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第24話 新たな幽霊

ー/ー



 聖斗くんが? 俺と? 同い年? だと……?
 いやいや、どう見ても小学生でしょ。身長は俺の胸元あたりしかないし、顔も幼い見た目だ。

「ほ、本当に俺と同い年なのか?」

『あー、僕幼い見た目だから疑っているのかもしれないけど、ちゃんと16歳だから。だから、別に呼び捨てで僕の名前を呼んでも良いんだよ? 僕も悠真くんのこと呼び捨てでも良いかな?』

「それは別に良いけど……」

『じゃあ……悠真、で良いかな?』

「お、おう……」

 俺が戸惑っている間に聖斗くん……聖斗が勝手に話を進めて行き、あっという間に親しい仲になったということになってしまっている。
 人は見かけによらずとか言うけど、これは流石にそんな言葉が通用しなさそうなくらい、聖斗は本当に幼い見た目だ。

「確認だけど、年齢を偽っているわけじゃないよな?」

『本当だってば! 確かにみんなから君本当に小学生なの? ってよく言われるけど、嘘じゃないからね!? 本当に16歳だから安心して!』

 何を安心すれば良いのかはよくわからないけど、彼の反応からして本当のことだと言うことは分かった。ということは、聖斗はメリーと同い年ってことか。
 ――――なんか同い年多くね? 年下とか、年上の幽霊とかいても良いと思うんだけど……。

「えっと……聖斗、で呼び方は良いのか?」

『うん、勿論だよ!』

「じゃあ聖斗はいつもここにいるのか?」

『そうだよ。僕はずっとここにいて遊んでいるんだ』

 公園でずっと遊んでいるって、マジで小学生みたいだな。それなら勘違いされても仕方ない気がした。
 聖斗は歩きながら、足が地面についたと同時に腕をパタッパタッと鳥の羽のように羽ばたかせながら向かったのは、そこは昔ジャングルジムがあった場所で、聖斗はその場所の地面を見つめた。

『僕ね、最近までちゃんとした高校生として生きていたんだ。悠真はそこら辺にジャングルジムがあったのは知ってる?』

「ああ、分かる。俺も覚えてる」

『懐かしいよね。僕は高校生になっても1人で公園で遊んでた。ここに来ている小さい子たちと一緒にね。ここにあったジャングルジムでもよく遊んだよ。悠真はここにあったジャングルジムがなくなった理由は知ってる?』

「子どもの安全のためじゃないのか?」

『勿論それも一理ある。でも、ここはもう1つあって……。実はね、僕のせいでもあるんだよ』

「聖斗のせいってどういうことだ?」

 俺はそう聞くと、聖斗は後ろに手を組んで、体は動かさず首だけ俺に向かって振り向いた。

『それはね……僕の転落事故なんだ』

「転落事故?」

『そう。僕は休日にいつも通りに公園で遊んでいたんだけど、うっかり手を滑らせてしまってね……。そして、運悪く僕はジャングルジムの内側に転がってしまって、体のあちこちの骨を折ってしまって即死だったんだ。それ以降、ここの自治体が今後事故が起きないようにってことで撤去したんだよ』

 ――――ん?

「えっと……聖斗はジャングルジムで小さい子たちと遊んでいたら、手を滑らせて落ちた。それでお亡くなりになったってこと……?」

『そうだよ?』

「――――そんなおかしな亡くなり方ある?」

『えっ!?』

「幼稚園とか保育園に通っていたりしているような子が転落して撤去されるならまだ分かるけど、高校生が転落して命を落としたから撤去されるなんて聞いたら笑い者にされるぞ」

『で、でも! 僕がこの転落事故が原因で子どもたちの遊び場がひとつなくしてしまったのは事実だし――――』

 聖斗は言い訳をしているようだけど、話と繋がっていないから俺は聞こうとも思わなかった。
 思い起こせば最近、自治体の回覧にそのことについての文面が書かれていたことがあった。
 それは偶然テーブルに置いてあったのをたまたま目に入ったから知ったことなんだけど、公園にあるジャングルジムが撤去することが決まったという内容が見出しに載っていた。
 その時は転落があったということだけで、特に詳しいことは書かれていなかったんだけど、学校でその事件の噂が流れていて、俺の耳に入った情報に俺は思わず『は?』ってなってしまった。
 それは俺の隣に群がる男子たちが話していたトークだった。

『俺の妹から面白い話聞いたんだけどさあ、俺の地元の公園にジャングルジムがあるんだけど、昨日転落した人がいたらしいのさ。その転落した人って普通小さい子だと思うじゃん? でも妹が言ってたのはさ……いつも遊んでくれるお兄ちゃんだって言ってたんだよ。その人、高校生だったんだってさ! あっははは!』

 って言う話を隣で聞いて、俺は吹き出してしまいそうになった。ちょうど弁当を食べていたときだったから思わず口から米が出そうになった記憶が鮮明に残っている。
 そんな馬鹿みたいな、嘘のようで嘘じゃない本当の話を作った張本人が俺の目の前にいることが驚きで仕方がない。

「――――子どもたちの夢を壊しちゃったな」

『――――っ!?』

 よっぽど俺の言葉に応えたのか、顔を青くし、胸を手で抑えて苦しそうにする。
 最初の登場は良かったのに……ジャングルジムの話で全てが台無しになった。
 聖斗は泣きそうな顔をしているけど、そんなの自業自得なんだから慰めるということはしない。俺は別にお人好しじゃなし、どちらかというと辛辣な人間だからな。

『べ、別にそこまで言うことないじゃんかあ……』

「そんな顔で言っても、悪いのは聖斗だということに変わりはないからな?」

『――――ぐす』

 ああ泣いちゃった……。さすがに追い打ちかけすぎたか?

