ダイヤモンドの星と神

ダイヤモンドの星と神


少女はボールに遺した声を聞く。




高校生、雪村星里奈。
彼女はプロ野球チーム、東京ヒーローズの熱狂的なファンである。
しかしながら、ヒーローズは最下位からの脱却が難しい弱小チーム。
だが、星里奈は心の底からチームを応援していた。
それは彼女の死んだ父が元ヒーローズのプロ野球選手だったからである。

「やっぱり、オープン戦と違って緊張感があるな」

3月×日、土曜日。
今年度のプロ野球が開幕した。
星里奈はヒーローズの本拠地であるレジェンド球場でチームを応援していた。
グラウンドを見つめていると、彼女は男に話しかけられた。

「君、野球は好きかい」

見ると異国風の顔立ちで若い男。
ストローハットを被り、赤いハイビスカス柄の派手なシャツを着ていた。
どこか飄々としているが、神秘的な雰囲気がある。

「どなたですか?」

星里奈が尋ねると、男はおかしなことを述べた。

「神様だよ」

――と。

これは少女が体験する不思議な物語。



エピソード



野球好きな神様

心のカタチはボールに乗って

野球場へ行こうよ

伊能兄弟

北風と太陽

父さんの影

疾風のマウンド