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虹の橋のたもとで待っている

ー/ー



棄てられる哀しみを、棄てる者は知ろうとはしない。
棄てられて、孤独と不安で縮こまっていた猫の気持ちを、飼い主は考えもしない。

猫は多くを望まない。
ただ、傍に居てほしかっただけ。
命が終わるその時まで、人の手のぬくもりを求めた老猫。
静かに見つめてくる瞳は、何を映していたのだろう?
言葉無き声は、何を伝えたかったのだろう?


2023年7月24日13時08分
看取り保護猫ルネは、静かに眠るように逝きました。
地域猫現場で体調を崩し、ガリガリに痩せていたので、治療のため保護した猫でした。

筆者が2連休に入る前夜から危篤状態になった老猫。
ずっと横たわって寝たままかと思えば、目を開けてこちらを見て何か言うように口を開けたりしました。

「そこにいる? 傍にいてくれてる?」

そう言っているように感じた、ルネの声無き言葉。

「傍にいるよ」

その度に話しかけて、撫でてあげました。
そうすると安心したように目を閉じるのを切なく思いながら……。

保護期間中、ケージを開ければいつもすり寄って来て離れなかったルネ。
危篤状態になる前日までスリゴロしていました。

ルネは元の飼い主に棄てられた猫。
棄てられて間もない頃は、公衆トイレに篭って怯えていました。
また棄てられたりしないか、心のどこかに不安が残っていたのかもしれません。


25日から筆者は仕事のため、ルネが独りで逝ってしまうのは忍びないと思い、近所の自営業の方に預かりをお願いして承諾を得たのですが……

「預けなくていいよ、そろそろ逝くわ」

……まるでそう言うように、ルネは連休最終日の午後に息を引き取りました。

眠った状態からスーッと、魂が抜け出たように静かに呼吸が止まりました。

危篤状態になってから逝く瞬間まで、少しも苦しむ様子が無かったのが幸いです。

ルネの魂はそろそろ、虹の橋のたもとに着いたと思います。
彼女は虹の橋のたもとで誰を待つのでしょうか?

棄てた飼い主?

餌やりボラさんたち?

…それとも、8ヶ月と3日間過ごした保護主?


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棄てられる哀しみを、棄てる者は知ろうとはしない。
棄てられて、孤独と不安で縮こまっていた猫の気持ちを、飼い主は考えもしない。
猫は多くを望まない。
ただ、傍に居てほしかっただけ。
命が終わるその時まで、人の手のぬくもりを求めた老猫。
静かに見つめてくる瞳は、何を映していたのだろう?
言葉無き声は、何を伝えたかったのだろう?
2023年7月24日13時08分
看取り保護猫ルネは、静かに眠るように逝きました。
地域猫現場で体調を崩し、ガリガリに痩せていたので、治療のため保護した猫でした。
筆者が2連休に入る前夜から危篤状態になった老猫。
ずっと横たわって寝たままかと思えば、目を開けてこちらを見て何か言うように口を開けたりしました。
「そこにいる? 傍にいてくれてる?」
そう言っているように感じた、ルネの声無き言葉。
「傍にいるよ」
その度に話しかけて、撫でてあげました。
そうすると安心したように目を閉じるのを切なく思いながら……。
保護期間中、ケージを開ければいつもすり寄って来て離れなかったルネ。
危篤状態になる前日までスリゴロしていました。
ルネは元の飼い主に棄てられた猫。
棄てられて間もない頃は、公衆トイレに篭って怯えていました。
また棄てられたりしないか、心のどこかに不安が残っていたのかもしれません。
25日から筆者は仕事のため、ルネが独りで逝ってしまうのは忍びないと思い、近所の自営業の方に預かりをお願いして承諾を得たのですが……
「預けなくていいよ、そろそろ逝くわ」
……まるでそう言うように、ルネは連休最終日の午後に息を引き取りました。
眠った状態からスーッと、魂が抜け出たように静かに呼吸が止まりました。
危篤状態になってから逝く瞬間まで、少しも苦しむ様子が無かったのが幸いです。
ルネの魂はそろそろ、虹の橋のたもとに着いたと思います。
彼女は虹の橋のたもとで誰を待つのでしょうか?
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餌やりボラさんたち?
…それとも、8ヶ月と3日間過ごした保護主?