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鏡を見ると、案の定ひどい顔だった。マスカラが落ちて目の下真っ黒、鼻は真っ赤。これなら、すっぴんを見られるほうがまだマシって感じ。こんなブサイクな顔を見ても、桔平くんは私のことが好きなのかな。
できるだけ可愛い部屋着にしたかったのに、選ぶ余裕もなくてパッと手に取ったのが、いつも着ているスヌーピーのスウェット。なんだかもう、自分自身にガッカリした。
桔平くんの前では、どれだけ自分を取り繕っても丸裸にされてしまう気がする。でも綺麗なものが好きな桔平くんに、私の内面なんてさらけ出せるわけがない。すっぴんでダサい部屋着姿以上に、見せたくないよ。
部屋に戻ると、桔平くんは小さめのスケッチブックを開いて、なにかを描いていた。
「お、メガネ」
そうです。家ではメガネなんです。ダサいんです。
桔平くんは手を止めて、いつものようにじっと見つめてきた。これにも、だいぶ慣れてきたかも。
「なんだよ、すっぴん部屋着でも可愛いじゃんか」
そ、そりゃそうよね? もともと可愛いんだもん、私。当たり前だし。メガネだろうがスヌーピーの部屋着だろうが、私の可愛さは変わらないはずよね?
「さっきよりは顔色いいな。でも、まだ横になっときなよ」
「うん」
貧血はかなりよくなったけれど、お腹は締めつけられるように痛い。
とりあえず桔平くんに麦茶を出してから、素直にベッドへと潜り込んだ。
「食欲は?」
「ちょっと吐き気するから、食べたくない……ていうか、桔平くんは食べなくていいの?」
「大丈夫だよ。夜に食うし」
私のせいでカレー食べ損ねちゃったし、夕方までに体調が回復したらご飯を作ってあげようかな……食材、なにがあったっけ。
ていうか、私の部屋に桔平くんがいるっていうのが不思議な感じ。いまになって、部屋を見られるのが恥ずかしくなってきた。
「……なにかスケッチしてたの?」
「あぁ、クロッキーね。速写ってやつ」
「そくしゃ?」
「短時間でパパっと描く。こんな感じで」
桔平くんが、描いていたものを見せてくれた。私がベッドに置いているスヌーピーのぬいぐるみ。すっごく可愛い……ていうか上手すぎ。これを、ほんの数分で描いたの?
「可愛い……」
「そう? じゃあ、やるよ」
そう言って、そのページを破ってテーブルの上に置いてくれた。
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できるだけ可愛い部屋着にしたかったのに、選ぶ余裕もなくてパッと手に取ったのが、いつも着ているスヌーピーのスウェット。なんだかもう、自分自身にガッカリした。
桔平くんの前では、どれだけ自分を取り繕っても丸裸にされてしまう気がする。でも綺麗なものが好きな桔平くんに、私の内面なんてさらけ出せるわけがない。すっぴんでダサい部屋着姿以上に、見せたくないよ。
部屋に戻ると、桔平くんは小さめのスケッチブックを開いて、なにかを描いていた。
「お、メガネ」
そうです。家ではメガネなんです。ダサいんです。
桔平くんは手を止めて、いつものようにじっと見つめてきた。これにも、だいぶ慣れてきたかも。
「なんだよ、すっぴん部屋着でも可愛いじゃんか」
そ、そりゃそうよね? もともと可愛いんだもん、私。当たり前だし。メガネだろうがスヌーピーの部屋着だろうが、私の可愛さは変わらないはずよね?
「さっきよりは顔色いいな。でも、まだ横になっときなよ」
「うん」
貧血はかなりよくなったけれど、お腹は締めつけられるように痛い。
とりあえず桔平くんに麦茶を出してから、素直にベッドへと潜り込んだ。
「食欲は?」
「ちょっと吐き気するから、食べたくない……ていうか、桔平くんは食べなくていいの?」
「大丈夫だよ。夜に食うし」
私のせいでカレー食べ損ねちゃったし、夕方までに体調が回復したらご飯を作ってあげようかな……食材、なにがあったっけ。
ていうか、私の部屋に桔平くんがいるっていうのが不思議な感じ。いまになって、部屋を見られるのが恥ずかしくなってきた。
「……なにかスケッチしてたの?」
「あぁ、クロッキーね。速写ってやつ」
「そくしゃ?」
「短時間でパパっと描く。こんな感じで」
桔平くんが、描いていたものを見せてくれた。私がベッドに置いているスヌーピーのぬいぐるみ。すっごく可愛い……ていうか上手すぎ。これを、ほんの数分で描いたの?
「可愛い……」
「そう? じゃあ、やるよ」
そう言って、そのページを破ってテーブルの上に置いてくれた。