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第7話 団子とススキ

ー/ー



そういうわけで、俺達一行は村の北へ少し行った先にある『月見ヶ丘4丁目』へとやって来ている。
何がというわけなのかと言えば、今日の朝に遡る。

「お月見したいな」

村唯一の子供である丸毛小春(まるもこはる)のたっての希望により、特に予定のなかった俺達一行はここへと足を運んだのである。
「やっぱり女児の頼みとあれば断れませんよねぇ」
「皆さん女児大好きですもんね」
いつものように千里のおっぱいの谷間でくつろぎながらリョクは言う。
誤解を招く発言はしないで欲しい。
「えー、でも、蒼治良(そうじろう)さんも女児好きでしょ?」
いったい何を根拠にそんな事を言うのか。
「むふふ♡私知ってるんですよぉ?晩年の蒼治良さんが女児に手を出したのを」
「何のことかさっぱり分から………あ………いや…しかし…あれは男の子だしなぁ………」
俺の言葉に皆はギョッとして、ジャンヌはと言えば『このケダモノめっ!』と罵って側にいたユウキをはぎ取って行った。
「いやっ、違う!誤解ですよ?皆さん」
「晩年に通っていた病院で10歳くらいの男の子と縁があって仲良くしていたというだけで、やましいことは何一つしてないですよ?」
俺は一体何をそんなに慌てながら弁明しているんだろう。
本当にやましいことなど何もないというのに。
「怪しいですねぇ♡」
リョクは俺に若気(にやけ)た顔を向けながら言う。
くそっ、千里のおっぱいの中でなければデコピンしてやる所なのに。
「こーら、リョクちゃん」
「って」
「あんまり蒼治良はんで遊んだらあかんでぇ」
千里はそう言って、リョクの頭を人差し指の腹でちょこんと叩いた。
「ごめんなパイ」
リョクはそう言いながら悪びれることもなくテヘペロと舌を出したのだった。
そんなこんながありながら、冒頭のようにやって来たのだ。
ともかく、手に入れるのは団子とススキである。
「37,186の場所に、ススキが行ったでーっ!」
バフの踊りを舞いながら周囲を見渡している千里は、的確に(ススキ)の場所を俺たちに伝える。
お前は一体何をしているのかって?
そりゃあ、ススキを掴まえるためだ。
お前は一体何を言っているのかって?
ならば教えてやろう。
丘に向かう道中でのユウキの言葉を。
「この時期のススキは、刈られまいと根を足のように動かしながら逃げる」
「その速さは100m5秒くらい」
というわけだ。
いい加減、この世界のおかしさが分かってもらえただろうか。
だが、カレールゥは森の中で拾うものだという事に何の疑いも持たなくなった俺にとって、それも常識の範囲内でしかなくなっていた。
ともかく、速すぎて千里のバフを受けた忍者のユウキや野伏(レンジャー)拇拇(もも)ですら一人では捕獲することが出来ない。
そんなわけで、ススキの周囲を囲って何とか捕まえよう作戦を実行中である。
ちなみに熊猫の燒梅(しゅうまい)も参加している。
そうこうしているうちに、ススキの一本が俺に向かって突進して来たのだが、なんということでしょう、直前に垂直に曲がって俺の横をすり抜けようとしたのだ。
「くっそっ!」
俺は、ロングソード+0を抜いてススキの足に引っ掛けようとしたのだが、それを軽くジャンプで避けられてしまう。
それはある程度予想の範囲内だった俺はすぐさまロングソードを手放し、もう一振り腰に着けている精霊剣プリズラークを引き抜いて後ろ向きに回転を行いそれをススキに向けて放った。
それが功を奏して、ススキは避けるように後ずさりをした。
そして、待ち構えていたユウキが無事捕獲をしたのであった。
えっ?精霊剣使えてるじゃないかって?
勿論、使う事は出来る。
使う事は出来るが、攻撃をすることは出来ないのだ。
今回、俺がしたのはススキを邪魔するために剣を使った(・・・)だけなのだから。
ともかく、そんな感じで、俺達一行は10あまりのススキをゲットしたのであった。
そんな俺達を他所に、リーダーの弓道師(アーチャー)百合小路綾香(ゆりがこうじあやか)、同司祭(ビショップ)葉月、格闘家(カラテカ)豪渓寺侃三郎(ごうけいじかんざぶろう)、同魔術師(ウィザード)(けい)は、少し先のところでBOSS属性を持つモンスター団子童子と戦っていた。
「そちらに行きましたわよっ!」
「おうっ!任せておけいっ!」
「我が秘奥義を食らうが良い。百連撃波っ!!!」
侃三郎は無数の波●拳のような気を団子童子に放つが、それらは全て団子童子が装備している横笛によって弾かれていく。
ちなみに、団子童子は二等身ちょいで頭は団子という、いわゆる愛と勇気だけが友達の何かのような奴にそっくりで、強さも同じくらい強かった。
「アローシャワー」
続けて綾香が無数の矢の雨を降らすが、それらの全てを易々と避け、珪の放ったファイアストームも全く当たらない。
それとは逆に団子童子の放つ団子爆弾により四人は少なからずダメージを受けていた。
「くっ…エリアヒールっ!」
とはいえ、そこは司祭(ビショップ)の葉月による回復呪文により全員全快する。
そんな感じであったが、ススキを取り終えた俺達の加勢………とは言っても戦力外通告を受けた俺と燒梅は見学だけなのだが、千里のバフも加わったことで団子童子を倒したのであった。

