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蜘蛛と男 4

ー/ー



「お待たせいたしました、お料理とサイン色紙でーす」

「当たり前のようにサイン色紙持ってきましたね!!」

 アシノはウェイトレスにツッコミを入れた。爆笑するルーの頭を1発叩いてから渋々サインを書く。

 美味しそうな料理が並べられると皆それぞれ祈り食事を始める。

「あ、このお野菜すごく美味しいです!」

 ユモトはサラダを食べて言った。シャキシャキとした食感とみずみずしさ、甘さが口の中に広がる。

「確かに、見事な野菜だ。この肉も脂が乗っていてうまいな」

 モモも前菜のローストビーフに舌鼓を打つ。ムツヤはそんな事を考えているのか、いないのか、バクバクと食べていた。ルーも負けじと頬をハムスターのように膨らませて食べていた。

「お前はもうちょい行儀よく食べろ」

「らっておいしいんらもん」

「食いながら話すな!!」

 食事の中程でシェフと思わしき男がムツヤ達のテーブルまでやって来る。

「勇者アシノ様とお連れの皆様、お料理は楽しんで頂けてますでしょうか?」

「えぇ、どれも美味しく頂いています」

 アシノはシェフに軽く会釈をした。

「ありがとうございます。当店の料理は、ほとんどこの村で採れたものを使っておりますので食材の新鮮さには自信があります」

「なるほどねー」

 ルーは口の中のものを飲み込んで言う。

「それでは、お食事が終わる頃にデザートをお持ちしますのでごゆっくりお楽しみ下さい」

 シェフは一礼してまた厨房へ引っ込んでいった。

「何か良い村ですね、優しい人や良い人が多くて」

「えぇ、そうですね」

 ムツヤが言うとモモも同調した。そして食事が終わる頃にデザートが運ばれる。

「お待たせいたしましたー!! 当店特製のプリンでございます」

「やーん、おいしそー!」

 ルーは両手を頬に当ててくねくねとしだした。黄色いプルプルとした物体に茶色いソースが掛かったそれをムツヤは初めて見る。

「なんですかこれ?」

「これはプリンって言って牛乳と卵とお砂糖で出来たお菓子です」

「牛乳と卵で?」

 ムツヤは頭の中でどうやって作るのか想像をしていた。

「百聞は一見にしかずよ、食べればわかるさ!!」

 そう言ってルーは先にプリンを食べ始める。

「ンまあーい」

 プリンを食べたルーは思わずそう口にした。

「あ、本当だ。このプリン美味しい!」

 ユモトもひとくち食べて言った。ムツヤもそれを見てスプーンでプリンをつつくと、プルプルとした感触が伝わる。

「お、美味しい!」

 プリンを口に運ぶと、ムツヤは初めて食べる食感と甘みが気に入ったようだった。

 大満足で店を出ると、ムツヤ達は宿へと帰る。夕飯までは自由行動という事になった。

 それぞれ買い物をしたり、散歩をしたり、情報を集めたりと思い思いに過ごすとあっという間に日が暮れる。

 一行は宿屋で酒を飲みながら夕飯を食べた。エールを一気に半分ほど飲み干した後にアシノが話し始めた。

「そういえば1つ気がかりなことがあった」

「何なにー?」

「今日、村を散歩がてら村人に聞き込みをしてみたんだ。そうしたらアラクネの目撃情報は集まったんだが、そのアラクネに化かされたという男の事を聞くと、皆はぐらかしてくるんだ」

