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最終更新: 2025年11月16日 17時35分

雨の向こうに
29歳会社員の栄理子は、10歳年下の大学生、由鷹に絶望的な恋をしていた。 けれど、それも今日で終わり。 由鷹と別れるなら、雨の日と決めていた。 彼の好きな服を着て、彼の好きな物をテーブルに並べて、彼の好きな音楽をかけて。 栄理子は由鷹を待っていた。 全6話。毎朝9時に公開します。
魔断の剣1 碧翠眼の退魔師
人の持てる力をはるかに超えたその能力で他者を蹂躙(じゅうりん)し、血肉を生きたまま啜(すす)り、命を自らの力とした上でさらに屠(ほふ)り続ける。 魅魎(みりょう)――魅魔(みま)、魅妖(みよう)、魎鬼(りょうき)、妖鬼(ようき)が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)しているこの世界にあって、人は、あまりに非力な存在だった。 魅魎は主に人の生気を食べる。 人が、他の生き物を世界から搾取(さくしゅ)するように、それらは人から生きる力を奪い取るのだ。生きたまま肉を裂き、苦鳴の中で血を啜るといった行為は、自らの力を誇示し、愉悦に浸るための、単なるおまけでしかない。 だが自分たちを凌駕(りょうが)する力を持っているからといって、諦め、それをこの世界の定めとして受け入れられるわけがない。 魅魎にもてあそばれ、その気まぐれに翻弄(ほんろう)されるがままの存在であるなどということが、この世界において人間の位置するところであるとされるのならば、それは人にとって、この世界に生きるということが果てしなく絶望的な、到底堪えられるはずのない苦痛でしかないではないか。 獣に牙があるように。 逃げ延びるに足る俊足があるように。 人は、やがて自らの中に魅魎に抵抗するための力があることを知った。 もちろんだれにでもというわけではない。 魅魎を封じ、なおかつその命を永遠に絶つ力を生まれながらして備えた物。 意思を持つ生きた剣・魔断(まだん)と心を通じあわせ、ともに魅魎から弱き人を護る者。 彼らは退魔師と呼ばれていた。 ※この作品は33年ほど前に個人誌として発行した作品で、すでに最後まで書き終えています。  それに加筆修正したものになります。 ※全70話+番外編1話。すべて予約投稿済みです。
いんもらるぴぃすぅ〜
元彼に壊された人生を歩むだけの女の子の話。 復縁要求されたり、友達と飲んだり、あれこれしたりする生産性のないぶらっくらぶこめでぃ〜。 ――キリトリセン―― 注意 元彼が元クズ、きゃんきゃん喚くタイプのヤンデレなので、苦手な人は気を付けてね。 あと主人公ちゃんがかなり個性強めなので、そこも注意。 地雷と胸糞があり、雑食でなんでもいける方のみの閲覧をお願いします。 pixivにも同様の作品を上げている同一人物なので、見かけたらよろしこ≦ФωФ≧ 連載中とはなっていますが、特に完結、連載等は決めてません。
ジェンダーチョイス
雲の上で“性別”を選んで生まれてくる子どもたち。 本来「女」を選ぶはずだったぼくは、押されて別の道へ落ちてしまう。 やがて母の期待と愛を聞きながら、“選び損ねた運命”と向き合う物語。
春が机の上で揺れていた
桜が舞う季節になると、先生に会いたくなる。 天然で、優しくて、誰にでも笑ってくれる優しい人。 私が恋をしたのは、そんな先生だった。 積み重ねた愛も、写真に残った笑顔も、春の光にほどけていく。 私の心に残る、恋の物語。
華間 -カカン-
