表示設定
表示設定
目次 目次




Side - 12 - 1 - はじめまして -

ー/ー



Side - 12 - 1 - はじめまして -


「・・・うぅ・・・痛いよぉ・・・許して・・・もうやめて・・・」

「$*&!¥%$#、&&#!+^>?」

ドン!、グシュッ!・・・

「いやぁぁ!」

チュン・・・チュン・・・

「・・・はぁ・・・はぁ・・・またあの夢・・・怖い夢・・・ぐすっ・・・空港で・・・空港?、空港ってなんだっけ?・・・」

「おはようございますお嬢様」

「わぁっ!・・・びっくりしたぁ、・・・じぃじ、おはよ・・・あぅ・・・驚いたから少しおしっこ漏れちゃったのです・・・」

「替えの下着でございます、どうぞ」

「・・・ありがとう」

「また怖い夢を?」

「うん、すっごく怖い夢・・・男の人が私を囲んで・・・」

「旦那様に相談された方がよろしいのでは?」

「ううん、お父様に心配かけたくないの・・・ただの夢だと思う・・・お願い、お父様には言わないで」

「ですが・・・」

「いいの、じぃじ、心配してくれてありがと、そういえばお外が暗いね、雨が降りそう、天気予報はなんて・・・あれ?」





その事に初めて気付いたのは4歳を過ぎた頃、私が「じぃじ」と呼んで懐いている執事長さんとの何気ない朝の会話から。

最初は小さな違和感、私の知っている物が現実には無い、よく考えたら何でそれがあるって思ったんだろう・・・気のせいかな・・・そんな感じ、自然と口に出る知らない言葉、物、道具、食べ物・・・日を追うごとに強くなる違和感、両親からはまだ幼いのに言動が大人びているとよく言われました。

そして少しずつ記憶が鮮明になり、私が5歳になる頃には全てを思い出していました。

「お腹すいたのです、ラーメン食べたいなぁ」





みなさん初めまして、私の名前はリーゼロッテ・シェルダン、今年で12歳になりました。

驚かないで聞いてください、実は私、前世の記憶を持って今住んでいる世界に転生したらしいのです。

今「そんな馬鹿な」「おもしれぇ女」って思いましたね、黙って私のお話を最後まで聞くのです。

前世の私は海に面した田舎町で生まれました、優しい両親と可愛い弟が1人居て、学校の成績はとても優秀、工業系の高等専門学校を卒業して地元の企業に就職したシステムエンジニア。

名前は田中理世(たなかりせ)、性別は女性で日本人・・・処女で彼氏無し・・・25歳になる直前に死んでしまったのです。

性格は人見知りで引きこもり傾向あり、他人と喋る事が苦手で友人ができませんでした。

お友達が居ない事もあって、私は幼い頃から一人でも大丈夫な娯楽・・・小説や漫画、ゲームや音楽に夢中になりました、お父さんがアニメ好きな人だったのでその影響もあったと思います。

容姿は・・・可愛くはないけど醜くもない平凡な顔、身長160cm、Aカップ・・・ごめんなさい見栄を張りましたぁ!、・・・AAカップのいわゆる貧乳・・・黒くてサラサラの長い髪・・・。

地味で目立たない・・・ナメクジのように日の当たらない場所が好きなインドア派の女性でした。

え、誰に向かって話しているのか?って・・・、嫌ですね、脳内のエアお友達に決まっているじゃないですか。





「あぅ・・・痛い・・・」

朝、私はいつものように悪夢と痛みのせいで目が醒めました、大好きなじぃじはもうこのお屋敷に居ません、持病の痔が悪化したらしく故郷に帰ってしまったのです、じぃじのかわりに執事長になったセバスチャンさんが用意してくれた濡れタオルで顔を拭き、身支度を整えます、そして鏡に映る自分の姿を見て・・・。

