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サキタマ

ー/ー



 ユキミは慌てるシュンを見て言った。

「シュン。お前は、その、や、優しいんだな」

「ん? あぁ、相手は子供ですしね」

 その言葉をチフリは訂正する。

「子供と言いますが、300年は生きていますがね」

「まぁまぁ、そこはスルーの方向で……」

 シュンは苦笑いしながら、ユキミに話しかけた。

「ユキミさんだって、(わめ)いていたソイツの頭撫でてあやしてやったろ? 優しいよな」 

 言われてユキミは赤面する。

「なっ、や、優しいって……」

 少し笑ってシュンは立ち上がった。

「さて、野営と飯の準備だ!」

 うーんと伸びをした後、シュンはユキミとチフリに尋ねる。

「お二人とも、料理とテント作り、どっちが良い?」

 聞かれ、ユキミは申し訳なさそうに俯く。

「私、どちらもしたこと無くてな……」

「そっかー。チフリさんはどっちか出来るか?」

「どちらも」

 しばらく悩んでシュンは言った。

「そうだな、それじゃ料理を任せた。かわいい子の作った料理を食べたいしな!」

 チフリはその言葉に、ジト目で答える。

「セクハラですよシュン先輩、気持ちわるい」

「んなー! 言われちゃったかぁ」

 大袈裟にリアクションした後、シュンはユキミに尋ねた。

「それで、ユキミさんはテント作りと飯作り、どっちを覚えたい?」

 聞かれて、ユキミは髪の先をくるくるといじりながら答える。

「りょ、料理が! 良い……かな……」

「そうか、それじゃチフリさんユキミさんを頼んだぞ。肉のスープを作る材料が入っている」

 カバンを渡してシュンは言った。頷くチフリとユキミ。

 シュンは二人用の簡易的なテントを設営し始めた。

 元より自分は警戒の為に外で寝るつもりだったので、寝床はユキミとチフリの分だけあれば十分だ。

 温かい時期なので毛布があれば寒さも怖くない。

 その毛布の上で寝かせている狐神のサキタマは不用心に眠っていた。

 テントも設営し終わり、飯もできた頃だろうと、シュンはサキタマを起こす。

「ほら、起きろちんちくりん」

「ん……。んああぁぁ……」

 サキタマは寝ぼけたままだが、上半身を起こす。

「飯、出来たぞ」

「なっ、飯か!?」

 一気に目が覚め、立ち上がるサキタマ。

「お前、食い意地張りすぎな……」

 少し離れたユキミたちの元へ向かうシュン。

 近付くにつれ、美味そうな匂いが漂ってきた。

 シュンは鍋の横にドカッと座る。

「おぉ、美味そうだな!」

「どうも」

 相変わらずの対応をするチフリであったが、ユキミは何だか申し訳なさそうにしていた。

「わ、私も手伝ったから、味が変でなければいい……が」

「いえいえ、ユキミさんが作ったってだけで価値アリ! ですよ」

「先輩、それセクハラですよ」

「そっかそっか、今の世は冒険者も息苦しくていけねぇや!」

 ハハハと笑ってシュンは食器を差し出した。

 その時になり、あっとシュンが気付いてしまう。

「そーだ、三人分しか皿が無かったわ」

 チフリはすかさずサキタマに言った。

「そうですか、ごめんなさいね。あなたはご飯抜き」

 ごはん抜きと言われ、サキタマはぷんぷん怒り出した。

「なんでそうなるのじゃ!! 神に敬意を持つのじゃ!!」

 しょうがねぇなぁとシュンは食器をサキタマに貸してやる。

「俺は後でスープを食べるから。先に食え」

 するとユキミが慌てだした。

「そ、それなら私が後で……」

「いや、いいんだユキミさん。俺にはこれもあるしな!」

 酒を取り出してシュンは一口飲んだ。

「良い心がけじゃな。ワシの手下にしてやろう」