『あれ? ゆーまくんが何故この時間に外にいるんですか?』

 どうしようかと考えていると、頭の上から聞き覚えがある声がした。
 上を向くと、そこには宙に浮いたメリーだった。
 メリーはすーっと降りてくると、そのまま地に足をついた。そして、メリーはいつも通りに実体化する。

「こんな時間に外に出歩くなんて、ゆーまくんも悪い人ですね」

「なんか今日は異様に眠れなくてさ。散歩がてらここに来たんだ」

「そういうことでしたか。どうですか? 初めての真夜中の世界は」

「うーん……何だか不思議な感じ? まるで別次元にいるみたいだ」

「その感じだと、ゆーまくんは夜の素晴らしさに気づいたんですね!? これからは学校サボって、メリーと一緒に……その……デートしません?」

「いや、それはやめておく」

「なんでですかあ!?」

 メリーは顔を赤くしながら俺の肩を掴んでグラグラと激しく揺らす。
 そんな事言われたって俺は学校サボりたくないし、ただでさえ陰キャな俺はちゃんと登校して授業に参加しないと何言われるかわからないし……。

『もしかして、悠真の隣にいるのって……』

「まだ自己紹介していませんでしたね。初めまして、メリーです」

 メリーは一歩前に出て、聖斗に向かって丁寧にお辞儀をした。
 メリーがちゃんとした挨拶なんて初めて見た。
 俺の場合、メリーと初めて会ってすぐキスされるというとんでもない始まりから出会ってるからなあ……。

