普段生活しているとなかなか気づけないかもしれないが、実は現世は異なる3つの世界が並行して存在している。
ひとつは天界。
ここは魔法が飛躍的に発達した世界で、人間の他に精霊など不思議な存在が生息している。
但し、神や天使は存在せず、あくまでもヒトが暮らしている世界だ。
かつては様々な国々が存在し、覇権をめぐって長い戦乱の時代があったが、今は天帝のもと、ひとつの国家に集約されている。
天界人は総じてのんびりとしている上に、平和になったこの世界の有り様に概ね満足していて、あまり他の世界のことには興味がなさそうだ。
次に魔界。ここは科学技術が発達した世界で、いわゆるメタルシティだ。
ここも鬼や悪魔などといった恐ろしい存在の姿はなく、あくまでもヒトが暮らしている世界だ。
魔界は天界と違って表向きは多くの国家が存在しているが、実質は魔界政府というトップ機関が全てを牛耳っている。
そして彼らは、自らの科学技術に絶対の自信を持っており、他の二つの世界よりも優位に立っていると認識しているようだ。
特に、中道界は完全に格下に見ており、科学技術を教えてやっている立場に立っている。
但し、天界には何かと便利な魔法があるせいか、天界人たちは科学技術にはあまり興味がない。
どうやら対天界という観点では魔界政府が思っているほどの優位性はないようだ。
そして、中道界。私たちの住む、地球のことだ。
大体お分かりのことと思うが、ここ中道界は他の二つとは大分毛色が違う。
様々な民族、様々な国、様々な文化がてんでばらばらに存在し、有り余る熱でごった煮になっているような世界だ。
ここは魔法も科学技術も天界、魔界と比較するとまだまだこれからといったところだ。
魔界からはあからさまに下に見られているが、魔界人に人気の観光旅行先を幾つも持っている世界でもある。
この物語は、魔界人である主人公が、この3つの世界を股に掛けながら大切なものを探して回るお話である。