美術館デート
ー/ーそれから数日が経った。
俺は、次のデートで何をしようかと考えていた。
加奈が絵を描くのが好きだと言うのを知り、良い事を思いついた。
スマホで色々調べてから、加奈にメッセージを送った。
「今度、美術館に絵を見に行かない?加奈、絵好きでしょ?」
「わー、いいね!!行きたい!!」
「一ノ瀬三郎って画家知ってる?」
「ううん。知らない」
「その人の特別展示ギャラリーをやってるみたい。主に風景画を描いてる人なんだ」
「へぇー、そうなんだ」
「俺目線だけど綺麗な絵を描く人だなって思ったんだ。行ってみない?」
「うん。行こうよ」
それから一週間が経った。今日は、加奈と美術館に行く日だ。
美術館は、直通のバスが出ている。
バスに乗って一時間くらいすれば到着する。
「加奈は今日行く美術館に行った事あるの?」
「ううん、行った事ないよ」
「どこかに絵を見に行った事はある?」
「小学生の時に遠足で行った時くらいかなー。それは県外の美術館だったんだけどね」
「そうなんだ」
「うん。あの時は、じっくり見たかったけど時間が押しててさ。見れなかったんだよね」
「じゃあ今日は、思う存分じっくり見ようよ」
「うん」
バスが美術館に到着し、中に入った。入館料を払い、パンフレットを貰った。
そのまま順路と矢印が書いてある方向に進んでいき、一つ目の絵が額縁に入れられて飾ってあった。
向日葵と夏の照り付ける太陽が描かれていた絵だった。
「タイトルは、向日葵か」
「夏の暑そうな太陽の感じと、それに負けずに咲いてる向日葵が良い味出してるね」
「向日葵が堂々とした面持ちで咲いてるなぁ」
「太陽の日の当たり具合とか凄く緻密な計算して書いてるね。凄い」
次の絵を見た。次の絵は、草むらに蛍が沢山いる夜の絵だった。
「うわー!!これは綺麗な絵だな。タイトルは、蛍だってさ」
「うん。これも良いね。幻想的な感じ」
「空も丁度良い暗さで、蛍を引き立ててるな」
「草むらにもさ、どこか風が当たって揺らいでいるような感じに見えるね」
「あ、ほんとだ。草が揺れてるみたいに見える」
「草がゆらゆら動き出しそう」
「うん。凄いね」
次の絵を見た。次の絵は、花火が空に打ち上がっている街の絵だった。
「タイトルは、花火の街か。これも綺麗だなー」
「花火の絵で使われてる色が細かくて鮮やかだね」
「なんだか花火の音が聞こえてきそうだ」
「凄いなぁ。私、こんなの描けないなぁ」
次の絵を見た。着物を着た女性が、後ろを振り返っている姿を描いた絵だった。
「タイトルは、振り返り美人か」
「綺麗な女の人だね」
「これは着物で夏祭りデートでも行った時なのかな」
「けど女の人の表情が、どこか切ない感じがする」
「確かに表情がちょっと悲しそうな表情なのは、どうしてなんだろうね」
「楽しい夏の終わりを悲しんでいるのかな?」
「あー、なるほど。そういう事なのかなー」
次の絵を見た。金魚すくいをしている様子の子供の絵だった。
「タイトルは、金魚か」
「金魚が主体なんだね」
「子供が全体的に見て、大きめに描かれているな」
「金魚にとっては、子供は怪物に見えるのかも」
「なるほど。金魚すくいは、金魚からしたら恐怖でしかないもんね」
「多分これは、金魚目線で描かれた絵なんだと思う」
次の絵を見た。イルカの上に子供が乗っている絵だった。
「タイトルは、海の子だってさ」
「うーん、これは難しいなぁ。どういう解釈をすればいいんだろう」
「子供とイルカは、仲良さそうに見えるよね」
「うん」
「地球上の生き物、全てが海から生まれたから海の子って事なのかなぁ」
「きっとそれだ!!」
「子供とイルカは、どこか楽しそうに泳いでるもんね」
「イルカの肌質とか凄くリアルに表現されてるな」
「うん。かなり細かく描かれてるよね」
次の絵を見た。ビーチサンダルとその隣には、フォークが描かれている絵だった。
「タイトルは、夏休暇だってさ。何じゃこりゃ……」
「うーん……」
二人して首を傾げながらじっくり見る。
なぜビーチサンダルとフォークが一緒に写っていて、夏休暇なのか。
しばらく見たけども、その謎が解ける事はなかった。
「ダメだ。全然分からない」
