蜘蛛と男 7
ー/ー
それからしばらくして、ノエウとナリアの前に男が1人現れた。ノエウは警戒してナリアの前に立つ。
「こんにちはー。そう怪しいものじゃ無いので警戒しないで下さいよー」
「だ、だ、誰だお前!!」
「いえいえ、僕はあなたを助けに来ました」
薄っぺらい笑みを浮かべて男は言った。
「助ける?」
「えぇ、これからそちらのお嬢さんを殺しに来る悪いやつが来ます」
男がナリアに手を向けたので、ノエウはナリアの事を言っているのだと理解する。
「ほ、ほ、ほんとか?」
「えぇ、そこであなたにはこの武器を差し上げます」
そう言って男は棍棒をノエウに手渡す。
「これさえあれば誰にも負けません、そちらのお嬢さんを守ってあげてくださいね。それでは失礼」
男は風のように去っていった。そして同時にぞろぞろと人間が出てきた。
「おい、そこのお前!! アラクネから離れろ!!」
ムツヤ達はめちゃくちゃに振り回される男の棍棒に手を出せずにいた。
「おい、お前はキエーウの一員なのか?」
アシノが疑問に思っていた事を口にする。裏の道具は持っているが、キエーウの仮面は被っていないし、アラクネと一緒にいる事も疑問だ。
「な、何いってんだ、キエーウってなんだ?」
男がしらばっくれている様には見えなかった。
だとすると、やはりキエーウに利用されていて、なおかつ、村長が言っていたアラクネに化かされている人間の可能性が高い。
「全員、男を殺さないように戦うぞ。アイツは利用されているだけかもしれない。まずはアラクネからだ!!」
全員返事をしてアラクネを集中的に狙うが、男が前に立ちはだかりアラクネを庇う。
ルーとユモトは遠距離の魔法を打ったが棍棒の一振りで突風が起きてすべて弾き飛ばされた。
「何あれ!? 反則じゃない!?」
まずいなとアシノは思う。相手がどんどん強くなっていく。
魔剣ムゲンジゴクを扱いきれずに飲み込まれて消滅した男のことを思い出す。
男を殺してしまうのならば簡単だが、武器を取り上げるのはその数倍難しくなる。
「作戦を変える、みんな一斉に男を狙うぞ!! ただし、殺すな、武器を取り上げるぞ!!」
アシノが言うと、最初に仕掛けたヨーリィだった。木の杭を投げて牽制をし、男は棍棒を振り回した風圧でそれを弾き飛ばす。
その風に紛れてヨーリィは男の右腕に蹴りを入れたが、体重の軽いヨーリィのそれはあまり効いていないようで、逆に男の棍棒で殴り飛ばされた。
大きく弾き飛ばされて体がところどころ枯れ葉に変わる。
次に行ったのはルーの精霊達だ、それも棍棒で次々消されていくが、時間稼ぎには充分だった。
魔法の詠唱を終えたユモトが先端を丸めた殺傷能力の少ない氷柱を無数に飛ばし、アシノもビンのフタを乱れ打ちした。
男は怯んで顔の前に手を持ってくる。そこにモモとムツヤが飛びかかった。とっさに男は棍棒を振るが、モモの無力化の盾で衝撃を吸収されてしまう。
その隙を見逃さずにムツヤは棍棒を掴み、男から取り上げる。アラクネもルーの精霊が抑え込んだ。勝負が決まった瞬間だった。
パチパチパチ。
その一瞬の静寂を破るかのように何処からか拍手が聞こえた。
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。
それからしばらくして、ノエウとナリアの前に男が1人現れた。ノエウは警戒してナリアの前に立つ。
「こんにちはー。そう怪しいものじゃ無いので警戒しないで下さいよー」
「だ、だ、誰だお前!!」
「いえいえ、僕はあなたを助けに来ました」
薄っぺらい笑みを浮かべて男は言った。
「助ける?」
「えぇ、これからそちらのお嬢さんを殺しに来る悪いやつが来ます」
男がナリアに手を向けたので、ノエウはナリアの事を言っているのだと理解する。
「ほ、ほ、ほんとか?」
「えぇ、そこであなたにはこの武器を差し上げます」
そう言って男は棍棒をノエウに手渡す。
「これさえあれば誰にも負けません、そちらのお嬢さんを守ってあげてくださいね。それでは失礼」
男は風のように去っていった。そして同時にぞろぞろと人間が出てきた。
「おい、そこのお前!! アラクネから離れろ!!」
ムツヤ達はめちゃくちゃに振り回される男の棍棒に手を出せずにいた。
「おい、お前はキエーウの一員なのか?」
アシノが疑問に思っていた事を口にする。裏の道具は持っているが、キエーウの仮面は被っていないし、アラクネと一緒にいる事も疑問だ。
「な、何いってんだ、キエーウってなんだ?」
男がしらばっくれている様には見えなかった。
だとすると、やはりキエーウに利用されていて、なおかつ、村長が言っていたアラクネに化かされている人間の可能性が高い。
「全員、男を殺さないように戦うぞ。アイツは利用されているだけかもしれない。まずはアラクネからだ!!」
全員返事をしてアラクネを集中的に狙うが、男が前に立ちはだかりアラクネを庇う。
ルーとユモトは遠距離の魔法を打ったが棍棒の一振りで突風が起きてすべて弾き飛ばされた。
「何あれ!? 反則じゃない!?」
まずいなとアシノは思う。相手がどんどん強くなっていく。
魔剣ムゲンジゴクを扱いきれずに飲み込まれて消滅した男のことを思い出す。
男を殺してしまうのならば簡単だが、武器を取り上げるのはその数倍難しくなる。
「作戦を変える、みんな一斉に男を狙うぞ!! ただし、殺すな、武器を取り上げるぞ!!」
アシノが言うと、最初に仕掛けたヨーリィだった。木の杭を投げて牽制をし、男は棍棒を振り回した風圧でそれを弾き飛ばす。
その風に紛れてヨーリィは男の右腕に蹴りを入れたが、体重の軽いヨーリィのそれはあまり効いていないようで、逆に男の棍棒で殴り飛ばされた。
大きく弾き飛ばされて体がところどころ枯れ葉に変わる。
次に行ったのはルーの精霊達だ、それも棍棒で次々消されていくが、時間稼ぎには充分だった。
魔法の詠唱を終えたユモトが先端を丸めた殺傷能力の少ない氷柱を無数に飛ばし、アシノもビンのフタを乱れ打ちした。
男は怯んで顔の前に手を持ってくる。そこにモモとムツヤが飛びかかった。とっさに男は棍棒を振るが、モモの無力化の盾で衝撃を吸収されてしまう。
その隙を見逃さずにムツヤは棍棒を掴み、男から取り上げる。アラクネもルーの精霊が抑え込んだ。勝負が決まった瞬間だった。
パチパチパチ。
その一瞬の静寂を破るかのように何処からか拍手が聞こえた。