します」
「あ、えっと、ユモト・サンドパイルです」
「ヨーリィです」
みんなが挨拶を終えた頃に気まずそうに頭をかいてアシノは言った。
「アシノ・イオノンです」
「あら、その赤い髪とお名前……。 もしかして勇者アシノ様ですか?」
「えっと、まぁ、そんな感じです」
アシノは顔を赤らめて視線を外して言う。
「すげー!! 勇者だ!! みんなー勇者が来たぞー!!」
ターロと呼ばれていた男の子は孤児院の中に入ってみんなを呼び出していた。それを見てアシノは頭を抱える。