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手料理

ー/ー



「起きていますか?」

 部屋をノックしながら声が聞こえる。チフリの声だ。

「あ? あぁ、起きたよ」

 上半身を起こし、シュンはうーんと伸びをする。

 部屋のドアを開けると、黒髪をまとめたチフリが立っていた。

「ユキミ先輩が夕食の準備をしてくれたようです」

 その言葉にシュンは心が躍る。

「お、ユキミさんの手料理が食えるってワケか、楽しみだな」

 そう言って二人で居間に向かった。

「あ、シュン。おはよう……」

「いやー、疲れて寝ちまいました。年は取りたくないねぇ」

 水色のエプロン姿のユキミを見て、いいなぁと見つめるシュン。

「それじゃ、私が作ったから食べろ」

「お、ありがたいね! いただきやすか」

 サキタマは席に座って上機嫌でいた。

 その隣にシュンも座る。チフリは対面に座った。

「それじゃ、これ」

 トレイに乗せられたのは、コメと焼き魚。ミソスープにほうれん草のおひたしだ。

 シュンは目の前に置かれた食事を見て素直な感想を述べた。

「おぉ、美味しそうだな!」

「ワシは食べるのじゃ!」

 皆に食事が行き渡る前に、ハシを持ってサキタマは食べ始めてしまった。

「うまい、うまいのう!」

 シュンは思わずツッコミを入れる。

「おまっ、皆が揃ってから食えよ! 待てができない犬か!」

「ワシは狐じゃ!!」

 そんなやり取りをユキミは軽く笑顔で見ていた。

「楽しいな」

 シュンは、笑顔が増えたユキミを見て、温かな目をする。

「まぁいいや、たべましょうかい」

 全員でいただきますと言って食べ始めた。

 ユキミはハシを使い、シュンはフォーク、チフリも出身を隠す為か何食わぬ顔でフォークを使う。

 シュンはミソスープから手を付ける。

 すっかりこの地域でも見られるようになったトーフとネギ、わかめが入っていた。

「うん、美味いな。このミソスープ」

 出汁が丁寧に取られており、コクと旨味が効いている。

 焼き魚も軽く塩が振られており、そこにショーユを掛けて食べるみたいだ。

「うん、美味い!」

 魚を食べた後に、ほうれん草のおひたしを食べる。

 こちらも湯で加減が良い。

 最後にコメだ。炊き立てのふわりと甘い香り。

「うーん。全部美味いな! ユキミさん料理も得意だったんだな!」

「う、うん。まぁ、旅する時にって習った……」

「ユキミさんらしい優しい味付けだよ。ありがとうな!」

 シュンに言われ、照れるユキミ。

 チフリは黙々と食べ、サキタマはがっついていた。

「おかわりは、おかわりは無いのか!?」

「あるぞ」

 ユキミはコメとミソスープをサキタマによそってやった。

 そこでしみじみとシュンは言う。

「なんつーか、仲間の作った料理を、仲間と一緒に食べるのは本当に久しぶりだな」

「シュンは、私との前にパーティを組まなかったのか?」

「そりゃ昔は組んでましたが、実力差が開いてくると、どうしても。ね?」

 シュンは珍しく寂しそうな顔をし、ユキミは慌てて言う。

「私達はもうパーティだ!」

 思わずジーンとしてしまうが、シュンはこう返した。

「いや、ユキミさんは俺よりももっと強い奴と組んだ方が良い。冒険者に慣れたらな!」

 その言葉にユキミは暗い顔をする。

「やっぱり私じゃ嫌か? ダメか?」



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「起きていますか?」
 部屋をノックしながら声が聞こえる。チフリの声だ。
「あ? あぁ、起きたよ」
 上半身を起こし、シュンはうーんと伸びをする。
 部屋のドアを開けると、黒髪をまとめたチフリが立っていた。
「ユキミ先輩が夕食の準備をしてくれたようです」
 その言葉にシュンは心が躍る。
「お、ユキミさんの手料理が食えるってワケか、楽しみだな」
 そう言って二人で居間に向かった。
「あ、シュン。おはよう……」
「いやー、疲れて寝ちまいました。年は取りたくないねぇ」
 水色のエプロン姿のユキミを見て、いいなぁと見つめるシュン。
「それじゃ、私が作ったから食べろ」
「お、ありがたいね! いただきやすか」
 サキタマは席に座って上機嫌でいた。
 その隣にシュンも座る。チフリは対面に座った。
「それじゃ、これ」
 トレイに乗せられたのは、コメと焼き魚。ミソスープにほうれん草のおひたしだ。
 シュンは目の前に置かれた食事を見て素直な感想を述べた。
「おぉ、美味しそうだな!」
「ワシは食べるのじゃ!」
 皆に食事が行き渡る前に、ハシを持ってサキタマは食べ始めてしまった。
「うまい、うまいのう!」
 シュンは思わずツッコミを入れる。
「おまっ、皆が揃ってから食えよ! 待てができない犬か!」
「ワシは狐じゃ!!」
 そんなやり取りをユキミは軽く笑顔で見ていた。
「楽しいな」
 シュンは、笑顔が増えたユキミを見て、温かな目をする。
「まぁいいや、たべましょうかい」
 全員でいただきますと言って食べ始めた。
 ユキミはハシを使い、シュンはフォーク、チフリも出身を隠す為か何食わぬ顔でフォークを使う。
 シュンはミソスープから手を付ける。
 すっかりこの地域でも見られるようになったトーフとネギ、わかめが入っていた。
「うん、美味いな。このミソスープ」
 出汁が丁寧に取られており、コクと旨味が効いている。
 焼き魚も軽く塩が振られており、そこにショーユを掛けて食べるみたいだ。
「うん、美味い!」
 魚を食べた後に、ほうれん草のおひたしを食べる。
 こちらも湯で加減が良い。
 最後にコメだ。炊き立てのふわりと甘い香り。
「うーん。全部美味いな! ユキミさん料理も得意だったんだな!」
「う、うん。まぁ、旅する時にって習った……」
「ユキミさんらしい優しい味付けだよ。ありがとうな!」
 シュンに言われ、照れるユキミ。
 チフリは黙々と食べ、サキタマはがっついていた。
「おかわりは、おかわりは無いのか!?」
「あるぞ」
 ユキミはコメとミソスープをサキタマによそってやった。
 そこでしみじみとシュンは言う。
「なんつーか、仲間の作った料理を、仲間と一緒に食べるのは本当に久しぶりだな」
「シュンは、私との前にパーティを組まなかったのか?」
「そりゃ昔は組んでましたが、実力差が開いてくると、どうしても。ね?」
 シュンは珍しく寂しそうな顔をし、ユキミは慌てて言う。
「私達はもうパーティだ!」
 思わずジーンとしてしまうが、シュンはこう返した。
「いや、ユキミさんは俺よりももっと強い奴と組んだ方が良い。冒険者に慣れたらな!」
 その言葉にユキミは暗い顔をする。
「やっぱり私じゃ嫌か? ダメか?」