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反撃開始 2

ー/ー



「あら、自殺願望があったのかしら。だったら私の精霊で今すぐ楽に……」

 ギルスが俺が死ぬと言うと、ルーはウキウキとして精霊を召喚しようとしていた。

「馬鹿か!! 本当に死ぬわけじゃねぇ!!」

「どういう事なんですか?」

 ユモトはおずおずと不安そうにギルスに聞く。

「簡単に言えば、俺が裏の道具の暴走で死んだように見せかけるって事だよ」

「なるほどな」

 アシノはあまり興味が無さそうに言っていたが、モモは今更ながらに気付いた。

「ちょっと待て、見せかけるってのは良いが、この会話は外に聞こえていないのか?」

 するとギルスはフッと笑って話し始める。

「それは大丈夫だ、音の妨害魔法は張っておいた」

「そうそう、ギルスの魔力で張ってあるからペラペラ話してるわけ」

「なるほど、その為に……」

 ルーとムツヤは妨害魔法の存在に気付いていたが、中にいる魔法使いのユモトは「えっ」と言って周りを見渡した。

「修行が足りんなぁ、ユモトくぅん」

 ルーに言われて、ユモトは自分の実力不足を恥じて顔を赤らめ、身を小さくした。

「す、すみません。ギルスさん、凄い妨害魔法ですね」

妨害魔法というのは、使い手の腕が高度になるほど張ってあることが分からないものだ。

「研究所ってのは音の妨害魔法が必需品だったからな。使い慣れているだけだよ」

 ハハハとギルスは笑って言った。

「さて、話を戻そう。ムツヤくん、死んだように見せかける裏の道具…… 出来れば見た目が派手な方が良い、そういった物は無いかい?」

「それだったら……」

 それから数時間、7人で念入りに計画を立てる。

「よし、決まりだな。明日の昼に決行だ」

 ギルスはニヤリと笑って言った。

「よーし、名付けて『ギルス実験で死にました作戦!!』」

「何でお前そんなネーミングセンス無いんだよ!!」

 ルーとギルスはふざけあっていたが、ユモトとモモは果たして上手くいくのかといった不安はある。

 ルーとギルスは作戦会議が終わってからずっと地下に引きこもり、探知盤を分解して青い石を取り出している。

 ユモトは家事があるため、探知盤の監視係はムツヤだった。ソファに座ったまま眠気を抑え、何の反応もない板を見つめていた。

 その膝にはヨーリィが頭を乗せていた。両手が使えないムツヤから魔力を補給するためにこんな形になっているらしい。

 アシノは夕飯まで寝ると言って部屋へ帰っていき、モモは念の為と家の周りを巡回し、警備していた。

「お兄ちゃん、寝ちゃダメ」

 薄目になっているムツヤの頬をペチペチとヨーリィは叩いて起こす。

「んが、寝てないよ!!」

 ムツヤはハッとして起きる、ヨーリィはムツヤをじっと見つめていた。

「私も探知盤を扱えれば良いんだけど」

 ヨーリィは魔力の扱いには長けていたが、探知盤は何故か操作ができなかった。

 そんな時にムツヤの胸の紫色のペンダントが光りだした。そして2人の幻影を映し出す。

「はーい、呼ばれなくてもジャンジャカジャンジャンジャーン!」

「さ、サズァン様!?」

「マヨイギ様」

 サズァンはバッチリとポーズを取り、迷い木の怪物は棒立ちだった。

「ヨーリィ、何してるの!? 無理やりそんな事させられてない?」

 ムツヤの膝の上で寝ているヨーリィを見てマヨイギが身を乗り出して心配する。

「ムツヤお兄ちゃんから魔力をもらっているだけです」

 ヨーリィは淡々と答えてマヨイギは一安心した。

「変なことされたらこう、グサッと脇腹刺しちゃって良いからね?」

「ちょーっと? ウチのムツヤに何てこと言うのよ!!」

 マヨイギはさらりと恐ろしい事を良い、それに対しサズァンは怒っている。

「あっ、失礼しましたサズァン様……」

「まぁいいわ、大体だけど今の状況は把握しているわ、やっとキエーウって奴らに反撃ってところよね」

「はい、やっと裏の道具を取り返せそうです!」

「頑張ってねムツヤ、今日はマヨイギがヨーリィの様子を見たいってうるさいから何とか繋いだけど。結界が元に戻ってきているから魔力長く持たないし、ひと苦労なのよねー」

「そうだったのですか、マヨイギ様」

 ヨーリィに見つめられてそう言われるとマヨイギは照れて視線を逸らして答える。

「い、いや、今はお前の主人じゃ無いけど、ちょっと気になってだな」

「確かに、今の主人はムツヤお兄ちゃんですが。私にとってマヨイギ様もずっと主人です」

「ヨーリィ……」

