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 爬虫類館を出たあとは、レッサーパンダやホッキョクグマを観てまわった。でも動物よりも人が多くて。どこへ行くにも人、人、人。さすがは東京だなぁ……。

 桔平くんは常に、私が疲れていないか気にしてくれる。人が多い場所は、確かに慣れていない。でも疲れるどころか、一緒にいるのが楽しすぎて。ずっとこの時間が続いてほしいと思うぐらい。

 のんびりゆっくりとはいかなかったけれど、私が観たかった動物は大体観ることができたから、お昼過ぎには動物園を出ることにした。そろそろお腹が空いてきたし。

「桔平くんは、朝もお昼もあんまり食べないんだっけ」
「わざと食わないわけじゃねぇよ。朝は別として、昼はたまに食ってる」
「学食で?」
「いや、外で。いつも同じ店。ちいせぇ喫茶店で、カレーが美味いんだよ。本当は連れて行きたかったんだけど、日曜が休みっつーヤル気ゼロの店なわけ」

 いつも同じお店ということは、相当お気に入りなんだ。そんなお店に私を連れて行きたいと思ってくれるのが、なんだかすごく嬉しい。

「今度、平日に行こう。病みつきになるから、愛茉にも食わせたいんだよ」

 桔平くん行きつけのお店。そう聞くだけで、すごく行きたい。

 それに桔平くんの口から「今度」っていう単語が出ると、毎回胸がキュッとなる。いつも未来の話をしてくれるから、この先も桔平くんとずっと一緒にいられるんじゃないかって思ってしまう。

 お昼ご飯をどうするかふたりであれこれ考えて、最終的にサンドイッチをテイクアウトして上野公園内で食べることにした。
 ベンチに並んで座りながらサンドイッチを頬張る。なんだか本当に、すごく健全なデートだな。

 食べ終わったあとも、景色を眺めながらのんびりして。桔平くんの大きな欠伸が、またうつった。

 その後は科学博物館で、宝石の特別展を鑑賞。桔平くんは宝石というか鉱物にも詳しくて、やっぱり自然界の綺麗なものが好きなんだろうなって感じた。
 17時の閉館時間ちょっと前に博物館を出て、今度はアメヤ横丁へ。

 桔平くんは行く場所の選択肢をいくつか挙げてくれて、私の行きたいところへ連れて行ってくれる。定番中の定番って感じのデートかもしれないけれど、北海道から出てきたばかりの私にとっては全部が目新しかった。

 アメ横でフルーツ串とかソフトクリームを食べ歩きして、日が落ちた後は中華料理の屋台で小籠包を味わう。桔平くんは紹興酒を飲んでいたんだけど、今日の服装とマッチしてるねって言ったら笑っていた。


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 爬虫類館を出たあとは、レッサーパンダやホッキョクグマを観てまわった。でも動物よりも人が多くて。どこへ行くにも人、人、人。さすがは東京だなぁ……。
 桔平くんは常に、私が疲れていないか気にしてくれる。人が多い場所は、確かに慣れていない。でも疲れるどころか、一緒にいるのが楽しすぎて。ずっとこの時間が続いてほしいと思うぐらい。
 のんびりゆっくりとはいかなかったけれど、私が観たかった動物は大体観ることができたから、お昼過ぎには動物園を出ることにした。そろそろお腹が空いてきたし。
「桔平くんは、朝もお昼もあんまり食べないんだっけ」
「わざと食わないわけじゃねぇよ。朝は別として、昼はたまに食ってる」
「学食で?」
「いや、外で。いつも同じ店。ちいせぇ喫茶店で、カレーが美味いんだよ。本当は連れて行きたかったんだけど、日曜が休みっつーヤル気ゼロの店なわけ」
 いつも同じお店ということは、相当お気に入りなんだ。そんなお店に私を連れて行きたいと思ってくれるのが、なんだかすごく嬉しい。
「今度、平日に行こう。病みつきになるから、愛茉にも食わせたいんだよ」
 桔平くん行きつけのお店。そう聞くだけで、すごく行きたい。
 それに桔平くんの口から「今度」っていう単語が出ると、毎回胸がキュッとなる。いつも未来の話をしてくれるから、この先も桔平くんとずっと一緒にいられるんじゃないかって思ってしまう。
 お昼ご飯をどうするかふたりであれこれ考えて、最終的にサンドイッチをテイクアウトして上野公園内で食べることにした。
 ベンチに並んで座りながらサンドイッチを頬張る。なんだか本当に、すごく健全なデートだな。
 食べ終わったあとも、景色を眺めながらのんびりして。桔平くんの大きな欠伸が、またうつった。
 その後は科学博物館で、宝石の特別展を鑑賞。桔平くんは宝石というか鉱物にも詳しくて、やっぱり自然界の綺麗なものが好きなんだろうなって感じた。
 17時の閉館時間ちょっと前に博物館を出て、今度はアメヤ横丁へ。
 桔平くんは行く場所の選択肢をいくつか挙げてくれて、私の行きたいところへ連れて行ってくれる。定番中の定番って感じのデートかもしれないけれど、北海道から出てきたばかりの私にとっては全部が目新しかった。
 アメ横でフルーツ串とかソフトクリームを食べ歩きして、日が落ちた後は中華料理の屋台で小籠包を味わう。桔平くんは紹興酒を飲んでいたんだけど、今日の服装とマッチしてるねって言ったら笑っていた。