「昔やったMMORPGもそうだったが、やっぱり数の暴力には勝てないんだな」

「ウァ」

俺の言葉を理解しているのか理解していないのか不明だが、燒梅は相槌を打った。
こうして、俺達は小春の期待に応えることが出来、女児………いや子供の笑顔を無事に守ることに成功したのであった。


次のエピソードへ進む 第8話 かぽーん


みんなのリアクション

そういうわけで、俺達一行は村の北へ少し行った先にある『月見ヶ丘4丁目』へとやって来ている。
何がというわけなのかと言えば、今日の朝に遡る。
「お月見したいな」
村唯一の子供である|丸毛小春《まるもこはる》のたっての希望により、特に予定のなかった俺達一行はここへと足を運んだのである。
「やっぱり女児の頼みとあれば断れませんよねぇ」
「皆さん女児大好きですもんね」
いつものように千里のおっぱいの谷間でくつろぎながらリョクは言う。
誤解を招く発言はしないで欲しい。
「えー、でも、|蒼治良《そうじろう》さんも女児好きでしょ?」
いったい何を根拠にそんな事を言うのか。
「むふふ♡私知ってるんですよぉ?晩年の蒼治良さんが女児に手を出したのを」
「何のことかさっぱり分から………あ………いや…しかし…あれは男の子だしなぁ………」
俺の言葉に皆はギョッとして、ジャンヌはと言えば『このケダモノめっ!』と罵って側にいたユウキをはぎ取って行った。
「いやっ、違う!誤解ですよ?皆さん」
「晩年に通っていた病院で10歳くらいの男の子と縁があって仲良くしていたというだけで、やましいことは何一つしてないですよ?」
俺は一体何をそんなに慌てながら弁明しているんだろう。
本当にやましいことなど何もないというのに。
「怪しいですねぇ♡」
リョクは俺に|若気《にやけ》た顔を向けながら言う。
くそっ、千里のおっぱいの中でなければデコピンしてやる所なのに。
「こーら、リョクちゃん」
「って」
「あんまり蒼治良はんで遊んだらあかんでぇ」
千里はそう言って、リョクの頭を人差し指の腹でちょこんと叩いた。
「ごめんなパイ」
リョクはそう言いながら悪びれることもなくテヘペロと舌を出したのだった。
そんなこんながありながら、冒頭のようにやって来たのだ。
ともかく、手に入れるのは団子とススキである。
「37,186の場所に、ススキが行ったでーっ!」
バフの踊りを舞いながら周囲を見渡している千里は、的確に|敵《ススキ》の場所を俺たちに伝える。
お前は一体何をしているのかって?
そりゃあ、ススキを掴まえるためだ。
お前は一体何を言っているのかって?
ならば教えてやろう。
丘に向かう道中でのユウキの言葉を。
「この時期のススキは、刈られまいと根を足のように動かしながら逃げる」
「その速さは100m5秒くらい」
というわけだ。
いい加減、この世界のおかしさが分かってもらえただろうか。
だが、カレールゥは森の中で拾うものだという事に何の疑いも持たなくなった俺にとって、それも常識の範囲内でしかなくなっていた。