 アシノの言葉を聞いてルーはうーんと何かを考える。

「何か隠し事をしてそうね」

「あぁ、まあどのみちアラクネを見つけ出せば分かることだがな」

 アシノもそこまで深刻に考えてはいないようだった。

「ふわあああ、ムツヤさんは僕が守りましゅよおおお」

「ユモトさんも俺がまもりますううう」

 アシノから飲んでみろと言われて酔っ払っているこの2人の方が問題だ。

「ユモトとムツヤ殿は本当にお酒に弱いですね……」

「見ていて楽しいけどねー」

 夕食が済んだ後は皆すぐに眠りについた。


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「お待たせいたしました、お料理とサイン色紙でーす」
「当たり前のようにサイン色紙持ってきましたね!!」
 アシノはウェイトレスにツッコミを入れた。爆笑するルーの頭を1発叩いてから渋々サインを書く。
 美味しそうな料理が並べられると皆それぞれ祈り食事を始める。
「あ、このお野菜すごく美味しいです!」
 ユモトはサラダを食べて言った。シャキシャキとした食感とみずみずしさ、甘さが口の中に広がる。
「確かに、見事な野菜だ。この肉も脂が乗っていてうまいな」
 モモも前菜のローストビーフに舌鼓を打つ。ムツヤはそんな事を考えているのか、いないのか、バクバクと食べていた。ルーも負けじと頬をハムスターのように膨らませて食べていた。
「お前はもうちょい行儀よく食べろ」
「らっておいしいんらもん」
「食いながら話すな!!」
 食事の中程でシェフと思わしき男がムツヤ達のテーブルまでやって来る。
「勇者アシノ様とお連れの皆様、お料理は楽しんで頂けてますでしょうか?」
「えぇ、どれも美味しく頂いています」
 アシノはシェフに軽く会釈をした。
「ありがとうございます。当店の料理は、ほとんどこの村で採れたものを使っておりますので食材の新鮮さには自信があります」
「なるほどねー」
 ルーは口の中のものを飲み込んで言う。
「それでは、お食事が終わる頃にデザートをお持ちしますのでごゆっくりお楽しみ下さい」
 シェフは一礼してまた厨房へ引っ込んでいった。
「何か良い村ですね、優しい人や良い人が多くて」
「えぇ、そうですね」
 ムツヤが言うとモモも同調した。そして食事が終わる頃にデザートが運ばれる。
「お待たせいたしましたー!! 当店特製のプリンでございます」
「やーん、おいしそー!」
 ルーは両手を頬に当ててくねくねとしだした。黄色いプルプルとした物体に茶色いソースが掛かったそれをムツヤは初めて見る。
「なんですかこれ?」
「これはプリンって言って牛乳と卵とお砂糖で出来たお菓子です」
「牛乳と卵で?」
 ムツヤは頭の中でどうやって作るのか想像をしていた。
「百聞は一見にしかずよ、食べればわかるさ!!」
 そう言ってルーは先にプリンを食べ始める。
「ンまあーい」
 プリンを食べたルーは思わずそう口にした。
「あ、本当だ。このプリン美味しい!」
 ユモトもひとくち食べて言った。ムツヤもそれを見てスプーンでプリンをつつくと、プルプルとした感触が伝わる。
「お、美味しい!」
 プリンを口に運ぶと、ムツヤは初めて食べる食感と甘みが気に入ったようだった。
 大満足で店を出ると、ムツヤ達は宿へと帰る。夕飯までは自由行動という事になった。
 それぞれ買い物をしたり、散歩をしたり、情報を集めたりと思い思いに過ごすとあっという間に日が暮れる。
 一行は宿屋で酒を飲みながら夕飯を食べた。エールを一気に半分ほど飲み干した後にアシノが話し始めた。
「そういえば1つ気がかりなことがあった」
「何なにー?」
「今日、村を散歩がてら村人に聞き込みをしてみたんだ。そうしたらアラクネの目撃情報は集まったんだが、そのアラクネに化かされたという男の事を聞くと、皆はぐらかしてくるんだ」
 アシノの言葉を聞いてルーはうーんと何かを考える。
「何か隠し事をしてそうね」
「あぁ、まあどのみちアラクネを見つけ出せば分かることだがな」
 アシノもそこまで深刻に考えてはいないようだった。
「ふわあああ、ムツヤさんは僕が守りましゅよおおお」
「ユモトさんも俺がまもりますううう」
 アシノから飲んでみろと言われて酔っ払っているこの2人の方が問題だ。
「ユモトとムツヤ殿は本当にお酒に弱いですね……」
「見ていて楽しいけどねー」
 夕食が済んだ後は皆すぐに眠りについた。