「うん、今日も可愛くない・・・」

ギィ・・・

「よいしょ・・・っと」

コツ・・・ギッ・・・コツ・・・ギッ・・・





ガチャ・・・

「おはようございます、お父様、お母様・・・」

「あぁ、おはようリゼたん、今日もかわいいね」

「リゼたん、おはよう、私の作った新しいお洋服、とっても似合ってるよ」

「・・・」

ガタッ・・・

「ご・・・ごめんなさい、寝坊しちゃった・・・、お・・・おはようございましゅ、お父様、お母様、お姉様」

「みんなおはよう、お腹すいたぁ・・・今日の朝ごはん美味しそう」

食堂に集まっているこの人達は私の両親と弟です。

「コナンザは寝坊かい、朝弱いのは相変わらずだね、寝癖が付いているぞ」

上品な仕草でお皿の肉を切り分けているのはお父様、アーノルド・シェルダン、39歳。

身体が大きくて筋肉モリモリマッチョマン、未来から送られて来た殺人マシーンのような佇まい、とてもお顔が怖いです。

「ふふっ、今日はいいお天気ねぇ、お散歩でもしようかな」

優雅に食後のお茶を飲んでいるのはお母様、マリアンヌ・シェルダン、37歳貧乳。

冷酷そうな鋭い目つきに妖しく濡れた薄い唇、悪役顔で冷たい印象のある美女、私が成長するとこんな感じになるかも・・・。

「あぅ・・・寝癖・・・どこ?」

寝癖で跳ねた髪を気にしながら涙目で椅子に座ったのは私の可愛い弟、コナンザ・シェルダン、10歳。

長髪にしているから女の子に見える美少年、お母様や私によく似ています。

そうなのです、私の家族は全員とてもお顔が怖いのです。

「お嬢様どうぞ」

気配を全く感じさせずに私の背後から朝食の料理をテーブルに置いたのは執事長のセバスチャンさん、前の執事長、じぃじの息子さんです。

長身で美形、まるでヴィジュアル系のバンドに居る人みたいな容姿、笑顔なのに目が笑ってなくてお顔が怖いです・・・油断してると血を吸われそう。

「・・・ありがとう」

みんな笑顔で和やかにお食事をしている筈なのに見た目のせいで絵面が凄い事になっているのです・・・。

「このお部屋に居る全員極悪人にしか見えない・・・」

「え、何か言ったかい?、リゼたん」

「・・・ううん、なんでもないよ」





「リゼたん、今日は先生のところに行くのかな?」

「うん、今日と明日はお勉強、1日休んで次の日は研究のお手伝いなの」

「そうか、じゃぁお父様と一緒に行こうか」

「うん!」





どこまでお話ししたかな?、そうそう、私が前世の記憶を持った転生者だって所まででしたね、続きを話すのです。

自分が異世界転生・・・しかも魔法がある世界に転生した事を知った時には「現代知識で無双できるかも!」「神様からチート能力もらえてるのかな?」・・・って喜んだのですが・・・。

小説に出てくるお約束のように、死んですぐに怪しい神様が現れて「世界を救うためにチートな能力を授けてやろう」なんて事は言われてないし・・・。

そもそもこの世界は私なんかに救いを求めなくても平和なのです、転生ボーナスやチートな能力、私だけが知っている未来の出来事、唱えると現れるステータス画面、旅行に便利な容量無制限のストレージ・・・何も貰えてませんでしたぁ!。

もちろん、お友達になってくれる神獣も、契約してすごい力を授けてくれる精霊も居ないのです。

一人お部屋で「魔法は出るのかな?えいっ、闇にのまれよ!」「ステータスオープン!」ってやっているのを見られて「娘がおかしくなった!」と両親を泣かせた事もありました。

「貰えなかったものは仕方ないのです、幸いお金持ちのお家に転生したから優雅な引きこもり生活を目指すのです」


スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む Side - 12 - 2 - わたしのいるせかい -


