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第1話 事の始まり②

ー/ー






「はぁ…なんで坊っちゃまは、私の事を毛嫌いしているんだろう…」

私はため息をつきながら、グラスを片手に持ち食料室前の洗い場へ向かう。

坊っちゃま以外にも、領主様も奥様も、私の事を毛嫌いしている。

救いなのは、ここの屋敷の働き手の人達の仲が良好な事…あと賃金と保証がしっかりしている事。

なんで?私が人間だから?
魔族より役に立たないから?
魔法なんてこれっぽっちも使えないし…力もない……

だから私を毛嫌いするの?

「……ぅぅ……」

なんだか悲しくなって、涙がポロポロと溢れた。


いけない、こんな姿を誰かに見られたら、
気を使わせてしまう。泣きやまないと…

涙を手を拭おうとした時、

料理長「このクソ餓鬼!食材を勝手に食いやがって!!」

「…………?!」

あまりにも大音量の罵声が聞こえたので涙が引っ込んでしまった。

この声…料理長?普段は温厚で荒げた声なんて出さないのに…なっ何事なの?!

急いで食料室を向かい、着いて目にしたものは…


「!!」

顔を真っ赤にして、包丁を片手に持つ料理長と…

???「……ごめんなさい お腹が空いてて…
許して……」

ボロボロの服を着た青みかかった黒髪の少年が蹲っていた。

料理長が怒るのも無理がない。せっかく領主様達に用意した食事が、跡形もなくなり、皿だけになっていたから

領主様達の食事は高級食材を扱っているから、無駄にできない。

新しく食事を作っても、その分の経費がかかり、金にうるさい領主様は、経費を無駄にしたと、料理長にペナルティを与えるだろう。


でも……

「…………」

何故だか、少年を助けたくなってしまった。同じ人間だからかな…何か訳ありって感じだよね…

よく見ると少年の頬には殴られた跡がある
赤く腫れて痛そう…

……この少年を見ていると…昔、奴隷だった私の様で…

気付いたら、私は少年の前に出て、料理長に向かって頭を下げた。


「すみません 料理長…その子、私の従兄弟なんです ご迷惑お掛けしました。

食材については…
1週間ぐらい私の食事抜きという形でお許しいただけないでしょうか…

私の1週間の食事分の経費を今夜の領主様達の食事分にすれば、きっと領主様にバレない筈です」

???「………?!…(驚愕)」

料理長「……オーロラの従兄弟か…なら仕方ねーな…わかった1週間食事抜きでチャラにしてやる。餓鬼!オーロラに感謝しろよ」

「ありがとうございます!料理長」

ふんっ!!と言いながら、ドタドタと足音を立てて料理長は部屋を出て行った。


「……………」

料理長の足音が遠ざかったのを見計らって…

「…頬大丈夫?痛いよねごめんね 料理長が殴ったんだよね。怖かったね… 」

少年に声をかけて腫れた頬をハンカチでやさしく抑えた。

???「………だいしょうぶ 怖くない……」

この少年よく見ると…顔が異様に整い過ぎていて宝石の様な深緑色の瞳。

身なりに反して…
あまりにもその姿は美しくて…なんだか…人間じゃないみたい…なんて気にしすぎだよね。


???「………ありがとう……おねえちゃん…」

「気にしないで、まずはその頬を手当てしなきゃね 君、お名前は?」

ルクシ「……シ……ルクシ……」

「そっかルクシ君ね。あっ私はオーロラよ!よろしくね。じゃあ、さっそく頬の手当てをしよっか! ついてきて!」

ルクシ「……!……う…うん」


……少年の小さい手を引き、
手当ての為、自分の部屋へと向かった。

 


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「はぁ…なんで坊っちゃまは、私の事を毛嫌いしているんだろう…」
私はため息をつきながら、グラスを片手に持ち食料室前の洗い場へ向かう。
坊っちゃま以外にも、領主様も奥様も、私の事を毛嫌いしている。
救いなのは、ここの屋敷の働き手の人達の仲が良好な事…あと賃金と保証がしっかりしている事。
なんで?私が人間だから?
魔族より役に立たないから?
魔法なんてこれっぽっちも使えないし…力もない……
だから私を毛嫌いするの?
「……ぅぅ……」
なんだか悲しくなって、涙がポロポロと溢れた。
いけない、こんな姿を誰かに見られたら、
気を使わせてしまう。泣きやまないと…
涙を手を拭おうとした時、
料理長「このクソ餓鬼!食材を勝手に食いやがって!!」
「…………?!」
あまりにも大音量の罵声が聞こえたので涙が引っ込んでしまった。
この声…料理長?普段は温厚で荒げた声なんて出さないのに…なっ何事なの?!
急いで食料室を向かい、着いて目にしたものは…
「!!」
顔を真っ赤にして、包丁を片手に持つ料理長と…
???「……ごめんなさい お腹が空いてて…
許して……」
ボロボロの服を着た青みかかった黒髪の少年が蹲っていた。
料理長が怒るのも無理がない。せっかく領主様達に用意した食事が、跡形もなくなり、皿だけになっていたから
領主様達の食事は高級食材を扱っているから、無駄にできない。
新しく食事を作っても、その分の経費がかかり、金にうるさい領主様は、経費を無駄にしたと、料理長にペナルティを与えるだろう。
でも……
「…………」
何故だか、少年を助けたくなってしまった。同じ人間だからかな…何か訳ありって感じだよね…
よく見ると少年の頬には殴られた跡がある
赤く腫れて痛そう…
……この少年を見ていると…昔、奴隷だった私の様で…
気付いたら、私は少年の前に出て、料理長に向かって頭を下げた。
「すみません 料理長…その子、私の従兄弟なんです ご迷惑お掛けしました。
食材については…
1週間ぐらい私の食事抜きという形でお許しいただけないでしょうか…
私の1週間の食事分の経費を今夜の領主様達の食事分にすれば、きっと領主様にバレない筈です」
???「………?!…(驚愕)」
料理長「……オーロラの従兄弟か…なら仕方ねーな…わかった1週間食事抜きでチャラにしてやる。餓鬼!オーロラに感謝しろよ」
「ありがとうございます!料理長」
ふんっ!!と言いながら、ドタドタと足音を立てて料理長は部屋を出て行った。
「……………」
料理長の足音が遠ざかったのを見計らって…
「…頬大丈夫?痛いよねごめんね 料理長が殴ったんだよね。怖かったね… 」
少年に声をかけて腫れた頬をハンカチでやさしく抑えた。
???「………だいしょうぶ 怖くない……」
この少年よく見ると…顔が異様に整い過ぎていて宝石の様な深緑色の瞳。
身なりに反して…
あまりにもその姿は美しくて…なんだか…人間じゃないみたい…なんて気にしすぎだよね。
???「………ありがとう……おねえちゃん…」
「気にしないで、まずはその頬を手当てしなきゃね 君、お名前は?」
ルクシ「……シ……ルクシ……」
「そっかルクシ君ね。あっ私はオーロラよ!よろしくね。じゃあ、さっそく頬の手当てをしよっか! ついてきて!」
ルクシ「……!……う…うん」
……少年の小さい手を引き、
手当ての為、自分の部屋へと向かった。