「私も」
「何だろう。でもなんか引き込まれる」
「うん。なんか凄く印象に残るよね」
これが芸術という事なのだろう。うん。きっとそうに違いない。
次の絵を見た。スイカ畑にスイカが沢山並んでいる絵だった。
「タイトルは、スイカ畑か。これはシンプルで分かりやすいな」
「でも良い絵だね。手前のスイカが大きく表現されてて、奥のスイカが小さいの。なんか可愛い」
「ほんの少し、青空と雲が描いてあるのも良いな」
「私、この絵好き」
次の絵を見た。真っ暗な背景に、大きな目玉が描かれた絵だった。
「タイトルは、目か。ちょっと不気味だな」
「夢に出そう……」
「あれかな。肝試しとかそっち系?」
「ホラーチックな絵だよね。目が合っちゃった」
「うん。俺も目が合ったよ……」
「この目は、一体何を訴えてるんだろうね」
そして最後の絵にやってきた。最期の絵は、大きな額縁に入っていた。
大きな蝶々の絵だった。
「タイトルは、夏蝶々だってさ」
「緑色の蝶々なんだね。綺麗ー!!」
「これは凄いなー。なんか宝石みたいな輝きを放ってるね」
「うん。エメラルドっぽい」
「確かに夏って緑色っぽい気がする」
「でもただの緑じゃなくて、光を放つ緑色なんだよね。綺麗だなぁ」
「神秘的だね」
「これは、ずっと見てられる絵だなぁ」
加奈はしばらくの間、夏蝶々の絵に釘付けだった。
絵を堪能して美術館を出た。
「加奈は、一番どの絵が好きだった?」
「夏蝶々かなぁ。やっぱりあの緑色の表現は、凄かったよ」
「綺麗だったよね」
「智也君は、どの絵が好き?」
「俺は海の子かなー」
「あのイルカと子供の絵だね。あれも綺麗だった」
「でも一番何が印象に凝ってるかっていうと、やっぱりサンダルとフォークのやつ」
「夏休暇だね。あれは頭から離れないよね」
「しばらく考えてしまいそうだよ」
「私もー」
帰りのバスの中で、見た絵の事をずっと語り合っていた。
絵の事を語る加奈は、とても楽しそうだった。
連れてきてあげてよかった。
そう思った一日だった。
俺は、次のデートで何をしようかと考えていた。
加奈が絵を描くのが好きだと言うのを知り、良い事を思いついた。
スマホで色々調べてから、加奈にメッセージを送った。
「今度、美術館に絵を見に行かない?加奈、絵好きでしょ?」
「わー、いいね!!行きたい!!」
「一ノ瀬三郎って画家知ってる?」
「ううん。知らない」
「その人の特別展示ギャラリーをやってるみたい。主に風景画を描いてる人なんだ」
「へぇー、そうなんだ」
「俺目線だけど綺麗な絵を描く人だなって思ったんだ。行ってみない?」
「うん。行こうよ」
それから一週間が経った。今日は、加奈と美術館に行く日だ。
美術館は、直通のバスが出ている。
バスに乗って一時間くらいすれば到着する。
「加奈は今日行く美術館に行った事あるの?」
「ううん、行った事ないよ」
「どこかに絵を見に行った事はある?」
「小学生の時に遠足で行った時くらいかなー。それは県外の美術館だったんだけどね」
「そうなんだ」
「うん。あの時は、じっくり見たかったけど時間が押しててさ。見れなかったんだよね」
「じゃあ今日は、思う存分じっくり見ようよ」
「うん」
バスが美術館に到着し、中に入った。入館料を払い、パンフレットを貰った。
そのまま順路と矢印が書いてある方向に進んでいき、一つ目の絵が額縁に入れられて飾ってあった。
向日葵と夏の照り付ける太陽が描かれていた絵だった。
「タイトルは、向日葵か」
「夏の暑そうな太陽の感じと、それに負けずに咲いてる向日葵が良い味出してるね」
「向日葵が堂々とした面持ちで咲いてるなぁ」
「太陽の日の当たり具合とか凄く緻密な計算して書いてるね。凄い」
次の絵を見た。次の絵は、草むらに蛍が沢山いる夜の絵だった。
「うわー!!これは綺麗な絵だな。タイトルは、蛍だってさ」
「うん。これも良いね。幻想的な感じ」
「空も丁度良い暗さで、蛍を引き立ててるな」
「草むらにもさ、どこか風が当たって揺らいでいるような感じに見えるね」
「あ、ほんとだ。草が揺れてるみたいに見える」
「草がゆらゆら動き出しそう」
「うん。凄いね」
