ムツヤ達はアラクネ討伐を依頼したアサヒの村へ戻らずにそのまま東へ向かう。
ユモトが「報告をしなくて良いのですか?」と聞いたが、アシノは「放っとけ」と言っていた。
また道中青い石を埋めて、ムツヤ達は東の街を目指す。
「今度行く街は『イタガ』って言って私の育った街なんだー、久しぶりに帰るから楽しみー!」
「へぇー、そうなんですね」
野営の準備中ルーが笑顔ではしゃぎながら言うとユモトは相槌を打った。
パチパチと燃える焚き火を囲んでムツヤ達は何気ない話をする。
次の日になり、一行はイタガの街を目指す。前衛のモモとユモトは修行の成果が出ているようで、軽やかにモンスターを片付けていく。
そうしている内に遠くに街が見えた。
「あー、あれあれ!! 懐かしー!」
「嬉しそうですねルー殿」
ニコリと笑ってモモは言う、ルーは身長の低さも相まってはしゃぐ子供のようだった。
しばらく歩き、ルーは街の目の前に来るとそこら中を見て言う。
「うんうん、どこも変わってない。忙しかったから1年ぶりかなー。私の実家に案内するわ」
街を歩きながらルーは知り合いに片っ端から挨拶をして回った。そして街の奥の大きな建物へ向かって歩いて足を止めた。
「ここって……」
ユモトは建物の看板の文字を読んで思わず言葉に詰まってしまう。
「そう、ここが私の実家よ!!」
看板には『イタガ孤児院』と書かれていた。