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最終更新: 2025年11月17日 12時05分

浅春斑雪(はるあさくゆきははだれ)
アイドルグループ『SNOW』はタレントとして芸能事務所に所属しながら、調査部門との掛け持ちもしている特異な存在である。 というと聞こえはいいが、実際情報・調査部門としての仕事のほとんどは日々蓄積されていく膨大な資料の整理に追われていた。 業務の電子化も思うように進まぬ中、当然アイドルとしての活動にも支障をきたし少しずつメンバーのストレスも蓄積されていく。 そんなある日、以前所属していたアイドルグループの先輩・縁間数凪がSNOWに、失踪してしまったとあるアイドルの捜索を依頼してきた。 煙のように消えてしまったアイドルの名は夕山四季。失踪当日のだいたい同時刻、ユニットを組んでいた双子の姉妹・夕山真希は四季の居たビルの上階から転落死している。 当然、真希の死には四季の関与が疑われるが、数凪はそれを否定する。なぜなら真希が死んだ時、四季は自分と一緒にいたのだという。 それを警察に伝えなかった理由はポケットの中に四季からの『自分と居たことは誰にも言わないで欲しい』と、記されたメモが入っていたからだと数凪は主張するのだった。 奇妙な事件の概要と数凪の真心に惹かれたSNOWのリーダー、六ツ院雪枝は本来推奨されていない事務所の業務外の依頼を受けてしまうが……? ※ほんのり百合要素あります。 ※毎日18時頃更新する予定です。 ※同じ作品を『小説家になろう』 『カクヨム』 『NOVEL DAYS』 に掲載しております。 表紙画像 フリー素材ぱくたそ様 より Photo by タケル様
古代亜剌比亜乃官能(古代官能Series②)
1917年、アラビアの砂漠は昼の灼熱と夜の冷気を交互に浴びせ、隊商のラクダが砂塵を巻き上げていた。第一次世界大戦の渦中、英国陸軍の少佐T.E.ロレンスは、アラブ反乱を支援する任務を帯び、アラビア半島を駆け巡っていた。  彼の青い瞳と風変わりな白いアラブ服は、砂漠の戦士たちに奇妙な印象を与えていた。この夜、彼はアラブ族長ファイサル・イブン・フサインの屋敷に招かれていた。ファイサルは大アラブ王国を夢見る老練な指導者で、オスマン帝国からの独立を英国の力を借りて実現しようと画策していた。ロレンスは知らなかったが、この夜、彼は砂漠の策略に巻き込まれる運命にあった。  屋敷の中庭は、椰子の木陰に囲まれ、絹の帳が風に揺れていた。晩餐の準備が整い、ロレンスはファイサルの隣に座らされた。テーブルにはアラブの豪華な料理が並び、まず目を引いたのは「マンサフ」だった。子羊の肉がヨーグルトソースに浸かり、松の実とアーモンドが散りばめられ、炙った平パン「シュラーク」の上に山盛りになっていた。  隣には「クッバ」があり、スパイスで味付けされた挽肉を小麦粉の皮で包み、油でカリッと揚げた香ばしい一品だ。さらに、「ファッタ」――ひよこ豆とヨーグルト、タヒーニソースが層になり、焼いたパンと砕いたナッツが乗った濃厚な料理が皿を飾っていた。甘い締めくくりには「クナーファ」が用意され、チーズと細いパスタ生地がシロップに浸かり、ピスタチオが彩りを添えていた。葡萄酒が銀の杯に注がれ、香油の匂いが漂う中、ロレンスは「砂漠でこれほどの饗宴とは、アラビア人はロンドンの貴族に料理の講義でも開くつもりか」と皮肉っぽく呟いた。ファイサルが「我々の歓迎のしるしだよ、ロレンス殿」と笑顔で応じると、彼は「ふむ、歓迎にしては少々過剰だな」と眉を上げた。
リーレニカの壊れた世界
 “マシーナウイルス”という寄生細菌に侵され、怪物へ変異する病に侵された人類と、変異者を討伐するためにウイルスを技術転用して作り上げられた“デバイス”が流通する世界。  諜報員の少女リーレニカは、単身である国が隠し持っているとされる古代兵器――“生体型デバイス”を盗み出す任務に就いていた。花屋を経営する年下の少女フランジェリエッタの下で、共に働きながら情報を集める日々。  そんな中、とうとう国内で発症者が現れ、リーレニカは正体を隠しながら殺害を演じる羽目になる。  それだけでは留まらず、『特殊な花』を取り扱う生花店には、マシーナに魅入られたワケありの来客が後を絶たず――。  〈感染〉と〈隠密〉が交差するスパイファンタジー。
