絶滅危惧種の深夜ドライブイン。夢破れた出戻りの俺と、VTECを奏でる幼馴染と。

絶滅危惧種の深夜ドライブイン。夢破れた出戻りの俺と、VTECを奏でる幼馴染と。

「自販機のうどんなんか、温かったらええねん」


東京の大学で報道を志した日巡(ひよし)シュンは、夢に破れ、逃げるように関西の故郷へ帰ってきた。

彼が夜の店番をするのは、実家が営む「ひよしドライブイン」。
色褪せた看板、胡散臭いクレーンゲーム、そして熱々のチープなうどんを出すレトロ自販機が並ぶ、絶滅危惧種のたまり場だ。

プライドの高さと地元の人間にバレたくない気まずさから、表には出ようとしなかったシュン。
だが、深夜に響き渡るVTECエンジンの爆音と共に現れた一人の客に見つかってしまうのに、そう時間はかからなかった。

木立(こだち)アユミ。
シビックを乗り回す彼女は、過去にネグレクトを受けていた境遇の中で、シュンと「自販機うどん」を食べ合った、ヤンキー気質の幼馴染だった。

『ウチは自販機がええ』
『帰れとか、かわいそうやとか言わへんから』

飾らない関西弁とありふれた出汁の匂いに、シュンの止まっていた時間は少しずつ動き始める――。

深夜のドライブインに集うワケありの客たちと、不器用な幼馴染。

夢に敗れた青年がもう一度前を向くまでを描く、泥臭くて温かい真夜中のヒューマンドラマ。

※ソリスピア様にて同時連載中
※おおよそ3日に1回程度の更新となります(早まる可能性もあり)







1件のおすすめレビュー

深夜ドライブインの温かな余韻

夜の国道沿いにひっそりと佇むドライブインが放つ、ほろ苦い懐かしさと静かな闇が、読者の心に独特の余韻を残します。主人公と幼馴染の微妙な距離感、そして不器用なやり取りが、笑いと切なさを絶妙に交錯させ、ページをめくる手が止まりません。さらに、レトロなゲーム機や古びた自販機が描く空間は、青春の一コマを切り取ったような温かさを感じさせます。都会の喧騒から逃れたくなるような、ゆったりとした時間の流れに共感できる方に特におすすめです。ぜひ読んでみてください。

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