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#29 Rainbow

ー/ー



「レイネ……なんだか目覚めが悪いよ……」

 朝。珍しくレイネに起こされた僕は、ベッドで寝転んだまま言った。

「どうしたの?」

「んーとね……変な夢見た……」

「ゆめ?」

 レイネがどさっ、と僕の体の上に乗って首を傾げる。

「うん。なんか……いや、何でもない」

 レイネはきょとんとしている。
 この夢のことは、言わない方がいい。そう思ったんだ。
 朝食を済ませた僕らは、街外れの丘にやって来た。ここには父さんのお墓がある。隣にはリーフ爺さんもいる。
 風が僕らを包み込む。父さんが抱きしめているみたいだ。

「わかれは、つらくない」

 この丘は散歩の途中でよく来ていた場所だ。色んな人の温もりがあるから、僕はここが好きだ。

「そう。辛くないさ」

「でも、ちょっとさみしい」

「そう。ちょっと寂しい」

 それから僕らは、父さんとリーフ爺さんに最近あった事を伝えた。タウルさんと一緒に料理をした事、レイネが初めて絵を描いた事。楽しかったって気持ち。気付いたらレイネの身長がすごく伸びてた事。いっぱい伝えた。そして、「また今度ね」と笑顔で告げて、僕らは次の目的地へ歩みを進めた。

「刹那に咲く花は」

「かぜのようにきよく」

 僕らは手を繋いで、木漏れ日の街を歩いていった。

「記憶に降る雨は」

「キミのようにふかく」

 森の奥の池にやって来た。

「さくら、いろがかわってる」

「花が散ったんだよ。桜ってのは儚いもんさ」

「もうさくらのはな、みられないの?」

「君は、そうだね」

 池の水面は桃色に染まっていた。

「みんな、わたしのこと、わすれちゃうのかな」

「いつかはね。でも、僕は君の事、絶対に忘れない。忘れたくないから」

「やくそくして」

 約束の時はお互いの薬指を合わせるって、小さい頃から相場が決まっている。

「約束しよう、レイネ」

「うん」

 思えば、僕らは色んな景色を見てきた。そのどれもが輝いていた。レイネに会ってから、世界は虹色。
 レイネと出会ってから一年が経つ。
 僕は君を忘れない。
 今日は、君との別れの日。


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みんなのリアクション

「レイネ……なんだか目覚めが悪いよ……」
 朝。珍しくレイネに起こされた僕は、ベッドで寝転んだまま言った。
「どうしたの?」
「んーとね……変な夢見た……」
「ゆめ?」
 レイネがどさっ、と僕の体の上に乗って首を傾げる。
「うん。なんか……いや、何でもない」
 レイネはきょとんとしている。
 この夢のことは、言わない方がいい。そう思ったんだ。
 朝食を済ませた僕らは、街外れの丘にやって来た。ここには父さんのお墓がある。隣にはリーフ爺さんもいる。
 風が僕らを包み込む。父さんが抱きしめているみたいだ。
「わかれは、つらくない」
 この丘は散歩の途中でよく来ていた場所だ。色んな人の温もりがあるから、僕はここが好きだ。
「そう。辛くないさ」
「でも、ちょっとさみしい」
「そう。ちょっと寂しい」
 それから僕らは、父さんとリーフ爺さんに最近あった事を伝えた。タウルさんと一緒に料理をした事、レイネが初めて絵を描いた事。楽しかったって気持ち。気付いたらレイネの身長がすごく伸びてた事。いっぱい伝えた。そして、「また今度ね」と笑顔で告げて、僕らは次の目的地へ歩みを進めた。
「刹那に咲く花は」
「かぜのようにきよく」
 僕らは手を繋いで、木漏れ日の街を歩いていった。
「記憶に降る雨は」
「キミのようにふかく」
 森の奥の池にやって来た。
「さくら、いろがかわってる」
「花が散ったんだよ。桜ってのは儚いもんさ」
「もうさくらのはな、みられないの?」
「君は、そうだね」
 池の水面は桃色に染まっていた。
「みんな、わたしのこと、わすれちゃうのかな」
「いつかはね。でも、僕は君の事、絶対に忘れない。忘れたくないから」
「やくそくして」
 約束の時はお互いの薬指を合わせるって、小さい頃から相場が決まっている。
「約束しよう、レイネ」
「うん」
 思えば、僕らは色んな景色を見てきた。そのどれもが輝いていた。レイネに会ってから、世界は虹色。
 レイネと出会ってから一年が経つ。
 僕は君を忘れない。
 今日は、君との別れの日。