「聖斗も怪談話で聞いたことあるだろ? 電話をかけてくる幽霊、あのメリーだ」

『う、うそ……。メリーさんって本当に存在したんだ……。でも、なんで悠真はそんなにメリーさんと仲が良いの?』

「それはですね……」

 そう言ってメリーは俺に近づくと、そのまま腕を絡ませた。
そして、ほんのり頬を赤くした。

「メリーはゆーまくんのこと、男の人として好きだからです」


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 聖斗くんが? 俺と? 同い年? だと……?
 いやいや、どう見ても小学生でしょ。身長は俺の胸元あたりしかないし、顔も幼い見た目だ。
「ほ、本当に俺と同い年なのか?」
『あー、僕幼い見た目だから疑っているのかもしれないけど、ちゃんと16歳だから。だから、別に呼び捨てで僕の名前を呼んでも良いんだよ? 僕も悠真くんのこと呼び捨てでも良いかな?』
「それは別に良いけど……」
『じゃあ……悠真、で良いかな?』
「お、おう……」
 俺が戸惑っている間に聖斗くん……聖斗が勝手に話を進めて行き、あっという間に親しい仲になったということになってしまっている。
 人は見かけによらずとか言うけど、これは流石にそんな言葉が通用しなさそうなくらい、聖斗は本当に幼い見た目だ。
「確認だけど、年齢を偽っているわけじゃないよな?」
『本当だってば! 確かにみんなから君本当に小学生なの? ってよく言われるけど、嘘じゃないからね!? 本当に16歳だから安心して!』
 何を安心すれば良いのかはよくわからないけど、彼の反応からして本当のことだと言うことは分かった。ということは、聖斗はメリーと同い年ってことか。
 ――――なんか同い年多くね? 年下とか、年上の幽霊とかいても良いと思うんだけど……。
「えっと……聖斗、で呼び方は良いのか?」
『うん、勿論だよ!』
「じゃあ聖斗はいつもここにいるのか?」
『そうだよ。僕はずっとここにいて遊んでいるんだ』
 公園でずっと遊んでいるって、マジで小学生みたいだな。それなら勘違いされても仕方ない気がした。
 聖斗は歩きながら、足が地面についたと同時に腕をパタッパタッと鳥の羽のように羽ばたかせながら向かったのは、そこは昔ジャングルジムがあった場所で、聖斗はその場所の地面を見つめた。
『僕ね、最近までちゃんとした高校生として生きていたんだ。悠真はそこら辺にジャングルジムがあったのは知ってる?』
「ああ、分かる。俺も覚えてる」
『懐かしいよね。僕は高校生になっても1人で公園で遊んでた。ここに来ている小さい子たちと一緒にね。ここにあったジャングルジムでもよく遊んだよ。悠真はここにあったジャングルジムがなくなった理由は知ってる?』
「子どもの安全のためじゃないのか?」
『勿論それも一理ある。でも、ここはもう1つあって……。実はね、僕のせいでもあるんだよ』
「聖斗のせいってどういうことだ?」
 俺はそう聞くと、聖斗は後ろに手を組んで、体は動かさず首だけ俺に向かって振り向いた。
『それはね……僕の転落事故なんだ』
「転落事故?」
『そう。僕は休日にいつも通りに公園で遊んでいたんだけど、うっかり手を滑らせてしまってね……。そして、運悪く僕はジャングルジムの内側に転がってしまって、体のあちこちの骨を折ってしまって即死だったんだ。それ以降、ここの自治体が今後事故が起きないようにってことで撤去したんだよ』
 ――――ん?
「えっと……聖斗はジャングルジムで小さい子たちと遊んでいたら、手を滑らせて落ちた。それでお亡くなりになったってこと……?」
『そうだよ?』
「――――そんなおかしな亡くなり方ある?」
『えっ!?』
「幼稚園とか保育園に通っていたりしているような子が転落して撤去されるならまだ分かるけど、高校生が転落して命を落としたから撤去されるなんて聞いたら笑い者にされるぞ」
『で、でも! 僕がこの転落事故が原因で子どもたちの遊び場がひとつなくしてしまったのは事実だし――――』
 聖斗は言い訳をしているようだけど、話と繋がっていないから俺は聞こうとも思わなかった。
 思い起こせば最近、自治体の回覧にそのことについての文面が書かれていたことがあった。
 それは偶然テーブルに置いてあったのをたまたま目に入ったから知ったことなんだけど、公園にあるジャングルジムが撤去することが決まったという内容が見出しに載っていた。
 その時は転落があったということだけで、特に詳しいことは書かれていなかったんだけど、学校でその事件の噂が流れていて、俺の耳に入った情報に俺は思わず『は?』ってなってしまった。
 それは俺の隣に群がる男子たちが話していたトークだった。
『俺の妹から面白い話聞いたんだけどさあ、俺の地元の公園にジャングルジムがあるんだけど、昨日転落した人がいたらしいのさ。その転落した人って普通小さい子だと思うじゃん? でも妹が言ってたのはさ……いつも遊んでくれるお兄ちゃんだって言ってたんだよ。その人、高校生だったんだってさ! あっははは!』
 って言う話を隣で聞いて、俺は吹き出してしまいそうになった。ちょうど弁当を食べていたときだったから思わず口から米が出そうになった記憶が鮮明に残っている。
 そんな馬鹿みたいな、嘘のようで嘘じゃない本当の話を作った張本人が俺の目の前にいることが驚きで仕方がない。
「――――子どもたちの夢を壊しちゃったな」
『――――っ!?』
 よっぽど俺の言葉に応えたのか、顔を青くし、胸を手で抑えて苦しそうにする。
 最初の登場は良かったのに……ジャングルジムの話で全てが台無しになった。
 聖斗は泣きそうな顔をしているけど、そんなの自業自得なんだから慰めるということはしない。俺は別にお人好しじゃなし、どちらかというと辛辣な人間だからな。
『べ、別にそこまで言うことないじゃんかあ……』
「そんな顔で言っても、悪いのは聖斗だということに変わりはないからな?」
『――――ぐす』
 ああ泣いちゃった……。さすがに追い打ちかけすぎたか?
『あれ? ゆーまくんが何故この時間に外にいるんですか?』
 どうしようかと考えていると、頭の上から聞き覚えがある声がした。
 上を向くと、そこには宙に浮いたメリーだった。
 メリーはすーっと降りてくると、そのまま地に足をついた。そして、メリーはいつも通りに実体化する。
「こんな時間に外に出歩くなんて、ゆーまくんも悪い人ですね」
「なんか今日は異様に眠れなくてさ。散歩がてらここに来たんだ」
「そういうことでしたか。どうですか? 初めての真夜中の世界は」
「うーん……何だか不思議な感じ? まるで別次元にいるみたいだ」
「その感じだと、ゆーまくんは夜の素晴らしさに気づいたんですね!? これからは学校サボって、メリーと一緒に……その……デートしません?」
「いや、それはやめておく」
「なんでですかあ!?」
 メリーは顔を赤くしながら俺の肩を掴んでグラグラと激しく揺らす。
 そんな事言われたって俺は学校サボりたくないし、ただでさえ陰キャな俺はちゃんと登校して授業に参加しないと何言われるかわからないし……。
『もしかして、悠真の隣にいるのって……』
「まだ自己紹介していませんでしたね。初めまして、メリーです」
 メリーは一歩前に出て、聖斗に向かって丁寧にお辞儀をした。
 メリーがちゃんとした挨拶なんて初めて見た。
 俺の場合、メリーと初めて会ってすぐキスされるというとんでもない始まりから出会ってるからなあ……。
「聖斗も怪談話で聞いたことあるだろ? 電話をかけてくる幽霊、あのメリーだ」
『う、うそ……。メリーさんって本当に存在したんだ……。でも、なんで悠真はそんなにメリーさんと仲が良いの?』
「それはですね……」
 そう言ってメリーは俺に近づくと、そのまま腕を絡ませた。
そして、ほんのり頬を赤くした。
「メリーはゆーまくんのこと、男の人として好きだからです」