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



Side - 12 - 1 - はじめまして -
「・・・うぅ・・・痛いよぉ・・・許して・・・もうやめて・・・」
「$*&!¥%$#、&&#!+^>?」
ドン!、グシュッ!・・・
「いやぁぁ!」
チュン・・・チュン・・・
「・・・はぁ・・・はぁ・・・またあの夢・・・怖い夢・・・ぐすっ・・・空港で・・・空港?、空港ってなんだっけ?・・・」
「おはようございますお嬢様」
「わぁっ!・・・びっくりしたぁ、・・・じぃじ、おはよ・・・あぅ・・・驚いたから少しおしっこ漏れちゃったのです・・・」
「替えの下着でございます、どうぞ」
「・・・ありがとう」
「また怖い夢を?」
「うん、すっごく怖い夢・・・男の人が私を囲んで・・・」
「旦那様に相談された方がよろしいのでは?」
「ううん、お父様に心配かけたくないの・・・ただの夢だと思う・・・お願い、お父様には言わないで」
「ですが・・・」
「いいの、じぃじ、心配してくれてありがと、そういえばお外が暗いね、雨が降りそう、天気予報はなんて・・・あれ?」
その事に初めて気付いたのは4歳を過ぎた頃、私が「じぃじ」と呼んで懐いている執事長さんとの何気ない朝の会話から。
最初は小さな違和感、私の知っている物が現実には無い、よく考えたら何でそれがあるって思ったんだろう・・・気のせいかな・・・そんな感じ、自然と口に出る知らない言葉、物、道具、食べ物・・・日を追うごとに強くなる違和感、両親からはまだ幼いのに言動が大人びているとよく言われました。
そして少しずつ記憶が鮮明になり、私が5歳になる頃には全てを思い出していました。
「お腹すいたのです、ラーメン食べたいなぁ」
みなさん初めまして、私の名前はリーゼロッテ・シェルダン、今年で12歳になりました。
驚かないで聞いてください、実は私、前世の記憶を持って今住んでいる世界に転生したらしいのです。
今「そんな馬鹿な」「おもしれぇ女」って思いましたね、黙って私のお話を最後まで聞くのです。
前世の私は海に面した田舎町で生まれました、優しい両親と可愛い弟が1人居て、学校の成績はとても優秀、工業系の高等専門学校を卒業して地元の企業に就職したシステムエンジニア。
名前は田中理世(たなかりせ)、性別は女性で日本人・・・処女で彼氏無し・・・25歳になる直前に死んでしまったのです。
性格は人見知りで引きこもり傾向あり、他人と喋る事が苦手で友人ができませんでした。
お友達が居ない事もあって、私は幼い頃から一人でも大丈夫な娯楽・・・小説や漫画、ゲームや音楽に夢中になりました、お父さんがアニメ好きな人だったのでその影響もあったと思います。
容姿は・・・可愛くはないけど醜くもない平凡な顔、身長160cm、Aカップ・・・ごめんなさい見栄を張りましたぁ!、・・・AAカップのいわゆる貧乳・・・黒くてサラサラの長い髪・・・。
地味で目立たない・・・ナメクジのように日の当たらない場所が好きなインドア派の女性でした。
え、誰に向かって話しているのか?って・・・、嫌ですね、脳内のエアお友達に決まっているじゃないですか。
「あぅ・・・痛い・・・」
朝、私はいつものように悪夢と痛みのせいで目が醒めました、大好きなじぃじはもうこのお屋敷に居ません、持病の痔が悪化したらしく故郷に帰ってしまったのです、じぃじのかわりに執事長になったセバスチャンさんが用意してくれた濡れタオルで顔を拭き、身支度を整えます、そして鏡に映る自分の姿を見て・・・。
「うん、今日も可愛くない・・・」
ギィ・・・
「よいしょ・・・っと」
コツ・・・ギッ・・・コツ・・・ギッ・・・
ガチャ・・・
「おはようございます、お父様、お母様・・・」
「あぁ、おはようリゼたん、今日もかわいいね」
「リゼたん、おはよう、私の作った新しいお洋服、とっても似合ってるよ」
「・・・」
ガタッ・・・
「ご・・・ごめんなさい、寝坊しちゃった・・・、お・・・おはようございましゅ、お父様、お母様、お姉様」
「みんなおはよう、お腹すいたぁ・・・今日の朝ごはん美味しそう」
食堂に集まっているこの人達は私の両親と弟です。
「コナンザは寝坊かい、朝弱いのは相変わらずだね、寝癖が付いているぞ」
上品な仕草でお皿の肉を切り分けているのはお父様、アーノルド・シェルダン、39歳。
身体が大きくて筋肉モリモリマッチョマン、未来から送られて来た殺人マシーンのような佇まい、とてもお顔が怖いです。
「ふふっ、今日はいいお天気ねぇ、お散歩でもしようかな」
優雅に食後のお茶を飲んでいるのはお母様、マリアンヌ・シェルダン、37歳貧乳。
冷酷そうな鋭い目つきに妖しく濡れた薄い唇、悪役顔で冷たい印象のある美女、私が成長するとこんな感じになるかも・・・。
「あぅ・・・寝癖・・・どこ?」
寝癖で跳ねた髪を気にしながら涙目で椅子に座ったのは私の可愛い弟、コナンザ・シェルダン、10歳。
長髪にしているから女の子に見える美少年、お母様や私によく似ています。
そうなのです、私の家族は全員とてもお顔が怖いのです。
「お嬢様どうぞ」
気配を全く感じさせずに私の背後から朝食の料理をテーブルに置いたのは執事長のセバスチャンさん、前の執事長、じぃじの息子さんです。
長身で美形、まるでヴィジュアル系のバンドに居る人みたいな容姿、笑顔なのに目が笑ってなくてお顔が怖いです・・・油断してると血を吸われそう。
「・・・ありがとう」
みんな笑顔で和やかにお食事をしている筈なのに見た目のせいで絵面が凄い事になっているのです・・・。
「このお部屋に居る全員極悪人にしか見えない・・・」
「え、何か言ったかい?、リゼたん」
「・・・ううん、なんでもないよ」
「リゼたん、今日は先生のところに行くのかな?」
「うん、今日と明日はお勉強、1日休んで次の日は研究のお手伝いなの」
「そうか、じゃぁお父様と一緒に行こうか」
「うん!」
どこまでお話ししたかな?、そうそう、私が前世の記憶を持った転生者だって所まででしたね、続きを話すのです。
自分が異世界転生・・・しかも魔法がある世界に転生した事を知った時には「現代知識で無双できるかも!」「神様からチート能力もらえてるのかな?」・・・って喜んだのですが・・・。
小説に出てくるお約束のように、死んですぐに怪しい神様が現れて「世界を救うためにチートな能力を授けてやろう」なんて事は言われてないし・・・。
そもそもこの世界は私なんかに救いを求めなくても平和なのです、転生ボーナスやチートな能力、私だけが知っている未来の出来事、唱えると現れるステータス画面、旅行に便利な容量無制限のストレージ・・・何も貰えてませんでしたぁ!。
もちろん、お友達になってくれる神獣も、契約してすごい力を授けてくれる精霊も居ないのです。
一人お部屋で「魔法は出るのかな?えいっ、闇にのまれよ!」「ステータスオープン!」ってやっているのを見られて「娘がおかしくなった!」と両親を泣かせた事もありました。
「貰えなかったものは仕方ないのです、幸いお金持ちのお家に転生したから優雅な引きこもり生活を目指すのです」