3神様と西瓜と風鈴と
ー/ー「……なんだ、これは」
「風鈴。神様暇かなって」
「おい。逃げろって言ったはずだが」
「うん。あとこれ。西瓜。僕も家にいても1人でつまんないし、一緒にどうかなって」
まん丸の大きな西瓜を1人で祠まで持ってくるには少々骨が折れたが、15歳なので何とか持ち運ぶことが出来た。
キッチンからコソッと包丁を拝借し、西瓜を半分に切ろうとする……が、慣れない作業だからか中々半分に割れない。
「……あれ。こうかな。ん? 包丁の長さが足りないのかな?」
「……。あんまりギコギコすると見映え悪くなるぞ」
神様が見兼ねて包丁を持つ僕の手の上から手を重ねて。
ストン。
綺麗な音を立てて西瓜は真っ二つになった。
「へぇ! お上手ですね」
「つか、2人で西瓜全部食べ切れないだろ……どうすんだよこれ……」
と、言いながら残りは神様が全部切ってくれた。神様だけど、肌が触れ合える不思議。
祠のそばにある大きな岩に2人で腰掛け、三日月形の西瓜を頬張る。炎天下の中、木陰で涼みながら食べる西瓜は喉を潤し、家で食べる数百倍も美味しく感じた。
「塩もかけちゃおっと」
「……それ祠の周りに振るやつじゃん」
「少しくらいいいよ。だって神様閉じ込めてるのも悪い気がするし。神様も食べちゃってよ」
「……」
じっと西瓜を見つめてから、小さく口を開け齧る。水分を感じ、目を見開いてもぐもぐ咀嚼し、ゴクンと飲み込む。もう一度西瓜を見つめて。
「……美味い。久々に食べ物食ったわ」
と呟く。よかった、と僕も呟いて西瓜に夢中になる。
風が吹けばチリン、と風鈴が鳴る。僕は今、夏を1番満喫している気がする。
「神様、何か食べたいものとか、見たいものあったら僕持って来ますよ明日」
「……海、行きたいな」
ぽつりと言いながら、西瓜を食べる神様。隣を見れば、ハッとしたように慌てて僕を見て笑う。
「閉じ込められてるから無理だったわ」
「……塩、撒かなくなったら外に出られますか」
「……村人たちにバレた時のリスクがある。お前は、ちゃんと塩撒いて帰れよ」
「でも」
ザク、と足音がした。前を見ると様子を見に来た村長と神主がいた。
「翔。祠の手入れをしっかりしてるか見に来たんじゃが……サボっておるのお」
「は、はは……すいません」
「ところで、どうしたんじゃ? 西瓜を食べるのは良いが、どうしてそんな隅に座っておる」
「何故って──」
隣を見る。神様はいない。代わりに、食べかけの西瓜が祠に置いてある。
チリンチリンと、不気味に風鈴が鳴る。
「……翔。塩を撒いて、わしについて着なさい」
「村長。塩を撒く行為は──」
「ほれ、今すぐ塩を撒くのじゃ」
大人2人に監視されてしまえば手を抜くことは出来ない。神様を閉じ込める行為になってしまうと分かりながら、大量の塩を祠の周りに撒いていく。
(神様、ごめんなさい)
心の中で謝りながら。用が出来たという村長の後についていく。
「風鈴。神様暇かなって」
「おい。逃げろって言ったはずだが」
「うん。あとこれ。西瓜。僕も家にいても1人でつまんないし、一緒にどうかなって」
まん丸の大きな西瓜を1人で祠まで持ってくるには少々骨が折れたが、15歳なので何とか持ち運ぶことが出来た。
キッチンからコソッと包丁を拝借し、西瓜を半分に切ろうとする……が、慣れない作業だからか中々半分に割れない。
「……あれ。こうかな。ん? 包丁の長さが足りないのかな?」
「……。あんまりギコギコすると見映え悪くなるぞ」
神様が見兼ねて包丁を持つ僕の手の上から手を重ねて。
ストン。
綺麗な音を立てて西瓜は真っ二つになった。
「へぇ! お上手ですね」
「つか、2人で西瓜全部食べ切れないだろ……どうすんだよこれ……」
と、言いながら残りは神様が全部切ってくれた。神様だけど、肌が触れ合える不思議。
祠のそばにある大きな岩に2人で腰掛け、三日月形の西瓜を頬張る。炎天下の中、木陰で涼みながら食べる西瓜は喉を潤し、家で食べる数百倍も美味しく感じた。
「塩もかけちゃおっと」
「……それ祠の周りに振るやつじゃん」
「少しくらいいいよ。だって神様閉じ込めてるのも悪い気がするし。神様も食べちゃってよ」
「……」
じっと西瓜を見つめてから、小さく口を開け齧る。水分を感じ、目を見開いてもぐもぐ咀嚼し、ゴクンと飲み込む。もう一度西瓜を見つめて。
「……美味い。久々に食べ物食ったわ」
と呟く。よかった、と僕も呟いて西瓜に夢中になる。
風が吹けばチリン、と風鈴が鳴る。僕は今、夏を1番満喫している気がする。
「神様、何か食べたいものとか、見たいものあったら僕持って来ますよ明日」
「……海、行きたいな」
ぽつりと言いながら、西瓜を食べる神様。隣を見れば、ハッとしたように慌てて僕を見て笑う。
「閉じ込められてるから無理だったわ」
「……塩、撒かなくなったら外に出られますか」
「……村人たちにバレた時のリスクがある。お前は、ちゃんと塩撒いて帰れよ」
「でも」
ザク、と足音がした。前を見ると様子を見に来た村長と神主がいた。
「翔。祠の手入れをしっかりしてるか見に来たんじゃが……サボっておるのお」
「は、はは……すいません」
「ところで、どうしたんじゃ? 西瓜を食べるのは良いが、どうしてそんな隅に座っておる」
「何故って──」
隣を見る。神様はいない。代わりに、食べかけの西瓜が祠に置いてある。
チリンチリンと、不気味に風鈴が鳴る。
「……翔。塩を撒いて、わしについて着なさい」
「村長。塩を撒く行為は──」
「ほれ、今すぐ塩を撒くのじゃ」
大人2人に監視されてしまえば手を抜くことは出来ない。神様を閉じ込める行為になってしまうと分かりながら、大量の塩を祠の周りに撒いていく。
(神様、ごめんなさい)
心の中で謝りながら。用が出来たという村長の後についていく。
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