私と半分だけ血の繋がった妹の中にある蠢く気持ち。
妹の中で抑えきれなくなった正義は行き場をなくして私の背中を押した。

僕たちの最後のやりとりをここに記す。

限られた場所で限られた行為を見守る限られた存在。


©有希穂

初恋の相手が、死んでいた夏。
それは、かつての"白い眩しさ"を探す夏になった。
"理想の夏"を探す夏になった。
僕はそれを求めて、あの田舎へと帰省した。

"四年間の贖罪"をする夏にもなった

初恋の相手が、死んでいた夏。
それは、かつての"白い眩しさ"を探す夏になった。
"理想の夏"を探す夏になった。
僕はそれを求めて、あの田舎へと帰省した。

"四年間の贖罪"をする夏にもなった。
"四年前"に縛られる夏にもなった。
"残り僅かな夏休み"を楽しむ夏にもなった。

四年間を生きた僕と、四年前に死んだあやめは、何も変わっていなかった。

──僕だけに見えるあやめの姿。そうして、彼女から告げられた死の告白と、悲痛な"もう一つの事実"。文芸部員の僕が決意したのは、彼女に『色を分ける』ことだった。

失った四年間を取り戻すなかで、僕とあやめは"夏の眩しさ"、"夏の色"を見つけていく。そして、ずっと触れずにいたあやめの死の真相も。唯一の親友、小夜が語る、胸に秘めていた後悔とは──？

そんなある日を境に、タイムリミットが目に見えて迫るようになる。これは最期の夏休みをともに過ごす二人の、再会から別れまでを描いた恋物語。ただ夏だけを描き続けた、懐かしくも儚い幻想綺譚。

【彼】の部屋ですごしながら、【私】は銀河鉄道の夢を見る。

日常の中で抱える複雑な感情とアイデンティティの探求をテーマにした短編集です。現代の複雑な社会における生き方の模索や、本当の自分を見つけるための旅を自分なりに描いた作品群になります。

毎週水曜日2

日常の中で抱える複雑な感情とアイデンティティの探求をテーマにした短編集です。現代の複雑な社会における生き方の模索や、本当の自分を見つけるための旅を自分なりに描いた作品群になります。

毎週水曜日20時更新

これは、一人の男が最後に観た夢の物語。

※注意
なるべくネタバレなしで本編を読んでほしいので、湾曲的な但し書きとなりますが、本作の登場人物には『かつて世界規模での人権侵害を行った独裁者』をモチ

これは、一人の男が最後に観た夢の物語。

※注意
なるべくネタバレなしで本編を読んでほしいので、湾曲的な但し書きとなりますが、本作の登場人物には『かつて世界規模での人権侵害を行った独裁者』をモチーフとした登場人物が登場します。
本作に限らず如月千怜が執筆する小説には「人種差別をはじめとしたヘイト行為」を容認及び礼賛する意図はありません。

本作はソリスピアオンリー作品となります。

累は「現実はプラスティックだ」と言う。
この世界は本当にプラスティックなのだろうか。

約3分で読める詩、小説。『夜の図書館、私だけの──？』
気になる単語が1つでもあれば手にお取りください。金色、図書館、夜景、ミルクティ、ガラス窓、イングリッシュブレックファースト。
誰かの心を少し

約3分で読める詩、小説。『夜の図書館、私だけの──？』
気になる単語が1つでもあれば手にお取りください。金色、図書館、夜景、ミルクティ、ガラス窓、イングリッシュブレックファースト。
誰かの心を少しでもゆらせたら……。

あの日、愛梨はドイツの古城を訪ねた。そこに向かう途中、ベルンハルトという風変わりな男性に一目惚れされて、旅を共にすることになった。ベルンハルトはいわゆるホームレスだったのだが、ひとつだけ夢があった。そ

あの日、愛梨はドイツの古城を訪ねた。そこに向かう途中、ベルンハルトという風変わりな男性に一目惚れされて、旅を共にすることになった。ベルンハルトはいわゆるホームレスだったのだが、ひとつだけ夢があった。それは愛する者と一緒に城に棲むことだった。それを聞いた愛梨は優しい性格であるが故に承諾してしまう。しかし現実問題、かなりの無理難題であることは明らかだった。愛梨がドイツにいられる期間は僅か数日間。2人は思考を巡らせて未来について語り始めた。