アイドルグループ『SNOW』はタレントとして芸能事務所に所属しながら、調査部門との掛け持ちもしている特異な存在である。 というと聞こえはいいが、実際情報・調査部門としての仕事のほとんどは日々蓄積されていく膨大な資料の整理に追われていた。 業務の電子化も思うように進まぬ中、当然アイドルとしての活動にも支障をきたし少しずつメンバーのストレスも蓄積されていく。 そんなある日、以前所属していたアイドルグループの先輩・縁間数凪がSNOWに、失踪してしまったとあるアイドルの捜索を依頼してきた。 煙のように消えてしまったアイドルの名は夕山四季。失踪当日のだいたい同時刻、ユニットを組んでいた双子の姉妹・夕山真希は四季の居たビルの上階から転落死している。 当然、真希の死には四季の関与が疑われるが、数凪はそれを否定する。なぜなら真希が死んだ時、四季は自分と一緒にいたのだという。 それを警察に伝えなかった理由はポケットの中に四季からの『自分と居たことは誰にも言わないで欲しい』と、記されたメモが入っていたからだと数凪は主張するのだった。 奇妙な事件の概要と数凪の真心に惹かれたSNOWのリーダー、六ツ院雪枝は本来推奨されていない事務所の業務外の依頼を受けてしまうが……? ※ほんのり百合要素あります。 ※毎日18時頃更新する予定です。 ※同じ作品を『小説家になろう』 『カクヨム』 『NOVEL DAYS』 に掲載しております。 表紙画像 フリー素材ぱくたそ様 より Photo by タケル様
1917年、アラビアの砂漠は昼の灼熱と夜の冷気を交互に浴びせ、隊商のラクダが砂塵を巻き上げていた。第一次世界大戦の渦中、英国陸軍の少佐T.E.ロレンスは、アラブ反乱を支援する任務を帯び、アラビア半島を駆け巡っていた。  彼の青い瞳と風変わりな白いアラブ服は、砂漠の戦士たちに奇妙な印象を与えていた。この夜、彼はアラブ族長ファイサル・イブン・フサインの屋敷に招かれていた。ファイサルは大アラブ王国を夢見る老練な指導者で、オスマン帝国からの独立を英国の力を借りて実現しようと画策していた。ロレンスは知らなかったが、この夜、彼は砂漠の策略に巻き込まれる運命にあった。  屋敷の中庭は、椰子の木陰に囲まれ、絹の帳が風に揺れていた。晩餐の準備が整い、ロレンスはファイサルの隣に座らされた。テーブルにはアラブの豪華な料理が並び、まず目を引いたのは「マンサフ」だった。子羊の肉がヨーグルトソースに浸かり、松の実とアーモンドが散りばめられ、炙った平パン「シュラーク」の上に山盛りになっていた。  隣には「クッバ」があり、スパイスで味付けされた挽肉を小麦粉の皮で包み、油でカリッと揚げた香ばしい一品だ。さらに、「ファッタ」――ひよこ豆とヨーグルト、タヒーニソースが層になり、焼いたパンと砕いたナッツが乗った濃厚な料理が皿を飾っていた。甘い締めくくりには「クナーファ」が用意され、チーズと細いパスタ生地がシロップに浸かり、ピスタチオが彩りを添えていた。葡萄酒が銀の杯に注がれ、香油の匂いが漂う中、ロレンスは「砂漠でこれほどの饗宴とは、アラビア人はロンドンの貴族に料理の講義でも開くつもりか」と皮肉っぽく呟いた。ファイサルが「我々の歓迎のしるしだよ、ロレンス殿」と笑顔で応じると、彼は「ふむ、歓迎にしては少々過剰だな」と眉を上げた。
 “マシーナウイルス”という寄生細菌に侵され、怪物へ変異する病に侵された人類と、変異者を討伐するためにウイルスを技術転用して作り上げられた“デバイス”が流通する世界。  諜報員の少女リーレニカは、単身である国が隠し持っているとされる古代兵器――“生体型デバイス”を盗み出す任務に就いていた。花屋を経営する年下の少女フランジェリエッタの下で、共に働きながら情報を集める日々。  そんな中、とうとう国内で発症者が現れ、リーレニカは正体を隠しながら殺害を演じる羽目になる。  それだけでは留まらず、『特殊な花』を取り扱う生花店には、マシーナに魅入られたワケありの来客が後を絶たず――。  〈感染〉と〈隠密〉が交差するスパイファンタジー。