「ようやくお見つけいたしました、夜華君(やかぎみ)」  華間(かかん)は華界の花畑に生まれ、蟲間(ちゅうかん)と契る民。蟲間は蟲(むし)として生まれ、唯一人の華間に生涯を捧ぐ僕(しもべ)。  いにしえ、ある王が己の蟲間の命と引き換えに、華界唯一の王位に就いた。だが安寧は続かず、瀕死となった王に啓示が下る――華界はやがて赤(せき)・橙(とう)・黄(おう)・緑(りょく)・青(せい)・藍(らん)・紫(し)の七国に割れ、終わりなき戦に沈む。幾千年の乱を制す王は唯ひとり、幻の"夜華間(やかかん)"を得た者だ、と。  夜華間は闇(やみ)色の髪、象牙色の肌、落栗(おちぐり)色の瞳、そして他者を輪廻転生させる力を持つ。賢王に付き、その国を久しき繁栄に導くとされる夜華間を、七国中が探し求めていた。  人界に生きる男子高校生・黒瀬真宵(くろせまよい)は、幼くして"蟲無し(蟲を惹きつける力のない華間)"と誤られ人界に落とされた夜華間だった。雷雨の夜、真宵は赤蟲間・立羽(たては)に見出され、緑蟲間・翠鎌(すいれん)の追撃を逃れて華界へ転移する。  何も知らず育った真宵は人界へ帰りたいと願うが、帰るためには、華界の上位たる玄天(げんてん)へ行き、七神の許しを得ねばならない。  七国から求められ、狙われ、攫(さら)われ、抗いながら真宵は果たして、無事に人界へ帰ることができるのか。  七色の国を舞台に、真宵の冒険が今、始まる――
春望~最初の花が開いたなら、その一枝を持って迎えに行きます~
「ぼく」には高校のときから好きな女性がいます。 みんなの憧れ、大学に入ってからは、西館のマドンナとひそかに呼ばれていた女性です。 完璧な彼女は、到底ぼくなんかの手の届く人じゃなくて……。 ずっと、ただの友達の1人でいることに満足していました。 そんなある日、彼女がお見合いをして、結婚をするために大学をやめて故郷に戻るというのを聞いて……。 ※昭和のイメージで書きました! 今風でなくてすみません!
【BL】異世界転移なんてしたくないのにくしゃみが止まらないっ! Meets05 優しいバーサーカー
くしゃみ転移シリーズ第五弾です!    くしゃみをするたびに異世界の各地に転移させられるミチルが、様々なイケメンと絆を紡ぐコメディです!  さえない男子高校生の坂之下ミチルは卒業式を終えたばかり。キャンパスライフを夢見て美容院へ出かける途中、大量の鳥の羽に囲まれた。思わずくしゃみをしてしまったミチルは突然異世界に飛ばされてしまった。  イケメン達と再会したミチルは、フラーウムでのベスティア騒動を振り返る。ベスティアを吐き出した少年ミモザからの聴取により、その裏にはジンの宿敵とアニーの仇敵がおり、さらにその後ろには巨大帝国の影が…!? 情報を集めるべく、四人のイケメン達と再び旅に出たミチルだったが、またもくしゃみにより転移してしまった。砂漠のオアシスに… 【登場予定のイケメン達】 ◎第5のイケメン 優しいバーサーカー ルーク・プルクラ・ループス(18)←この攻めが出ます!! (前シリーズに登場) ◎第1のイケメン ぽんこつナイト ジェイ・アルバトロス(22) ◎第2のイケメン ホスト系アサシン アニー・ククルス(26) ◎第3のイケメン 小悪魔プリンス エリオット・ラニウス(25) ◎第4のイケメン 毒舌師範 ジン・グルース(33) (↓後続シリーズに登場予定) ◎第6のイケメン 孤独なヴィラン 【前シリーズはこちら】 ◎Meets01 ぽんこつナイト ◎Meets02 ホスト系アサシン ◎Interlude01 ぽんこつナイトVSホストアサシン ◎Meets03 小悪魔プリンス ◎Interlude02 トライアングルSOS! ◎Meets04 毒舌師範 ◎Interlude03 ミチル is Love … 【先出しネタバレ情報】 本作品は主人公ミチルの総受けハーレムです。 ストーリー完結(トゥルーエンド)後に、各イケメンとのマルチエンド(ハッピーエンド)をご用意いたします! ※表紙は友人の百和様に描いていただきました。転用転載等はしないでください。
しろいふく
「貧乏って悪いことなの?」 少女の一言をきっかけに、母は“白い服”を洗いながら、 自らの過去と向き合う。 親子の愛、記憶、そして“心の貧しさ”を描く静かな恐怖の物語。 白は、誰の罪を映すのか――。
私は本当に望まれているのですか?