 マヨイギの目には何かこみ上げるものがあったが、くるりと背を向けてしまう。


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「あら、自殺願望があったのかしら。だったら私の精霊で今すぐ楽に……」
 ギルスが俺が死ぬと言うと、ルーはウキウキとして精霊を召喚しようとしていた。
「馬鹿か!! 本当に死ぬわけじゃねぇ!!」
「どういう事なんですか?」
 ユモトはおずおずと不安そうにギルスに聞く。
「簡単に言えば、俺が裏の道具の暴走で死んだように見せかけるって事だよ」
「なるほどな」
 アシノはあまり興味が無さそうに言っていたが、モモは今更ながらに気付いた。
「ちょっと待て、見せかけるってのは良いが、この会話は外に聞こえていないのか?」
 するとギルスはフッと笑って話し始める。
「それは大丈夫だ、音の妨害魔法は張っておいた」
「そうそう、ギルスの魔力で張ってあるからペラペラ話してるわけ」
「なるほど、その為に……」
 ルーとムツヤは妨害魔法の存在に気付いていたが、中にいる魔法使いのユモトは「えっ」と言って周りを見渡した。
「修行が足りんなぁ、ユモトくぅん」
 ルーに言われて、ユモトは自分の実力不足を恥じて顔を赤らめ、身を小さくした。
「す、すみません。ギルスさん、凄い妨害魔法ですね」
妨害魔法というのは、使い手の腕が高度になるほど張ってあることが分からないものだ。
「研究所ってのは音の妨害魔法が必需品だったからな。使い慣れているだけだよ」
 ハハハとギルスは笑って言った。
「さて、話を戻そう。ムツヤくん、死んだように見せかける裏の道具…… 出来れば見た目が派手な方が良い、そういった物は無いかい?」
「それだったら……」
 それから数時間、7人で念入りに計画を立てる。
「よし、決まりだな。明日の昼に決行だ」
 ギルスはニヤリと笑って言った。
「よーし、名付けて『ギルス実験で死にました作戦!!』」
「何でお前そんなネーミングセンス無いんだよ!!」
 ルーとギルスはふざけあっていたが、ユモトとモモは果たして上手くいくのかといった不安はある。
 ルーとギルスは作戦会議が終わってからずっと地下に引きこもり、探知盤を分解して青い石を取り出している。
 ユモトは家事があるため、探知盤の監視係はムツヤだった。ソファに座ったまま眠気を抑え、何の反応もない板を見つめていた。
 その膝にはヨーリィが頭を乗せていた。両手が使えないムツヤから魔力を補給するためにこんな形になっているらしい。
 アシノは夕飯まで寝ると言って部屋へ帰っていき、モモは念の為と家の周りを巡回し、警備していた。
「お兄ちゃん、寝ちゃダメ」
 薄目になっているムツヤの頬をペチペチとヨーリィは叩いて起こす。
「んが、寝てないよ!!」
 ムツヤはハッとして起きる、ヨーリィはムツヤをじっと見つめていた。
「私も探知盤を扱えれば良いんだけど」
 ヨーリィは魔力の扱いには長けていたが、探知盤は何故か操作ができなかった。
 そんな時にムツヤの胸の紫色のペンダントが光りだした。そして2人の幻影を映し出す。
「はーい、呼ばれなくてもジャンジャカジャンジャンジャーン!」
「さ、サズァン様!?」
「マヨイギ様」
 サズァンはバッチリとポーズを取り、迷い木の怪物は棒立ちだった。
「ヨーリィ、何してるの!? 無理やりそんな事させられてない?」
 ムツヤの膝の上で寝ているヨーリィを見てマヨイギが身を乗り出して心配する。
「ムツヤお兄ちゃんから魔力をもらっているだけです」
 ヨーリィは淡々と答えてマヨイギは一安心した。
「変なことされたらこう、グサッと脇腹刺しちゃって良いからね?」
「ちょーっと? ウチのムツヤに何てこと言うのよ!!」
 マヨイギはさらりと恐ろしい事を良い、それに対しサズァンは怒っている。
「あっ、失礼しましたサズァン様……」
「まぁいいわ、大体だけど今の状況は把握しているわ、やっとキエーウって奴らに反撃ってところよね」
「はい、やっと裏の道具を取り返せそうです!」
「頑張ってねムツヤ、今日はマヨイギがヨーリィの様子を見たいってうるさいから何とか繋いだけど。結界が元に戻ってきているから魔力長く持たないし、ひと苦労なのよねー」
「そうだったのですか、マヨイギ様」
 ヨーリィに見つめられてそう言われるとマヨイギは照れて視線を逸らして答える。
「い、いや、今はお前の主人じゃ無いけど、ちょっと気になってだな」
「確かに、今の主人はムツヤお兄ちゃんですが。私にとってマヨイギ様もずっと主人です」
「ヨーリィ……」
 マヨイギの目には何かこみ上げるものがあったが、くるりと背を向けてしまう。