次の絵を見た。次の絵は、花火が空に打ち上がっている街の絵だった。
「タイトルは、花火の街か。これも綺麗だなー」
「花火の絵で使われてる色が細かくて鮮やかだね」
「なんだか花火の音が聞こえてきそうだ」
「凄いなぁ。私、こんなの描けないなぁ」
次の絵を見た。着物を着た女性が、後ろを振り返っている姿を描いた絵だった。
「タイトルは、振り返り美人か」
「綺麗な女の人だね」
「これは着物で夏祭りデートでも行った時なのかな」
「けど女の人の表情が、どこか切ない感じがする」
「確かに表情がちょっと悲しそうな表情なのは、どうしてなんだろうね」
「楽しい夏の終わりを悲しんでいるのかな?」
「あー、なるほど。そういう事なのかなー」
次の絵を見た。金魚すくいをしている様子の子供の絵だった。
「タイトルは、金魚か」
「金魚が主体なんだね」
「子供が全体的に見て、大きめに描かれているな」
「金魚にとっては、子供は怪物に見えるのかも」
「なるほど。金魚すくいは、金魚からしたら恐怖でしかないもんね」
「多分これは、金魚目線で描かれた絵なんだと思う」
次の絵を見た。イルカの上に子供が乗っている絵だった。
「タイトルは、海の子だってさ」
「うーん、これは難しいなぁ。どういう解釈をすればいいんだろう」
「子供とイルカは、仲良さそうに見えるよね」
「うん」
「地球上の生き物、全てが海から生まれたから海の子って事なのかなぁ」
「きっとそれだ!!」
「子供とイルカは、どこか楽しそうに泳いでるもんね」
「イルカの肌質とか凄くリアルに表現されてるな」
「うん。かなり細かく描かれてるよね」
次の絵を見た。ビーチサンダルとその隣には、フォークが描かれている絵だった。
「タイトルは、夏休暇だってさ。何じゃこりゃ……」
「うーん……」
二人して首を傾げながらじっくり見る。
なぜビーチサンダルとフォークが一緒に写っていて、夏休暇なのか。
しばらく見たけども、その謎が解ける事はなかった。
「ダメだ。全然分からない」
「私も」
「何だろう。でもなんか引き込まれる」
「うん。なんか凄く印象に残るよね」
これが芸術という事なのだろう。うん。きっとそうに違いない。
次の絵を見た。スイカ畑にスイカが沢山並んでいる絵だった。
「タイトルは、スイカ畑か。これはシンプルで分かりやすいな」
「でも良い絵だね。手前のスイカが大きく表現されてて、奥のスイカが小さいの。なんか可愛い」
「ほんの少し、青空と雲が描いてあるのも良いな」
「私、この絵好き」
次の絵を見た。真っ暗な背景に、大きな目玉が描かれた絵だった。
「タイトルは、目か。ちょっと不気味だな」
「夢に出そう……」
「あれかな。肝試しとかそっち系?」
「ホラーチックな絵だよね。目が合っちゃった」
「うん。俺も目が合ったよ……」
「この目は、一体何を訴えてるんだろうね」
そして最後の絵にやってきた。最期の絵は、大きな額縁に入っていた。
大きな蝶々の絵だった。
「タイトルは、夏蝶々だってさ」
「緑色の蝶々なんだね。綺麗ー!!」
「これは凄いなー。なんか宝石みたいな輝きを放ってるね」
「うん。エメラルドっぽい」
「確かに夏って緑色っぽい気がする」
「でもただの緑じゃなくて、光を放つ緑色なんだよね。綺麗だなぁ」
「神秘的だね」
「これは、ずっと見てられる絵だなぁ」
加奈はしばらくの間、夏蝶々の絵に釘付けだった。
絵を堪能して美術館を出た。
「加奈は、一番どの絵が好きだった?」
「夏蝶々かなぁ。やっぱりあの緑色の表現は、凄かったよ」
「綺麗だったよね」
「智也君は、どの絵が好き?」
「俺は海の子かなー」
「あのイルカと子供の絵だね。あれも綺麗だった」
「でも一番何が印象に凝ってるかっていうと、やっぱりサンダルとフォークのやつ」
「夏休暇だね。あれは頭から離れないよね」
「しばらく考えてしまいそうだよ」
「私もー」
帰りのバスの中で、見た絵の事をずっと語り合っていた。
絵の事を語る加奈は、とても楽しそうだった。
連れてきてあげてよかった。
そう思った一日だった。
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