この日は辺境伯家の令嬢ジネット・ベルジエは、親友である公爵令嬢マリーズの招待を受け、久々に領地を離れてお茶会に参加していた。 穏やかな社交の場―になるはずだったその日、突然、会場のど真ん中でジネットは公開プロポーズをされる。 「君の神秘的な美しさに心を奪われた。どうか、私の伴侶に……」 果たしてこの出会いは、運命の始まりなのか、それとも――? Copyright©︎2025-まるねこ
ウェイトドール
重さを失っていくぬいぐるみ。 軽くなっていく心。 母の愛と記憶を抱きしめた少女は、泡の中で“本当の自分”を見つける――。
美人製造機-生産・正餐・凄惨・清算
「せいさん」という言葉を巡る、4つの短編集。 命を“生産”しようとする少女。 完璧な“正餐”にこだわる男の狂気。 愛の果てに、“凄惨”な運命を辿る男。 そして、過去を“清算”できなかった父が迎える結末。 同じ音を持ちながら、意味も物語も全く異なる「せいさん」 それぞれの物語は独立しながら、どこかで心の闇がつながっている――。 静かに狂いはじめる日常。 「せいさん」とは、始まりか、それとも終わりか。 人間の欲・愛・罪・孤独を描く、背筋が冷える連作短編集。
「ザ・ケルン・コンサート」まだ私は死なない!死ねない!
あの日のことを、私は今でも鮮明に覚えている。春休みの大学街はひっそりして、まるで時間が止まったようだった。明大の古い講堂でピアノを弾くのは、私のひそかな習慣だった。借りものの舞台と鍵盤に、キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」を響かせる。譜面はない。自分の呼吸と記憶だけを頼りに、即興で再構築する。演奏しているあいだは、誰もいない世界にただひとり閉じ込められているような心地がする。  けれど、あの日は違った。弾き終えた瞬間、私は気づいたのだ。後方の暗がりに、ひとりの青年が座っていることに。ドアを開けた一瞬の光で、気配は感じていた。知らない男に覗かれていた、と一瞬、怒りが胸をよぎった。けれど、その怒りはすぐに戸惑いに変わった。彼の目が、演奏を汚すような視線ではなく、ただ真剣に聴いていた人の目だったからだ。  彼の名は宮部明彦。油絵を描き、物理を学び、そして偶然ここに迷い込んだという。私は「偶然」という言葉をあまり信じない。けれど、彼と話しているうちに、その偶然がどこか運命のように感じられた。ジャズの話、本の話、ユングやデミアン、相対性理論や犯罪心理学……私たちの会話は、初対面とは思えないほど滑らかに、深く潜っていった。  そして気がつけば、講堂を出て、山の上ホテルのバー「ノンノン」に座っていた。午後四時の空いたカウンターで、私はマーテルを、彼はメーカーズマークを頼んだ。ブランデーの琥珀色が、雨のしずくで曇った窓に映える。学生らしくない静けさと、少しだけ大人の時間。奇妙なことに、私はその時間を全然怖いとは思わなかった。むしろ、胸の奥にずっとあった孤独な旋律に、初めて和音が重なったように思えた。  女と男は、どこまでいっても分かり合えない、と口では言いながら、私は彼に話しつづけた。彼の笑顔や、少し考えこむ横顔が、曲の終わりに響く余韻のように心に残った。偶然が、たまたまが好きだという彼に、私の中の何かが静かにほどけていく。ペルソナも、仮面も、ここには必要ないような気がした。 「ねえ、四月から、あなたの学部にニセ学生として通ったらどうかしら」思わず口にしていた。彼は笑って「いいよ」と言った。  雨の土曜の午後、ケルン・コンサートから始まったこの出会いが、私にとってどんな物語になるのか、そのときの私はまだ知らなかった。
縄に絡まる
ある日、失恋でやけになっていた深雪は、SNSで見かけた緊縛の写真に惹かれ、その写真のモデルである抄妓が店長を務める縄サロン「翠」を訪れます。そこで、縄の師である國村城先生との出会いを果たし、初めての緊縛体験で、性的なものではない、心のこもった優しい縄に深い癒しと心地よさを感じ、この趣味に没頭していきます。 そこで出会った先生の縄に癒やされ、居場所を見つけた深雪は、そこで出会う様々な人々との交流を通して成長していきます。 それは、彼女にとって新たな旅の始まりであり、かけがえのない人との絆を育む物語でもありました。
あやかし綺譚録
佳月を追い求める彰朱(しょうじゅ)が出逢う女たちの話。 ・鬼女 ・雪女 ・修羅 短編3部作です。
悪女は破滅を身ごもる~断罪された私を、ヒロインより愛するというの?~