 サキタマが調子に乗るが、シュンは軽く流す。

「はいはい、さっさと食え」


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 ユキミは慌てるシュンを見て言った。
「シュン。お前は、その、や、優しいんだな」
「ん? あぁ、相手は子供ですしね」
 その言葉をチフリは訂正する。
「子供と言いますが、300年は生きていますがね」
「まぁまぁ、そこはスルーの方向で……」
 シュンは苦笑いしながら、ユキミに話しかけた。
「ユキミさんだって、|喚《わめ》いていたソイツの頭撫でてあやしてやったろ? 優しいよな」 
 言われてユキミは赤面する。
「なっ、や、優しいって……」
 少し笑ってシュンは立ち上がった。
「さて、野営と飯の準備だ!」
 うーんと伸びをした後、シュンはユキミとチフリに尋ねる。
「お二人とも、料理とテント作り、どっちが良い?」
 聞かれ、ユキミは申し訳なさそうに俯く。
「私、どちらもしたこと無くてな……」
「そっかー。チフリさんはどっちか出来るか?」
「どちらも」
 しばらく悩んでシュンは言った。
「そうだな、それじゃ料理を任せた。かわいい子の作った料理を食べたいしな!」
 チフリはその言葉に、ジト目で答える。
「セクハラですよシュン先輩、気持ちわるい」
「んなー! 言われちゃったかぁ」
 大袈裟にリアクションした後、シュンはユキミに尋ねた。
「それで、ユキミさんはテント作りと飯作り、どっちを覚えたい?」
 聞かれて、ユキミは髪の先をくるくるといじりながら答える。
「りょ、料理が! 良い……かな……」
「そうか、それじゃチフリさんユキミさんを頼んだぞ。肉のスープを作る材料が入っている」
 カバンを渡してシュンは言った。頷くチフリとユキミ。
 シュンは二人用の簡易的なテントを設営し始めた。
 元より自分は警戒の為に外で寝るつもりだったので、寝床はユキミとチフリの分だけあれば十分だ。
 温かい時期なので毛布があれば寒さも怖くない。
 その毛布の上で寝かせている狐神のサキタマは不用心に眠っていた。
 テントも設営し終わり、飯もできた頃だろうと、シュンはサキタマを起こす。
「ほら、起きろちんちくりん」
「ん……。んああぁぁ……」
 サキタマは寝ぼけたままだが、上半身を起こす。
「飯、出来たぞ」
「なっ、飯か!?」
 一気に目が覚め、立ち上がるサキタマ。
「お前、食い意地張りすぎな……」
 少し離れたユキミたちの元へ向かうシュン。
 近付くにつれ、美味そうな匂いが漂ってきた。
 シュンは鍋の横にドカッと座る。
「おぉ、美味そうだな!」
「どうも」
 相変わらずの対応をするチフリであったが、ユキミは何だか申し訳なさそうにしていた。
「わ、私も手伝ったから、味が変でなければいい……が」
「いえいえ、ユキミさんが作ったってだけで価値アリ! ですよ」
「先輩、それセクハラですよ」
「そっかそっか、今の世は冒険者も息苦しくていけねぇや!」
 ハハハと笑ってシュンは食器を差し出した。
 その時になり、あっとシュンが気付いてしまう。
「そーだ、三人分しか皿が無かったわ」
 チフリはすかさずサキタマに言った。
「そうですか、ごめんなさいね。あなたはご飯抜き」
 ごはん抜きと言われ、サキタマはぷんぷん怒り出した。
「なんでそうなるのじゃ!! 神に敬意を持つのじゃ!!」
 しょうがねぇなぁとシュンは食器をサキタマに貸してやる。
「俺は後でスープを食べるから。先に食え」
 するとユキミが慌てだした。
「そ、それなら私が後で……」
「いや、いいんだユキミさん。俺にはこれもあるしな!」
 酒を取り出してシュンは一口飲んだ。
「良い心がけじゃな。ワシの手下にしてやろう」
 サキタマが調子に乗るが、シュンは軽く流す。
「はいはい、さっさと食え」