ともかく、速すぎて千里のバフを受けた忍者のユウキや|野伏《レンジャー》の|拇拇《もも》ですら一人では捕獲することが出来ない。
そんなわけで、ススキの周囲を囲って何とか捕まえよう作戦を実行中である。
ちなみに熊猫の|燒梅《しゅうまい》も参加している。
そうこうしているうちに、ススキの一本が俺に向かって突進して来たのだが、なんということでしょう、直前に垂直に曲がって俺の横をすり抜けようとしたのだ。
「くっそっ!」
俺は、ロングソード+0を抜いてススキの足に引っ掛けようとしたのだが、それを軽くジャンプで避けられてしまう。
それはある程度予想の範囲内だった俺はすぐさまロングソードを手放し、もう一振り腰に着けている精霊剣プリズラークを引き抜いて後ろ向きに回転を行いそれをススキに向けて放った。
それが功を奏して、ススキは避けるように後ずさりをした。
そして、待ち構えていたユウキが無事捕獲をしたのであった。
えっ?精霊剣使えてるじゃないかって?
勿論、使う事は出来る。
使う事は出来るが、攻撃をすることは出来ないのだ。
今回、俺がしたのはススキを邪魔するために剣を|使った《・・・》だけなのだから。
ともかく、そんな感じで、俺達一行は10あまりのススキをゲットしたのであった。
そんな俺達を他所に、リーダーの|弓道師《アーチャー》|百合小路綾香《ゆりがこうじあやか》、同|司祭《ビショップ》葉月、|格闘家《カラテカ》|豪渓寺侃三郎《ごうけいじかんざぶろう》、同|魔術師《ウィザード》|珪《けい》は、少し先のところでBOSS属性を持つモンスター団子童子と戦っていた。
「そちらに行きましたわよっ!」
「おうっ!任せておけいっ!」
「我が秘奥義を食らうが良い。百連撃波っ!!!」
侃三郎は無数の波●拳のような気を団子童子に放つが、それらは全て団子童子が装備している横笛によって弾かれていく。
ちなみに、団子童子は二等身ちょいで頭は団子という、いわゆる愛と勇気だけが友達の何かのような奴にそっくりで、強さも同じくらい強かった。
「アローシャワー」
続けて綾香が無数の矢の雨を降らすが、それらの全てを易々と避け、珪の放ったファイアストームも全く当たらない。
それとは逆に団子童子の放つ団子爆弾により四人は少なからずダメージを受けていた。
「くっ…エリアヒールっ!」
とはいえ、そこは|司祭《ビショップ》の葉月による回復呪文により全員全快する。
そんな感じであったが、ススキを取り終えた俺達の加勢………とは言っても戦力外通告を受けた俺と燒梅は見学だけなのだが、千里のバフも加わったことで団子童子を倒したのであった。
「昔やったMMORPGもそうだったが、やっぱり数の暴力には勝てないんだな」
「ウァ」
俺の言葉を理解しているのか理解していないのか不明だが、燒梅は相槌を打った。
こうして、俺達は小春の期待に応えることが出来、女児………いや子供の笑顔を無事に守ることに成功したのであった。