――私が、「悪女」として断罪される時がきたのね。 乙女ゲームの世界に転生した「悪女」アヴリーヌ。 前世で恋人に裏切られた彼女は、ゲームのヒロイン・エマに断罪され、捕らえられる。 ところが追放されるはずのアヴリーヌを、エマの恋人・ジェイドが誘拐し、監禁する。 「あの子なら利用しただけだ。 一目見た瞬間から、僕は貴女の虜だったんだ」 歳下の麗しの侯爵、ジェイド。 狂おしいほどの情熱でアヴリーヌを求めてくる彼に、傷ついたままのアヴリーヌの心が揺れ動く。 「私をずっと愛して。どこにもいかないで」 やがてアヴリーヌはジェイドとの愛に溺れていく。 ――これは「悪女」が、世界を壊してでも、 愛と幸福を得ようと決めた物語。
【BL】異世界転移なんてしたくないのにくしゃみが止まらないっ! 幕間03 ミチル is Love …
くしゃみ転移シリーズ第4.5弾幕間03です!  くしゃみをするたびに異世界の各地に転移させられるミチルが、様々なイケメンと絆を紡ぐコメディです!  さえない男子高校生の坂之下ミチルは卒業式を終えたばかり。キャンパスライフを夢見て美容院へ出かける途中、大量の鳥の羽に囲まれた。思わずくしゃみをしてしまったミチルは突然異世界に飛ばされてしまった。  転移したフラーウムという国で、イケメン毒舌師範・ジンの弟子になったミチル。武道大会で出現したベスティアをジンとともに倒したのだが、この事件の背後にはジンの宿敵・鐘馗会の影が! 一味を追ったジンとミチルは、懐かしい三人のイケメン達と再会を果たす…! 【登場予定のイケメン達】 ◎第1のイケメン ぽんこつナイト ジェイ・アルバトロス(22) ◎第2のイケメン ホスト系アサシン アニー・ククルス(26) ◎第3のイケメン 小悪魔プリンス エリオット・ラニウス(25) ◎第4のイケメン 毒舌師範 ジン・グルース(33) 四人の攻めがミチルを巡って揉めたり、ベスティアの謎に迫るお話です。 (↓後続シリーズに登場予定) ◎第5のイケメン 優しいバーサーカー ◎第6のイケメン 孤独なヴィラン 【前シリーズはこちら】 ◎Meets01 ぽんこつナイト ◎Meets02 ホスト系アサシン ◎Interlude01 ぽんこつナイトVSホストアサシン ◎Meets03 小悪魔プリンス ◎Interlude02 トライアングルSOS! ◎Meets04 毒舌師範 【先出しネタバレ情報】 本作品は主人公ミチルの総受けハーレムです。 ストーリー完結(トゥルーエンド)後に、各イケメンとのマルチエンド(ハッピーエンド)をご用意いたします! ※表紙は友人の百和様に描いていただきました。転用転載等はしないでください。
拝啓、あしながおじさん。 ~令和日本のジュディ・アボットより~
現代の日本。 山梨県のとある児童養護施設に育った中学3年生の相川愛美(あいかわまなみ)は、作家志望の女の子。卒業後は私立高校に進学したいと思っていた。でも、施設の経営状態は厳しく、進学するには施設を出なければならない。 そんな愛美に「進学費用を援助してもいい」と言ってくれる人物が現れる。 園長先生はその人物の名前を教えてくれないけれど、読書家の愛美には何となく自分の状況が『あしながおじさん』のヒロイン・ジュディと重なる。 春になり、横浜にある全寮制の名門女子高に入学した彼女は、自分を進学させてくれた施設の理事を「あしながおじさん」と呼び、その人物に宛てて手紙を出すようになる。 慣れない都会での生活・初めて持つスマートフォン・そして初恋……。 戸惑いながらも親友の牧村さやかや辺唐院珠莉(へんとういんじゅり)と助け合いながら、愛美は寮生活に慣れていく。 そして彼女は、幼い頃からの夢である小説家になるべく動き出すけれど――。 (原作:ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』)
婚約破棄ありがとうございます、その後私は幸せになりました。
婚約解消を言い渡されたライナは、帰り道に怒りに任せて石を蹴り飛ばして、強面の男性にぶつけてしまう。 怒号を浴びせられ、追いかけられたことで身の危険を感じたライナは、ギルドで護衛を頼むことになる。 紹介された冒険者の名前はリオ。 真面目に任務を遂行しようとする彼に、物足りなさを感じるライナだったが、身を挺して守ろうとする姿に心の揺らぎを感じるようになる…… ※カクヨム様、小説家になろう様、アルファポリス様、エブリスタ様でも掲載しています。
噛みたいαと大きい背中
αとΩが発生する機序が研究結果で判明した世界、治療を受けられるΩはΩホルモン抑制剤と成長ホルモン促進剤によって、発情期を強力に押さえられるようになっていた。 治療を受けて人並みに生活している美貌のオメガ水野学はある時、いばら財閥の令嬢でありアルファのいばら照(てり)とご学友になることになる。 場面緘黙で何を考えているかわからない照に振り回される学だったが、あることをきっかけに心を通わせることになり……?
