第10章〜どらドラ!〜②
ー/ー
幅広い世代の耳に馴染んでいるであろうイントロを聴きながら、マイクを握る拳にチカラを込めた竜司は、リズムに合わせて体を揺らしながら、声を発する。
ゴールデン・ウィークの休日の期間に、みっちりとレッスンをつんだ甲斐もあり、コーラス部のメンバーとピッタリ息のあった歌い出しに、沿道とステージ前の観客は、三度、拍手と歓声を送る。
演奏が、日本の楽曲で言うところのBメロの部分に入ると、歌詞の内容に合わせて、フロートの周囲のダンス部員たちが、ツイストのステップを披露し始めた。
そのようすを目にした竜司は、マーチングをしながらのステップは、普段の活動で行うものとは異なるものではないかと考えるが……。
ダンス部の部長が「精鋭を揃えた」と豪語する選抜された十名のダンス部員たちは、見事なステップで、ボーカルと演奏を盛り上げる。
負けじと、フロート上の竜司たちボーカル隊もサビにあたる二度目のタイトルコールの部分で、沿道を煽ると、大勢の観客が、
《ツイスト・アンド・シャウト!》
と、コールで応えた。
さらに、ダンス部の後方に位置する新体操部員たちは、演奏に合わせて美しいバトンフープの演技で、観客を魅了する。
中庭へと続く回廊の沿道からは、演奏に合わせた手拍子と拍手が入り混じり、観衆のボルテージは、うなぎ登りだ。
そして、長い間奏に入ると、今回のパレードの最大の見せ場がやって来た。
竜司が、演奏のリズムに合わせながら、それまで行進を続けていた四名の男子体操部員と視線を交わすと、彼らは、アスファルトで舗装された回廊を駆け出して、側転からの後方宙返り二回半ひねりというアクロバティックな技を繰り出したのだ。
「「「ワァッ〜〜〜〜〜〜〜!」」」
という歓声が上がり、パレードの盛り上がりは最高潮に達する。
さらに、竜司が、歌詞を伴わないヴォカリーズの部分を
Ah~Ah~
と歌い出すと、コーラス部の面々は、自分たちの見せ場がやってきたと、
Ah~Ah~
と、伸びのある高音で追唱し、楽曲を最大限に盛り上げる。
演奏も終盤に近づくと、手拍子や歓声だけでなく、ダンス部のメンバーたちの動きに合わせて、踊り始める人たちも出始めた。
移動式フロートが中庭に進入すると、ステージ前の観客たちも盛大な拍手で出迎える。
最後の歌詞を終え、再び竜司とコーラス部のメンバーが、
Ah~Ah~Ah~Ah~
と、ヴォカリーズの部分を歌い終えると、演奏もアウトロに入り、ドラムメジャーの指示の下、ピタリと楽器が鳴り止む。
そして、演奏の終了に合わせて、パレードの参加者全員が、観客席に向かって深々とお辞儀をすると、一斉に拍手や指笛が沸き起こった。
「おぉ〜、パレードも最高だ〜!」
そんな観客の声を、竜司たちパレードの参加者たちは、満ち足りた表情で聞いていた。
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。
幅広い世代の耳に馴染んでいるであろうイントロを聴きながら、マイクを握る拳にチカラを込めた竜司は、リズムに合わせて体を揺らしながら、声を発する。
ゴールデン・ウィークの休日の期間に、みっちりとレッスンをつんだ甲斐もあり、コーラス部のメンバーとピッタリ息のあった歌い出しに、沿道とステージ前の観客は、三度、拍手と歓声を送る。
演奏が、日本の楽曲で言うところのBメロの部分に入ると、歌詞の内容に合わせて、フロートの周囲のダンス部員たちが、ツイストのステップを披露し始めた。
そのようすを目にした竜司は、マーチングをしながらのステップは、普段の活動で行うものとは異なるものではないかと考えるが……。
ダンス部の部長が「精鋭を揃えた」と豪語する選抜された十名のダンス部員たちは、見事なステップで、ボーカルと演奏を盛り上げる。
負けじと、フロート上の竜司たちボーカル隊もサビにあたる二度目のタイトルコールの部分で、沿道を煽ると、大勢の観客が、
《ツイスト・アンド・シャウト!》
と、コールで応えた。
さらに、ダンス部の後方に位置する新体操部員たちは、演奏に合わせて美しいバトンフープの演技で、観客を魅了する。
中庭へと続く回廊の沿道からは、演奏に合わせた手拍子と拍手が入り混じり、観衆のボルテージは、うなぎ登りだ。
そして、長い間奏に入ると、今回のパレードの最大の見せ場がやって来た。
竜司が、演奏のリズムに合わせながら、それまで行進を続けていた四名の男子体操部員と視線を交わすと、彼らは、アスファルトで舗装された回廊を駆け出して、側転からの後方宙返り二回半ひねりというアクロバティックな技を繰り出したのだ。
「「「ワァッ〜〜〜〜〜〜〜!」」」
という歓声が上がり、パレードの盛り上がりは最高潮に達する。
さらに、竜司が、歌詞を伴わないヴォカリーズの部分を
Ah~Ah~
と歌い出すと、コーラス部の面々は、自分たちの見せ場がやってきたと、
Ah~Ah~
と、伸びのある高音で追唱し、楽曲を最大限に盛り上げる。
演奏も終盤に近づくと、手拍子や歓声だけでなく、ダンス部のメンバーたちの動きに合わせて、踊り始める人たちも出始めた。
移動式フロートが中庭に進入すると、ステージ前の観客たちも盛大な拍手で出迎える。
最後の歌詞を終え、再び竜司とコーラス部のメンバーが、
Ah~Ah~Ah~Ah~
と、ヴォカリーズの部分を歌い終えると、演奏もアウトロに入り、ドラムメジャーの指示の下、ピタリと楽器が鳴り止む。
そして、演奏の終了に合わせて、パレードの参加者全員が、観客席に向かって深々とお辞儀をすると、一斉に拍手や指笛が沸き起こった。
「おぉ〜、パレードも最高だ〜!」
そんな観客の声を、竜司たちパレードの参加者たちは、満ち足りた表情で聞いていた。