29歳会社員の栄理子は、10歳年下の大学生、由鷹に絶望的な恋をしていた。 けれど、それも今日で終わり。 由鷹と別れるなら、雨の日と決めていた。 彼の好きな服を着て、彼の好きな物をテーブルに並べて、彼の好きな音楽をかけて。 栄理子は由鷹を待っていた。 全6話。毎朝9時に公開します。
人の持てる力をはるかに超えたその能力で他者を蹂躙(じゅうりん)し、血肉を生きたまま啜(すす)り、命を自らの力とした上でさらに屠(ほふ)り続ける。 魅魎(みりょう)――魅魔(みま)、魅妖(みよう)、魎鬼(りょうき)、妖鬼(ようき)が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)しているこの世界にあって、人は、あまりに非力な存在だった。 魅魎は主に人の生気を食べる。 人が、他の生き物を世界から搾取(さくしゅ)するように、それらは人から生きる力を奪い取るのだ。生きたまま肉を裂き、苦鳴の中で血を啜るといった行為は、自らの力を誇示し、愉悦に浸るための、単なるおまけでしかない。 だが自分たちを凌駕(りょうが)する力を持っているからといって、諦め、それをこの世界の定めとして受け入れられるわけがない。 魅魎にもてあそばれ、その気まぐれに翻弄(ほんろう)されるがままの存在であるなどということが、この世界において人間の位置するところであるとされるのならば、それは人にとって、この世界に生きるということが果てしなく絶望的な、到底堪えられるはずのない苦痛でしかないではないか。 獣に牙があるように。 逃げ延びるに足る俊足があるように。 人は、やがて自らの中に魅魎に抵抗するための力があることを知った。 もちろんだれにでもというわけではない。 魅魎を封じ、なおかつその命を永遠に絶つ力を生まれながらして備えた物。 意思を持つ生きた剣・魔断(まだん)と心を通じあわせ、ともに魅魎から弱き人を護る者。 彼らは退魔師と呼ばれていた。 ※この作品は33年ほど前に個人誌として発行した作品で、すでに最後まで書き終えています。  それに加筆修正したものになります。 ※全70話+番外編1話。すべて予約投稿済みです。
元彼に壊された人生を歩むだけの女の子の話。 復縁要求されたり、友達と飲んだり、あれこれしたりする生産性のないぶらっくらぶこめでぃ〜。 ――キリトリセン―― 注意 元彼が元クズ、きゃんきゃん喚くタイプのヤンデレなので、苦手な人は気を付けてね。 あと主人公ちゃんがかなり個性強めなので、そこも注意。 地雷と胸糞があり、雑食でなんでもいける方のみの閲覧をお願いします。 pixivにも同様の作品を上げている同一人物なので、見かけたらよろしこ≦ФωФ≧ 連載中とはなっていますが、特に完結、連載等は決めてません。
雲の上で“性別”を選んで生まれてくる子どもたち。 本来「女」を選ぶはずだったぼくは、押されて別の道へ落ちてしまう。 やがて母の期待と愛を聞きながら、“選び損ねた運命”と向き合う物語。
桜が舞う季節になると、先生に会いたくなる。 天然で、優しくて、誰にでも笑ってくれる優しい人。 私が恋をしたのは、そんな先生だった。 積み重ねた愛も、写真に残った笑顔も、春の光にほどけていく。 私の心に残る、恋の物語。
「ようやくお見つけいたしました、夜華君(やかぎみ)」  華間(かかん)は華界の花畑に生まれ、蟲間(ちゅうかん)と契る民。蟲間は蟲(むし)として生まれ、唯一人の華間に生涯を捧ぐ僕(しもべ)。  いにしえ、ある王が己の蟲間の命と引き換えに、華界唯一の王位に就いた。だが安寧は続かず、瀕死となった王に啓示が下る――華界はやがて赤(せき)・橙(とう)・黄(おう)・緑(りょく)・青(せい)・藍(らん)・紫(し)の七国に割れ、終わりなき戦に沈む。幾千年の乱を制す王は唯ひとり、幻の"夜華間(やかかん)"を得た者だ、と。  夜華間は闇(やみ)色の髪、象牙色の肌、落栗(おちぐり)色の瞳、そして他者を輪廻転生させる力を持つ。賢王に付き、その国を久しき繁栄に導くとされる夜華間を、七国中が探し求めていた。  人界に生きる男子高校生・黒瀬真宵(くろせまよい)は、幼くして"蟲無し(蟲を惹きつける力のない華間)"と誤られ人界に落とされた夜華間だった。雷雨の夜、真宵は赤蟲間・立羽(たては)に見出され、緑蟲間・翠鎌(すいれん)の追撃を逃れて華界へ転移する。  何も知らず育った真宵は人界へ帰りたいと願うが、帰るためには、華界の上位たる玄天(げんてん)へ行き、七神の許しを得ねばならない。  七国から求められ、狙われ、攫(さら)われ、抗いながら真宵は果たして、無事に人界へ帰ることができるのか。  七色の国を舞台に、真宵の冒険が今、始まる――
「ぼく」には高校のときから好きな女性がいます。 みんなの憧れ、大学に入ってからは、西館のマドンナとひそかに呼ばれていた女性です。 完璧な彼女は、到底ぼくなんかの手の届く人じゃなくて……。 ずっと、ただの友達の1人でいることに満足していました。 そんなある日、彼女がお見合いをして、結婚をするために大学をやめて故郷に戻るというのを聞いて……。 ※昭和のイメージで書きました! 今風でなくてすみません!
くしゃみ転移シリーズ第五弾です!    くしゃみをするたびに異世界の各地に転移させられるミチルが、様々なイケメンと絆を紡ぐコメディです!  さえない男子高校生の坂之下ミチルは卒業式を終えたばかり。キャンパスライフを夢見て美容院へ出かける途中、大量の鳥の羽に囲まれた。思わずくしゃみをしてしまったミチルは突然異世界に飛ばされてしまった。  イケメン達と再会したミチルは、フラーウムでのベスティア騒動を振り返る。ベスティアを吐き出した少年ミモザからの聴取により、その裏にはジンの宿敵とアニーの仇敵がおり、さらにその後ろには巨大帝国の影が…!? 情報を集めるべく、四人のイケメン達と再び旅に出たミチルだったが、またもくしゃみにより転移してしまった。砂漠のオアシスに… 【登場予定のイケメン達】 ◎第5のイケメン 優しいバーサーカー ルーク・プルクラ・ループス(18)←この攻めが出ます!! (前シリーズに登場) ◎第1のイケメン ぽんこつナイト ジェイ・アルバトロス(22) ◎第2のイケメン ホスト系アサシン アニー・ククルス(26) ◎第3のイケメン 小悪魔プリンス エリオット・ラニウス(25) ◎第4のイケメン 毒舌師範 ジン・グルース(33) (↓後続シリーズに登場予定) ◎第6のイケメン 孤独なヴィラン 【前シリーズはこちら】 ◎Meets01 ぽんこつナイト ◎Meets02 ホスト系アサシン ◎Interlude01 ぽんこつナイトVSホストアサシン ◎Meets03 小悪魔プリンス ◎Interlude02 トライアングルSOS! ◎Meets04 毒舌師範 ◎Interlude03 ミチル is Love … 【先出しネタバレ情報】 本作品は主人公ミチルの総受けハーレムです。 ストーリー完結(トゥルーエンド)後に、各イケメンとのマルチエンド(ハッピーエンド)をご用意いたします! ※表紙は友人の百和様に描いていただきました。転用転載等はしないでください。
「貧乏って悪いことなの?」 少女の一言をきっかけに、母は“白い服”を洗いながら、 自らの過去と向き合う。 親子の愛、記憶、そして“心の貧しさ”を描く静かな恐怖の物語。 白は、誰の罪を映すのか――。
この日は辺境伯家の令嬢ジネット・ベルジエは、親友である公爵令嬢マリーズの招待を受け、久々に領地を離れてお茶会に参加していた。 穏やかな社交の場―になるはずだったその日、突然、会場のど真ん中でジネットは公開プロポーズをされる。 「君の神秘的な美しさに心を奪われた。どうか、私の伴侶に……」 果たしてこの出会いは、運命の始まりなのか、それとも――? Copyright©︎2025-まるねこ
重さを失っていくぬいぐるみ。 軽くなっていく心。 母の愛と記憶を抱きしめた少女は、泡の中で“本当の自分”を見つける――。
「せいさん」という言葉を巡る、4つの短編集。 命を“生産”しようとする少女。 完璧な“正餐”にこだわる男の狂気。 愛の果てに、“凄惨”な運命を辿る男。 そして、過去を“清算”できなかった父が迎える結末。 同じ音を持ちながら、意味も物語も全く異なる「せいさん」 それぞれの物語は独立しながら、どこかで心の闇がつながっている――。 静かに狂いはじめる日常。 「せいさん」とは、始まりか、それとも終わりか。 人間の欲・愛・罪・孤独を描く、背筋が冷える連作短編集。
あの日のことを、私は今でも鮮明に覚えている。春休みの大学街はひっそりして、まるで時間が止まったようだった。明大の古い講堂でピアノを弾くのは、私のひそかな習慣だった。借りものの舞台と鍵盤に、キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」を響かせる。譜面はない。自分の呼吸と記憶だけを頼りに、即興で再構築する。演奏しているあいだは、誰もいない世界にただひとり閉じ込められているような心地がする。  けれど、あの日は違った。弾き終えた瞬間、私は気づいたのだ。後方の暗がりに、ひとりの青年が座っていることに。ドアを開けた一瞬の光で、気配は感じていた。知らない男に覗かれていた、と一瞬、怒りが胸をよぎった。けれど、その怒りはすぐに戸惑いに変わった。彼の目が、演奏を汚すような視線ではなく、ただ真剣に聴いていた人の目だったからだ。  彼の名は宮部明彦。油絵を描き、物理を学び、そして偶然ここに迷い込んだという。私は「偶然」という言葉をあまり信じない。けれど、彼と話しているうちに、その偶然がどこか運命のように感じられた。ジャズの話、本の話、ユングやデミアン、相対性理論や犯罪心理学……私たちの会話は、初対面とは思えないほど滑らかに、深く潜っていった。  そして気がつけば、講堂を出て、山の上ホテルのバー「ノンノン」に座っていた。午後四時の空いたカウンターで、私はマーテルを、彼はメーカーズマークを頼んだ。ブランデーの琥珀色が、雨のしずくで曇った窓に映える。学生らしくない静けさと、少しだけ大人の時間。奇妙なことに、私はその時間を全然怖いとは思わなかった。むしろ、胸の奥にずっとあった孤独な旋律に、初めて和音が重なったように思えた。  女と男は、どこまでいっても分かり合えない、と口では言いながら、私は彼に話しつづけた。彼の笑顔や、少し考えこむ横顔が、曲の終わりに響く余韻のように心に残った。偶然が、たまたまが好きだという彼に、私の中の何かが静かにほどけていく。ペルソナも、仮面も、ここには必要ないような気がした。 「ねえ、四月から、あなたの学部にニセ学生として通ったらどうかしら」思わず口にしていた。彼は笑って「いいよ」と言った。  雨の土曜の午後、ケルン・コンサートから始まったこの出会いが、私にとってどんな物語になるのか、そのときの私はまだ知らなかった。
ある日、失恋でやけになっていた深雪は、SNSで見かけた緊縛の写真に惹かれ、その写真のモデルである抄妓が店長を務める縄サロン「翠」を訪れます。そこで、縄の師である國村城先生との出会いを果たし、初めての緊縛体験で、性的なものではない、心のこもった優しい縄に深い癒しと心地よさを感じ、この趣味に没頭していきます。 そこで出会った先生の縄に癒やされ、居場所を見つけた深雪は、そこで出会う様々な人々との交流を通して成長していきます。 それは、彼女にとって新たな旅の始まりであり、かけがえのない人との絆を育む物語でもありました。
佳月を追い求める彰朱(しょうじゅ)が出逢う女たちの話。 ・鬼女 ・雪女 ・修羅 短編3部作です。
――私が、「悪女」として断罪される時がきたのね。 乙女ゲームの世界に転生した「悪女」アヴリーヌ。 前世で恋人に裏切られた彼女は、ゲームのヒロイン・エマに断罪され、捕らえられる。 ところが追放されるはずのアヴリーヌを、エマの恋人・ジェイドが誘拐し、監禁する。 「あの子なら利用しただけだ。 一目見た瞬間から、僕は貴女の虜だったんだ」 歳下の麗しの侯爵、ジェイド。 狂おしいほどの情熱でアヴリーヌを求めてくる彼に、傷ついたままのアヴリーヌの心が揺れ動く。 「私をずっと愛して。どこにもいかないで」 やがてアヴリーヌはジェイドとの愛に溺れていく。 ――これは「悪女」が、世界を壊してでも、 愛と幸福を得ようと決めた物語。
くしゃみ転移シリーズ第4.5弾幕間03です!  くしゃみをするたびに異世界の各地に転移させられるミチルが、様々なイケメンと絆を紡ぐコメディです!  さえない男子高校生の坂之下ミチルは卒業式を終えたばかり。キャンパスライフを夢見て美容院へ出かける途中、大量の鳥の羽に囲まれた。思わずくしゃみをしてしまったミチルは突然異世界に飛ばされてしまった。  転移したフラーウムという国で、イケメン毒舌師範・ジンの弟子になったミチル。武道大会で出現したベスティアをジンとともに倒したのだが、この事件の背後にはジンの宿敵・鐘馗会の影が! 一味を追ったジンとミチルは、懐かしい三人のイケメン達と再会を果たす…! 【登場予定のイケメン達】 ◎第1のイケメン ぽんこつナイト ジェイ・アルバトロス(22) ◎第2のイケメン ホスト系アサシン アニー・ククルス(26) ◎第3のイケメン 小悪魔プリンス エリオット・ラニウス(25) ◎第4のイケメン 毒舌師範 ジン・グルース(33) 四人の攻めがミチルを巡って揉めたり、ベスティアの謎に迫るお話です。 (↓後続シリーズに登場予定) ◎第5のイケメン 優しいバーサーカー ◎第6のイケメン 孤独なヴィラン 【前シリーズはこちら】 ◎Meets01 ぽんこつナイト ◎Meets02 ホスト系アサシン ◎Interlude01 ぽんこつナイトVSホストアサシン ◎Meets03 小悪魔プリンス ◎Interlude02 トライアングルSOS! ◎Meets04 毒舌師範 【先出しネタバレ情報】 本作品は主人公ミチルの総受けハーレムです。 ストーリー完結(トゥルーエンド)後に、各イケメンとのマルチエンド(ハッピーエンド)をご用意いたします! ※表紙は友人の百和様に描いていただきました。転用転載等はしないでください。
現代の日本。 山梨県のとある児童養護施設に育った中学3年生の相川愛美(あいかわまなみ)は、作家志望の女の子。卒業後は私立高校に進学したいと思っていた。でも、施設の経営状態は厳しく、進学するには施設を出なければならない。 そんな愛美に「進学費用を援助してもいい」と言ってくれる人物が現れる。 園長先生はその人物の名前を教えてくれないけれど、読書家の愛美には何となく自分の状況が『あしながおじさん』のヒロイン・ジュディと重なる。 春になり、横浜にある全寮制の名門女子高に入学した彼女は、自分を進学させてくれた施設の理事を「あしながおじさん」と呼び、その人物に宛てて手紙を出すようになる。 慣れない都会での生活・初めて持つスマートフォン・そして初恋……。 戸惑いながらも親友の牧村さやかや辺唐院珠莉(へんとういんじゅり)と助け合いながら、愛美は寮生活に慣れていく。 そして彼女は、幼い頃からの夢である小説家になるべく動き出すけれど――。 (原作:ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』)
婚約解消を言い渡されたライナは、帰り道に怒りに任せて石を蹴り飛ばして、強面の男性にぶつけてしまう。 怒号を浴びせられ、追いかけられたことで身の危険を感じたライナは、ギルドで護衛を頼むことになる。 紹介された冒険者の名前はリオ。 真面目に任務を遂行しようとする彼に、物足りなさを感じるライナだったが、身を挺して守ろうとする姿に心の揺らぎを感じるようになる…… ※カクヨム様、小説家になろう様、アルファポリス様、エブリスタ様でも掲載しています。
αとΩが発生する機序が研究結果で判明した世界、治療を受けられるΩはΩホルモン抑制剤と成長ホルモン促進剤によって、発情期を強力に押さえられるようになっていた。 治療を受けて人並みに生活している美貌のオメガ水野学はある時、いばら財閥の令嬢でありアルファのいばら照(てり)とご学友になることになる。 場面緘黙で何を考えているかわからない照に振り回される学だったが、あることをきっかけに心を通わせることになり……?